白の魔女の追憶<本編完結>   作:白花 頼羅

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※今更ですが、ザンザス様のキャラが迷子です。

マリアに程よくデレさせつつ暴君っぷりを発揮させるのが難しかったです。

あと皆さんおなじみの鮫さんがちょこっと出てきます。


Reminiscenza-06 “暴君”は“白の魔女"を送り出す。

side:ザンザス

 

チビマリアが休暇でいない時。たまたま資料室の鍵が開いていた。

 

そこでオレは知ってしまった。

 

自分がボンゴレ10代目になることは不可能だと。

アイツがなぜ候補から外れたのかを。

 

…本当は、覚えていた。

本当の父親の存在を。顔までは思い出せないが、少なくとも9代目(ジジィ)ではなかったと。

 

だけど、アイツは黙っていた。

 

オレを騙し、10代目になれるなんていう無駄な幻想を抱かせた。

それが一番許せないが。

 

……アイツに、嘘をつかせたのも気にくわない。

絶対にマリアは真実を知っていたハズだ。

それでもオレをボスとして見ていた。

死にかけたのは、無力だった偽りの王者(オレ)のためだった。

 

……。

決めた。

 

オレは…ジジィを踏み台にする。

今のボンゴレのぬるい流れを断ち切り、マフィアらしいマフィアに叩き直す。

かつて、2代目がしたように。

血反吐吐こうが、全身の血管が弾け飛ぼうが知ったことじゃない。

 

オレは…暴君として裏社会の頂点に立つ。

 

アイツの献身を無駄にはしない。

……性に合わないが、これが最初で最後の償いというやつだ。

 

だから、アイツはヴァリアーから切り捨てる(離す)

ヴァリアーは一時的に反逆者となるからな。

 

……せめて家族のいる部署に異動させてやる。感謝しろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side:マリア

「9代目!これはどういうことですか!」

「…それは私がが聞きたいよ。

ザンザスの方から言い出したんだ。」

「ザンザス様が…ですか?」

私はイタリアへ帰ってきてから速攻で9代目の元へ向かった。

だって、異動とか急すぎる。

もしかして、私が何かやらかした?

 

………………………………………………………………………………心当たりしかない。

 

「……猶予はある。ちゃんとザンザスと話をしてきなさい。」

「……一応聞きますけど、拒否権は?」

「ないよ。残念ながらね。」

「…はい。」

 

そっか…。

 

……とりあえず、切り替えていこう。

やることは山積みなんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マジか。お前クビになったの?」

「…随分急ね。隊長。」

最初に会ったのはディミトリアスさんとシュワルさん。なんというか、珍しい組み合わせだ。

「あの剣術バカがボスをやめたと思ったら御子息がその座について、速攻でお気に入りの貴女をヴァリアーから追い出すなんて。……何を考えているのかしら。」

「おいクロ…年バレるぞ?」

「……延々と腕が切り飛ばされる幻術と、触手に凌辱される幻術。どちらがお好み?」

「スミマセンデシタ。」

「……えっと、ザンザス様は今どちらに?」

なんか10歳に満たない子どもが聞いちゃいけないような単語が聞こえたけど気のせいダヨネ?

「おー、御子息なら執務室に閉じこもってるぜ?

時々俺の弟分と喧嘩してんの見かけるけど。」

「…?誰です?」

「スペルビ・スクアーロ。剣術バカを引退させた張本人よ。…あれは喧嘩じゃなくて一方的にやられてるっていうヤツだと思うけど。」

スクアーロ…鮫さんですか。

とにかく、場所はわかったから行ってみよう。

「2人ともありがとうございます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

執務室前に到着しました。

ノックをして、

「ザンザス様。マリアです!入りま…」

 

がっしゃーん。

 

…今、目の前で起きたことを整理すると、

 

・執務室のドアが木っ端微塵。

 

・銀髪の人が吹っ飛んで来る。

 

・押しつぶされ…いや、押し倒された?

 

「何しやがるんだボス?!」

「ムカつく気配がしたからだ。」

「はぁ?!」

 

耳が痛い。頭がくらくらする。

銀髪の人、声大きすぎです。

 

「……おい。カスザメ。今すぐそこからどけ。」

「あ…?」

「すいません今すぐどいてくださいというかどいてくれないと私まで巻き添えくいます。」

 

やばい。ザンザス様が憤怒の炎出してる!

銀髪の人からは見えてないみたいだけど!

…巻き添えでカッ消されるのは御免なので、こちらも超死ぬ気モードになる。

 

「ふっ。」

「ごはっ?!

何しやがるこのクソガk…」

 

なんとか銀髪を蹴り飛ばして右に緊急回避。

直後、拳銃で撃ち出された憤怒の炎が私たちのいた場所を通り過ぎる。

 

……わぁ、随分開放的な()が開きましたね。

 

「……。ザンザス様。いくらなんでも憤怒の炎はやり過ぎです。

それと…これが本題ですが。

今のヴァリアーにあなたの行動をフォローできる部下は私以外いないと思われますが?

どうして異動命令を?」

「…お前がヴァリアーに相応しくなくなった。

それだけだ。」

「ゔぉおおおおい?!オレは無視、がっ?!」

今度はオブジェと化していた灰皿が銀髪さんの後頭部に直撃して、彼は気絶した。

「……フォローならコイツができる。」

私以外にザンザス様をデレさせた…?!

この銀髪さん何者なんだ…?

ディミトリアスさんの証言からして、この人が弟分さんなんだろう。

……あの人の惚気話を聞く限り、剣術が絡まなきゃ常識人なんだっけ?

 

……私を客観的に見ても、ヴァリアーには珍しい常識人タイプ。

 

「……人材については納得します。」

 

………それでも。

どうして…。

 

「私が貴方(ヴァリアー)に相応しくないと仰るのですか?

ザンザス様、この2週間で何が起きたというのですか。…今日の貴方は変です!」

 

確かにザンザス様は暴君と言える程度には言動が乱暴だけど、人を見る目は確かだし、認めた部下は側に置いておく人だ。

 

私だって認められて側に置かれていた一人。

 

あの時、初めて重症を負ったときよりも私はずっと強くなった。

そのことは、ザンザス様だって気づいているはずだ。

 

「…お前は、切り捨てる覚悟があるのか?

……平和ボケしたファミリーの人間を?」

「…………え?」

 

ザンザス様、いま、何て?

 

「オレは9代目に反逆する。…止めようとしても無駄だ。」

 

……なるほど。

 

大体察した。

 

「ザンザス様。家系図を見ましたね?」

「やはり、知っていたか。」

「ですがあれはにs…「本物だ。」いや、本物ではあるのですが…古いもので…!」

 

ザンザス様は改定前の家系図を見てしまったのだ。

だから、まだ知らない。

 

自分が薄っすらとはいえ2代目の血を引いていると。

 

「ザンザス様は本当にボンゴレの血を継いで…がぁっ?!」

「黙れ。…これ以上嘘を重ねなくてもいい。」

 

ボキリ、と左腕が折られた。

今の体勢からすると、距離を詰めたザンザス様の右手の握力で折られたらしい。

 

「ざんざす、さま…っ!」

痛い痛い痛い…痛いっ!これじゃあ、異動までにできることは引き継ぎ作業ぐらいだ。

「わたし、は…、貴方の槍でいさせてもらえないのですか?」

?」

ザンザス様は、ずっと黙っている。

 

9代目に反逆するということは…正直、ザンザス様の陣営が潰されると思う。

9代目は衰えるどころかまだ強くなり続けていて、裏社会を穏健派のまま乗り越えて来ているの“狸っぷり”と抑止力は伊達じゃない。

 

だから、一度別れてしまえば二度とザンザス様に会えなくなるだろう。

 

「…ごはっ!」

今度はナイフが腹に突き刺さる。

これで引き継ぎ業務すらできない重症に。

 

この後すぐに、ボンゴレ本部の医療施設入院コースが確定した。

 

意識が出血とともにじわじわ遠のいていく。

どうせ二度と会えないのなら、いっそ。

 

最近自覚したばかりの気持ちを伝えよう。

 

たくさん言いたいことがあるけど。

言うのはたった一言。

 

「…大好きでした。ザンザス様。」

「……。」

 

出会いはあまり良くなかったし、たくさん意地悪されました。

暴力が飛んでくるのはしょっちゅうでした。

でも、私だけ名前で呼んでくれるのと、ごくごく稀に甘やかしてくれるところが大好きでした。

 

…いや、きっとこの先もずっと、

 

貴方のことを愛し続けると思います。

 

意識が完全に真っ暗になる直前。

唇に温かくて柔らかいものが触れた気がした。

 




このシリーズの本編(ヴァリアー時代編)は次で終わります。

設定
・鮫さんことスクアーロさん(12)が原作より早くヴァリアーに入隊してます。(マフィアスクールの学生優先の雑用係としてですが。)

・この話の約2年後、原作通りに“ゆりかご事件(REBORNの方)”が起きて、ザンザス様は9代目に封印され、ヴァリアーも鎮圧されます。

あとは雲隊の人たちの番外編とか別シリーズで魔法少年ちびツナ(まぁほのぼの)とか年齢不詳(ガチ)な雲雀さんの話とか書きたいですね。
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