(この話には出てきませんが)
XANXUS様お誕生日おめでとうございます…!!!
「…………。」
目覚めてすぐに私は絶望した。
ザンザス様の所に直談判しに行ってから1ヶ月以上も眠り続けていたからだ。
つまり、私はもうヴァリアー所属じゃない。
…よっぽどのことがない限り、ザンザス様には会えない。
「ちゃおっすマリア。」
「……。リボーン。」
「……随分と懐かしい面してるな。」
「…自覚はある。」
……私がボンゴレに保護されたばかりの頃。
目は死んでいて、無表情。
…表情を形作る全てか凍りついてしまったような感覚。
あのときは肉親を全て失ったショックから。
今は…。
「普通のガキらしさが出てきたと思ったら、もう階段を登ったか。」
「……。そう、かな。」
ああ。やっぱり百戦錬磨の私の先生はお見通しだった。
私はザンザス様に捨てられた。
想いを一度言葉にしてしまったせいか、余計に切ない。
側にいたかった。
ただ、あの人を守りたかった。
もう一度だけでいい。
あの不器用な手つきでなでてほしかった。
勝手に淡い思いを抱いて、言葉にして、返事も貰えないまま私は眠って…今に至る。
「…いまでも、大好きなの。言葉にしてしてしまったから、もう、気持ちがあふれて止まらないの。」
好きで、大好きで、愛しくて。
普通の9歳児なら抱えることはないだろう膨れ上がった感情。
抑える術は目の前の家庭教師様から教わったはずなのに。
「っ…!」
胸が苦しくて、涙が止まらない。
「…まったく。他の気持ちが原因ならねっちょりお仕置きするところだぞ。」
リボーンが私にタオルを差し出す。
後ろを見ると、バスタオルが山積みになっている。
…こうなると見越していたのかな。
「…家光はあと6時間は来ない。今のうちに泣いとけ。」
「ありがと…。」
それから私は4時間静かに泣き続けた。
父さんが来る頃には目元の赤みも引いて、何事もなく門外顧問の部署にたどり着いた。
そして、新しい職場で働きつつ、実家に時々帰りながら日々を過ごし早10年。
身も心も随分大人になった。
父さんから妙な日本語を教えられた弟分も鍛えがいがあって楽しい。
弟のツナはなぜか卑屈な常識人に育っちゃったけど、リボーンがボンゴレ10代目にするためにビシバシ指導してるところを見て過酷な幼少期を思い出したり。
ヴァリアーにいた頃よりは少し穏やかな日々だった。
だけど、一番愛しい人が足りない日々。
ザンザス様を愛する気持ちは変わらなくて。
今日も空を見上げて思い出す。
個性豊かな暗殺者たちと、愛しいボスとの短い日々を。
そして、ザンザス様への想いを確かめる。
〜白の魔女の追憶 ヴァリアー時代 Fin.〜
話数は少ないですが、なんとか完結できました。
なんか打ち切り漫画みたいな終わり方ですみません。
書きたい話とか補完しなきゃいけない設定の風呂敷を広げすぎたせいです。
番外編を書くか、新シリーズを始めるか。
どちらにせよ、ある程度書きためてから始めるので気長にお待ちください。
ご愛読ありがとうございました!