さて、車にひかれたあとどうなったのかな?
では行こう
side春
2日前、望月くんが車にひかれた。歩道を歩いてる小さな女の子を庇って。女の子は無事だった。反対に望月くんは大怪我を負い、意識不明の状態だ。医者は
「かわし方がうまかったのか、脳や上半身には目立ったがありませんね。……ですが、下半身がほぼやられてますね。今じゃ立つことも危ういでしょうね。陸上競技はもう諦めた方がいいでしょう。」
そう宣告された。陸上競技はやめた方がいいなんて、聞いたら望月くんはどうなるんだろ……。嫌なことは考えないようにしなきゃ、そうだよ。こんな時こそ私がしっかりしなきゃ………いけないのに……。
「………起きたら病院ってマジかよ。人生こんなこともあるもんだな」
「も、望月くん!」
「なあ、小野寺。俺は今どういう状況なんだ?身体が動かないんだが……」
「そ、それは……」
「私から説明しよう。初めまして望月くん。私は医者だ。」
「どうも」
「君は、もう陸上競技をできないと考えた方がいい。君の体は車にひかれたためボロボロだ。」
「……そうですか。」
「ただ、君次第いや体とリハビリで完全復活とは言わないが、復活することはできる。時間はかかるけどね。どうするかは君に任せるよ。リハビリ室は時間内ならいつでも使っていいから。」
side無し
「ねえ、なんであんな無茶したの?」
「……なんでだろうな。身体が勝手に動いたんだ。結果、自分が最悪の事態になったけどな。女の子はどうなったんだ?」
「無事だったよ。無傷。凄く感謝と謝罪されたよ。起きたら連絡してもらえますか?だって。」
「わかった。そうするよ。」
「これからどうするの?」
「……少し考えさせてくれ」
「わかった。今日はどうしても家の仕事の手伝いしなきゃいけないから帰るね。」
「おう、じゃあな」
(なんで俺ってこんな大事な時期とその前って悪いことばかり起きるんだ。高校は、高校こそはって………、県でも1位とって、それに小野寺と付き合えて……。神様からの天罰か?だったら酷いもんだな……あの時とは違って、やりたくてもできない……、はぁ)
「やっほーヒナちゃん」
そこには優香と颯人と風さんの姿があった。
「きてくれたのか。嬉しいよ」
「んで、どうなのよ。身体の方は。」
「それがビクともしなくてさ……笑」
「そうなんだ……、全く、車なんかに突っ込むからだよ」
「突っ込んじゃいねえよ、人を助けたんだよ。」
「まあ、その優しさが1人の命を救ったんだだから。いいんじゃないか」
「そういや、春は?」
「小野寺なら、家の手伝いとかで先に帰ったが。」
「そうなんだ」
「まあ、今日はここまでにして、もう帰りましょ?ヒナちゃんも考える時間必要でしょ?」
「すまないな、心配させて」
「いいってことよ!んじゃあな」
「私、春のところ行ってくる!」
「は? 風ちゃん?おい!」
「行っちゃったねー。どうする?」
「……ここは風ちゃんに任せよう。今、この中で小野寺の心をどうにかできるのは風ちゃんだけだ。」
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ピンポーン
「はーい、あ、風ちゃん!こんばんわ。」
「こんばんわ、小咲先輩。春はいますか?」
「それが……最近、家に帰ってから学校の時以外部屋から出ないの。理由知ってる?」
(大好きなお姉ちゃんにも話してないなんて……)
「実は、望月くんが事故にあって……今日まで意識なかったんですよ」
「え!?そうなの!?……だからずっと部屋で泣いてるんだ。」
「あの、上がっていいですか?」
「どうぞ」
小咲は笑って風を家の中に入れた。そして春の部屋の前まで来た。
「春?入るよー
どうしたの、そんな部屋の隅っこで」
「ねえ、風ちゃん、私はどうすればいいの?」
「まだ付き合って一ヶ月でしょ?それに、夏休み真っ只中だっていうのに…、春がそんな弱気じゃダメじゃない」
「だって……、話してるとき、凄く無理してた。あんな無理してるのがわかりやすい笑い方したことないよ……。続けなよ、っていうべきなのか、やめた方がいいって言うべきなのか、彼女としてなにができるかわかんないよ………」
「そうかもしれない。けど、そばにいるだけでもいい気がするよ?」
「それは、私が耐えられないよ……、なにもできないっていう悔しさとか、悲しさが溢れてくる……」
「……そうやって春がウジウジしたってしょうがないよ。春は望月くんにどうなって欲しいの?なにがしたいの?ただお見舞いに行くだけじゃ、ただ悲しくなるだけだよ?」
「………私は、望月くんがどちらの答えを出しても、それを応援する。………でも、望月くんの走ってる姿は誰よりもかっこよくて………、走ってるときの望月くんはすごく楽しそうで……、でもすごく真剣で……。そんな望月くんを見れなくなるのは、悲しいな………」
「それよ!」
「え?」
「その思いを望月くんに伝えるの!あ、迷惑とか考えてるんならその考えはNOよ!彼女なんだからそれぐらい言っていいの!……まだ時間あるから、病院いってきな!ほら!」
「なんか、言いたいこと言われた……、じゃあ行ってくる!」
春は部屋のドアを思いっきり開けて病院へ駆け出した。少しでも早く言葉を伝えるために……
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(………本当にどうしようかな、もう本当にいっそのこと諦めた方が堅実なのかな……。中学で途中でやめた中途半端やろうがやるから……こんな時、お母さんとお父さんはなんていうんだろうな……)
ガタン!
「望月くん!」
「うお!びっくりしたー。どうしたんだ?こんな時間に。しかもそんなに息切らして、まあとりあえず座って、ね?」
春は座った。
「突然、ごめんね。言いたいことあるから飛んできちゃった。」
「はは笑、確かにその息の荒れようなら納得いくな」
「………私ね、望月くんが車にひかれた時、頭真っ白になっちゃったんだ。起きた時になんて言葉をかけよう、とか思っててさ、テンパっちゃって下手なことしか言えなかった。でも、今から私の本当の気持ちを伝えるね」
「ああ…」
「私は、望月くんが陸上を続けても続けなくていいと思ってるの。私はそれを全力で応援する。でもね……、望月くんの走ってる姿は誰よりもかっこよくて……、その時の望月くんはすごく楽しそうで……、でも、そこには誰にも負けないような強さを感じるの。……だから、私の本音は……
望月くんに陸上を辞めてほしくない」
「……小野寺、もっとこっちよって」
「え?……ほえ!?」
陽詩は春に今の持てる力をつかい、春に思いっきり抱きついた。
「ごめんな……、そんな俺なんかのために、一生懸命悩んでくれて……、ありがとう」
「彼女として当然だよ」
「小野寺、俺は陸上続けるよ。己のためじゃなくて、小野寺のためにも……。こんないいシーンで悪いんだけど、もう身体がもたない……それに眠い……」
「あ!ごめんね!身体痛いのに……」
「いやいや。じゃあ、俺も寝るね。おやすみ、春。」
「おやす……、え!?今春って言った望月くん!?」
「………zzzz」
「あーー!逃げたー!ねえねえ!行ったよねー!」
「……zzz」
「もう!望月くんーーーーー!」
さあ、今回はすごく長いです
多分今までの中で1番いいシーンじゃないかな?
これからは……まあゆっくり考えますよ