ニセコイ 望月 陽詩の物語 再始動   作:朝桜小雨

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さてさて、行きましょう


Preparations for restart

 

 

 

 

 

 

 

両親との買い物を済ました俺は、途中で小野寺家に遭遇して一緒に夕飯を食べることになった。夕食では母さんが俺の昔話を余す所なくといっていいほど話してしまった。俺自身、昔のことは覚えていない部分もあったので聞けたことは嬉しかったが、かなり恥ずかしい話をだされた。小咲さんはとても微笑ましいといった感じで見ていたが、小野寺はとても興味深そうにメモしていた。彼女だからといってそこまでメモする必要あるか?なんて思ったが、何か思うことがあるのだろう、ほっとこう。

 

 

 

 

こんなに賑やかな夕飯は久しぶりだった。本当だったら今頃は家で1人で寂しく独身女性のような食事をとっていたろう。俺には信頼のできる先輩、友人、先生、そして誰よりも愛している彼女の小野寺。そこに両親というカテゴリーが存在しなかった。両親の記憶はほとんどなかったため、ただただ写真を見て天国にいる両親に現状報告を毎日のようにしていた。俺の前からいなくなって10年目、実家へ帰省した時に本当は生きているという情報を得た。そのときは嬉しさよりも怒りが湧き出てきた。それから鍛えて、助けに行って、救い出すという劇的すぎる展開になった。そして今に至る。

 

 

 

 

夕食が終わった後しばらくして、両親が帰るといったので俺も行こうとしたが、泊まってけと言われたのでお言葉に甘えて止めさせてもらうことになった。少し動きたかったのでウォーキングに行くことにしたら、小野寺もついていくそうなので一緒に行くことになった

 

 

 

「お鍋美味しかったねー!久しぶりに食べたけどやっぱりおいしかったなー」

 

 

「小野寺家はあんまり鍋を食べないのか?」

 

 

「だいたいこの時期から食べ始めるからさー。今度は何鍋かなー♪」

 

 

「そうか、よかったな。……小野寺って初めて会った時よりなんか柔らかくなった気がするよ」

 

 

「え!?私太った!?」

 

 

「いや、そういうのじゃなくて性格がな……。お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん!ってのと、すごく思い込みが激しかったからさ」

 

 

「あはは笑。まあ今でも思い込みは激しいし、お姉ちゃん大好きだよ?」

 

 

「そうなのか………。」

 

 

「………………」

 

 

「………………」

 

 

「ねえ、望月君」

 

 

「ん?どうした?」

 

 

「足大丈夫?」

 

 

「ああ、大丈夫だ。さすがに復帰前までとは言わないけど走れるまで来てる。そろそろ練習に参加するよ」

 

 

「そうなんだ!よかった〜…………。ようやく走れるんだね!」

 

 

「そうだな〜、全力とまでは言わないけど8割くらいなら出せるな!」

 

 

「良かった良かった!だいたいどのくらいが完治する時なのかな?」

 

 

「3月の中旬だな」

 

 

「それなら4月にある記録会に出場できるね!」

 

 

「いや、それには出場しない」

 

 

「え、なんで!?」

 

 

「出た所でベストには程遠い記録しか出ないよ。だから5月の地区予選に合わせる。わざわざ記録会に出る必要はないんだ。」

 

 

「そっか………、それもそうだね!前みたいにしっかりデータ表作らないとね!」

 

 

「あれはすごくわかりやすいから助かるんだ。小野寺が専属サポーターで良かったよ」

 

 

「本当はマネージャーなんだけどね笑」

 

 

「まあまあいいじゃないか……。そういや、小野寺。口に白菜ずっとついてたぞ。よく気がつかなかったな」

 

 

「え、嘘……。…………………っ!」

 

 

「本当に気がついてなかったのか」

 

 

「もう!なんで言ってくれなかったの!望月君のバカ!!アホ!!餅!」

 

 

「おい待て最後のよくわかんない悪口出てきたぞ……。」

 

 

「許さないんだから………!」

 

 

「あれ?小野寺?ちょっと、え、小野寺さん?……まって!その岩はまずいって!小野寺様!死んじゃうって!」

 

 

「どりゃあああ!」

 

 

「うおおおおおお!!」

 

 

この日、俺は小野寺の怖さを身を以て知ったとさ。チャンチャン。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

陸上競技をやる上で重要なものはシューズ又はスパイクである。初心者のスパイクはほとんどの人が同じものを使うが、慣れてくると自分にあったスパイクを選ぶことになる。軽量性や反発力、ホールド性、グリップ性やその他諸々のなかで、どの性能が特化したものか見極める必要がある。俺はなにを大事にしているかというと、それは軽量性とプレートの硬さだ。プレートを硬くし、カーボンを入れて反発力をできるだけ高め、130〜150グラム程度のスパイクにするというこだわりを持っている。

 

 

 

2月上旬のこの日、俺はよくお世話になっている会社にやってきた

 

 

 

「お!来たね望月君!待ってたよ!」

 

 

「東条さん、お久しぶりです」

 

 

「まあ、立ち話もなんだ。早く用件をすませなきゃね」

 

 

「今回はどんな感じですか?」

 

 

「いままでのやつより全体的な性能は格段に上がったぞ!軽量性や反発だけじゃなくて、フィット性にもこだわってみたんだ!」

 

 

「それは期待ですね」

 

 

「そうだろそうだろ〜!……………それじゃあ、お披露目と行こうか!クラウズ社陸上競技スパイク新作!このスパイクは最高の出来だから大切にしてよ!どりゃあ!」

 

 

 

 

 

 

「ほぉ………、これはすごい」

 

 

紐式で色はピン以外はすべて青色だった。ピン配置は変わらないものの、前のスパイクよりプレートが硬い。なにより重さが135グラムと一番理想的だった。東条さんの言う通り、今までのスパイクより格段に性能は上がっている。だが、走ってみないとわからないので走ってみる。

 

 

「………準備オーケーです」

 

 

「いくぞー!On your mark……」

 

 

 

 

 

「ふぅ…………」

 

 

 

 

 

 

「set…………」

 

 

 

 

 

 

ガチャ……

 

 

 

 

 

 

バコンッ!

 

 

 

 

 

サッ!

 

 

 

 

 

(やばい………、めっちゃ走りやすい……。反発も凄くて、軽さもちょうどいい。なにより凄く足にフィットしてるから、全く違和感がない………。これはいい。だけど1つ問題があるとしたら………)

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは………!復帰してないにしては良いタイムだ!望月……くん?ちょっと!大丈夫!?」

 

 

 

(調子が良い時にしか使えそうにないな…………、足痛い……)

 

 

 

こうして、新しいスパイクを手に入れた。後は時間をかけて調子を取り戻して地区大会に臨めればいい。今度こそ、今度こそ、関東に出て、優勝して全国に乗り出して優勝してやる。それが、小野寺への最高の恩返しだ。







はい、どうだったでしょうか。今回も結構変だった気がします

気づかなかったけどUA数か1万超えてました。ありがとうございます


これからもどうぞ宜しくお願いします

あ、地区大会はまだまたまさきになりますので、気長に…
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