ニセコイ 望月 陽詩の物語 再始動   作:朝桜小雨

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今回は、斎藤悠里の特別編です

悠里はこれから重要なキャラにしていく予定です。

特別編は次回も投稿するか迷っています

さあいこう


特別編 あなたに追いつきたい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、今まで恋をしたことがない。告白されたことはあるけど、全部断ってきた。

 

 

小学生だからっていうのもあったかもしれないけど、わからなかった。

 

聞いた話だと、一目惚れをするパターンと話すなど関わっていくことで好きになっていくパターンという2つのパターンに分かれるらしい。

 

 

恋とは私の憧れだ。友達が恋をしたと聞けば、どうして好きになったのか、どこが好きなのか、などとにかく質問攻めをした。

 

 

だけどやっぱりわからなかった。私は俗に言う鈍感というやつなのか。

 

 

でも、そんな私にも恋というわかる日が来た。恋という気持ちはとても心が痛くて辛いけど、それでも楽しいし時もある。

 

 

 

そう、あの人に会うまでは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「部活どうしようかな……考えてなかった……」

 

 

私は今、部活希望書とにらめっこしていた。特にこれといって入りたい部活がない。

 

 

「見学に行ってから決めたら良いじゃん。それに、悠里は運動得意なんだから、運動部入りなよ!」

 

 

そう言ってくるのは親友の綾乃ちゃん。綾乃ちゃんはスポーツで目立ったことはないけど、頭が異常に良い。

 

 

 

「そうだね……うん!そうするよ!」

 

 

「じゃあ何から見ていこうか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「セカンド!」

 

 

 

(簡単簡単!)

 

 

 

バンッ! シュッ バンッ!

 

 

「アウト!」

 

 

「あなたすごくうまいわね!経験者?」

 

 

「いえ、従兄弟とかとよくやってたので」

 

 

「その経験をぜひソフトボール部に!」

 

 

「ん〜……、じゃあ検討するっていう形で」

 

 

「わかったわ!またいつでも来てね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フリースロー30秒間いきまーす!よーい!ドン!」

 

 

シュッ シュッ シュッ シュッ ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!

 

 

「あの子すごーい!天性よ!バスケの天才よ!」

 

 

「終了ー!」

 

 

「あなた凄いわね!経験者?」

 

 

「いえ、友達と遊ぶ時にかじったくらいです」

 

 

「ぜひバスケットボール部に!」

 

 

「検討するってことでお願いします!」

 

 

「わかったわ!いつでも待ってるわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、最後は陸上部ね」

 

 

「えー……一番行きたくないなー…」

 

 

「まあまあ……、ほら!練習してるよ!」

 

 

 

 

一本目いきます! ハイ! ヨーイハイ!

 

 

 

カッカカカカカカカカ

 

 

「うわー……速いね。」

 

 

「う、うん……私無理そう」

 

 

 

そんな風に2人で弱音を吐いていた。

 

すると、奥から陸上部員と思われる人がやってきて

 

 

「君達、見学?それとも体験?」

 

 

「はい!体験……に……」

 

 

私は友達からよく聞いていたことがある

 

恋とは突然にやってくるものなんだよ!と。

 

 

そう、その瞬間がやってきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、望月陽詩先輩に恋をしたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?どうしたの?」

 

 

「……は!すいません!えーっと……体験させていただきたいのですが…」

 

 

「そんなにかしこまらなくて良いよ笑 種目はどうする?」

 

 

「先輩は何をやってらしてるんですか?」

 

 

「俺は短距離だよ」

 

 

「じゃあ短距離で」

 

 

「じゃあ私も」

 

 

「ん。わかった。2人とも身体は動かした?」

 

 

「はい!さっきまでバスケ部いましたし」

 

 

「なら話が早い。これから走り込みしてもらうからね」

 

 

「「え」」

 

 

「冗談冗談。これから50mを何本か走ってもらうから」

 

 

 

 

 

 

「よし、いくよ。……行きまーす!ヨーイハイ!」

 

 

 

スタッスタタタタタタタ………

 

 

 

「タイム7・81 8・10」

 

 

「ほえ〜…運動してないとこれだけで疲れちゃうよ………」

 

 

「はぁ、はぁ〜……。にしてもほんと悠里は凄いなー、足も速いし」

 

 

「いやいや、そんなことは……。先輩、どうでした?」

 

 

「まあ、タイムだけで考えるなら悪くないと思う。」

 

 

「タイム、だけ?」

 

 

「フォームが汚いから」

 

 

「え!?私たちそんな変でしたか!?」

 

 

「いやいやそうじゃなくて、陸上をやるにしたらダメなフォームだってことだ。陸上競技は自分の身体を限界まで強くして、走跳投で競い合うスポーツだ。短距離は短い距離でどれだけ早く走れるかを競うものだ」

 

 

「「ほうほう」」

 

 

「速く走るためにはただ腕振ったり足回転させたりすればいいってもんじゃないんだ。力の入ってないリラックスした無駄のないフォームと、スパイクの反発やクッションなど重要な部分を補う絶対的な筋力が必要なんだ。」

 

 

「「へー」」

 

 

「まあ正直、陸上の練習はつまんないしやめたくなることも多い。でも、ベスト出た時とか、ライバルや自分より速いやつに勝った時はすごく達成感があるんだよ。俺はそれが楽しくて陸上やってるんだ」

 

 

 

「もし、陸上に興味があるならぜひ入って欲しいな。じゃあ、今日はここまで。お疲れ様」

 

 

「あ、あの!」

 

 

「ん?」

 

 

「わ、私は斎藤悠里といいます!私は陸上競技部に入ることをここに宣言します!」

 

 

「え!?悠里!?」

 

 

「なので、これからよろしくお願い!」

 

 

「俺の名前は望月陽詩。よろしくな後輩くん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悠里どうしたの?急に陸上部に入るなんて」

 

 

「私、今日初めて恋というものを知ったよ」

 

 

「へ〜そっかぁ〜……、悠里が恋か〜………ってええええええ!?」

 

 

「恋って突然なんだね!♪」

 

 

「え、ちょ、え?どうしたの急に?まさかあの先輩のこと?」

 

 

「そう!望月先輩!かっこいいよねー!」

 

 

「確か望月先輩ってモテるらしいよ?」

 

 

「え!?そうなの!?明日早速真相を確かめに行こう!」

 

 

「それはいいけどクラス知ってるの?」

 

 

「あ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部活に入って2ヶ月は地獄のような日々だった。一年生はとにかく基礎練習ばかりで、ひどい日はただ走って終わりなんて日もあった。先輩に会えるのは始まりと終わりのミーティングくらいだ。

 

先輩は「頑張れよ」「お疲れ様。今日も辛そうだなー」と必ず声をかけてくれる。これがもし私だけならこれ以上にない幸せなのだが、そう甘くない。

 

1年生全員に声をかけているのだ。女子はかっこいいー!と男子は憧れるよなー!と言う。私にだけ向いて欲しいのに……

 

 

 

その地獄の2ヶ月を過ぎた後、ようやく先輩方との練習をすることができるようになった。

 

 

「よし、毎年恒例ペア発表するぞー。」

 

 

「先輩、ペアってどういうことですか?」

 

 

「部活でストレッチとか本メニューとか、まあいろんなことに対して協力し合うやつだ。まあ、監督が好みでやってるだけだけどな。でも、後輩と組むとマンツーマンで教えられるからよく伸びるって好評なんだ。」

 

 

「そうなんですね」

 

 

「いつものように、できるだけ異性とくっつけたから安心しろ♪あと先輩後輩が基本な。じゃあ発表するぞー。」

 

 

(先輩とペアでありますように先輩とペアでありますように先輩とペアでありますように先輩とペアでありますように先輩とペアでありますように先輩とペアでありますように先輩とペアでありますように先輩とペアでありますように先輩とペアでありますように先輩とペアでありますように!!!!)

 

 

 

「望月斎藤ペア」

 

 

(やったーー!!!先輩とだ!!!!これ以上にない幸せ!)

 

 

「よかったわね!悠里!」

 

 

陸上部女子全員に祝福された。先輩のペアになると祝福されるというルールがあるらしい。

 

 

 

「お、後輩君とペアか。よろしくな」

 

 

「………はい!よろしくお願いします!」

 

 

先輩は私を名前で呼んでくれない。呼ばせてやる!

 

 

 

 

 

そこから、先輩と部活をするのはすごく楽しかった。確かに練習は辛くて、辞めちゃいそうになったけど、先輩がいるから、頑張れた。

 

 

一年生は大会にも出られず、ただ練習して、たまに記録会があって、また練習して、先輩の言うとおりだった。

 

 

そのおかげで二年生になってすごくタイムが伸びた。市大会出場ではなく、県大会出場まで果たしたのだ。

 

 

望月先輩は余裕の走りで市大会と県大会を制した。その姿は誰よりも速く、誰よりもかっこよかった。

 

 

「先輩!次は関東大会ですね!期待してます!」

 

 

「ありがとうな。関東大会だからって緊張はしないからただ思いっきり走るだけだな」

 

 

そう言って私の頭を撫でる。その撫ではとても気持ちよかった。でも、なぜかわからないけどすごく嫌な予感がした。先輩がいなくなってしまうような、そんな気がした。

 

 

 

 

関東大会当日。

 

 

先輩はいつも通りアップを済まし、ウィダーインゼリーを流し込む。普段と何も変わりない。

 

 

最終コールが始まる頃、先輩が私に

 

 

「後輩君。付き添い頼めるかな?」

 

 

「は、はいよろこんで!」

 

 

「居酒屋みたいだな笑 行こうか」

 

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どう?陸上は楽しい?」

 

 

「はい!先輩のおかげですごく!」

 

 

「この一年、後輩君はすごい成長を遂げたよな。監督もこんなに伸びのいいやつは初めてだって言って喜んでた」

 

 

「そうなんですか?」

 

 

「ああ、俺も正直ここまで伸びるとは思ってなかったよ。よく頑張った」

 

 

「えへへ〜///」

 

 

「じゃあ、そろそろ行くよ。」

 

 

「頑張ってください!」

 

 

「おう。悠里」

 

 

 

先輩が初めて名前を呼んでくれた瞬間だった。一瞬フリーズし、顔が火照ったが治った。

 

 

「もう、先輩ったら……」

 

 

最近まで感じていた悪い予感はその時に消し去った。そんなことが起きるはずないじゃないか。そう思っていた。

 

 

だが、当たってしまったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっと!?7レーンの選手と6レーンの選手がぶつかった!6レーンの選手はぶつかられたが大丈夫か?」

 

 

 

 

 

 

 

 

先輩が他の選手とぶつかってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

「先輩!先輩!先輩!」

 

 

先輩は今後陸上ができないほどの怪我はなかったものの、暫くは目覚めもしなかった。大会の後、ぶつかった中学生とその家族と両親が謝りに来た。その時に、先輩に両親がいないことを初めて知った。親代わりの祖父母と先輩の友達と思われる方も来ていたが、私がなるべく近くにいた。

 

 

 

 

「…………ここは」

 

 

事故の3日後、先輩は目覚めた。

 

 

「病院です。関東大会で7レーンの選手にぶつかられたんです」

 

 

先輩は少し黙った後、ゆっくり口を開いて

 

 

「そうか………。」

 

 

それだけ言って一粒ずつ涙を流した。かなり衝撃的で辛かったのかただただ涙を流し続けた。私には何もできなかった。どうすることもできなかった。

 

 

しばらくして、先輩は言った。

 

 

「悠里、すまないが監督に言って新しいペアを探してくれ。もう俺はダメだ………」

 

 

言い返すことはできなかった。今まで頑張ってきたことが全て台無しになったのだ。そこに私が諦めるななんて言える権利なんてない。

 

 

「悠里、ゴメンな。ゴメンな……」

 

 

先輩は私に謝り続けた。私は何も返さなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから先輩は一度も部活に顔を出すことはなかった。部活のメンバーとも仲良くはしているし、アドバイスもしていた。でもなぜだか部活には出なかった。

 

 

それから先輩との関わりはメールで連絡を取り合うことがたまにあることくらいだった。アドバイスを聞いたり、くだらない話をしたり。

 

 

そして、私は決意をした。バレンタインに告白をしようと。

 

 

 

だが、告白することはなかった。当日にお菓子は渡せたものの、その勇気が出なかった。

 

 

今までは先輩のこと後ろをついていくことで精一杯で、最近ようやく隣に来れたような気がしたのに、今はその後ろ姿さえ見えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、先輩も卒業する。

 

 

こんなギクシャクしたままで先輩との仲を終わらせたくない。まだ先輩に伝えたいことだってあるのに!

 

 

そんないろんな思いが混じりながら、先輩のところへ走った。

 

 

 

「先輩!!」

 

 

「悠里か……、どうした?」

 

 

「あの!……その………」

 

 

「………場所を変えようか。すまない」

 

 

友達にそう断って先輩と私は学校の屋上に来た

 

 

「どう?部活の方は?」

 

 

「……上々です。今年は全国狙ってます……」

 

 

「そうか、よかったな」

 

 

「……先輩は高校で陸上続けるんですか?」

 

 

「さあ?どうだろう……。やらないんじゃないかな……」

 

 

やっぱりやらないのか……。先輩の走ってる姿、かっこよかったな……。先輩ともっと走りたいな……。先輩にもっと教えて欲しいな………。

 

 

そう思っていたら涙が出てきた。

 

 

「あれ?なんでだろう。涙が出てきちゃいました……。えへへ」

 

 

「………」

 

 

涙が止まらなくなった。でも、やっぱり自分の思ってることは言わないとダメだよな……。

 

 

「先輩、今から私の言うことを突っ込まずに聞いてください。」

 

 

「………」

 

 

「私は、先輩に憧れて陸上部に入りました。先輩みたいに速くなりたい。人間になりたいって。アドバイスも的確で、先輩じゃなければ今の私はいないと思います。」

 

 

「………」

 

 

「でも、先輩がいなくなっちゃってタイムが急に伸びなくなりました。0・01秒も。それは今もです。」

 

 

「………」

 

 

「………先輩の走ってる姿はすごくかっこよくて、本当はもっと先輩と走りたくて………もっと先輩に教わりたくて………」

 

 

「………」

 

 

「私は、先輩に陸上を続けて欲しいです」

 

 

「…………そうか」

 

 

これが、先輩との最後の会話が終わった。

 

 

 

それから先輩とはたまに連絡を取っていた。わかったことは近くの凡矢理高校に進学したことくらいだ。

 

 

私は全国大会に出場し、決勝に出れるくらいまで成長した。順位は8位だった。

 

 

 

 

 

 

3月の上旬。卒業式。

 

 

たくさんの後輩や家族に祝福された。すごく嬉しかった。写真も撮り終わり、いざ帰ろうという頃、綾乃が走ってきた。かなり急いでいるようだった。

 

 

「おーい!悠里!」

 

 

「どうしたの!?綾乃!?そんなに急いで」

 

 

「望月先輩………、高校で陸上やってるって!」

 

 

私は飛び上がって喜んだ。先輩が陸上を続けてるということを聞いて

 

 

 

 

 

 

 

「先輩、待っていてくださいね……。私は速くなりました。先輩はどうですか?」

 

 

 

 

 

私はそう呟いた。私がこの高校選んだ理由はもし、先輩が陸上をやっていたら……。そして、入る部活も決まっている。それはもちろん

 

 

 

 

 

 

 

 

凡矢理高校 陸上競技部

 

 

 

 






どうだったでしょうか?

今回は結構長めですね

さあ、ここからどんどん盛り上げていきますよ!

ではまた
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