さて、行きましょうか
「望月くん!」
「………どうした小野寺。机思いっきり叩きつけて」
授業も終わり、放課後になったこの頃。今日は部活もないので家で読書でも嗜もうと思っている。そんなことを考えながらぼーっとしていたら小野寺が思いっきり机を叩きつけたので、びっくりした。
マジで寿命縮まるわ。
「今日暇だよね!?」
「そんな大きい声ださんでも……。別に特に予定はないがどうしたんだ?」
「これみて!」
「ん?………和菓子フェア?」
「そう!和菓子フェアやってるの!一緒に行こう?」
だから小野寺はこんなに行きたがってるのか。きっと今後の和菓子作りの参考にでもしたいのだろう。……最近甘いものたべれなかったしな。
「いいぞ。最近甘いものたべれなかったからちょうだいい。それに小野寺が作る和菓子の今後の発展に繋がるなら」
「ほんとに!?やったー!じゃあ早速行こう!」
「はいはい、わかりましたよっと……。じゃあな颯人、澪ちゃん、雅、優香、風」
「別に全員の名前言わなくていいだろ……。まあデート楽しんでこい。お土産よろしく」
「別に旅行行くわけじゃないんだからあるわけねーだろ」
「ちぇ」
「楽しんできてね望月くん」
「サンキュー雅。んじゃ行ってくるわ」
「「「「「いってらっしゃーい」」」」」
「あの〜………1ーBの斎藤悠里です。望月陽詩先輩はいらっしゃいますか?」
「お、斎藤さんじゃん。どうしたんだ?」
「北風先輩こんにちは。望月先輩はいらっしゃいますか?」
「あー……。陽詩はさっき春ちゃんと一緒にラブラブデートにでかけたぞ?」
「え!?ら、ラブラブデート!?」
「こら、違うでしょうが」
「いて、なんだよ雅〜」
「雅先輩じゃないですか!お久しぶりです!」
「久しぶり♪陽詩は彼女と一緒に和菓子フェアにでかけたよ。ほら、彼女は小咲先輩の妹だからさ。和菓子作るための情報収集って言ってたよ?」
「そうですか………」
「伝えたいことがあるなら言っておくけど?」
「いえ、大丈夫です。ご迷惑をおかけしました」
「ううん、大丈夫だよ!気をつけて帰ってね」
「はい、では失礼します」
やっぱり今でも彼女は望月くんのことを好きなんだろう。いつも彼の背中を追っかけているだけだった彼女も同じ場所に立った。今度こそ彼の隣に。でもその隣にはすでに埋まっていた。
それを知った彼女の心は今でも傷が付いているだろう。でも彼女は強い。その隣の座を奪いにいくに違いない。
きっとそれは叶わないことなんだろう。それでも彼女は奪いにいく。そんな彼女に僕は強さを感じていた。
「わぁ……!広いねー!」
「本当だな……、平日だからか人も少ないし、まあゆっくり見ていこうか」
「うん!さあどこから見ようかな〜♪」
そういえば最近、あまり小野寺とでかけられていなかった。
部活にリハビリに授業にとやることがありすぎて暇がなかったのだ。
俺は今まで小野寺に助けられてばかりかけていた。だから今度は俺が小野寺を助ける番だ。
「わあ!涼屋!すいません、苺大福ください!」
「450円です……ちょうどお預かりします」
「涼屋のだいふくだぁ〜♪」
「んで、どこで試食するんだ?」
「………それじゃあうちなんかどう?」
「お邪魔しちゃっていいのか?」
「うん!いいよ!」
「じゃあいくか、おいしょっ」
「いやいいよ!自分で買ったものくらいは自分で持つから!」
「男が女にもたしちゃいかんだろ。小野寺が弱いとは言わんが若い男の子は彼女にいいとこ見せたいんだよ。」
「………じゃああれやろ!片っぽずつ持って一緒に持つやつ!」
「別にいいが………」
「よし、じゃあはい!」
「…………」
「えへへ///こういうの憧れだったんだぁ〜♪夫婦って感じで!」
「そういうのはまあ……、あと7年後くらいに……」
「そう………だね………。」
こういうことが幸せというんだろう。心の中ではすでに夫婦ではないかと思っていたりするが、絶対に口に出さない。俺はあまりそういうことを思ってないキャラで通ってるはず。
実際はかなり妄想しちゃったりしている。例えば膝枕されながら耳かきして欲しいとか、猫のコスプレしてニャーって言って欲しいとかね。……今気持ち悪いとか思ったやつでてこい。
「よし!大試食会!」
「いや、大試食会ってほどでもないだろ。………にしても結構買ったな……単品がすごい多いからか………」
「確かに少し買いすぎたかな……、でも大丈夫!助っ人呼んでるから!」
「助っ人?」
「春、急にどうしたの?私と一条くんがリビングきてなんて」
「小咲さんと一条先輩のことだったのか……」
「そうそう♪……2人には私たちと一緒に和菓子を食べてもらいます。ちょっと買いすぎてしまったので……」
「そういうことだったのか……、いいぜ」
「じゃあ切りますか……「待って!」どうしたよ?」
「私が2つずつ買ってきたのには理由があるのです。」
「果たしてその理由とは?」
「私と陽詩君ペア。お姉ちゃんと先輩ペアで和菓子を一緒に食べます。!
「なんだ、そんな理由か。じゃあ切っちゃっていいか小野寺?」
「うん、わかった!私も手伝うよ」
「それが違うんだなぁ……」
「どういうこと春?」
「1つの和菓子を同時に食べる。つまりはポッキーゲームというわけなのです。」
「「「なに!?」」」
「じゃあ私たちのお手本を「ちょっと待て小野寺」ん?どうしたの?」
「さすがにそれは恥ずかしいというかなんというか……、それって行きすぎたらたら………キスするってことだよな?」
「うん。そうだよ」
「普通に答えられても困るんだが……」
「だって私たちもうキスしたじゃん」
「ちょ、小野寺!」
「「いつ!?どこで!?」」
実は俺と小野寺はホワイトデーデートの帰り道、小野寺が教えてくれた秘密の場所で星空の下でお互い人生初のファーストキッスを済ませたのだ。恥ずかしかったのでいわなかっだけだ!
「「へぇ〜……そんなことが」」
「……よし!やるか!」
「ほえ!」
「これは小野寺が言ったんだからな?はむ……、おら……」
「………///。………はむ///」
「こ、これは……」
「な、なんとも……」
その光景はなんとも言えないものだった。高校生カップルがお互い顔を赤面にしながらポッキゲームならぬ饅頭ゲームを繰り広げられている。そして両方饅頭をはむはむしている。はむはむってなんだ……
「………///」
キスまであと4cm
「く………///」
3cm
「う〜……///」
2cm
「「おお……」」
1cm………
「おおえら……あうおをいえろ……」
「ほえ?………!!!」
「「おー!!!!」」
「……ごちそうさまでした///」
「お、お粗末様でした……///」
「「…………」」
「……次!2人の番!」
「「え!?」」
「いいじゃん!私たちやったんだから!はい饅頭!」
「ちょっと春待って!」
「そうだぞ春ちゃん!2人は付き合ってるから…」
「問答無用ーー!」
「「うわーー!!」
楽しい試食会でした。
終了!