ニセコイ 望月 陽詩の物語 再始動   作:朝桜小雨

39 / 48



あまりいいタイトルが思いつかなかったので、簡単にしました





寂しい

 

 

 

 

 

 

100m決勝も終わってひと段落したと思いきや、すぐ4継の準備をしなければならなかった。それもそのはず。女子100mと男女200mの決勝の後にすぐ4継の決勝があるのだ。

1つのレースに結構時間がかかったりするので多少なりとも時間はある。

 

本当は女子100mの決勝に出る悠里の応援に行きたかったが、こればっかりはしょうがない。

 

 

リレーのオーダー(メンバー)は

 

1走 3年 四宮蒼太

2走 1年 神城奏斗

3走 2年 北風 颯人

4走 2年 望月 陽詩

 

1走の3年四宮先輩はロングスプリント200〜400を得意とする選手だ。先輩はカーブの走りでは全国でも通用するほど速くてうまい。

だが直線は本来の力を発揮できないのが課題で、それを3年間で修正することはできなかった。

 

2走の1年神城は凡矢理高校の俺に次ぐエースだ。

まだ未熟な部分はたくさんあるが、それを修正すれば日本のエースになれる力を持っていると俺は推測する。

2走の理由は余り。

 

 

3走の颯人はなんとなく400mをやっている選手だ。だが颯人の強みは筋持久力が人間離れしていることだ。颯人は300mを超えてもほとんど全力と同じくらいのスピードで走れるのだ。だが100mのタイムがあまり速く無いのが課題。

 

 

そして俺の4人が凡矢理高校男子4継のオーダーだ。

 

 

「さて、うちの高校は俺と颯人と陽詩が去年からリレーを組んでいる。そして今年度から新しく入った神城がいる。

神城は中学で陸上やってたみたいだが、まだ未熟だ。今回は市大会だしもう県出場は決まっているから、まあ気楽にいこう」

 

 

「「「はい!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これより、男子4×100mリレー決勝を行います。」

 

 

出場校紹介を終え、競技に移る。リレーのメンバーに入っていたものの怪我で試合に出たことはなかっため、今回が初リレーとなる。まあ41秒でたらいいかなということろか。

 

 

 

 

On your mark

 

 

 

 

 

Set……

 

 

 

 

 

 

 

市大会最後の号砲が鳴り響く。最初は四宮先輩だ。

さすがはカーブが得意なだけあって速い。他の選手を寄せ付けないとまでは言わないが、その勢いで一位で走っている。

 

うちの陸上部ではアンダーハンドパスを採用している。長所はかなり接近するため確実性が高く日本代表も採用している。だが接近して渡すため距離を稼げないことが短所である。

 

バトンは2走に渡り神城へ。エースはだいたい2走か4走に置くところが多いが、今回は2走に置いてる高校がほとんどのようで、さすがに各校のエースには神城はまだ実力不足のようでいくつかの高校に抜かされる。

 

そして3走の颯人へ。さすがは颯人、100mがそこまで速くないのに定評があるくせにこういう時だけなぜか速い。本当は本気出してないんじゃないのと錯覚するくらいだ。400でカーブを経験してきたためか、かなりいい走りができている。

 

ほとんどの高校が並行して走っている中、4走へバトンが渡る。

 

俺は合わせ練習の時を思い出し、感覚で出た。ぐんぐん加速していく。そしてそれに追いつく颯人

 

 

「はい!」

 

 

颯人からバトンを貰い、一気にギアを上げ加速する。並行していた選手たちを突き放し、ただ走る。もっともっと速く。先輩が生き残る可能性を広げるために

 

 

 

ただ……、走る………。

 

 

 

 

 

「一位 凡矢理高校 40・23」

 

 

これまたベストタイムだった。歴代記録とまではいわないが、ぶっちぎりの一位だった。

 

 

「お疲れ様陽詩。」

 

 

「お疲れ様です四宮先輩」

 

 

「さすがだよお前は……。」

 

 

「とりあえず戻りましょう?正直結構疲れたんすよ」

 

 

「それもそうだな」

 

 

 

 

 

リレーが終わり部員全員に祝福された後、ミーティングを行い解散した。ミーティングの内容は祝福と今後についてだ。

 

小野寺達は用事があるということで俺と悠里の2人で帰ることになった。

 

 

「さすが先輩!速かったです!」

 

 

「まあ、今日は調子良かったからな。調整してきた甲斐があったってもんだ。それに悠里だって3位じゃないか。1年にしては凄いじゃないか」

 

 

「へへん!これでも私は全中出場者ですからね!」

 

 

「勝負はこれからだから油断すんなよー」

 

 

「はい!わかりました!」

 

 

俺と悠里の家は反対で、この十字路で別れる。

 

 

「それじゃ。また部活でな」

 

 

「え?あ、あの……」

 

 

「ん?」

 

 

「そ、そのぉ……」

 

 

なにか言いたいようだが、口には出せないらしい。多分俺に家へ来て欲しいのだろう。それを言い出せずにいるのだろう。

 

 

「………そうだ悠里、前から言ってた家にお邪魔する話。今日でもいいか?」

 

 

「……!はい!ぜひぜひ!晩御飯作りますね!」

 

 

「ありがとな」

 

 

とりあえず両親には後輩の家でご飯食べるとメールを打とうか……。

 

 

数分後、両親に打ったメールの返信が来た

 

 

「はーい!わかったよ陽詩❤︎ 今度私にも紹介してね!❤︎

あ、ちゃーんと11時までには帰ってくるのよ?」

 

 

なんとも変な気分になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ど、どうぞ」

 

 

「お邪魔します」

 

部屋のことは……まあ敢えて言わないことにしよう。いうとしたら清純派女子の女の子の部屋。ここは妄想を膨らませるということで

白を基調としたとても綺麗な部屋だよ?

 

 

「あ、好きなところだかけてください。」

 

 

「おお、そうか」

 

 

「今から作りますね?」

 

 

「俺も手伝おうか?」

 

 

「いえいえ、先輩は座っててください!作りますから!」

 

 

「そ、そうか?……ならいいが」

 

 

そうして悠里は料理をし始める。手慣れているのかスムーズに進めていく。その姿はとても美しくて見惚れてしまいそうになった。

悠里が料理をその間俺は東条さんにスパイクの感想と評価を送る作業をすることにした。

 

 

「先輩、出来ました!」

 

 

「うお、すごいな……こんなに」

 

 

悠里は肉じゃがと秋刀魚の塩焼きとサラダ、ご飯と味噌汁というかなりバランスの良い?夕飯を作ってくれた。

 

 

「どうです?」

 

 

「いや、ほんとすげーよ。大会で疲れてるはずなのによく作れたな」

 

 

「お母さんがいつもこれくらい作ってくれてて……、急に食事バランスを崩すのは悪いと思って」

 

 

「えらいんだな、悠里は」

 

 

「い、いえ……。さあ、熱いうちに食べてください!」

 

 

「おう、いただきます」

 

 

「いただきます」

 

 

そこからは俺たちが卒業してからの学校の話、高校生活の話とたわいもない話をした。

1年ぶりくらいか?こんなに悠里と話したのは。話してる時の悠里の顔はすごく生き生きしてて、楽しそうだった

やっぱり一人でご飯を食べるのは寂しいのだ。俺もそうだった。

最初のうちは自由に作れるから楽しいとか言ってた。だがそこに会話がないのだ。何も音がしない。強いて言うならテレビの音くらい。

 

悠里は毎日寂しい思いをしているんだろう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさまでした」

 

 

「お粗末様でした!」

 

 

「本当に美味かった。ありがとな」

 

 

「いえ、そんなことないですよ……」

 

 

時間は10時を回った。流石に後輩の家、しかも女の子の家に彼氏でもない奴が上がっていいものではない。帰ろう

 

 

「じゃあ、そろそろ行くわ。流石に女の子の家にこんな時間まで上がりこんでいるのはダメだ。」

 

 

「えっ……、でも……」

 

 

「悠里も年頃の女の子なんだから男に長居されんのも嫌だろう?それじゃあおやすみ」

 

 

「ま、待ってください!」

 

 

ジャージの袖を思いっきり掴まれ少しふらっとする。悠里は俯いたまま動かない。

 

 

「いか……ない………でぇ……」

 

 

そう言って悠里は涙を流す。きっと耐えられなかったのだろう。これから一人になるという辛さ、寂しさに。

その気持ちは十分に分かる。俺も一人暮らしで小野寺が帰ってしまう時は本当に辛かった。だが、やはりいるわけにはいかない。

 

 

「……悠里。俺もいたい気持ちは山々なんだが……」

 

 

「先、輩は……私の……こと……嫌い……です、か?」

 

 

その声は震えを増していく。涙もたくさん溢れる。

 

 

「悠里のことが嫌いなんてあるわけないだろ?とりあえず落ち着こう?な?」

 

 

「私は……先輩のことが……」

 

 

なんとなく、これ以上は聞いてはいけない気がした。俺と悠里の関係が崩れる、とまではいかないがなにか悪いことが起きると確信した。

俺は悠里を抱き寄せた

 

 

「………!」

 

 

「それ以上何も言うな。………今日は一緒にいるよ。」

 

 

「本当……ですか?」

 

 

「流石に泊まるわけにはいかないから、少しだけな」

 

 

「……ありがとう、ございます……」

 

 

そう言って悠里は笑った。悠里が言ったあの言葉の後は今の俺は絶対に聞いてはいけない。今まで積み上げてきたものが本当に崩れる。

少し、この先の高校生活に不安ができた。








どうでしたか?

少し無理やり感ありますが、今後もこういう感じでいきたいと思います!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。