ニセコイ 望月 陽詩の物語 再始動   作:朝桜小雨

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すいません、更新だいぶ遅れました


諦めるな

「蘭ー!ご飯できたよー!ほら起きて」

 

 

「…………ほえ!もうこんな時間!」

 

 

「今日は学校も部活もないよ……。蘭も女の子なんだから規則正しい生活とかできるようにしないとダメだよ?」

 

 

「お兄ちゃんが女の子すぎるんだよ………」

 

 

妹の蘭がそう言ってくる。僕自身全く自覚がないのだ。両親はほとんど仕事で家にいなかったので僕が家事を引き受けていた。

最近は蘭にもこの長年で築いた家事能力を継承している。なぜか?決まってるじゃない、「花嫁修行」ってやつさ!

 

 

「というか、朝からよくこんなオシャレなの作れるね……、私じゃ無理だわ」

 

 

「今日は休日だから特別だよ♪蘭だってこんくらいできるようにしないとダメだよ?」

 

 

「いや、作れはするけど……。朝からエッグベネディクトとかどこぞのホテルって感じよ……」

 

 

「まあまあ……、今日は何か予定ある?」

 

 

「今日は先輩とお買い物!」

 

 

「先輩って?」

 

 

「悠里先輩!」

 

 

「悠里ちゃんか……」

 

 

悠里ちゃんここ最近ようすがおかしいんだよな……。記録自体に影響はでてないもののすごく調子悪そうな顔してたし、なにより陽詩君に対しての態度が変わっているのがわかる。

 

 

「悠里ちゃんに確認してね、行ってもいいか」

 

 

「うん!」

 

 

「さてと、片付けしなきゃ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはようございます!悠里先輩!」

 

 

「おはよう蘭ちゃん。それに雅先輩も」

 

 

「ごめんね、僕まで来ちゃって」

 

 

「大丈夫です、むしろ嬉しいくらいなんですよ?久しぶりに先輩と出かけられるんですから」

 

 

「それはありがたいね笑」

 

 

「にしても先輩〜、ワンピースすごい似合ってますねー!」

 

 

「ありがとう、この服すごい気に入ってるの」

 

 

「んで、今日はどこに行くのかな?お嬢さん方」

 

 

「私、服見に行きたいなー!」

 

 

「じゃあ、私も」

 

 

「それじゃ、行こうか……。って僕が行っても大丈夫かな?」

 

 

「大丈夫だよ!お兄ちゃん!」

 

 

「なんで?」

 

 

「雅先輩って中性的じゃないですか?下手したら、いや下手しなくても女の子に見えちゃう……」

 

 

「え!?そんな!?」

 

 

「だって、いつだかお兄ちゃんと一緒に水着買いに来た時に店員さんがかわいい姉妹って言ってたよ?」

 

 

「な、な!?」

 

 

「噂では、学校で雅先輩のコスプレといったいろんな写真が高値で取引されてるとか……」

 

 

「なんだって!?」

 

 

「お父さんはあんなに「ザ・漢」って感じなのに、どうしてお兄ちゃんはこう……なんていうんだろう」

 

 

「雅先輩って本当は女の子なんじゃないんですか?」

 

 

「そんなわけないでしょ!?ちゃんと陸上の大会だって男として出てるんだからね!?」

 

 

「時間も遅くなっちゃうし、行きましょ?」

 

 

「そうだねー、行きましょ?雅先輩」

 

 

「……解せぬ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すごーい!お兄ちゃん似合ってる!」

 

 

「本当にお似合いです!いっそのこと買ってみてはどうですか?」

 

 

僕、金沢雅は妹と後輩に女物の服を着させられてます。これ以上にない苦痛であった。

 

 

「買うわけないでしょ?これ買うくらいなら2人の服買ったほうがいいよ……」

 

 

「でも、今日の服だって女の子っぽいじゃん」

 

 

「べ、別に普通だよ」

 

 

今日の僕の服装はかなり薄いピンクの七分袖パーカーに半袖ズボンだ。多分問題なのは半袖ズボンなんだろう。長さは膝より上なので短いのだ。

 

 

「とてもかわいいですよ?オススメします!」

 

 

「悠里ちゃんまで……」

 

 

 

 

 

「雅、お前……」

 

 

「この声は……、まさか!」

 

 

僕の目線の先には、凡矢理高校2年イケメンランキング第一位、彼氏にしたいランキング第一位、汗も滴るいい男ランキング第一位など凡矢理高校ランキングを総なめした

 

 

「陽詩くん……、どうして、ここ、に……」

 

 

「俺は颯人と買い物してて……。大丈夫、このことは誰にも言わないから。俺はなにも見てないから」

 

 

「え、ちょ……」

 

 

「見てないんだぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

「あ!陽詩くーーーーん!!!………最悪だ」

 

 

「あーあ、ひなっちに見られたー。まあいいや!」

 

 

「いいわけないでしょ!もう……、悠里ちゃんもなんか言って…」

 

 

「先輩…………」

 

 

「………」

 

 

悠里ちゃんは未だ陽詩くんのことに悩んでいるんだろう。想いを告げることができぬまま終わってしまったのだから無理はないと思う。

高校に入ってきてやっと陽詩くんに会えてまた同じ部活に入ってこれからだって時に、付き合ってることが発覚した。

悠里ちゃんにとっては最悪の事態とも言えるだろう。

 

 

「悠里ちゃん?おーい、悠里ちゃん?」

 

 

「……!は、はいなんでしょう?」

 

 

「次に行くみたいだからいこ?」

 

 

「は、はい!わかりました」

 

 

「………」

 

 

その場から逃げていくように歩き出した。

 

 

「心の傷は深い……、か。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「またねー!悠里先輩!」

 

 

「またねー」

 

 

「送っていくよ」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

蘭を家に置き悠里ちゃんを家に送ることになった。夜中に女の子1人を歩かせるのは危ないからである。

 

 

「今日は楽しかったです。市大会が終わって疲れが取れてなかったのでちょうどよかったです」

 

 

「そう、それは良かったよ」

 

 

「………望月先輩と春先輩はいつから付き合っているんですか?」

 

 

「えーっと、ちょうど去年のこの時期じゃないかな?県大会の時だったし」

 

 

「…………そうなんですか」

 

 

「ずっと気になってたの?」

 

 

「ええ、まあ……。望月先輩に好きな人ができることさえ思ってなかったので」

 

 

「あの性格だしね笑、僕だってずっと一緒に過ごしてきたけど恋愛なんて興味ないみたいな感じだったし」

 

 

「私も最初聞いた時は信じられなかったです。まさかそんなことがあるわけないって……」

 

 

「………まだ諦めてないの?陽詩くんのこと」

 

 

「…………そんなこと「あるよ」え?」

 

 

「部活の時だって陽詩くんと話す時だけすごい変だもの。あんなの誰でもわかると思うよ?そして今日陽詩くんが通りかかった時、ずっと見てたじゃん。店を通り過ぎてもずっと………」

 

 

「じゃあどうすればいいんですか………」

 

 

「ん?」

 

 

「高校入って今度こそ想いを告げようと思ったら、彼女がいますだなんて言われてすぐにのみ込めるわけないじゃないですか!この2年間ずっと想い続けてたのに、一ヶ月程度の人に奪われたなんて酷い話じゃないですか!?」

 

 

「…………」

 

 

「でも……、望月先輩は春先輩に絶対の信頼を置いてるっていうか、本当にまるで夫婦みたいな感じで……。あの2人の幸せを私だけの気持ちで邪魔しちゃいけないんですよ……。だからもうこの気持ちは終わりなんです。」

 

 

「邪魔しちゃいけないなんてルールはないよ?」

 

 

「ルールはなくても、雰囲気というかなんというか…」

 

 

「それこそ悠里ちゃん個人の意見だよ。自分の気持ちは素直になるべきだ、諦めるべきじゃない」

 

 

「結果はわかりきってることなんですよ!?そんなのやったって…」

 

 

「意味がないなんて言うな!」

 

 

「………え?」

 

 

「話を変えてるけど、もし悠里ちゃんが陸上の試合で絶対勝てそうにない相手と走ることになった時、どうする?」

 

 

「それは挑みますよ、相手が調子悪かったりして勝てるかもしれないですし、なにより勝って自信をつけたいです」

 

 

「それと同じことだよ。もしかしたら陽詩君が春ちゃんと別れるかもしれないよ?……まあ、ようは諦めちゃダメだってことだよ。」

 

 

「でも………」

 

 

「大丈夫。僕がついてるから。一緒に頑張ろう?ね?」

 

 

「どうして、どうして先輩はそこまで優しくしてくれるんですか?」

 

 

「……大事な後輩だから?」

 

 

「……………わたし、まだまだがんばってみます!ありがとうございます!」

 

 

「うん、がんばって」

 

 

「それではお休みなさい!」

 

 

「………お休み」

 

 

そうして僕と悠里ちゃんは別れた。

悠里ちゃんは陽詩くんのことを諦めないらしい。とても良いことだ。

 

ただ、もう少し周りの目に目を向けて欲しいかな……なんてね







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