金色のガッシュ!! 氷結の戦乙女    作:BLOODRAIN

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Level2 蒼い魔本の子 レイシス

Side レイシス

 

私はレイシス。いきなりだけど私は人間では無いわ。私は魔物、魔界から来た100人の魔物の子の1人。これは1000年に1度人間界で行われる次の魔界の王を決める戦いなの、先ほども言ったように魔王の候補は100人。この100人の魔物の子は自分が術を使うための本と共に人間界に送り込まれる。そして互いの本を燃やしあう、そして最後に残った1人が次の魔界の王となるの

でも、術を使うためには絶対にやらなければならないことが1つある

 

 

それは“自分の本を読むことのできる人間を探し出すこと”

 

 

魔界の文字で書かれたこの本は誰でも読めるわけではない。この広い人間界で星の数ほど存在する人間の中からたった1人だけの人間。つまり自分のパートナーを探し出さなければならないの。それができない限り術を使うことはできない。術が使えなければこの戦いに生き残るのは不可能と言ってもいい

 

私自身も王になりたいと思っているから早くパートナーを探し出さなきゃいけないのだけど、そう簡単には見つからない

この人間界に来てからどれだけ歩いただろう?

何人の人間に本を読んでもらっただろう?

 

一面を砂に覆い尽くされた所、凍えるような吹雪が吹き荒れる所、深い深い森のある所、人間が人間を道具のように扱かっている所

 

色んなところに行った、色んなものを見た、楽しいことばかりじゃなかった、むしろ嫌なことの方が多かったかもしれない

 

でも、諦めるわけにはいかない。戦いに勝ち残るために

 

そして次はこの町にやって来た。今日も何人もの人に本を読んでもらった。でも、私のパートナーは見つからなかった

 

今日はもうここまでにしようと今夜の寝床を探していたところ、私に声をかけてきた人間がいた

 

「ねえ、君かわいいねぇ。これからどっか遊びに行こうよ」

 

見るからに軽そうな男だ、明らかに私の体目当てといった目をしている。一瞬でも私のパートナーかもと思ってしまった自分が恥ずかしい。本も全く反応しないし無視することにした

 

だが、この男はしつこく私を誘い続けてきた。いいかげん鬱陶しくなってきたので顔に蹴りを入れてやった男は吹っ飛んだ

 

「軽々しく触れるな」

 

私は男を完全に見下して言ってやった。いまの私はどんな顔をしているんだろうか?自分の顔なのに想像することができない。これはまた不思議な体験だ

 

などと考えていると

 

男は本を取り出した。私はその本を見た途端に驚愕した

 

それは見間違いようもなく魔物の本だったのだから。さらに草むらから男のパートナーであろう魔物も飛び出してきた

 

まさかこんなところで魔物とそのパートナーと出くわすとは、はっきり言ってついていない。そんな思考を巡らせていると男は呪文を唱え攻撃してきた。魔物が吐き出した黄色い液体は後ろに飛んで躱したけど、液体が触れた地面はドロドロに溶けていた

 

スピードはそれほど無いが、もしあれを足にでも喰らえばこっちが一気に不利になるのは間違いない。そう分析しつつ、私はコートを脱ぐ。戦闘を行うならこの方が動きやすい

 

私がコートを脱いだ途端、男はさらにいやらしい視線を私に向けてきた

 

「うへへへ、こいつは思った以上の上玉じゃねえか。今夜は楽しくなりそうだぜ」

 

言っている意味はよく分からないが、少なくとも碌なことで無いのは本能的に感じ取れた

 

男は再び魔本を構え、呪文を唱えようとしたが

 

「『アシッdッッ!!』」

 

「・・・・いい加減にしろ」

 

突然別の人間の男が現れ、呪文を唱えようとした男に飛び膝蹴りを左顔面に食らわせた

また吹き飛んだ男は蹴られた箇所を手で押さえている。同じところを蹴られたせいか、なかなか動こうとしない

 

突然の出来事に相手の魔物も私も呆気に取られていると

 

「逃げるぞ!!」

 

「!?」

 

さきほど蹴りを入れた男は私の腕を掴むと公園の入り口に向かって走り出した。私は訳の分からないままなされるがままに手を引かれ走り続けた

 

「はっ、はっ、はっ・・・・・・・」

 

しばらく走り続けると男は足を止めた

 

「はあ、はあ、はあ、はあ、ここまでくれば大丈夫だろう」

 

男は息を整え、周りを見渡す。そばには川が流れており、足元は小石が敷き詰められているのを見るとどうやら河原の様だ

 

「大丈夫だった?」

 

男は私の無事を確認するため。私に問いかけた

 

「あ、ああ。何ともない。それよりいつまで握っている」

 

「ん? ああ、ゴメン」

 

私は無事を伝えると手を握っていることを指摘する。男は慌てて手を離した

 

改めて私は目の前の男を観察する

 

背は高くて髪はウェーブがかかっている。さきほどの本の使い手と違って無害そうな雰囲気を醸し出していた。だが警戒することに越したことは無い

 

「まあ、ここまでくれば大丈夫だろう。とりあえず家まで送るよ」

 

「・・・私に帰る家は無い」

 

「え?もしかして家出中?なら悪いことは言わないから大人しく家に帰った方がいいよ」

 

男は家に帰るように私に施すが、魔界から来た私にこの人間界に帰る家などあるはずもなく、正直に話すと今度は家出したものと勘違いしたようで大人しく帰るように施す。少ししつこいので言い返そうとしたところ

 

 

 

 

「『アシッド』!!」

 

さきほど公園で聞いた呪文が聞こえ、声の方を振り向くと黄色い液体が目の前まで迫っていた

 

「くっ!!」

 

私は隣にいたさきほど私を助けた男を突き飛ばし、持っていたコートを液体に向かって投げつけた

 

ジュ―――――

 

コートはドロドロに溶けてしまったが液体を防ぐことはできた

私は正面を向く。そこにはさきほど公園で襲ってきた魔物とその本の使い手が立っていた

 

「そうそう逃がすわけねえだろうこんな上玉。うへへへへ」

 

本の使い手の方は相変わらず気色の悪い笑みを浮かべている。正直もう関わりたくもないが、相手が魔物の本の使い手である以上。戦いは避けては通れないだろう

私は奴らの相手をするべく構えを取るが

 

 

 

 

「待て」

 

突然、隣にいた男が私を手で遮ったのだ、最初は意味が解らなかったが。前に出て私を庇うように手広げると

 

「俺が時間を稼ぐから君は逃げるんだ」

 

突然とんでもないことを言い出した。この男は先ほどの戦いでおそらく相手がどんな攻撃を出すか見ているはずだ。それでなぜこんなことが言える

 

「ああ!?手前はさっき俺の顔に蹴り入れたクソ野郎じゃねえか!!

人の顔に蹴り入れた次は正義の味方気取りか?怪我したくなけりゃ、さっさとどっか行っちまえ!!」

 

「そうよ!!逃げるのはあなたの方よ、奴らの狙いは私よ。私など見捨ててさっさっと逃げればいいでしょう!?」

 

私は正論を言ったつもりだ。だってさきほど会ったばかりの関係なんだ私がどうなろうとこの男には関係のない話だ。なのになぜ

 

「関係ない。ただ、俺が助けたいと思ったから助ける。それだけだ」

 

「!!??」

 

私はこの男が何を言ったのか理解できなかった。助けたいと思ったから助ける?

そんな理由で自分の身を危険にさらすことなど馬鹿げているにもほどがある。だが、今の言葉を聞いて少しだけ胸の奥が暖かくなるのを感じた

 

すると今度は

 

 

 

 

 

 

ビカァァァァァァァァァァァァァ!!

 

私の腰に付けているバッグが濃い目の蒼色に光り出したのだ

 

「「「「!?」」」」

 

私だけではない、私を庇っている男も相手の魔物とその本の使い手も突然の光に驚いている

 

私は、バッグから濃い目の蒼色。サファイアブルーの魔本を取り出す

 

本は光り輝いており、その光は目の前の私を庇っている男に反応している。という事は、この男が私のパートナー?

 

私は本を男に差し出した

 

「この本、読んでみてくれないかしら?」

 

Side out

 

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