翌日、俺はいつものように目を覚まし、身体を起こす。
あたりはまだ薄暗く、春でありながら肌寒い。鍛えていても寒さというのはやはり身に染みるものである。
頭を振り、雑念を払ってからスウェットに着替える。そして冷たい床の上に座禅を組む。頭に浮かべるは、仏教において六欲天の第一天の四大王衆天の主とされており、インド神話の中心とされるの
彼らを思い浮かべてひたすら自身の精神を鍛える。これが日課なのだ。
コンコン
「お兄ちゃん、朝ご飯出来たよ。下に降りてきてくれる?」
しばらく座禅を組んでいるとマイスィートエンジェル・小町が部屋に入ってきて朝ご飯の支度が出来たことを伝えに来る。
「ん、ああ・・・いつもすまないね」
「お兄ちゃん、それは言わない約束だよ。それに小町の料理の腕はお兄ちゃんや雪乃お姉ちゃんに比べたらまだまだだよ♪」
「でも小町の料理の腕も中々だぞ。この前隼人が勘違いして小町の料理をシェフの料理と思ってたらしいからな」
「ホントに⁉︎嬉しいな〜」
事実だ。隼人とは、俺と雪乃の幼馴染というか腐れ縁の仲みたいなもんだ。顔良し、頭良しの金髪リア充で次期サッカー部キャプテン、カッ、リア充め‼︎。そんな隼人の両親は弁護士と医者をしているそうだ。
そして俺の普通科でのクラスのトップカーストを形成している。その名も、葉山グループ。確か男子は、サッカー部が隼人とテンション高い奴が1人、野球部、ラグビー部が1人ずつ。女子は花魁みたいな奴1人に、お団子ヘアーでたわわな夢と希望をお持ちの子と、メガネかけた子1人だ。俺個人としてはは慎ましやかな夢と希望が好きです、はい。俺がたわわな夢と希望を持った人間のことを考えた瞬間、殺気が立ち昇ったが、慎ましやかな夢と希望のこと考えるとすぐに消え失せた。なんだったんだ今の?
「お兄ちゃん、雪乃さん下で待ってるからね」
「よし、今着替える。すぐ着替える。待ってろ」
小町を部屋から出した後、超特急で制服に着替え、洗面台の前に陣取り身支度を整える。顔を洗い、鏡を見て寝癖や目やにがないかをチェックする。問題がないことを確認した後、リビングに行くと制服にエプロンという俺の男心をくすぐる格好をした雪乃が着席していた。
その前に置かれているテーブルには仄かなカレー風味漂うチキンベーグルと、目玉焼きそれに春野菜のサラダという健康を意識した雪乃らしいちょいすだった
「おはよう八幡。朝ごはん出来てるからみんなで一緒に食べましょ」
「そうだな、いただきます」
「「いただきます」」
俺の後に続いて雪乃と小町が手を合わせ命をいただく儀式を行い、食事を始める。
「雪乃さんさすがですね。いつ食べても絶品ですよ!」
「ありがとう小町さん。あなたの料理だっていい味付けで美味しいわ」
「ありがとうございます!兄の料理はどうですか?」
「そうね・・・万人に愛されるような味付けと男女ともに嬉しくなるように栄養や健康などに気を使った素晴らしい料理だと思うわ」
「ほほう〜、よかったねお兄ちゃん!雪乃さんが褒めてくれたよ。気が利く妹、今の小町的にポイント高い!」
小町たちは最初雪乃の料理について話していたのに小町のやつわざと俺の料理について聞きやがったな。まあ、そう言われて悪い気はしないがな。
「あ〜高い高い。まあ俺は雪乃と比べたらまだまだだがな」
「そんなこともないわ。ねえ小町さん?」
「そうだよお兄ちゃん!お兄ちゃんだって前褒められたじゃん、シェフに!」
あ〜あれな。あのシェフが大げさなだけだろ、いやむしろ大袈裟過ぎるまである。だってシェフとして働かないか?なんて高校生に聞くかよ?そんなことを考えながらすべて平らげ、コーヒーを飲む。
「それより小町、時間いいのか?」
「えっ⁉︎やばっ!行ってきまーす」
食事をペロリと食べ終えた小町は俺の指摘で時間を確認して慌ててカバンを持って家を出た。慌しいやっちゃ。
「俺が、洗い物するから雪乃はここで待っててくれ」
「ええ、なら少しゆっくりさせてもらうわ」
俺の提案を了承し、イスにエプロンを掛けると持ってきていたバックから文庫本を取り出し読み始める。
そんな雪乃を横目に見つつ、使った皿やコーヒーカップを水洗いして目立つ汚れを落とす。そして食器洗い機に入れ洗剤を準備し、乾燥も含めたコースに設定しスタートボタンを押す。
「んじゃあ行くか?」
「ええ、車で一緒に行きましょ?」
相変わらず、豪勢ですね。まあ、よく乗るから慣れてるけどね。いや、可笑しいか。
そんなことを思いながら2人で高級車に乗りながら学校に向かった。