調査報告書___
最近、バグが発生しているようだ。刀剣達に今のところ害はないが何が起こるかわからない。今日も鶯の鳴き声とともに桜がひらひらと、舞い落ちる。
しっかりと刀剣たちの体調ともに、日々の生活、進軍に精を出していく___
「…っと、おわったー」
本丸にきて早半年。もうすっかりこなれてきた頃だった。初めは数人の審神者から出てきたバグがいまや全体に広がり異常の報告もされてきていた。幸いこの本丸にはまだ出てきてはおらず、日々の刀剣たちの容体チェックを欠かさない。聞いたところによると、バグは刀剣達の服に現れるとか、いくらたくさんの資材を使い打刀以上を狙おうとしても短刀や脇差ばかりが出てくる(可愛いから許す、むしろうれしい)などさまざまな報告を耳にした。
「そうだ、長谷部に洗濯物お願いするの忘れてた…長谷部は何処にいるって言ってたっけ?」
報告書に夢中になりすぎて長谷部が言っていたことを半分も覚えていなかった。光忠に頼もうかとも思ったが、短刀達と遊んでいたりするだろうからやめた。
「…自分でやるか」
物干しざおがあるのは今いる部屋から反対側にある、日当たりが良くなるように南側に作られているのだ。自分としてはどうして審神者の部屋を北側に作ったのかと思ったが、審神者の部屋には刀剣たちにも知らされていない秘密の抜け道があるのだとこんのすけから聞いた。しかしいまだに抜け道は知らないでいる。
「洗濯物ホントに大量だな…長谷部、大変だな」
長谷部への感謝を感じながら居間に向かう途中、縁側では鶯丸と一期一振りが短刀の子たちを楽しそうに眺めていた。
鶯丸はお茶を飲んでいたので2人と短刀の子たちにお茶菓子でも渡そうと思い、いそいそと居間へ入った。
「主!」
と、声がした方を振り向くと加州がなにやら慌てた様子で近づいてきた。
「どうしよう、さっき急に長谷部が鍛刀部屋から勢いよく飛び出してきて主を探しに部屋へ向かったんだけど…」
さっきは洗濯物を干していて部屋にはいなかった、ということは今長谷部は部屋だろうか。
「ちょっとまって主!そのときに長谷部小さい子を抱えてたんだけど……ど、どうしよう、け、警察かな…ね、ねえ、主、主!?」
それは大変だ、電話なんてしたら自分まで捕まってしまう気がする。急いで長谷部に合わなくては!
「主いいいいいいい!!どこですかああああああ!!!」
!長谷部だ。
「あ!主!ここに居たんですか、すみませんがなにかの異常でこの子が…」
腕の中から出てきたのは雪のように白い肌に全身真っ白な身なり。これはもしや…
「定かではないですが、おそらく鶴丸の…」
長谷部が半分言いかけたときに、その子は口を開いた。
「あのっ、にいさんここにいますか?」
信じられないとばかりに長谷部と加州は口を大きく開けた。そして自分も。