龍の王になった俺は人間と戦争する!・・・予定 作:Ryo1111
まるで時が止まったかのように、龍也と彼女は顔を見合わせた。
龍也は思わず、目の前の美しい女性に見惚れてしまう。
薄いベールのようなもので包まれた、トップモデルもかくやという見事なプロポーション。容姿に関しては言わずもがな。背丈は2mを超えているくらいと推定するもかなりの長身だが、それでもその美しさを損なってはいない。
だが、目が向くのはそれではない。
彼女の肌は肌色だが、目は空色、髪は紫と、明らかに普通ではない。
とりあえず状況打開の為、話しかけてみることにした。
「あ、あの~~……?」
その声に、はっとしたように彼女は目を見開く。
「あ、え、ええ……えと……」
言葉にならないようだ。何か、困惑しているようにも見える。
「ぎ、銀の竜……まさか、“龍王”さま……?」
「え、銀の竜?なにそれマンガ?それともラノベなのかぁ!?」
周囲を見回してみるが、それらしきものはない。何のことなのかと疑問に思っていると、ふと、横を見た瞬間に目に入ったものがあった。
それは、銀色の大きな翼。先端の棘と、大きな翼は、ゲームや漫画で見たドラゴンの翼に酷似している。目で追っていくと、それは自分の体から生えていた。ついでに言うと、龍也の体は人間のそれではなく、銀色の爬虫類トカゲのモノに似ていた。
彼女の言動と、自分で見たモノ、それらを合わせて考え、ようやく理解した。
「なるほどなるほど、銀の竜ってのは僕のことか~~…………って、納得できるかぁぁぁぁああああああああああッ!!」
「きゃあああッ!?」
突然叫びだした、意味不明のことを言う龍也に驚き、のけ反る彼女。しかし、龍也はそれを気にしている余裕がない。
「は!?死んで気が付いたら銀竜でしたとか、何それ!?もしかして夢!?夢なのかぁ!?」
慌てふためく龍也。これは、誰でもする普通の反応だろう。しかし、龍也は普通ではなかった。
「あ…………まあいっか。夢でも現実でも、どーせ死んでるんだし。この状況に身を任せちゃえ」
数十秒ほど悩んだのち、勝手に自己完結してしまったようだ。この辺、明らかに普通ではない。しかし、これが龍也なのである。そんなとき、目の前から声がかかった。先ほどの女性だ。
「あの、あなたは龍王様……ですよね?なぜ、こんな洞窟の中に?」
「龍王様って僕のこと?それに、ここって洞窟なの?それで、あなたは誰?教えてくれない?お願い☆彡」
とりあえず、何か知ってそうな彼女に逆に質問してみた。困惑するのは相手も同じのようだが、彼女は素直に答えてくれた。
「あ、え、えっとですね‥‥‥‥龍王と言うのは全ての生命体の頂点に立つ竜種の頂点に立つ存在で、持ってる力自体が強大過ぎるので、神と言われています‥‥‥‥‥‥あの、ほんとに何も知らないんですか?」
「ゴメンね、全くもって知らないよ。良ければ教えてくれないかな?」
さらに困惑を深める女性
「そうですね‥‥‥‥私の名前はアリーナです。性はお教え出来ません。自然を支える守護者、精霊王を束ねることを担っている者です。属性は水と火ですね。そしてここは、私が住処としている湖の近くの大きな山にある洞窟です」
「ウンディーネ!?精霊王!?属性!?」
「ひゃあッ!?」」
龍也は自分の顔をアリーナにズイッと近づけた。
全長3mもの巨体に銀色の鱗、黄金色のギラギラした目をしたドラゴンである。その迫力に引いてしまう。
龍也がアリーナに近づいたことで自分が入ってたものから出る。アリーナがそれに気づいて納得したように声を上げる。
「‥‥‥‥た、卵?」
「ん?卵?」
龍也が振り返るとそこには銀色の大きな割れた卵かわあった。要は龍也は産まれたばかりの龍王なのであった。それよりも龍也は気になっていたことがあった。
「アリーナ!‥‥もしかして、この世界には魔法があったりするの!?」
そう、魔法であるw
「え?‥‥‥‥勿論あるわよ?」
ホラッ、と言って手を差し向ける。すると、何もない空間から突然、水が溢れてきた。水の量は増えていき、渦を巻いていく。その光景に目を奪われていると、水に反射した自分の姿を確認できることに気付いた。
ギラギラと輝く銀の鱗。大きな翼と立派な四肢。長い尾と、輝く黄金の竜眼。そして、何故か幼いと理解できる、まぎれもない、そして美しい竜の姿。
「これが……僕……?」
茫然として呟くと、アリーナから声がかかる。
「本当に何も知らない、幼いからだ、卵……なるほど、あなたは丁度いま、卵から生まれたばかりなのですね!だから、自分のことをよく知らない。ああ、やっと謎が解けました!」
「卵……?」
魔法に気になってよく分からなかったが自分が出てきた入れ物を見ると、たしかに卵の形をしている。だからカーブを描いていたのかとようやくこちらも理解した。
「ああ、僕もようやく理解したよ。これはよくある“死んで異世界転生”ってやつだね。これならすべて納得できる。それにしても、まさかそんな話が現実に、僕自身に起こるとはね……」
両者がようやく理解したところで、水を消し、落ち着いて話をすることにする。その際、水が突如消えるという現象に、またもや龍也は感動していた。
「えっと、僕の名前は……神城龍也ああ、ラノベ的にはリューヤ・カミジョウって言った方がいいのかな?」
「御自身の名前をお持ちなのですか?流石ですね」
「おかしいかな、やっぱり?」
「いいえ、伝承通りの龍王様ならなんでもありですので」
伝承で語られる龍王、それがひどく気になる龍也、いや、リューヤ。しかし、今は置いておいて、話を進める。(アリーナが!)
「……あの、龍王様、私に敬語は必要ないです。生物的“格”からいえば、あなたの方が上なんだから」
「了解」
「それじゃあ次は僕から質問するね。アリーナ……精霊王について教えてよ。あとできれば竜についても」
「わかりました。それじゃあまずは、精霊からね」
洞窟の中で、リューヤは座り、目を輝かして彼女の話に全力で集中する。
「まず、この世界には自然に満ちる魔力と、生物の体内に宿る魔力の2種類があります。自然に満ちる魔力は、世界のバランスを保っているのだけれど……精霊はそんな自然魔力の調停者って言えばいいのかしらね。何か異変があれば、すぐに精霊が静めるの。私たちはその精霊たちの最高位の存在で、各属性に一体ずついるから精霊王っていわれています」
「ハイ先生」
リューヤは昔のように手をピンと上げる……ことはできなかったので、代わりに右の翼を広げた。バサッという音と共に翼が開かれる。
「はい、なんでしょう」
「属性というのは魔力の種類のことなんでしょうが、それは全部で何種類あるんですか?」
「お答えしましょう。属性は火・水・風・土・光・闇氷・無の計8つです。世界はその8つを軸に構成されているのです。精霊も竜も、その8つの属性に分かれています。私は先ほども見せたように、水を司る精霊王でもありますがね……って、これはさっき言いましたね」
リューヤのノリに、どうやら彼女ものってくれたらしい。これで、教師と生徒という構図が出来上がった。
リューヤの目を見ると、「次は次は!?」と急かしているのが手に取るようにわかる。アリーナは苦笑し、再度話を続ける。
「これは竜種も同じだと言いました。竜種には下から順に4つに分けられます。【飛竜種ワイバーン】・【属性竜】・【八皇竜】そして【龍王】です。属性竜というのはそれぞれの属性ごとに色や特徴がわかれており、八皇竜はそれぞれのトップに立ちます。いわば、私と同格の存在ですね。――――説明はこれで以上です。何か質問はありませんか?」
後で聞いた話をまとめると、「赤皇竜・蒼皇竜・嵐皇竜・岩皇竜・光皇竜・黒皇竜・碧皇竜・無皇竜」の八体がおり、その下に「火竜・水竜・風竜・土竜・光竜・黒竜・氷竜・無竜」がいるとのことだ。属性に関していえば、名前を見ればすぐにわかる。
また、この世界でも竜は人間にとっては脅威な存在らしい。
「じゃあ僕は、何の魔法を使えるの?」
その答えは分からないとのことだった。
龍王は存在していた時代も古く、謎のベールに包まれているらしい。
ならばと思い提案してみた。しちゃいました。
「アリーナ、僕に魔法教えてくれないかな?」
「え!?私でいいんですか?」
(・∀・。(-∀-。)ウン♪
絵文字入りで頷いた所なら、引き受けるが、やる事が盛りだくさんなので明日にすると約束して帰っていってしまった。
なんとも残念無念!
ー翌日ー
魔法を練習するのにこの洞窟の中では危険すぎる。魔法の練習というのは、下手をして暴走させてしまったら命に関わるものだからだ。無限の魔力と言われている龍王の魔力暴走など、考えただけで恐ろしい。
というわけで、外に出ることにした。
空を優雅に美しく飛ぶ龍王、その光景には誰もが見蕩れる元だろうとアリーナは思う。
(飛べるのは、なんとなくやってみたら飛べたそうな‥‥)それにはアリーナは凄く驚いていた。
指摘、感想などありましたら(ヾ(´・ω・`)ノヨロシクデス(o´_ _)o)ペコッ