Fate/Mist Night (凍結) 作:這い寄る混沌信者
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「む……。アルル、彼女は何者だ?」
眼下に広がる阿鼻叫喚を見ながら、漆黒のスーツに身を包んだ男性は、隣に座っているアルルと呼ばれた女性に話しかける。
「先日、わが社に借金していた夫妻が金の代わりに売った子です。ごく普通の一般家庭の出のはずです」
手元の資料を眺めながらそうスーツの男に告げた女性の顔は先ほどから驚愕といった表情になっている。普段無表情な彼女がここまで驚くとは。と思いながら、再度質問を投げる。
「じゃぁなんだ、彼女は
「確実に急所を狙ってほぼ一撃で仕留めていますね……。一般家庭の出とはとても思えませんね。それに意識があるのかも怪しいですが」
「?それはどういうことだ?無意識……意識がない状態であそこまでできるのか?」
「無理に決まっています。あの少女……初めに殺した時は泣き叫んでいたのに、今となっては無言、諦めたからといえば納得できますが、目が虚ろすぎます」
「なるほど……これは早い者勝ちだったよな。なら彼女を買っておいてくれ。それ以外はいい」
「かしこまりました。この調子でいくと彼女、全員殺りそうですね」
「ほかの客が迷惑するからやめてほしいね……初めに何人いた?」
「ざっと80人といったところでしょうかね。今では20人程度ですが」
彼女の話を聞きつつ、闘技場の中に目を向ける。私たちが注目している少女……確か名前はなかったね。今までストレスの捌け口としてしか使われなかったせい…か。まぁ同情する気なんてサラサラないし、こちらの良い
「ボス。どうやらあの少女は生き残った場合、オークション形式で販売されるようです。どういたしますか?」
「外にいる奴に連絡して本社から金を持ってこさせろ。必ず競り落とすぞ」
「了解です」
くくく…楽しくなってきたぞ……。
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血だらけだった。目が覚めたら私の手が血で染まっていた。周りには私を見ておびえてる9人の子供と、にやにやと笑っている観客たち。私たちが入ってきた扉とは別の扉が開いており、そこから出ろということなのだろう。もう諦めた。私のこの手は血でどす黒くなっていて、もう真っ当な人間ではないことを無慈悲に伝えてくる。だから諦めた。転生するときは適当に原作キャラと関わって、面白おかしく生きれればいいと思っていたけれど、それももう無理だ。
ふらふらと立ち上がり、出口に向かって、まるで生まれたての小鹿のような足取りで歩いていく。この先の展開は大体わかっている。ここは人身売買を行うところなのだろう。私も誰かに買われ、その先には真っ暗な未来しか待っていないのだろう。
出口をくぐった先には、武装した奴らがおり、私の手から短剣を離させ、手錠をかけてきた。他の子たちも武器を取り上げられ、手錠をつけられている。そして私だけほかの子供たちとは違うところへ連れていかれる。嫌な奴らに目をつけられてなければいいのだが………まぁ無理だろうな。
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私は小さな小部屋に連れていかれ、目隠しをされた状態で椅子に縛り付けられた。どうやら相当私のことを警戒しているらしい。だけど、もはや私に抵抗する気はない。これからをずっと、裏の世界でしか生きていけないのだろうし、今更抵抗したところで、どうにもならないのは目に見えている。
ふと、外からの声が聞こえた。どうやら隣で何かをしているようだった。何もできないので、暇つぶしに聞いてみることにした。
『さぁ皆さま!!本日はお集まりいただき誠にありがとうございます!!さて、今回は一名、ずば抜けた実力を持つ子供がいたため急遽、このような形にさせてもらいました!識別No42です!!殺した人数は約30名、プロでさえ目を瞠るその技術!お値段は一万からです!』
『五万だ!』『八万!』『十五万!』
『………八十万』
『おおっと!ここで八十万だー!!これ以上の方はいませんか!………いないようですね。なら識別No42は落札されました!後ほどカウンターでお支払いの後、お受け取りください!』
どうやら私には八十万という大金がかけられたようだ。たいそうな金がかけられちゃったなー。前世じゃ考えられないような大金だよ畜生。こんなことになるのなら転生なんてしなければよかった………。
む、部屋の前に誰か来た?
『こちらでございます。手錠を使い拘束していますが、十分お気を付けください』
『ありがと、はいこれね。八十万』
『………確かに受け取りました。こちらがカギです』
ガチャッという音とともに部屋の中に誰かが入ってくるのを感じる。コツコツと足音が響き、私の前で止まる。
「連中もなんて拘束してんだよ。まだ年端もいかない少女だぜ……?」
「………誰?」
「ん?俺かい?俺はジースってんだ。ジース・サーベイスだ。まぁわかってるんだろうけど俺がお前を買ったモンだ」
「知ってる」
「デスヨネー。っと無駄話はここまでだ。こんな埃臭いところに長居は無用だぜ。アルル、鍵を外してやれ」
「よろしいのですか?」
「いいよ。こいつは間違いなく暴れねぇよ」
いつの間にか後ろに立っていた女性に手錠と目隠しを外してもらう。目の前にいる男は何で私が暴れないと思ったのだろうか。
「ん?なんでお前を信用したのかわからねぇって顔だな。うーむ、まぁいわゆる勘ってやつだよ」
「………そんなことだけで私を信用してよかったの?」
「いやだめだな。まぁおまえはこれから俺の所有物だ。俺の好き勝手にさせてもらうぜ。あとでお前さんの力も使えるようにしてやる」
「!?」
今こいつはなんといった?私の力を使えるように?なんで私の力のことを知っているの?
「おれはとある
「………
「ん?なんじゃそりゃ?」
「私のレアスキル。特定条件下で女性のみ必ず殺すレアスキル」
「……くくく、ハハハハ!!なんだよそれ!レアスキルまで対人特化かよ!よーし決めた!お前俺専属の殺し屋になれ!必要な知識はアルルが教えろ!いいな」
「承りました」
なんだか私の前で勝手に人生決められているが、それよりも気になったことがある。
「………ねぇ、私はなんていう名前なの?」
「おぉ、そういえば忘れていたな!お前さん、親から名前をもらっていないんだったな。なら俺がつけてやる!お前は今日からジャックだ!ジャック・ザ・リッパー!」
「ボス。それはいささか安直かと」
「いいじゃねぇか!目指せ最恐!的な?」
「………私もそれでいい」
これは運命が決めたことなのだろうか。私の名前があの反英霊と同じになることが。それでも、いつかは………。
普通に生きてみせる…………。
主人公は最初から底辺スタートです。
後先考えずに書いていく予定ですのでなにとぞご容赦ください。