学園都市外で家族の憩いの場となるファミレスが、学園都市内では少年少女の溜まり場となる。特に休日の昼時、夕食時などには席が満席になることも珍しくはない。
今日も昼時のファミレスには様々な少年少女が集まり、食事と会話を楽しんでいる。
「本当ですって!私時間計って見てましたもん!」
そんなファミレスの店内に少女の声が響き、他の客は迷惑そうに、あるいは不思議そうに声の発生源を見る。
声が聞こえた場所には四人の中学生と思われる少女達が座っていた。その中でも発育の良い黒髪の少女が他の三人に何かを説明している。その表情は綺麗な貝殻を見つけた子供のように輝いていた。
しかし説明を受けている三人は胡散臭そうな目を黒髪の少女に向けいた。
「今回はって…佐天さんこの前も言ってたじゃない…それ…」
三人の少女の内、茶色短髪な少女が苦笑いしながらそんな言葉をかける。
佐天と呼ばれた少女は痛いところを突かれたと言わんばかりにのけぞってオーバーなリアクションをとる。
「この前は確か……女性の手に執着する変態連続殺人鬼でしたかしら?」
四人の中でも小柄なツインテールの女の子が以前佐天が話していた《都市伝説》を思い出しながら語る。当時のことを語る彼女の表情は呆れ顔である。
「あぁありましたね〜被害者の女性が発見されないのは犯人が被害者を爆弾に変えているからだ!ってぶっ飛んだ推理してましたよね〜」
なぜか頭に花をつけた少女が、隣の席の親友が過去に犯した失態をおかしげに話す。
三人に過去の失態を指摘された佐天は顔を悔しげに歪めていたが、本当に《今回》には自信があるのか元の自慢するような表情に戻った。
「あはは〜〜確かにあの時の推理はちょーっと無理がありましたけど………ふふん…今回はハッキリ!この目で!見たんですから!間違いない!」
そう言いながら佐天は立ち上がり、左手に持っていた雑誌を三人に見せつけ、読んでみろと言わんばかりに顎をしゃくる。
そんな友人の姿に三人は苦笑しながら雑誌に顔を近づける。
「ん〜なになに?全身包帯男……必ずカツアゲされる道……?聖人の遺体に…アメリカ大統領の陰謀??どれもこれも胡散臭いわね…」
「あぁそこじゃなくて左下の方です」
「………石仮面の秘密?」
「その隣です」
石仮面が何なのか少々気になったが、どうやら今回の話題とは関係がないらしい。
そう言われて三人の少女は佐天に指定された場所を覗き込む。
「「「人通りが消える道?」」」
「そうそれです!何の変哲もない繁華街……しかし朝の7時半ごろ唐突に人通りが減る時間が来る!何の前触れもなく!なぜか人通りが減る場所と時間があるんですよ!」
「いやでもそれって電車の都合とかじゃないんですか?」
「いやいや朝の7時半だよ?通学ラッシュでしょ普通。それに休日でも突然減るのはおかしくない?おかしいよね絶対!」
「……確かにちょっと不思議ね…」
「それで、佐天さんはこれを体験しましたの?」
「えぇ!凄かったですよ!本当に人通りがなくなるんです!しかも人が通らなくなるのは5分ほど!それ以降は普通に人が通るんですよ!これすごくないですか!?」
佐天は興奮した様子でその時の様子を語る。
曰く、犬の散歩をしていた少女は急に吠え出した犬に引っ張られるように走り去った。
曰く、ジョギングしていた男性は寒気を感じたように身を震わせた後、なぜかコースを変えていった。
曰く、佐天自身もなにか得体の知れないものを感じ、その場を離れたという。
曰く、まるで餌をたかるようにカラスが集まってきた。
それらの話しを聞いてるうち、最初は胡散臭げだった少女達も興味が湧いてきたらしい。
「こんな不思議なこと見逃してはおけません!と…言うわけで!明日の朝7時!駅前に集合ということで!人通りの消える道……この謎を解明しましょう!御坂さんと黒子さんがいれば何かと心強いですし!」
気づけば明日の朝都市伝説を解明するために集まることとなった。
苦笑いをこぼす茶髪の少女……御坂美琴は
『まぁ明日日曜日だし…いっか…それにちょっときになるしね』
なんだかんだノリノリであった
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