ふぃー、お茶が旨い、日本のお茶は最高だね。
「シキ兄さま、このドラマの犯人なんですが誰だと思いますか?」
「ヤスじゃねーの?」
途中から見てる俺に犯人を聞くとは流石チアキ、事件の詳細とかまったく知らないのに、流石俺の妹。
「それよりもお茶を避難させとけ」
「えっ、なんでですかシキ兄さま」
「いいから、ハルカもな」
「はーい」
そろそろだろ。
「たいへんだ!」
やせいの カナ がとびこんできた!
「たいへんなんだ!」
「どいて、机に乗らないで」
「どうした狼少年、ウーパールーパーが襲われたのか」
「本当にたいへんなんだ!それとシキにぃはどっから出てきたのそのウーパールーパーは!!」
最近見ないよな、ウーパールーパー。どっかでウーパールーパーの唐揚げ見たけど、いやぁあれはグロかったな。でも俺は耐えた。子供の頃からくす玉や真っ二つとかの特撮観た俺は伊達じゃないぜ?
「それでどうしたんだ、なにがたいへんなんだ」
「そうそう!靴箱にこんなものが!」
「これは…ラヴレターか?」
「いやん!ラヴって言うなよ!」
「じゃあ恋文か?」
「古い!さっきから古いよシキにぃ!」
えー、恋文って言わないの?いやまぁ俺の子供の頃も恋文とか言わなかったけど、普通にラブレターだったけど。クラスに一人はいたよな、ラブレターがやぶれたーとか、そんな感じのくっだらないこと言ってたやつ。
「こんなしわくちゃなラブレターもらったのか?」
「いや、それは私が手に汗にぎってにぎりつぶしたの」
「へぇー、カナもラブレターもらう年頃になったのねー」
「ハルカ姉さま、年頃はあまり関係ありません」
「そうだぞハルカ、年頃が関係あるなら幼稚園のお前はなんだって話だぞ。お前はほぼ毎日ラブレターを」
「止めてシキ兄さんその話は止めて!」
ほぼ毎日ラブレター貰ってたからなコイツ。まぁ送るやつの気持ちはわかる、幼稚園の頃から人気だからな。
「読んでいいのか?」
「よ…読むとき声出すなよ」
「……………」
あっ、チアキのあの目は…
『急な手紙で驚かせてごめん。
南と出会ってから南のことをいつも目で追っていることに気付きました。
活発で元気な南が気になっています。
もしよろしければ、教室で誰もいなくなってからゆっくり話をしてみたいです』
いただきました、流石チアキ、俺の妹なだけはある。
「うわぁ……」
「なんてはずかしいやつだ」
「青春してるじゃないか、いいことだ」
「おい…声出したか?感情たっぷりリスナーにお届けか?」
「おぅ、感情こもってたぞ。チアキお前声優になれるんじゃないか?」
「今のところなるつもりはないです。それと藤岡くんからのラヴレターでしたー」
「おまえラヴ禁止」
「藤岡くんてどんな人なの?」
「あれか?1号か?」
「その藤岡じゃないよシキにぃ、同じクラスのやつだよ。たしかサッカー部レギュラーで、女子にけっこう人気があるみたいだな…」
サッカーかぁ…いいなサッカー、俺もやりたい。思いっきりボール蹴りたいな。
ところでカナ、なんだその閃いた!みたいな顔は。
「そーかそーか、やつを連れてたら自慢できるかもな」
「ブランド感覚とはいいご身分だ」
まるっとチアキに同意するシキさんです、藤岡くんが不憫だぞこれは。
「うらやましいかチアキ」
「あい?」
「うらやましいだろうこのモテる姉が!人気者を連れて歩けるこの姉が!」
「おりろ」
まぁどうであれカナにも春が来たかー、よかったなーカナ。お前夏奈なのに春香よりも先に春がきてー、お兄ちゃんちょっとハルカが心配になってきたぞー。まぁ俺にも彼女とかいないんだけどねー。
「調子に乗るのはいいが……この手紙には不審な点が多いぞ」
おろ?チアキどうした、なんだ不審な点って、事件か?事件と言えばさっきのドラマどうなってるんだろ……本当に犯人がヤスだった……だと……!?俺スゲー!
「えっ、何が?」
「女に不自由しない男が、なぜわざわざおまえにラブレターを送る必要がある?」
「ちょっ、チアキおま、その言い方は流石におま」
「異議あり!」
却下!!
「気になるのは『活発で元気な南』この部分だ」
「はぁ」
「これは『お前目立ってんだよ』と解読できる」
おーっとチアキ探偵、これは迷推理か?
「そしてここ『教室で誰もいなくなってから』」
「はぁ」
「たぶん『邪魔者がいないリング』を示す」
うん、これは完全に迷推理だ、迷推理だよチアキ探偵。
「それですべての暗号を解くと……」
『はたし状
最近おまえ目立ってんじゃねぇか。
目障りなんだよ。
邪魔が入らないところで拳で語ろうぜ。
球蹴り番長 藤岡』
「こういう手紙になる」
昭和か!!!昭和のヤンキーか!!!
「ただ口べたな子なんじゃない?」
「俺もそう思うが」
「…………………」
この時、確実に時は止まっていた。
「ゆるさん!私の乙女心を踏みにじりおって!」
おーい!!!カナさんおーい!!!
「落ちつけカナ、私が秘策を伝授してやろう」
「はぁ……」
「むっ、どうしたんだシキ、溜め息なんてついて」
「あぁハルオか…こいつは南春雄、同じ南の名を持つが兄弟じゃないからな、俺と同じ大学に通ってるもう1つの南家の長男だからな。ちなみに付き合いは長いぞ」
「お前はなにを言ってるんだ?」
「いやなんでもない。それとお前は何故溜め息なんかついてるんだと聞いたな?その答えは俺の妹にある」
「お前の妹?どうしたんだ」
「いやな、カナがせっかくラブレターもらって春が来たと思ったのに、うちのチアキ様が余計なことしてくれてなー」
「よくわからんがお前も大変だな」
「お前も四人兄弟だろ?でもお前には弟もいるだろ?俺にはいないんだよ」
「まぁ手がかかる弟や妹だけどな、でもそんなこと言っても妹が可愛いんだろ?」
「……まぁな」
「それとお前は伝えないのか?妹達に俺たちのこと」
「んー?どうせその内わかるだろ、たしか高校中学小学校と同じだったはずだし、それによ」
「それに?」
「黙ってた方が面白そうじゃないか」
「まったくお前は…」
「ただいま!藤岡にローキック喰らわせてきた!」
「おかえり、そしてよくやった」
「本当にやったのかよ…」
あぁ藤岡くん、今度ここへ来てくれ、その時は君の好きなものを1つだけ作ってあげよう。そして諦めるなよ、君の気持ちはいつか届く、多分。
ハルオをシキの同級生ということにしました、いやぁ公式で設定がそこまで明らかになってないですからね、ナツキよりも歳上ぐらいしか。