寂しがり屋の兎はヒーローになる。   作:ヒトノミライ

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ワンパンマン見てたら思うわず書いちゃった。
ブラブレの方は……もう少しかな(ぇ


Stage1:聖誕

 

20XX年12月25日ーー。

 

「雪絵……、ほら見てごらん。元気な男の子た」

 

白い病室の中に、元気な赤ん坊の声が響き渡る。濃い疲労を浮かばせる女性の横で、元気に泣いている。

 

「……ええ。本当に、良かったわ……」

 

「あぁ、お前もよく頑張ったな。ありがとう」

 

まだ疲れが溜まっているのに、健気に笑ってみせる女性に、男は涙を浮かべながら手を握る。

ふと、窓の外を見ると真っ白な雪がシンシンと降っている。ホワイトクリスマスだ。

 

「……この子の名前、決めたぞ」

 

それを見た男はポツリと呟いた。

 

「ーー雪兎。雪兎だ。雪絵の“雪”が入ったこの名前にしようと思うんだが……どうだ?」

 

「……えぇ、良い名前ね。この子、随分と寂しがり屋みたいだから“兎”の文字がぴったりだと思うわ」

 

元気に泣きながらも、二人の指を力強く、絶対に離さないとばかりに握るその姿に、女性は優しく微笑む。

 

「だから、私たちがこの子に寂しい想いをさせないように、たくさんの愛情を注いであげましょうね」

 

「あぁ、あぁ! そうだな!」

 

男の手の中には、二人の暖かな手が握られている。それを優しく包み込みながら、何度も何度も女性の問いかけに頷いた。

それを女性は苦笑しながらも、元気な我が子を見つめる。

 

「元気に育つのよ、雪兎」

 

その真っ白な髪の毛(・・・・・・・)真っ赤な瞳(・・・・・)の赤ん坊を、女性はゆっくりと撫で続けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

窓の外から小鳥たちが朝の訪れを報せる鳴き声が響いてきている。

 

「………」

 

その鳴き声で目を覚ましたのか、子供用の小さなベットからゆっくりと顔を起こす人影が一つ。

ボーッと目の前を凝視している事から、朝に弱いのだと分かる。

5分くらいすると、その特徴的な白い髪をガリガリとかく。布団から這い出てパジャマから着替える。まぁ、パジャマと言っても黒のスウェットだが。

 

ジーパンとTシャツというラフな格好になると、ゆっくりと姿鏡の前に立つ。

 

「…………ハァ」

 

前と変わらない髪と瞳。まだ子供だからなのか、目つきはあまり悪いくはない。だが、それは彼の目線からであって、周囲からは目つきの悪い子供として見られている。

それを考えて、ため息が漏れる。その様子は六歳の子供にはあまり見えない。

 

 

『雪兎ーー! もう朝ご飯が出来るわよ〜』

 

 

不意にドアの外から聞こえてくる声。母親が呼んでいるのだ。

 

それを聞いた雪兎と呼ばれた少年は、返事もしないでスタスタとドアを開け、階段を降りてリビングへと向かう。

未だに少し慣れない感情に、若干の戸惑いをみせながら。

 

「おはよう、雪兎」

 

「………おはよう」

 

リビングの椅子に座ると、キッチンで料理をしていた母親が振り返って笑顔を向けてくる。男の子は視線を逸らしながらも、きちんと挨拶を返した。

 

「雪兎、まだ起きないお父さんを起こしてきてくれる?」

 

その様子に、母親はクスクスと笑いながら未だに起きない父親を起こしてこいと頼んできた。

 

「………分かった」

 

毎朝の事なので特に反対もせずに、父親が寝てるであろう寝室へと向かう。

ドアを開けると、いびきをかきながらぐーすか寝ている男の姿があった。

 

「………起きろ」

 

「ひょわぁーー!?」

 

持ってきていた保冷剤を男の首筋に当てると奇妙な叫び声を上げて飛び上がる。完全に目を覚ました男は近くにいる男の子を見てため息を吐いた。

 

「………雪兎。その起こし方はやめてくれ。本当に寿命が縮みそうだ」

 

男はジト目を男の子に向けている。

それをため息と共に無視を決め込む。

 

「……普通に起こしても起きないだろ」

 

「だからってなぁ……」

 

「………」

 

男の抗議を無視してスタスタと男の子は寝室を出て行ってしまった。その姿を苦笑しながら見送るのも慣れたものだった。

 

 

 

 

 

「「いただきます」」

 

「………いただきます」

 

三人で食べる朝食。

二人分のコーヒーの香り。自分も飲みたいと言ったが、母親にダメよと言われて仕方なく牛乳を飲む。

そんな姿を二人はニコニコと微笑む。

 

 

 

これがいつもの日常。

男の子ーーー神代(かみしろ)雪兎(ゆきと)の新しい日常。

 

 

ーーそして、所謂前世というもので、最強と恐れられた男のかけがえのない日常である。

 

 

 

 

 

 

………to be continued.

 

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