チームRWBY(ルビー)がベルナの村で実地試験を行うようです   作:はぐれファウナス

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金とブロンドと 【ラージャン討伐】 前編

「ハンター様方、私は、皆様に謝罪しなければなりません。またしても緊急です」

 

飛行船で待ってた龍歴院の人は、本当に申し訳無さそうにこう言った。うう……何と無くは分かっていたけどさ。

 

「またぁ~?」

 

ヤンお姉ちゃんが、そう言うのも無理はない。皆、もうかなり消耗してるんだから。

 

……私だけは、そうでもないんだろうけど。結局いいとこなしだし。

 

「今度は……どんな相手ですの?」

 

ワイスもうんざりした様子で、こう言った。彼はその反応を予測してか、本当にスミマセン、とまた頭を下げる。

 

「今度のモンスターは牙獣種と呼ばれる種別なのですが……その中でも最も危険な相手となります。金獅子【ラージャン】、それが対象の名前です」

 

「ラージャン?」

 

「ええ。典型的なパワータイプで、発達した腕から繰り出される打撃は山をも揺るがすと言われています。また、電撃を纏い、或いは口から放出するとの報告もあり、危険度は龍歴院の定めるランクでも最高近いモンスターです」

 

「そこまで危険な敵を、消耗している現状で相手にするのは厳しいわ。各村のハンターは相変わらず戻っていないの?」

 

「……帰還どころか連絡の一つもなく、彼等の生死すら分からないのです」

 

「そんな……」

 

「ちくしょう、結局はこうなるのか!」

 

ヤンお姉ちゃんが、だん、と机を殴り付ける。そんな様子を見兼ねてか、龍歴院の人がこう言った。

 

「私は、無理強いをするつもりなど毛頭ありません。皆様がやられてしまっては、元も子もないのですから。場合によっては龍歴院付きの兵を派遣することも検討しなければなりません」

 

「あら? 龍歴院は兵力をお持ちでしたの?」

 

「ええ。ですが……モンスター相手では、恐らく足留めにしかならないでしょう。彼らは専門家ではありません」

 

「ダメじゃん!」

 

「無駄な犠牲が出るくらいなら、私達が行った方が余程良さそうね。気休めを言う余裕すら無いじゃない」

 

ブレイクが言うように、龍歴院の人には常に、緊張の色が浮かんでる。本当は今すぐに討伐に向かって貰いたいのだろう。

 

「私が……」

 

私はこの時、とある提案をしようとしていた。これまでの失点を取り返せる唯一、と思われる提案だ。

 

「私が行く……私が足留めしてる。皆は、その間に少しでも休んでてくれたら、いいかなぁ~なんて……」

 

「ちょっとルビー、それ本気?」

 

「うん。私だけ、その……何も出来てないし……少しでも、皆の役に立たなきゃって……」

 

「下らない。そんな事、気にする必要はありませんわ。あなたは自己評価が低すぎましてよ」

 

「でも、私のせいでワイスが……」

 

「見くびらないで。あの程度のハプニング、大したことありません」

 

ワイスはそう言うけど、さっきも辛そうにしてたし、全くの無傷じゃない筈だ。

 

お姉ちゃんにしろ、ブレイクにしろ、あちらこちらに傷が見える。やっぱり、まともに戦えるのは私だけなんだろう。

 

「一人でどうにかなる相手とは思えない。落ち着いて」

 

とブレイク。そ、そういう訳じゃないんだけど……

 

「そうだよ。行くんなら皆で行こう。そしたら力も百倍、絶体倒せるよ」

 

「おおっ、そうだ。せめて渡した秘薬をお呑み下さい。効果はすぐにあると思います」

 

「そうでした。ありがたく頂きますわ。それで、狩場まではどの程度かかるのですか?」

 

「準備の為、一旦ポッケの村に降りますが、村までは数時間でたどり着けます。急ぎ足となりますが、それまで休憩をしていて下さい」

 

「あいあい。これが最後だといいけどね」

 

飛行船は、北を目掛けて進路をとっていた。

 

 

 

 

 

――ポッケ村は、山間に存在する村で、今の時期でも残り雪がある。雪があるって事は寒いって事で、朝陽が登った今でも、樽の中の水には氷が張っていた。

 

朝陽がキラキラと反射するのが眩しい。だけど、そんな景色に心動く暇もなくって、すぐ村長さんに話を聞きに行った。

 

防寒着を着ていても、肌を刺すかの様な冷気は隙間から入り込んでくる。

 

「すまないねぇ、ヌシらがハンターさん方かい。ならばラージャンについてはもう、聞いておると思う」

 

村長さんは、ちっちゃいおばあちゃんだった。でも、その外見とは裏腹に、視線は鋭い。

 

「今はまだ、ふもとに降りて来ていないけどねぇ、いつぞはポッケを壊滅寸前まで追い込んだヤツさ。決して油断したらいけないよ」

 

「はい。任せて下さい」

 

「ホレ、これも渡しておくよ。【ホットドリンク】は雪山の必需品だよ」

 

「ありがとうございます」

 

「なぁに、ワシらに出来るのはこれだけじゃて。ラージャンは強力なモンスター、くれぐれも気を付けてなぁ」

 

村長さんに見送られ、私達は雪山へと登っていった。

 

 

 

 

――「か~ら~い~!」

 

ホットドリンクを真っ先に口にしたお姉ちゃんが、ひ~ひ~言いながら言った。

 

「うぇ、確かにこれは強烈ですわね」

 

「これ絶体唐辛子やタバスコぶちこんだハチミツか何かだよ! 最初甘いかな~とか思って沢山飲んじゃったし! ぺっ、ぺっ!」

 

「でも、体は温まるわ」

 

うぅ、私、辛いのあんまり得意じゃないけど、飲んどこう。う~~~ん、辛っ! 舌がピリピリするよ……

 

雪の上をあるいて、時には崖を登っていって、多分頂上近くまで来た時だったろうか。

 

不意に、頭上を何かが飛んでいった。その影は、私達の目の前へと降り立つ。

 

荒々しい着地は、雪を巻き上げた。その中に立っていたのは、漆黒の悪魔だった。

 

金色の頭部の毛が、陽光を受けて輝く。そいつこそ、牙獣ラージャンであった。

 

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