チームRWBY(ルビー)がベルナの村で実地試験を行うようです   作:はぐれファウナス

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金とブロンドと 後編

金獅子ラージャン。その力は凄まじかった。いや、そんな言葉で指し示せる程に軽い相手じゃない。

 

鍛え抜かれたであろう、上半身と丸太の様な腕、ハンマーの如き拳から繰り出されるパンチは、直ぐ様に私達を窮地へと陥れた。

 

ラッシュが止んだ時を見計らい、ブレイクが、ガムボール・シュラウドを投擲。リボンで鎖鎌の様に操る。ラージャンは飛び退き、斬撃から身をかわす。

 

かわした先に、魔方陣が発生し、ラージャンの肉体を宙へと打ち上げた。ワイスの魔法だ。

 

「はぁっ!」

 

ミルテンアスターのダストシリンダーが青色を示し、ワイス自身も魔方陣の力によって矢の如く自らを射出!

 

ブレイクもまた、卓越した身体能力を生かし、空中のラージャン目掛けて飛び出した。

 

しかしラージャンというモンスターにはこれでも甘かった。金獅子は体をボールの様に丸めると、その場で激しく放電した。

 

やがてモーターコイルの様にギュルギュルと回転を始めるや、紫電が弾けてラージャンは、飛んできた。

 

「えっ……?」

 

一瞬の事だった。ボーリングのピンみたいに、ラージャンに撥ね飛ばされるブレイクとワイス。彼女らは一度感電したのか、バチ、と僅かに放電して、雪の中に墜ちた。

 

「ブレイク? ワイス?」

 

ラージャンは、咆哮すると、尚も胸をドンドンとドラミングし、こちらを捉える。

 

それまで倒れていたヤンお姉ちゃんが立ち上がり、私の名前を呼んだ! はっ、と我にかえる。その場を直ぐにジャンプ。

 

ラージャンのタックルが真横を通過した。私は着地するや、スナイパーモード、弾丸を発射する。

 

敵は地面に手を無理矢理突き立て、強引にブレーキをかけると、こちらに向き直った。弾丸が腕に命中。続いてお姉ちゃんがエンバー・セリカを連射しつつ接近していく。

 

敵に向けてではない。自分の背後に向けて放ち、反動でどんどん加速してゆく。

 

「やああああああ!!」

 

加速状態からの、一撃! 同時にグローブが火を噴き、更に右ストレート、左ストレート、右、左とラッシュ。

 

渾身の一撃をラストに叩き込むと、ラージャンは体をくの字に曲げて崖下へと落下していった。

 

「はぁっ、はぁっ、ルビー! ワイスとブレイクは?」

 

「分かんない! 多分、あっちの方に飛んでいったと思うんだけど!」

 

「手分けして探そう。早くしないと凍えちゃう……ぞ?」

 

グォアアアアアアアア!! その時、崖下から凄まじい咆哮が聞こえた。これって、あのラージャンの!? だとしたら、並々ならない憤怒の声。

 

どしん、どしんと山を震わせ、崖から出でたもの、それは確かに墜ちたラージャンだった。毛が、黒から金色に輝いていること以外は。

 

ラージャンは着地。直後に、口を開くと、そこに電撃がほとばしる。

 

ヤバイ! 直感した私とお姉ちゃんは、咄嗟に別々の方向へと飛び退いた。刹那、ラージャンの口から放たれたのはビーム!

 

二人の間を、圧倒的熱量が通過し、同時に前方の山の頂きを消し飛ばした。なんて威力……

 

だけど、衝撃の余波が終わるのも待たず、敵は荒々しく雪を、地面をえぐって跳び跳ね、私の前に着地した。

 

どずん、と雪が一瞬で弾ける。

 

ごおあああ! ラージャンの理性無い咆哮! クレセント・ローズを一か八か発射、強引に体を移動させる。

 

拳が大地を穿ち、クレーターを雪上に作る。私は瞬時に起き上がると、鎌モードにし、ラージャンの脇腹目掛けて振りだした。

 

だけど……甘かった。アクロバティックな動作で、それすらを回避して見せた敵は、空かを喰った私の隙を見逃す筈はなかった。

 

私はそれでもガードした。クレセント・ローズで。直撃を免れるために。

 

どっ、と、飛行船でも突っ込んで来たかの様な衝撃が、クレセント・ローズを貫通し、全身を駆け抜けた。

 

凄まじい速度で体は飛んでいって、そこで私の意識は途絶えた……。

 

 

 

 

――「ルビー!!」

 

ワタシは目を疑った。ルビーが、派手に殴り飛ばされ、山岳の岩壁へと叩きつけられた!

 

そのままルビーは、体を岩壁に半分近くめり込ませて、ズルズルと滑り落ちていった。体にはまるで力が入っていない風だ!

 

「ルビィィィィ!!」

 

くそ、ちくしょう、まさかルビー!!

 

だが、私を阻む敵が、立ちはだかった。ラージャン。よくも、よくもワタシの仲間を! ルビーを!!

 

「よくもやってくれたなぁぁ!!」

 

ワタシの怒りに呼応し、熱気が体の内側から無限に沸き上がる。

 

これこそ、ワタシのセンブランス。多分、端から見れば、髪の毛や目は光輝いているように見えるんだろうね。

 

奇しくも、目の前の、アイツと同じみたいにさ!

 

「グォアアアアアア!」

「おらぁぁぁぁぁぁ!」

 

ズドン、と拳と拳が真正面から衝突する! ワタシとヤツの背後で、雪が巻き上がり、衝撃がビリビリと腕を軋ませる!

 

「おらっ!」

 

弾かれる様に後退。そのままエンバーを発射、間合いを詰めて、左手! 力一杯にヤツのボディを目掛けて一撃!

 

命中! 空かさずエンバーを放つ! でも相手は揺るがない。敵の頭突きが、ワタシを打った!

 

「ぐっ、つっ……」

 

一瞬ブラックアウトする視界! それでも、右手を下顎に叩き込む。エンバーを、発射!

 

だがまだ、揺るがない! 敵の腕がワタシを弾き、更にはアクロバティックに足技を繰り出した。

 

ガードした上から、響く衝撃。一撃で腕が痺れた。

 

続けてラージャンは腕の力で宙に舞い上がると、体を丸めた。来る! ブレイクとワイスを倒したアレが!

 

ワタシは迷う事なくエンバーを連射した! しかし回転を始めたラージャンはことごとくを弾いた。

 

ぱちん、と紫電がはじけ、途端に敵はこちら目掛けて急降下! エンバーの反動で移動、回避。

 

着地したラージャンに肉薄したワタシは、連撃を叩き込む。咆哮するラージャン。初めて、ダメージを負ったかの様に仰け反る。

 

追撃を――ワタシは瞬時に飛び退く。ラージャンがその場でブレイクダンスみたいにスピン! あのまま突っ込んでいれば餌食だった。

 

エンバーを放つ! 腕に命中。敵は気にしていない風にこちらを追う。

 

ラージャンのラリアットが、髪をかすめた! くそっ、髪の毛何本か抜けた! 絶対許さん!!

 

左手が来る! 正面からこちらもパンチ! ぶつけて相殺……とはいかない! こっちが負けた。

 

雪上を無理矢理後退させられたワタシに、ヤツの口元が凶悪な光を灯している。ビームが来る。

 

「ならさぁ!!」

 

エンバーを発射! 同時にラージャンのビームも放たれた。すんでのところで、ビームを回避。でも髪の毛の先端が蒸発した。

 

ここまでワタシの髪の毛を……もーーぜっったい、ぶちのめす!!

 

今まで受けたダメージを、倍返ししてやる!!

 

エンバーを更に放ち、反動でラージャンに突っ込む。ワタシの右手は既に、センブランスの効果で、金色に輝いていた!

 

肉体の速度も合わせた、ワタシの最大最高の一撃、受けてみやがれぇぇ!

 

「おらぁぁぁぁぁ!」

 

全部全乗せの一撃は雷の如くラージャンのボディに打ち込まれ、直後、ワタシはエンバーの全弾を惜しみ無く叩き込んだ!

 

一撃で皮膚を破り、筋組織を弾丸が破壊して背中から抜け出た。最後の一撃を持って、ラージャンは吹き飛び、岩壁へと背中からぶつかった。

 

ウゥゥ……と、呻き、毛からは金色の光が失われてゆくラージャン。それはワタシも同じだ。力を使い果たし、体の昂りは沈んでゆく。

 

「はぁっ、はぁっ、はっ……お、終わった?」

 

そのまま壁添いにずり落ち、動かなくなったラージャンを見て、ようやくワタシは一息つくが、それどころじゃないや。

 

皆を……チームの皆を、助け、なきゃ……

 

朦朧とする意識の中、ワタシは懸命に仲間を探した……

 

 

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