チームRWBY(ルビー)がベルナの村で実地試験を行うようです 作:はぐれファウナス
さぁて、あれからなんやかんやでベルナで依頼をこなしながら、気付けば実地試験終了まで、あと二日。
名残惜しい様な、早く帰りたい様な、複雑な心境だけれど、ここであった色んな事を、私は一生忘れないだろう。
改めて、ベルナの村の皆さんには感謝しなきゃ!
――ルビー・ローズ――
――「オハヨー皆! 揃ってる?」
私はすっかり馴染みとなったハンターハウスの中で、声を張り上げてこう言った。
すっかり疲れもとれて、快調快調。のそのそとベッドから這い出して来るワイス、ハンモックから飛び降り華麗に着地するブレイク。いまだ、高いびきなヤンお姉ちゃん。
「はいはーい、起きて起きて!」
「……どうしたのルビー」
「う~~、なんなんですの?」
「ほらほら、お姉ちゃんも起きて起きて!」
「むぅぅ、もう食べられないよ~……ってルビー、おはよう、アタシのリンゴピザパイは?」
「はいはい、ほぅら起きろー!」
毛布をひっぺがし、ベッドから転がり落ちたお姉ちゃんは、頭をさすりながら立ち上がった。
「いたた……なんで今日はそんなテンション高いかなぁ?」
「はいみんな傾聴ー!! 私達、チームRWBYがベルナ村に居られるのも実質、あと一日と半分! それまでに私達が何をするべきか、なんだけど!」
「あ、そういうアレ? だったら、この間から噂になってる大型のモンスター討伐とか? 何か、ハンター募集してたよ」
「でしたら筆頭ハンター達のおっしゃっていた二つ名モンスター調査の協力なんていかがかしら?」
「アイルー達が食材に魚を欲しているわ。魚を納品して助けてあげてもいいわ」
「あーあーあー、色んな声があると思うんだけど、私的にはこう考えるわけ。お世話になった村の皆に、最後にお返ししようかなって。つまり――」
「「「つまり?」」」
――「で? どうしてこうなるのかしらルビー?」
って、ワイスが言うのも無理はないだろう。私と彼女はえっちらおっちら、と飛行船まで石の塊の様なものを運んでる。
時折ふらつきながら、両手で抱えたそれを運んでる。古代林の奥深くで取れた、崖から化石を削り出したものだ。
「どうしてって、龍歴院の人が化石の調査をしたいとかで、これが必要だって」
「そういうことではなくて……何故、わたくし達がこの様な役回りなのかと聞いているのですわ」
「え~? だって、ワイスって採掘好きじゃん。ぴったしかな~とか」
いつもピッケル片手に隙あらば採掘してたんだし、我ながら適材適所だと思ったんだけどなぁ。
「否定はいたしませんが……」
「それともブレイクみたいに、黄金の魚なんて居るかどうか分かんないのを釣りに行きたかった?」
「結構ですわ。で、これを持ち帰ったら次は何をするんだったかしら?」
「えーと、ワイスは引き続いてリストにある鉱石の納品だね」
覚え書きを、化石届けたらワイスに渡そう。え~と、私は確か、次にネコオカミさんの欲しがってた食材の調達だったと思うんだけど。
お姉ちゃんはどうだろう?
「オーーーイ!!」
あ、噂をすればお姉ちゃん。走って来たお姉ちゃんが両手一杯に抱えているのは草。でもただの草にあらず、薬草から解毒草にツタの葉、道具屋さんの依頼だろう。
「ルビーにワイス~、どう? 目的のものは採れた?」
「うん。あとはこれを持って帰るだけ~」
「そ。じゃあお先ー!」
ビュン、と元気に駆け抜けるお姉ちゃん。すぐに戻って来て、「またまたお先~」と通り過ぎていった。
ようやく私達も飛行船にたどり着き、化石をボックスに詰める。傍らには山のように積まれた植物。お姉ちゃん、せめてちょっとは片付けようよ。
更には簡易水槽には、黄金の魚が三匹ばかり泳いでいたではないか。うへぇ、一番難関かと思われたブレイクが、もう一つ終わらせてる!
「さあワイス、私は次にネコオカミさん……じゃないや。げっ、次の依頼、虫集めじゃん! あんまり虫には触れないし~」
「では、わたくしは鉱石掘りに行ってきますわ。ご武運を」
ワイスが直ぐ様出撃。う~~しょうがない。虫網もって出動だ。ええと、ロイヤルカブトってどんななの?
私は再び出撃するや、虫柱の立っている場所で網を振るう。ああっ、もう、関係ない虫が一杯入ってる!
そういえばハンターノートがあった。えっとロイヤルカブト、ロイヤルカブト……ああ、あのピンクのカブトムシみたいなヤツか。
よし、他の虫はどうやってのけようか……。
――「依頼の鉱石はこれで揃いましたわ」
「こっちも商路塞いでたファンゴの群れを倒したよ。毛皮はさすがに剥ぎ取れなかったけどさぁ」
「私も黄金魚に金魚にマグロにマグロ、揃った」
「マグロがダブルだけど?」
「いいマグロよ。晩にサシミにして食べるわ」
「ワォ、さすが。抜け目ないね」
「うぇっ、前みたいに生で食べますの? わたくしにはあんな野蛮な食べ方理解できませんわ」
「サシミはお嬢様には早いのかしら?」
「馬鹿にしないで! アレですわ、わたくしは安全性について言っているのです。火を通さないと雑菌とかが居るままなのではなくて?」
「大丈夫、ここの水はとてもキレイよ」
「アタシもこないだはちょっとビックリしたけどさぁ、案外悪くないよ。むしろ、なんていうの、素材の味を生かしてるっていうか」
「……まぁ、いいですわ。ところで、ルビーはまだ帰りませんの?」
「そういや、遅いね。ワタシ、見て来ようか?」
ヤンが立ち上がったその時、「ただい~ま~……」と間の抜けた声が響く。ルビーだ、皆はそう思い出迎えようとした。
しかし……自然と、彼女らの足はルビーから遠ざかる。それもそのはず、彼女が持ち込んだのは虫籠と虫網なのであるが……
その中では、ところ狭しと林の虫たちが蠢いていたのである。
「ちょっ、ルビー、それ……」
「う、うん、虫。依頼の、虫、誰か、一緒に分けよう……?」
と、虫籠を差し出すルビー。指先でつまみ上げているせいか、今にも落ちそうだ。
「む、無理ですわ! わたくしには出来ません!」
「っていうかよく持ち帰ったよね、それ」
「……わたし、サシミがあるから」
「いやいや、ね、皆、チームリーダーがお願いしてるんだし、ちょっとくらい手伝って下さいお願いします私一人じゃ絶対無理です!」
三人は互いに頷きあうと、バラバラの方向に逃げる。
「あっ!? ちょっと待って~!」
こうした悶着は、村に帰るまで続いた。