チームRWBY(ルビー)がベルナの村で実地試験を行うようです 作:はぐれファウナス
飛び降りた私達を待っていたのは、森を埋め尽くさんばかりのグリムの群れだった。
狼形のベオウルフ、熊形のアーサに猪形のホーバタスク……まさにグリムの見本市状態! 着地、と同時に私は叫ぶ。
「バンブルビー! アイスフラワー!」
フォーメーション名だ。黒と黄色のブレイクとお姉ちゃんが、バンブルビー。赤と白の私とワイスがアイスフラワー!
ようは、二手に別れての迎撃だ。グリムらも気付いた様で、こちら目掛けて向かって来る。
私達はベオウルフを、お姉ちゃん達はアーサをそれぞれ受け持つって事!
ワイスが早速、地面にミルテンアスターを突き立てると土が一瞬に凍り付き、足を取られたベオウルフが転ぶ。
私もクレセント・ルビーの弾丸を後方に放ち加速、湾曲した刃が紅に染まり、振るえば炎が迸り、群れを凪ぎ払う。
前方にワイスの魔方陣が発生。蹴りつけ、ターン。ベオウルフを更に切り裂く。
同時にワイスが地面をスケートしながら接近。ミルテンアスターを突き立て、敵を蹴散らす。
「ルビー、覚えていまして?」
「何を?」
ベオウルフの爪をかわし、反撃に鎌を一凪ぎ。上半と下半を断ち切られ、一瞬に燃え尽きる敵。
「初めてあなたとコンビを組んだ時、同じ様な状況でしたわ」
氷の刃が飛び、ベオウルフを次々と貫いた頃に、ワイスは振り返り言った。
うぅ、確かに。初めての試験の時、ワイスとコンビを組んで早々、ベオウルフに囲まれたなぁ。
あの時はお互い、全然上手くいかなかったよね。
サイアクの出会いをして、喧嘩して、言い合いして、自分の事しか考えてなくて。でも今は違う。
「そだね。あの時と比べてどう?」
「決まってます」
ホーバタスクを魔方陣で受け止め、クレセント・ルビーが切断。
「何も変わりませんわ」
「へっ?」
「――あなたはね」
射撃! 火竜の力の宿る弾丸が、命中した敵を灼いた。
「ひどーい! 私、確実に強くなってるよ!」
「フフッ、まだまだですわね」
ワイスがぼそり、と呟くと敵の攻撃をつらつらすり抜け、次々に急所を一突きに。黒い煙になって消滅してゆくグリム。
負けてられない! 私は再びクレセント・ルビーを鎌に変形させると、敵目掛けて突撃した。
――「おらっ!」
ヤンの一撃が、小さな(マイナー)アーサを捉え、殴り飛ばす。吹き飛んだアーサは、他のグリムを巻き込み弾いた。
「ストライク!」
「はぁっ!」
ヤンを飛び越え、木の枝をクッションに高く高く跳んだブレイク。己の武器、ガムボール・シュラウドを射撃モードに変形させ、弾丸の雨霰を敵陣へと叩き込む。
胴を頭を穿たれ、灰燼へと還るグリムらの間を潜り、ヤンもまたエンバー・セリカより砲撃した。
「おらっ、おらおらおらぁ!」
「ヤン!」
ブレイクの体が、落下してくる。ヤンはその一言で彼女の狙いを察したか、「おっしゃあ!」とシャウト。拳を振り回しながら思いきりバックスウィング。
充分に溜めた拳を、渾身の力を込めて繰り出すヤン。眼前に敵は居ない。では、何のために!?
その先にあるのは、ブレイクの靴裏だった。
「いっけぇ相棒(マイフレンド)!」
どっ、とヤンのパワーが、ブレイクの肉体に伝播。爆発的加速を得たブレイクはグリムの群れの中を超速で疾駆し、通り抜けて……着地した時には、グリムらはいずれも切り裂かれていた。
「ブレイク、ナイス!」
ヤンはご機嫌に叫んだ。ブレイクも人知れず微笑む。が、二人共に一瞬にして戦士に切り替えると、グリムらに突撃する。
――「はぁぁっ!!」
アーサが真っ二つになり、消滅。これで何体目だろう? あれだけ倒したのに、一向に数が減る気配が無い。
「はぁ、はぁっ……」
「数で押しきる気ですわね」
「ルビー、これじゃあキリが無さそうだよ」
「どうする? このままじゃじり貧だわ」
「うん、ちょっとマズイね、これ」
私達はいつの間にやら合流していた。そして囲む様にグリム。完全に追い詰められた格好だ。
確かに、このまま数を増やされたら堪らない。一旦、退くべきかな……。
そこに、ベオウルフが再び飛び掛かって来る。ああもう、考えてるのに! 迎撃を……
だけど、ベオウルフは突然、横っ面を殴られた様に、空中で直角に吹き飛んだ。顔面に突き刺さった弾丸が、すぐに爆発し、消滅。
何事か、と私達は弾丸の飛来した方向に目を向けて見ると……そこに居たのはボウガンを構えた褐色肌のお姉さん。筆頭チームのガンナーさんだ!
彼女だけじゃない。リーダーさんにルーキー君、ランサーさんも居た。
「チームRWBY、助太刀するぞ!」
「ルビーちゃん大丈夫ッスかー!?」
「来てくれたんですか!?」
「無論だ。ここは我々に任せてチームRWBY、君達は奥に向え! そこにヤツが居る!」
「ヤツ?」
「ああ。この気味悪いモンスター共を生み出しているヤツだ。名は【グリム・マガラ】」
「グリム・マガラ?」
「そうッス! 君達にはそいつを倒して欲しいッス!」
「悔しいが、我々では恐らく無理だろう。頼む!」
リーダーさんが、ホーバタスクを切り裂きながら言った。
「分かりました! 皆、行こう!」
「おっしゃあ!」
「ええ」
「承知しましたわ」
頑張ってね、筆頭チームさん! 私達は、この場を彼らに任せると、グリムを蹴散らしつつ、森の更に奥を目指して行った。