チームRWBY(ルビー)がベルナの村で実地試験を行うようです   作:はぐれファウナス

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グリム・グラム 後編

「やぁっ!」

 

アーサがまた、切り裂かれて闇に還る。グリムらの列を逆行し、私達は奥地に存在するというモンスター【グリム・マガラ】の元に急ぐ。

 

辺りの景色は次第に薄暗く……陽が届かないのもあるけど、煙の様なものが立ち込めて、視界がだんだん悪くなってきている。

 

「かなり奥まできたわね」

 

「グリムの数が減ってきたって事は、もうすぐってことかな?」

 

「逆かも。全く検討違いの方向に走ってたらどうしよう」

 

あくまで私達は、グリムの走って来る方向目掛けて進んでるから、間違いはないだろうけど。

 

「いいえ――どうやら、正解だったようですわ」

 

ワイスが、魔方陣で攻撃をブロックしつつ言った。木々が急に失われて、剥き出しになった大地の上、明らかに他のグリムと異なるシルエットがそこにあった。

 

周りに多数のグリムを擁し、中央に王者の如く君臨するモンスター。見たことのないタイプだ。

 

黒いマントの様な翼を広げ、わななく漆黒の影。顔と思しき部分には、グリムに共通している骨の様パーツが付属している。

 

グリム・マガラ。どうやら、こいつで間違い無い!

 

グオオオオォォ! と、グリム・マガラが咆哮する。周りのアーサが、ベオウルフがホーバタスクが一斉に動き出す。

 

「来るよ!」

 

「周りのやつらは相手にしないで! グリム・マガラを狙おう!」

 

「分かったわ」

 

「行きますわよ!」

 

ワイスが早速、魔法を使う。いつも攻撃の起点は彼女が作ってくれた。

 

魔方陣より放たれた青色の閃光が飛んでゆき、グリムに命中してその場に縫い付けた。私はすかさず地面に目掛けて発砲。反動で上空に舞い上がる。

 

グリム・マガラの体から、黒い結晶が離れた。それが一瞬で鳥形のグリム、ネヴァーモアとなって、空中の私に襲い掛かる。

 

やっぱり、グリムを産み出してたのはこいつだったか。小型のネヴァーモアをクレセント・ルビーで両断すると、勢いそのままにグリム・マガラに切りかかる。

 

敵はバックステップで飛び退き、回避。空を切る刃。即座に、スナイパーモードに変形させ、弾丸を放つ。

 

立て続けにグリム・マガラにヒット。しかし、怯みもせずに口から黒い塊を発射し返して来る。

 

咄嗟にセンブランス高速移動を使って、かわした私だったが、黒い塊はやがて形を変えてベオウルフとなった。

 

お姉ちゃんとブレイクが、件のベオウルフを蹴散らし駆け抜けていくと、グリム・マガラとの距離を詰めてゆく。

 

大量のグリムが足止めをするつもりの様だが、二人を止めるにはまるで足りない。坦々と撃破し突き進む。

 

マガラが再び飛び退き、翼をはためかせた。やはり、大量の結晶が撒き散らされると、地に落ちた瞬間にそれはグリムとなった。

 

「えぇい、邪魔邪魔!」

 

「たぁっ、はぁ!」

 

「種まく人、ならぬ種まくグリムですわね」

 

ワイスが勢いよく前進し、グリムをミルテンアスターで串刺しにする。

 

「一気に行こう!」

 

私もまた、反動加速すると鎌を展開し、次々グリムを切り裂いてゆく。

 

チームRWBYが一塊となって敵陣を突き進む。グリム・マガラはまたしても距離を取ろうとバックステップ――

 

「させませんわ!」

 

しかし、ワイスの魔方陣より放たれた礫がグリム・マガラに命中した瞬間に弾け、雪花を咲かせたかと思うと氷結し、その場に縫い合わせてしまう。

 

よろめく敵。そこにお姉ちゃんのエンバー・セリカの一撃が、顔面に食い込む! ブレイクは空中より落下し、背中をざっくりと切り裂いた。

 

トドメだ! 私は鎌を振りかぶると、弾丸発射の勢いを利用し、刃を更に加速させた。

 

「やああああ!」

 

一回転しながら放った一撃は手応え充分。灼熱に染まった刃は、いとも簡単にグリム・マガラの胴体を両断してみせた。

 

断末魔をあげて、グリム・マガラはその場に倒れた。直後、周囲の大量のグリムも王の後を追うかのように消滅し、パサッと黒い結晶だけが残った。

 

「どうやら終わり――みたいね」

 

と、ブレイクが辺りを警戒しつつも、そう言った。確かに、古代林はいつもの静寂を取り戻していた。ホントならここに鳥や動物の鳴き声もあるんだけどね。

 

「ねぇ皆、あれ見て!」

 

お姉ちゃんが指差して言う。私達はすぐにそちらに目を向けると、グリム・マガラの死体から黒い煙が多量に立ち上っていたのだ。

 

燃えているのではないか、という程に煙をあげて、やがては消えた。ただ、死体は残ったままだった。

 

グリムを思わせる、骨の様な面が剥げ落ちている。

 

「――どういうこと?」

 

私がそう言った。

 

「グリムは倒れれば消滅する筈。もしかして、グリム・マガラはグリムではない?」

 

 

「おーーい、ルビーちゃーん大丈夫ッスか~~!?」

 

その時、背後から声がした。この、ちょっぴり間の抜けた様な声はルーキー君だろう。

 

私も、おーい、と手を振り返してみせた。駆け寄って来る筆頭チームの皆。よかった、無事だったみたい。

 

リーダーさんが、グリム・マガラの死骸を見て声をあげた。

 

「間違いない、ゴア・マガラだ! ルビー・ローズ、どういった状況だったのだ?」

 

「えっと……グリム・マガラを倒したら、正体がこのモンスターだったとしか……」

 

「グリムを生み出していたのはこのモンスターでしたわ」

 

「もしかして、グリムって、生き物に憑依だとか出来るんスか?」

 

「いいや、そんな話聞いたことないけど」

 

「私も無いわね」

 

「むぅ……ともかく、こいつは龍歴院の方でしっかりと調べて貰わなければ。取り敢えず、グリムの存在も確認出来ないし依頼は完了だな」

 

「リーダー? その前に、言うことあるんじゃないかしら?」

 

褐色肌の筆頭ガンナーさんが、リーダーに対してこう言った。ランサーさんも腕をくんで、ウンウンと頷いている。

 

「――他に、何か?」

 

「あらら、これじゃあ締まらないわね。じゃあ、リーダーに代わって私が。コホン、チームRWBY、ご苦労様でした。お陰で、村を守ることが出来ました。感謝しております」

 

ペコリ、と頭を下げるガンナーさん。「ありがとッス!」とルーキー君とランサーさんも続く。

 

周りをキョロキョロし、遅れてリーダーさんも頭を下げた。

 

「こ、これでは私が悪人のようじゃないか……」

 

「い、いえ、こちらこそ! 皆さんが駆け付けてくれなかったら、こうはいかなかったし」

 

「そうですわ。私達こそありがとうございます」

 

「い、いいんスよそんなの~」

 

こうして、グリムの侵攻を見事に退けた私達と筆頭チームは、ベルナ村へと帰って行った。

 

明日はとうとう、ここから去ることになる。

 

すっかり陽が落ちてから村に戻ると、ネコオカミさんが大鍋で何かを煮ていた。鍋だ! やっぱりメインはチーズだったけどね。

 

村の皆も、私達を外で待っていてくれた。絶え間なく浴びせられる、賞賛と労いの声が、心地よく響く。

 

一月近くに及んだ、実地調査は、円満の内に幕を閉じたのであった。

 

うん、お鍋サイコー!!

 

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