チームRWBY(ルビー)がベルナの村で実地試験を行うようです   作:はぐれファウナス

4 / 22
ハンター達の休日

――あれから、三日過ぎた。

 

私達は、ようやくここの生活にも慣れてきて、どうにかこうにか頑張ってます、お母さん。

 

ハンターの朝は早い。ベッドを頑なに拒否し、ハンモックにて眠るニンジャは、いつもなら朝の読書としゃれこんでいるであろう時間。

 

だというのに、ブレイクはもう居なかった。隣のベッドを見ると、ヤンお姉ちゃんが布団を半分はみ出して眠っていた。

 

反対の隣にはワイスが居る筈なんだけど……ベッドはもぬけの殻だ。

 

私は大きくのびをして起き上がると、お隣の寝坊助さんを揺すってあげた。

 

う~ん……寝る子は育つ、というけれど、あれはどうやら本当みたいだよ。何が、とは言わないけれど。

 

「んぁ……? あ、おっはようルビ~」

 

朝一番ハグをさっ、とかわすと私はすぐに着替えた。ルームサービスのネコさん(アイルーって種族? らしい)に、二人について質問してみる。

 

「あぁ~ん、もう、ルビー! まだ外が薄暗いじゃん。もうちょっと寝かせてくれてもいいんじゃないかな~」

 

「ダメ! ワイスとブレイクはどこかに行ってるんだよ? チームとして、私達だけ寝てたらダメだし」

 

「ワイスさんはつい先程、ブレイクさんは日が昇らない内から出ていきましたニャ」

 

あれから連日、休む暇もなく村の人達からの依頼を、自主的にこなして来た私達。

 

こなせばこなす程に、私達の常識では知り得ないものが沢山見られた。

 

「ありがとう。さ、お姉ちゃん、朝ごはん食べに行くよ」

 

「食べに行くって、まさか外のネコオカミさんの屋台?」

 

「他に何処があるの?」

 

「私は遠慮したいな~。だって、あそこどんな素材使ってどんな料理しようが、最後にはチーズの海にダイブしちゃうじゃん。魚も肉もコメもナッツも、全部! 取り敢えずチーズは何にでも合うみたいな思考についてけない!」

 

「確かに……で、でもでも味はいいよ。見た目はちょっぴりグロテスクかもだけど」

 

「残念だけど、私には新鮮な猪肉がある。せっかくいろりがあるんだし、焼いてみる!」

 

あの猪肉は、昨日、皆で倒した大きな猪(村に居る学者さんによれば、ドスファンゴというらしい)の肉で、綺麗な赤身が何とも食欲をそそる逸品だった。

 

「あ~あ~、マジであれ食べるの?」

 

「マジよ。お~いルームサービスさん、お鍋みたいなのある~?」

 

「はいはいただいまニャ!」

 

「ささ、ルビーも一緒に食べ――あれ? ルビー? どこ行ったー?」

 

外だよ、外。私には行くべき場所がある。

 

 

 

 

オカミさんの所で、いつもの如く肉とコメのチーズモリモリ固めを食して若干の胃もたれをしながら、私は本命の行き先にたどり着いていた。

 

そう、武器鎧工房だ! いつもお願いして、工房の中を見学させて貰っている。

 

「おはようございまーす!」

 

「おぅ、またアンタかハンターさん」

 

すっかり、工房の頭領さんに顔を覚えられてしまった。でもやっぱり色んな武器が好きなんだもん。

 

「アンタも物好きだな、こんなホコリ臭ぇトコにわざわざ来やがってよ」

 

「いやいや、やっぱりこう、武器が出来上がっていく行程とか、凄くワクワクしません?」

 

「変わってるよアンタ。ま、ハンター共にとっちゃあ命綱みてぇなものだし、気になるのは分かるけどよ」

 

「あはは……あっ!? あれって、完成した武器ですか?」

 

工房の隅の卓上に、置いてある剣。私の身長の半分くらいの、いわゆる片手剣というやつだ。

 

「おう。今日、渡すやつだな」

 

「へ~……あの、ちょっと持ってみても――」

 

「絶対に落としたりすんなよ!?」

 

「あいあい!」

 

しっかりと念を押された以上、私は慎重に剣の柄を持って、ゆっくりと持ち上げ……うん? 持ち上げ――ぐ、ぐぬぬぬぬ!!

 

な、何だこれ!? メチャクチャ重たくない!?

 

私のクレセント・ローズよりも小さな武器が、こんなに重たいなんて……

 

「おいおい、どうしたぃ? そんなに重いか?」

 

結局、五分は奮闘したものの、両手で持ち上げて一振りが精々だった。ウソでしょ?

 

「よくそんなんでハンターやってんなぁ。お前さん、武器は何使ってんだ?」

 

「私のは、このクレセント・ローズだよ」

 

と、クレセント・ローズを鎌に変形させてみる私。それを見た頭領の目が輝いた!

 

「お、おぉっ!? こ、こいつぁスゲエ! な、嬢ちゃん、ちょいと俺に貸してみ!」

 

「え~、それはダメ! この子は私の相棒なんです」

 

「そんなケチ臭ぇこと言わねえで、ちょいと、ちょいとだけ調べるだけだからさ!」

 

あ、あわわ、頭領さん、頭まで下げて……下手したらドゲザしかねない状況だ。う~ん……

 

「えぇい仕方ねぇ! ホレ、持ってけドロボー!」

 

頭領はそう言うと、何やら深紅の丸い玉――宝石の様なものを私に投げ渡した。わ~、キレイ!

 

「これってダスト?」

 

「いんや、ハンターの力を引き出す装飾品ってトコだな。モンスターの素材使って、宝玉に力を与えてる。ソイツとお前さんの相性が良ければ、いつもよりよく切れるし、いつもよりよく走れる……らしいがな」

 

う~ん、どうみても精製前のダストっぽい。それなら、力を得られるってのにも、なんとなく納得出来るけど、さ。

 

「なぁ、頼む! この通りだ。ちょっとでいいんだよ、ソイツを見せてくれぃ!」

 

「――分かった、分かりましたよ。でも、絶対に壊さないで」

 

「おおっ、ありがとよ!」

 

頭領は私のクレセント・ローズを受け取ると、まずその軽さに驚いてる。そんなに凄いかなぁ?

 

「あの~武器を受け取りに来たんッスけど~!」

 

そんなとき、表の方から声がした。「おお、アイツだ」頭領さんは「中にあるぞ! 取りに来な!」と返す。

 

「おじゃましまッス!」

 

と威勢よく工房に入ってきた人を見て、思わず私はあっ、と声を出してしまった。

 

「ジョーン!? なんで居るの?」

 

「へ?」

 

「あ、いや、ごめんなさい、人違い……だよね?」

 

「えと、多分、初対面だと思うッスよ?」

 

私より、少し年上くらいの彼は、首をかしげる。うわぁ~、他人の空似かぁ。でも髪の毛の色といい顔付きといい、ジョーンにそっくり。

 

あ、そういえばジョーン、前に父親やお祖父さんが戦士だったとか言ってたし、遠い血縁だったりして。

 

「あ、自分は筆頭ハンターのルーキーッス! 訳あって本名は名乗れないッスけど」

 

「あっ、ルーキーさん初めまして。私、ルビー・ローズっていいます。筆頭ハンターって?」

 

「う~ん、分かりやすく言うと、普通のハンターに出せない様な、特殊な依頼をこなす集団ッスね。自分は新人ッスけど」

 

「特殊部隊的な感じ? 何だかカッコいい」

 

「いやぁ~照れるッスよ~! あ、オヤジさん自分の武器ってアレッすか?」

 

「おう、それだ。持ってけ!」

 

「あざっす!」

 

ルーキーさんは、そう言ってひょいと、【ひょいと】剣を持ち上げてしまった。それも片手で。

 

うぅ……なんか傷付く……

 

「あれ? そういえばルビーちゃんって、もしかして王国から来た噂のハンターッスか? 女の子ばっかりって聞いてるッス」

 

「あ~、そ、そうですね王国から来ました」

 

「うわーやっぱり! 君達だったんッスね! いやぁ、噂通りの美少女ッすねぇ! 俺っちもルビーちゃん達のチームに入りたかったッス!」

 

「ど、どうも」

 

「ってことはもしや、ルビーちゃんもルーキーッスか?」

 

「いや、あの……一応私、チームリーダーやってて……」

 

「マジっすか!? 凄いッス! あー、でもなんとなく分かるッスよ」

 

「えっ? それはどういう――」

 

「ああっ、そういや皆を待たせてたッス! またいつかッスー!」

 

ルーキーさんはそう言い残して、慌てて工房を出ていった。ああ、新人って感じだなぁ。

 

でも、なんとなく分かるって、どういう意味なんだろう。

 

「やれやれ、そそっかしいヤツだな。で、ハンターさん、どうする? 暇ならそこいらで暇潰ししてるか?」

 

「あ、いえ、工房の中をもう少し見てていいですか?」

 

「それは構わねぇよ。やっぱり変わってらぁ」

 

む~、別にいいじゃない。

 

 

 

 

――結局、日が落ちるまで私は工房に居た。クレセント・ローズを返して貰い、家路についた私を待っていたのは皆のお土産の山だった。

 

「えぇと……ワイス、この宝石の山は?」

 

「採掘して来ましたわ。この辺りの鉱石は、ダストと違い、別な何かを多分秘めています。王国に持ち帰って詳しく調べますわ。特にこのマカライトというのを――」

 

「マカライト……どっかで聞いたなぁ」

 

ヤンお姉ちゃん、何の話だろう?

 

「ブレイクは……これ、魚?」

 

ブレイクの持ち帰った水槽には、これでもかと多種多様な魚が泳いでいた。

 

「全部私が釣ったわ。早速、いろりで焼いてるけど、皆も食べる?」

 

「んじゃ、私もーらい!」

 

「わたくしもいただきますわ。チーズはもううんざり」

 

「じゃあ私も」

 

今夜の晩御飯は、魚と猪肉でした。たまにはこういうのも……いいかな?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。