バカと中華小娘とお姉さん   作:村雪

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 こんにちは!村雪でございます!

 前回も述べましたように、今回、三人の東方キャラクターに出演してもらいます!

 で、間違いなく「なぜこのキャラクター!?」「こういう位置づけかよ!」って思うことになると思いますが、村雪がこうしたかった!っていう理由で納得してやってください!

 かなり思う事がでてくるであろう今回!ひとまずは、満足して頂ければ!

―――ごゆっくりお読みください。


会話―終わり、とは言えまだやることがあって多忙です!

『Dクラス代表の平賀を討ち取ったぞおおおお!』

『うおおお!』

『そ、そんな・・・』

 

 

 誰かのその声にFクラスは歓声を上げ、Dクラスのメンバーは悲痛な声でうなだれます。ふう、なんとか勝利ですね。よくやってくれました瑞希さん!

 

 私は召喚獣の構えを解いて一息。そんな私の後ろにいた坂本君が、労いの言葉をかけました。

 

 

「よくやってくれた紅。おかげでAクラスへの道が開けた。」

「それは良かったです。坂本君の作戦こそ見事でした。」

「よせよせ、照れるじゃないか。」

 

 

 坂本君の作戦は、Dクラスの戦力を私達、つまりおとり役にひきつけて、代表である平賀君の守りを手薄にしたところを姫路さんが不意をついて攻撃する、というものでした。

 

 至ってシンプルな作戦ですが、姫路さんという優等生が最下位のFクラスにいると分からなければ、絶対防ぎようがないという利点があります。おそらく、姫路さんを見ても何か用事があったとしか思えなかったことでしょうね。

 

 姫路さんの学力だけでなく、彼女に対する先入観も大いに利用した坂本君の作戦でした。

 

 

「凄えよ!本当にDクラスに勝てるなんて!」

「これで畳やちゃぶ台ともおさらばだな!」

「坂本サマサマだな!」

「美鈴さんもかっけーぞ!」

「坂本万歳!」

「めーりんめーりん!」

「姫路さん愛しています!」

「魔理沙ちゃん結婚してくれ!」

 

 

 あちこちから褒め称える言葉が湧き上がっています!でも最後の2人は関係ないですよ!?

 

 

「へっ、私を落とそうなんざおとといきやがれだぜ!」

 

 

 おっと、魔理沙の登場です。あっさり振られた生徒のことには気を向けず坂本君に向き合いました。

 

 

「よう、なかなかやるじゃないか代表!」

「ふっ、代表として当然の事をしたまでさ。」

「まっ、そんなに固くなんなよ!ほれ!」

「ん?」

 

 

 魔理沙が左手を坂本君に差し出します。どうやら握手を所望しているようです。

 

 

「ご褒美に、美少女である私と握手してやるぜ!ありがたく思えよ?」

「まったく、お前が美少女なら俺も美少女になっちまうな。」

「おおい!?私は坂本と同レベルって言いたいのか!?」

「美少女は自分で美少女なんて言わないっての。ほらよ。」

「なら、私がそれを打ち破る前例になってやるぜ。おう!」

 

 

 がしっと手を握り合う二人。口はああですが感じている喜びは同じですよね!

 

 

「雄二!」

「ん?明久か。」

 

 

 おっと、吉井君もやってきました。彼も握手でしょうか?

 

 

「僕も雄二と握手を!」

 

 

 そう言って手をさし、ってちょちょっと!!?

 

 

「ぬぉぉっ!」

 

 

 ガシッと吉井君の手首を抑える坂本君。ナ、ナイス反射神経です!

 

 

「雄二・・・…!どうして握手なのに手首を押さえるのかな……!」

「押さえるに・・・決まっているだろうが……!フンッ!」

「ぐあっ!」

 

 カランカラーン

 

…坂本君に手首を捻られて吉井君が落としたのは……包丁でした。ちょっと!これ殺人未遂ですよお!?祝いの間を一気に惨劇に変える気ですか君は!?

 

 

「……」

「……」

 

 

 無言で見つめ合う二人。なぜこうも緊迫した空気を作れるのでしょうか・・・

 

 

「雄二、皆で何かをやり遂げるって、素晴らしいね。」

 

 

 それでごまかせるとお思いならば真正のバカですね、吉井明久君。

 

 

「僕、仲間との達成感がこんなにいいものだなんて、今まで知らな関節が折れるように痛いいぃっ!」

 

 

 当然の制裁です。さすがに私は止めやしません。

 

 

「今、何をしようとした。」

「も、もちろん、喜びを分かち合うための握手を手首がもげるほどに痛いぃっ!」

「おーい、誰かペンチを持ってきてくれー。」

「ほいっ。こんなもんでいいか?」

「ふむ、もう少し大きければよかったがな。」

「す、ストップ!僕が悪かった!ていうか雄二!霧雨さんのペンチはすごく大きいのに、どれほどの大きさのペンチを望んでいるのさ!?」

「お前の首を刎(は)ねるほどだ。」

「ほんとにすいませんでした。」

 

 

 はあ、やっと反省したみたいです。見ているこっちがハラハラしましたよ・・・

 

 

「まさか、姫路さんのような人がFクラスだなんて……信じられん。」

「確かにそうだねえ、まんまとやられちまったよ。」

 

 

 Dクラスの代表平賀君とお燐さんが、やられたと顔をしかめたり笑いを浮かべながら坂本君へと歩み寄りました。負けたのに変わらない笑顔なあたり、本当にお燐さんらしいですね!

 

 

「あ、その、さっきはすいません・・・…」

 

 

 姫路さんも近づいて2人に謝ります。でもそれも勝負ですので仕方のない事です。姫路さんが謝罪する必要はないでしょう。

 

 

「いや、謝ることは無い。全てはFクラスを甘く見ていた俺たちが悪いんだ。」

「そういうことさ、姫路さん。ところで、あんたみたいな人がFクラスとは何かあったのかい?」

「あ、その、振り分け試験の時に熱で倒れちゃいまして…」

「ああ、なるほどね。そりゃあFクラスになるわけか。」

 

 

 頷くお燐さん。誰も風邪を引いたなんて思いませんよね。・・・そう考えると、やっぱりちょっとだけ申し訳ない気もします。

 

 

「とにかく、ルールに則(のっと)ってクラスを明け渡そう。ただ、今日はこんな時間だから、作業は明日で良いか?」

 

 

 確かに既に下校時刻にはなっていますし、今からするとだいぶ遅くなることでしょう。それぐらいなら問題ないですよね?

 

 

「坂本君、それぐらいならいいのではないでしょうか?」

「そうだよ雄二、もちろんいいよね?」

 

 

 吉井君も感じることがあったみたいで坂本君に尋ねました。

 

 ところが、

 

 

「いや、その必要は無い。」

「?なぜですか?」

「Dクラスを奪う気はないからだ。」

 

 

 坂本君は、そんなことを言いました。

 

 

「雄二、それはどういう事?折角普通の設備を手に入れることが出来たのに。」

 

 

 吉井君の意見も最もですが、私はなんとなく坂本君の考えが分かりました。つまり、目的がそこではないということでしょう。

 

 

「忘れたのか?俺たちの目標はあくまでもAクラスのはずだろう?」

 

 

 あくまでも今回の戦いは慣らし。本番はあくまでもAクラスという事で、今回の勝利が余分な恨みを受けないための配慮、あるいは何かの布石になるのかもしれません。

 

 

「でもそれなら、なんで標的をAクラスにしないのさ?おかしいじゃないか。」

「少しは自分で考えろ。そんなんだから、お前は近所の中学生に『馬鹿なお兄ちゃん』なんて愛称をつけられるんだ。」

 

 

 坂本君の呆れた声。いやいやさすがにそんなあだ名はつけられないでしょう?親しみが感じられるとは言え同時に悲しさも覚えちゃいますよ。ねえ吉井君?

 

 

「なっ!そんな半端にリアルな嘘をつかないでよ!」

 

 

 ・・・ん?はんぱに?

 

 

「おっとすまない。近所の小学生か。」

 

「……人違いです。」

「・・・吉井君・・・?」

「まさか……本当に言われたことがあるのか……?」

 

 

 あなたは一体小学生に何をしたんですか…?

 

 

「と、とにかくだな。Dクラスの設備には一切手を出すつもりは無い。」

 

 

 さすがに不憫に坂本君は思ったみたいです。私はちょっぴりあくびをしました。あくびをです。

 

 

「そりゃあありがたいね。ねえ平賀君?」

「あ、ああ。しかし…それでいいのか?」

「もちろん、条件がある。」

「ん~、やっぱりかい。話がうますぎるものねえ…」

 

 

 さすがに無償では意味が無いですからねえ…がっかりした素振りをお燐さんが見せても、そこは譲ってはまずいですもの。

 

 

「一応話を聞かせてもらおうか。」

「なに、そんなに大したことじゃない。俺が指示をしたら、窓の外にあるアレを動かなくしてもらいたい。それだけだ。」

 

 

 アレ?坂本君が指さすのは……エアコンの室外機ですね。でも、このクラスにエアコンなんてないのでは―

 

 

「Bクラスの室外機か。」

 

 

 Bクラス?どういうことでしょうか?

 

 

「設備を壊すんだから、当然教師にある程度睨(にら)まれる可能性もあると思うが、そう悪い取引じゃないだろう?」

 

 

 戦争を仕掛けられたクラスが負けた場合、そのクラスは三ヶ月間召喚戦争を仕掛けることが出来ず、仕掛けた方のクラスの設備ですごさなければなりません。そのことを考えると、確かに悪い条件ではないですね。

 

…物を壊すという事に異論を唱えたいのですが、ここは口を挟むときではないみたいです。これからのことを考えて黙認することにしましょう。

 

 

「ふむ…別にいいんじゃないかい?」

「ああ。こちらとしては願ってもない提案だが、なぜそんなことを?」

「次のBクラス戦の作戦に必要なんでな。」

 

 

 次はBクラスですか。なかなか段を踏みますが、それだけ手順がいるということなんでしょうね。Aクラスという集団に勝つためには。

 

 

「へえ?あたいらの次はBクラスかい。勝算はあるのかね?」

「当然だ。でなければここでDクラスと設備を入れ替えて終わってるさ。」

「にゃっはは!それもそうだ!」

「では俺たちは、その提案をありがたく呑ませて貰おう。」

「タイミングについては後日詳しく話す。今日はもう行っていいぞ。」

 

 

 ふむ、何の意味があるのかが気になりますけど、どうやら会談は終わりのようですね。FクラスにもDクラスにも悪くはない結末でよかったです!やっぱり恨みとかは買いたくないですよね!

 

 

「ああ。ありがとう。お前らがAクラスに勝てるよう願っているよ。」

「ははっ。無理するなよ。勝てっこないと思っているだろ?」

「まあそうだが、可能性が0ってわけでもないみたいだからな。とにかく、Fクラスの健闘を祈ってるよ。」

「あたいも応援してるよ!姫路さん、美鈴さん。あんたらの負担も大きいだろうけど、しっかり頑張んなよ!」

「ええ!頑張って見せますとも!」

「あ、はい!ええ、と・・・?」

「火焔猫(かえんびょう) 燐(りん)!火焔猫とかお燐って呼ばれてるからお好きにどうぞ、ってな!」

「では、お燐さん!私、精一杯頑張ります!」

「にゃはは!んじゃ!あたいらはこれでっ!」

「じゃあ。」

 

 

 手を振りながらお燐さんと平賀君は帰っていきました。

 

 

「きりさめまりさ!今日は楽しかったよ!また勝負しよーね!」

「おお!約束だぜ霊烏路(れいうじ)空(うつほ)!」

「うん!ばいばい!」

 

 

 ニコニコと満面の笑顔で手をぶんぶんと振りながらお空は出て行きました。む、胸が無防備すぎますよお空!ここに鼻血を垂れ流してるムッツリがいるのを忘れていませんか!?忘れるの前に知りませんよね!

 

 

「さて、皆!今日はご苦労だった!明日は消費した点数の補給を行うから、今日のところは帰ってゆっくり休んでくれ!解散!」

 

 

 坂本君の号令に、私たちはばらばらと解散をして帰宅準備を始めました。島田さんが目を覚まして、代わりに土屋君が血の海にぶっ倒れたのは別に儀式とかじゃありませんよ!

 

 こうして土屋君はほっときまして、Dクラスとの試召戦争は幕を閉じたのでした。さあて、咲夜さんと家に帰りましょうか!

 

 

 

 

「ねえごりらっ!!アタイ達はいつまで勉強するのよぎゃあ!?」

 

「チルノ貴様!西村先生と呼べと言っているだろう!これで両の指の数を超えたぞっ!」

 

「いったいなあ!じゅ、十回なんてちっちゃいわよ!最強のアタイにはも~っとおっきい数がぴったりなのよさ!」

 

「殴られる回数が増えてふさわしいも何もあるか!そこまでして俺をあだ名で呼んで何のメリットがある!」

 

「西村先生ー。でふぉ、ふぁっき勝負が終わったって言ったのふぁー。ぶぁからそろそろ終わりじゃないふぁー?(もぐもぐ)」

 

「ルーミア・・・確かにその通りだが、ここから出るまでは食事をするな!どこからその菓子を出したんだ!」

 

「あ!ルーミアアタイにもちょーだいちょーだい!」

「わかったー。はいどー」

「だから、ここでは食事をとるんじゃないバカ者共がっ!」

「ありゃー。」

「ああ!こ、この筋肉だるま!あたいのお菓子を返しなさい!ただじゃおかないわよ!」

「菓子のことより貴様の身の安全を考えるべきだと、心優しい西村先生が言っておいてやろう!覚悟しろ!」

「そんなので怖がるアタイじゃないだああああっ!?」

「わー。大丈夫かチルノー?」

 

 

「あ、ああもう…あの2人、仲が良すぎだよ~私じゃ止められないよ~・・・」

 

「そ、そうですわね。大越さん、苦労を察しますわ・・・」

 

「すまん、ウチのチルノが、ルーミアさんに悪影響を与えてしまっているみたいだ。」

 

「・・・初対面の野郎のあなたなんかとは話したくありませんが、その通りですわ。なんとかしてくれませんか?Fクラス田中 勝(まさる)。」

 

「それが出来ないからこの状況なんだ。察してくれ、Dクラス清水 美春。大越(おおこし)冬美(ふゆみ)。」

 

「ご、ごめなさい!でも、も、もう少し頑張ってほしいな~・・・なんて?」

 

「結婚してくれ。」

 

「ふぇっ!?」

 

「間違えた。任せてくれ。」

 

「どどど、どう間違えたらプロポーズすることになるのー!?」

 

「この色ボケ野郎っ!覚悟するのです!」

 

『貴様こんなところでナンパなんぞしてんじゃねえええ!!』

 

「うおおっ!?い、いきなり先の出たシャーペンを投げつけるんじゃねえうおああああ!?」

 

「ちょ、み、美春ちゃん!あとFクラスの皆さん!ここでそんな暴れたらダメ―」

 

「貴様ら!ここは補習室だというのに何を遊んでいるのだ!補習の延長がよっぽど欲しいようだな!」

 

「・・・ぐす。私、泣いてもいいよね・・・?」

 

 

 

 

 

 

「や~、終わった後は開放感がさいこーだね~。」

 

「うん!すっごい分かるよお燐!」

 

「悪い、お燐さん。勝つことが出来なかった・・・いたっ。」

 

「な~に責任を1人でかぶろうとしてんだい。それは参謀のあたいのせいでもあるん

だ。平賀君だけが悪いわけじゃないさね。」

 

「だってさ平賀!良かったね!」

 

「・・・・・・ああ。お燐さんは凄いな。大きいというかなんというか・・・」

 

「あん?それを言うならお空じゃないかい?私のは目をひくほどじゃないと思うけどねえ~。」

 

「・・・待ってくれ。何の事を言ってるんだ?」

 

「へ?胸の事。ほらあたいは平ら、お空は見事は丘がー」

 

「ちち違うぞ!?俺はそんなこと言ったわけじゃないからな!?というかもう少し恥じらいを持って言ってくれ!俺の方が恥ずかしいわ!」

 

「にゃはは!そんなの気にしてたらあたいはむなしさで泣いてたさね!ねえお空!」

 

「うにゅ?う、うん!なんかよく分からないけどそうだね!」

 

「本当に器が大きいなっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふええ~、疲れましたよお。」

「お疲れ様。でも勝てて何よりじゃない。」

「坂本君の策と瑞希さんのおかげですよ。いやはやさすがは瑞希さんでした!」

「あなたもじゃないの?美鈴(メイリン)。」

「う~ん、だと嬉しいんですが。」

 

 

 一日も終わって、咲夜さんと一緒に家へと帰宅している最中に、さきほどの試召戦争の話をしました。

 

 でも咲夜さんは、私たちの勝利を聞いてもあまり驚きを見せませんでした。どうも私たちの勝利を信じてくれてたみたいです、Fクラスの一員として姉として、とっても嬉しいですよ!

 

 

「でも、どうしてDクラスの設備と入れ替えなかったの?せっかく良くなるというのに…」

「んー、後々のためとか坂本君は言っていましたね。」

 

 

 Bクラスの室外機を壊すことがAクラス勝利にどうつながるのか、さっぱりわかりませんけどね。

 

 

「後々?ということはまたどこかのクラスに勝負を仕掛けるつもりなの?」

「ええ、一応Aクラスを目標という事で…あ。」

「へえ~?Aクラスが?」

 

 しし、しまったああ!咲夜さんはAクラスじゃないですかあああ!?つい世間話をする流れで言ってしまいましたー!

 

 

「私たちに勝負を挑むと?これは面白いわね。」

 

 

 あ、ああ咲夜さんがとても獰猛(どうもう)な笑顔を浮かべてますよおおお!

 

 

「あ、あのあの咲夜さん。この事は私と咲夜さんでの秘密でお願いしますっ!」

「あら、どうしようかしら?一応Aクラスの一員なんだから代表に言う必要はあると思うのだけど。」

 

 

 う~、せ、正論ですっ!で、でももしもそれでAクラスが何か対策をたててしまったら思い切り私のせいになっちゃいます!クラスの皆さんを裏切るようなことはしたくないですよ~!

 

「さ、咲夜しゃ~ん・・・!」

「・・・もう、分かったわ。誰にも言わないからそんなチワワみたいな目で見つめないで。」

「~!さすが咲夜さぶきゃ!?」

「・・・あ、暑苦しいから抱き着かないでちょうだい。」

 

 

 こ、このハグが防がれ続けてどれぐらいですかね?成功していたころがもうあの空の彼方にいきかけてますよ。近くにいたおばあちゃんたちが私の行動にくすくす笑ってます・・・

 

 

「でも、本気なの?いくらあなたと姫路さんがいるからって、さすがに不可能だと思うけど。もちろん手加減なんかしないわよ?」

「さ、さあ。坂本君は自信がありそうでしたけど…」

 

 

 私にも勝ちたいって気持ちはありますけど、咲夜さんが頑張って入ったクラスを乗っ取るというのは、あんまり気が進まないのも事実なんですよねえ…困ったジレンマですよ。

 

 と、そうこうしているうちに我が家に到着です。

 

 

「よいしょ、ただいまー。」

「ただいま。」

 

 

 ガラガラと音をたてて引き戸をあける。は~、家に帰ってくると一日の終わりって実感しますねえ。

 

 

 

ばたばた……

 

 

 

お、この足音は……あの子達ですね♪

 

 

 

 

 

 

 

「めーりん!さくや!おかえり~!」

「お、遅いっ!もっと早く帰ってきなさいよ!」

 

 

 

 

 居間からやってきたのは小さな二人の女の子。まだ春休み中の小学生で、私たちの家族でした。

 

 

 

 

「ただいまフラン!遅くなってごめんねレミィ?」

「べ、別にさみしくなかったもん!お腹がすいたから早く帰ってきてほしいって思っただけなんだから!」

「そっかあ、ごめんねレミィ。」

 

 

 プイッと横に顔を向ける彼女は、レミリア・スカーレット。少し意地っ張りな所もありますがそこがいじらしい女の子!

 

 そんな彼女の鮮やかな水色の髪の頭を撫でながら私は謝ります。ちなみにレミィとは、『レミリア』から私たちが付けさせてもらった愛称です!可愛いですよね!?

 

 

「さくやー、学校はどうだった?」

「ええ、とても楽しかったわ。フラン達も良い子にしてた?」

「うんっ!」

「そう、偉いわよ♪」

「えへへ!」

 

 

 さくやさんと話しているのはそのレミィの妹、フランドール・スカーレット。姉とは変わって、明るい金色の髪をした彼女は満面の笑みで咲夜さんに抱き着いています。

 

 

 わ、私はだめだったのにフランはOKですと!?一体どうしてですか咲夜さん!

 

 

「め、めーりん!お腹すいた!」

「あっ、ごめんごめん!」

 

 

 このことはまたあとで咲夜さんに聞くとしましょう。まずはやることをやる必要がありますね!

 

 

「じゃあ今から作るからちょっと待ってくださいね?」

 

 

 お父さんは単身赴任で家にはおらず、母さんはお仕事のため少し遅めに帰ってくるのがだいたいの流れである我が家では、咲夜さんと私がレミィ達の相手をしたり家事をこなすことになっています。

 

 でも、それを苦だなんて思いません!母さんたちは私たちのために働いているのだし、妹の世話をするのが姉のお仕事なのですから!

 

 

「咲夜さん。私がご飯を準備しますので、お風呂の準備と朝干してった洗濯物を中に入れておいてくれませんか?」

 

 

 今日は天気が良かったから充分乾いてるでしょう。それならカーペットも干しておけばよかったですね。ばたついていたからうっかり忘れてました。

 

 

「わかった。それじゃ行ってくるわ。」

「あっ!フランも手伝うっ!」

「あら、じゃあお願いするわ。行きましょ?」

「うん!」

 

 

 フランの手を引いて咲夜さんは居間を出ました。残っているのは私とレミィだけ。そのレミィはきょろきょろと周りを見ていました。

 

 

「う、う~・・・。」

 

 

 あらら。妹が手伝っているのを見て、自分も何かを手伝いたいんですかね。その健気な気持ち、しっかり伝わりました!

 

 

「レミィ、ちょっと私のお手伝いをしてくれる?」

「・・・!ふ、ふん!仕方ないけど手伝うわ!」

 

 

 嬉しそうな顔を一瞬だけ見せましたが、すぐにいつもの強気な顔に。あまり見せたくないんでしょうけど恥ずかしがることなんかありませんよ♪

 

 私はいじらしいレミィの小さな頭をくしくしと撫でます。ほんと、良い子ですね。

 

 

「レミィ、ありがとうねー?」

「…うん。」

 

 

 下を向いて顔は見えなくなりましたが、きっと照れているんでしょう。少しだけ見えるほっぺたが赤くなっていますもの!

 

 

「さてっ!」

 

 

 でも、レミィやフラン、そして咲夜さんが可愛いのはいつものこと!明日用のお弁当も作ったりとあまり時間もないから、ぱっぱと動いていかないとですね!

 

 私はレミィの手を握って台所に向かいます。まずは冷蔵庫の中身の確認ですね!

 

 

 

 

 

「よっと、ただいまあー。」

 

 

「あ、お帰り母さん。」

 

 

 晩御飯を食べ始めて数十分。私たちが唐揚げやおかずとかを箸に取ってわいわいしているときに、母さんがリビングに入ってきました。

  

 

 骨盤あたりまで伸びた長く、薄色の金の髪。お腹はスラリと、胸は服の上からでも分かるほど豊満な抜群のプロポーション。そして、決して自分の信念を曲げない、という意思が表れているかのように思える激しく熱のある赤の瞳。

 

 そんな特徴の母さんは、年と容貌が全く釣り合っていないと思えます。あっ、当然〝年の割には若い〟の方ですよ?

 

 

「お帰りなさい。」

「お帰りー!」

「お、お帰りっ!」

 

 

 4人それぞれが迎えの言葉をかけます。母さんは力強く笑ってそれに応えます。

 

 

「おう!夕飯の支度とかいつも悪いな、美鈴、咲夜。」

「ううん。気にしないで。母さんだって頑張ってくれてるんだからおあいこよ。」

「そうね。私達もお母さんの助けになりたいもの。」

「・・・ありがとう!、その言葉に甘えさせてもらうよ。」

 

 

 あ、ああ別に頭を下げなくてもいいって!感謝してくれるのは嬉しいけど逆にこっちが悪い気になっちゃうから! 

 

 

「か、母さんはいつも律儀すぎるわよ!頭をあげてってば!」

「おいおい、恩を感じたらきちんと礼をする。これは人の礼儀として当たり前の事さ。ましてや娘なんだから、私にかっこをつけさせてやっとくれよ。」

「こ、これ以上かっこよくなってどうするの!?」

 

 

 ずっと一緒にいるんだから、母さんが男勝りなかっこいいところなんて何度も見て見てきたわよ!?もう!母さんの凛々しさは天井知らずか!

 

 

「代わりに、休みの日は私に任せてくれ。食事から掃除やら遊び相手だって何でも引き受ける!」

「そこはお母さんがしっかり休むところでしょ。」

「そうよ!ご飯とかは頼むかもしれないけど無理はしないでよ!?」

 

 

 なんだか本当に言われたことを全部こなしそうで不安なのよ~!母さんはほんとに行動的なんだから!

 

 

「あっはっはっは!まあ私の時間だから私の自由さ!そこに関しては立ち入りはさせないよ!」

「じゃあ!じゃあフランと遊んでくれるの!?」

「おうとも。疲れ果てるまで遊んであげようじゃないか!」

「あ、わ、私とも・・・ええと、うう~…」

「何でも構わないよレミィ!レミィがしたいことを私が全部かなえてやる!」

「!!と、と、当然よ!しっかり埋め合わせはしてもらうんだから!」

「はっはっは!それはやる気を出さないとな!」

 

 

 ああ…レミィとフランが母さんに頼んじゃった。2人には全く非が無いんだけど、どうかほどほどにしてあげてね…?母さん張り切りすぎちゃうから!

 

「さてと、じゃあすまないが、先に私は風呂に入らせてもらおうかな。」

「あ、じゃあ着替えを出しとこうか?」

「助かるねえ。じゃあ、頼んだよ美鈴。」

 

 

 とすとすと音をたてて母さんは風呂場へ向かいました。さて、母さんの着替えはどれだったか・・・ 

 

 

「ええと…これとこれですかね。」

 

 

 私のではないオレンジ色の下着上下を手に取る。でもこれ、本当に母さんのですかね?レミィとフランのではないでしょうけど、咲夜さんの物ということはあり得ますよね?一応聞いておきましょうか。

 

 

「咲夜さん。」

「ほらフラン、もう少しきれいに食べなさい。…あ、ごめん美鈴。何かしら。」

 

 

 口元を汚したフランをティッシュで拭いてあげる咲夜さんに、手に持ったブラジャーを見せて尋ねました。

「これ、咲夜さんのではないですよね?」

「・・・・・・喧嘩を売ってるのかしらあ?」

「へ!?」

「はぶっ!?さ、さくや痛い!?」

 

 

 な、なぜか咲夜さんが怒り状態に!?でも咲夜さんの拭く力が強まって痛がってるフランはとばっちりだと分かります!

 

 

「あ、あの咲夜さん。私は何をしちゃいました―」

「胸のサイズを考えたら分かるでしょうがあああああ!!」

「ひいいっ!咲夜さんのバストサイズなんて知りませんよおおおおお!」

 

 今日のトップニュース。咲夜さんの胸は小さかったみたいです。咲夜さん!女の魅力は胸なんかじゃありません!だからそんなにさめざめと泣かないで!?

 

 

 

「(ごくっごっごっご・・・)―――っくはあ~っ!やっぱり仕事が終わって風呂上がりのこれはたまんないね~!」

「それはいいんだけど、あまり飲みすぎると体に良くないわよお母さん。」

「なあに。まだ入れ始めたばかりだから大丈夫さ。」

「私の目には空き缶が8つほど見えるんですけど…」

 

 

 8缶ぐらいならまだまだ軽いんでしょうか?お酒は飲んだことないからよくわかりません。

 

 

 母さん、私、咲夜さんの順で脚の短いテーブルに腰を降ろして座って会話をしているところです。レミィとフランは時間も頃合いだったので布団の中です。

 

 

「で、初日の学校はどうだった?」

「よかったわ!なかなかユニークな人達が揃っててこれからが楽しみね。」

 

 

 魔理沙にチルノに瑞希さんに島田さんに吉井君に秀吉君に坂本君に土屋君・・・ってほんとに多いっ!それプラスまだ知らない人もいるだろうから、その濃さは計り知れない!

 

 

「ほー!それは良かったじゃない!で、咲夜は?」

「ええ、私も楽しくやれそうよ。」

「はっはっは!そうかいそうかい!それならいいんだ。」

 

 

 またもぐいっと一杯。ほんとにお酒が好きなんだから。ご飯もバランス良くしっかり食べてほしいなー。

 

 

「・・・ああそうだ。確か文月学園に・・・2人とも、高橋(たかはし)洋子(ようこ)って先生がいなかったか?」

「高橋先生?」

 

 

 確か学年主任の先生だったような…見たことはあると思うんですけど、ちょっと忘れ気味かも・・・

 

 

「高橋先生なら私の担任だけど、どうしたの?」

 

 

 おお、ということはAクラスを持っているという事ですか。ピシッとしたキャリアウーマンみたいな像が浮かび上がりましたよ。

 

 

「丁度いい。ちょっと言伝(ことづて)を頼まれてくれないか。」

 

 

 え、母さんは高橋先生と知りあい?高橋先生は今年赴任してきたそうだけど……ひょっとして同級生とか?

 

 

「?なんて言えばいいの?」

「まあ内容は世間話なんだけどな。」

 

 

 こくりと、今度は控えめに一口。そして笑顔で母さんは、

 

 

 

「―また一緒に飲もう。って星熊(ほしぐま) 勇儀(ゆうぎ)が言ってたって伝えといてくれ。」

「分かったわ。」

 

 咲夜さんに伝えました。

 

 

 

 

 

「ぐおぉぉぉぉぉ……ぐうぅぅぅ……」

「・・・・・・いや、いつものことだけど・・・どれだけ飲んでるのよ、母さん。」

「10何個かの缶に加えて一升瓶数本・・・これって、普通なの?」

「そ、そうなんでしょうか・・・?」

 

(※酒豪のレベルを軽く超えてます。よいこのあなた達はまねをしないでください。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 お読みいただきありがとうございます!今回はオリジナル回が多くなりました!


 今回の登場キャラクターは、遂にというかなんというか、紅魔館の吸血鬼姉妹!レミリアスカーレットとフランドールスカーレット!

 そして、村雪の大好きなキャラクターの1人!鬼の四天王の星熊勇義の三人でございます!

 主である2人が妹ポジションということや、全く関係のない勇義姐さんが義理の母親(あ、ちょっとネタばれになるかも…?)になっていることに大いになぜ!?と思われるかもしれませんが、作者の趣味丸出しゆえの結果です!割り切ったってください!

 途中でじゃっかんオリジナルキャラらしい2人が出てきましたが、この二人が主要メンバーに加わるというのは無いと思います1あくまでモブに焦点を当てただけですので!

 それではまた次回!たぶんお弁当会ですよー!
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