今回はBクラス戦の前でございます。あまり話が動いたりする回ではありませんが、読んでいただければ!
―――それでは、ごゆっくりお読みください
「み、皆さんごめんなさい!」
「な、な~に気にするな姫路。あれぐらいどうってことないさ。」
「・・・・・・人間、誰しも失敗する。」
「やー。あたい、あんなの初めて食べたわ。」
「チルノ!もう少し違う言い方をするべきだよ!とてもおいしかったわ!とかさ!」
「・・・・ん~、じゃあ、とっても刺激的だったのよさ。」
「チルノ、その言い方もどうかと思いますが・・・」
「あ、あはは・・・ありがとうございますチルノちゃん・・・」
「ああ!また姫路さんが泣きそうになり始めたじゃないかこのバカチルノ!」
「あにぃ!?じゃーあんたが言ってみなさいよよしー!そんでまたみずきに作ってもらえばいいじゃん!」
「いいよやってやるよ!姫路さん!さっきの料理はと・・・と、とてもおいしかっいやああああっ!!」
「トラウマのレベル!?お、落ち着きましょう吉井君!チルノにあれだけ言ったのに、今あなたメチャクチャかっこつかないことしてますからね!?姫路さんの涙腺を決壊させたのはあなたですからね!」
「ううぅ~・・・も、もっと練習しまずーっ!!」
「だ、大丈夫よ瑞希!賢い瑞希ならすぐに上手くなるって!」
「み、美波ちゃん…!」
「でもま、賢すぎるからとんちんかんな事をする奴もいるんだけどな。」
「そ、そんなぁぁ!!」
「あんたはいらないこと言うな魔理沙ぁぁ!」
姫路さんデストロイ弁当事件が幕を閉じ、教室に戻ってからようやく4人は意識を取り戻しました。
秀吉君が皆に殺菌効果があるとお茶を提供し、ごくごくとそれを飲んでいたところに、瑞希さんが申し訳なさそうに頭を下げてきたのです。自分のお弁当のせいで4人がダウンしたら、そりゃー気が気でないでしょう。私だったら土下座をして謝り倒しますね。
4人は瑞希さんの謝罪を青い顔色のまま受け取って許してあげ、さらにはフォローをするという気配りを見せました。仲間同士でぶつかりあったり陥れあったりとバカを連発する吉井君達も、女の子には優しいみたいです。
「ふ~、よもや姫路にそんな弱点があったなんてな。」
「まあそう言うてやるでない。本人は一生懸命だったんじゃしの。」
「そうよ!きっとそのうち上手になるわ。バカ魔理沙の言ってることはデタラメよ。」
「ひどいぜ美波!?」
今はなぜか、女の子が女の子にきびしいみたいです。私は巻き込まれないようにそっと一歩後ろに下がりました。
「いや、別に責めてるわけじゃないんだ。ただ、俺だけ紅の弁当にありつけていないからついな。」
「あ~・・・」
確かに、今回ババを引いたのは坂本君に違いありません。だって自腹で私たちの飲み物を買った上、何も食べてないんですもの。
ちなみに、飲み物は彼が気絶している間にしっかり飲ませてもらいました。緑茶が美味しかったですよ~。
「そういえば、坂本ったら屋上に出てすぐに倒れたもんね。ウチはいっぱい美鈴のお弁当を食べれたけどね。おいしかったわよ♪」
「ぐっ。嫌みかこのやろうっ。」
「ごめんごめん、冗談!・・・あ、そう言えば坂本。次の目標だけど。」
くすくすと笑いを抑えていた島田さんが、何かを思い出したように坂本君にそう尋ねました。
「ん?試召戦争のか?」
「うん。次の相手はBクラスなの?」
あ、それは私も気になっていました。
なんせDクラスの教室設備を交換する対価として、Bクラスのエアコンの室外機を壊すよう指示したのですから、Bクラスに作戦を仕掛けるのは間違いないですよね?何かの意味があるというのはなんとなくわかるんですけど、その〝何か〟は考えても分かりませんでしたよ。
「ああ、そうだ。」
坂本君は島田さんの言葉にうなずきます。
「どうしてBクラスなの?目標はAクラスなんでしょう?」
「・・・正直に言おう。」
坂本君の顔が神妙なものになりました。
「どんな作戦でも、うちの戦力じゃAクラスには勝てやしない。」
「え・・・」
・・・だ、打倒Aクラスを言い出したあなたがそれを言いますか?確かにまあ厳しいと思いますよ。でも、それをやり遂げると言ったのが坂本君じゃ・・・?
「おいおい坂本~、モチベーションを下げるようなことを言っちゃあいかんぜ。」
「そうよさかもと!あんたはやっぱり最強じゃなかったのね!あたいが最強なのよさ!ねっみずき!?」
「ち、チルノちゃん。チルノちゃんも坂本君もすごいですから、そんなこと言ったらダメですっ。」
坂本君の敗北宣言を聞いていたようで、魔理沙が不満げに、チルノは瑞希さんの手を引っ張りながら声を荒げました。サイキョーなチルノは、やはり最高のクラスと勝負したいみたいです。
「まあ待ってくれ。きちんと説明する。」
坂本君は手をかざしながら静止を求めました。皆もそれに従います。
「じゃあつまり、ウチらの最終目標はBクラスに変更ってこと?」
「いいや、そんなことはない。Aクラスをやる。」
「・・・?あの坂本君、言ってることが矛盾してませんか?」
あまりにも気になったので坂本君に聞いてしまいました。すると坂本君は首を振って答えます。
「クラス単位では勝てないってことだ。だから一騎打ちに持ち込むつもりだ。」
「・・・ああ、そのためにBクラスを使うってことですよね?どう利用するかは知りませんけど。」
「おおむねそういうことだ。」
「え、え~と雄二。僕にも分かるように説明して。」
「最強のあたいにも分かるように説明するのよさ。」
最強なら最強の聴き取り能力を持ちなさい。というか聞いたところで忘れるんじゃないでしょうか・・・?
「・・・つまりだ。Bクラスに勝てば、俺たちのFクラスでBクラスの連中は過ごすようになるだろ?そこで俺たちは奴らにもちかけるんだ。『クラスを変えてほしくなければAクラスへ攻め込め。』、とな。」
「??それって何の意味があるの?」
「明久、試召戦争で下位クラスが負けた場合の設備はどうなるか知っているな?」
「え?も、もちろん!」
「その反応、絶対知らないですね。」
それはまわりも気付いたみたいで、瑞希さんが吉井君に耳打ちます。バレバレですけどそこがまた微笑ましいー!
「設備のランクが落とされるんだよ。」
たとえばBクラスならCクラスって感じにですね。あ、じゃあFクラスはGクラスに、とかなるんでしょうか?これより下って・・・全く想像したくないですね!
「・・・まあいい。じゃあチルノ。上位クラスが負けた場合はどうなる?」
「そんなの決まってるわ!あたいが最強ってしょめいされるのよ!」
「ち、チルノちゃんっ。それを言うなら〝署名(しょめい)〟じゃなくて〝証明(しょうめい)〟です。」
「姫路・・・すまんがそこは問題じゃないぞ。」
〝チルノさいきょー声明書〟でも作る気ですか。瑞希さんも坂本君も思わず苦笑いを浮かべちゃってます。
「相手のクラスと設備が変わるんだ。良く覚えておくんだぞチルノ。」
「分かった!」
大きな声で返事をするチルノ。やっぱり元気に関してはサイキョーですね。
「つまり、Bクラスがうちと設備を入れ替えたらFクラスになるが、Aクラスに挑んで負けたら一つ下のCクラス設備になる。だから間違いなくこれに乗ってくる。」
「なるほど。んで?」
「それをネタにAクラスと交渉するわけだ。『Bクラスとの勝負直後に攻め込むぞ』といった具合にな。」
・・・・・・まあつまり、連戦となるとくたびれるし、そこを突かれたくなければ―ってな感じで一騎打ちに持ち込もうとするのは分かりました・・・・・・・が、
「しかしですね坂本君。たとえ一騎打ちに持ち込めたとしても、その一騎打ちで勝つことなんか出来るんですか?」
当然Aクラスからは一番賢い代表さんが出てくるでしょう。でも、私たちからは誰を出すつもりなのでしょう?
一番賢い人と言うなら瑞希さんが鉄板でしょうけど、既に瑞希さんがFクラスにいるということは知れ渡っていますし、何らかの対策をとってくると思うんですが…
「そのへんに関しては策がある。心配するな。」
私の懸念事項を聞いても、坂本君はそれでも自信満々です。う~ん、非常にその策とやらが気になります!
「とにかくBクラスをやるぞ。細かいことはその後に教えてやるさ。」
「・・・それもそうですね。まずはここで勝たないことには、ですね!」
ここを突破しないことには同じ土俵にも上れませんから、きっちり勝ちに行きましょう!
「で、明久。」
「ん?」
「今日のテストが終わったら、Bクラスに宣戦布告をしてこい。」
「断る。雄二が行けばいいじゃないか。」
またも不毛な内戦が始まりました。一致団結という言葉を知ってますか?
「やれやれ。それならジャンケンで決めないか。」
「ジャンケン?」
なるほど。確かにそれが一番無難な決め方ですね。フェアーな上での決定ならば文句も出ないでしょうし。吉井君もそれならば納得したみたいです。
「OK。乗った。」
「よし、負けた方が行く、で良いな?」
こくりと頷く吉井君。二人の意見は合意しました。
「ただのジャンケンでもつまらないし、心理戦ありでいこう。」
そこへ坂本君の追加ルールが。あ~、なになにを出すと言って裏をかくかどうかって奴ですか。私も昔やりましたけど、咲夜さんは強かったな~!
「分かった。それなら、僕はグーを出すよ。」
パーかグ―かで惑わすのが吉井君の手のようです。坂本君はどう手を打つのでしょう?
「そうか、それなら俺は―――お前がグーを出さなかったらブチ殺す。」
た、確かにそれはある意味心理的ですけども!?
「行くぞ、ジャンケン」
「え、あ、わぁぁっ!」
パー (坂本君) グー (吉井君)
どうやら坂本君の方が上手でした。心理戦も権力的にも・・・
「決まりだ。行って来い」
「絶対に嫌だ!」
「男らしくないなー吉井?決めたことはきちんと守るべきだぜ?」
「で、でもこれは僕の意図していた心理戦と全然違ったんだよ!」
必死に抵抗する吉井君。まあパニックになってましたもんねー。あれは心理というより身体的な恐怖で縛ってましたよむしろ。
どうなるか分かってるので、さすがに今回は行かないのでは?
「ふむ・・・・そういえば、Bクラスの奴は美少年好きが多いと聞いたことがあるな。」
坂本君のそんな言葉。いやいや、まさかそんな噂話で吉井君が動かすつもりですか!?絶対無理ですって!
「そっか。それなら確かに大丈夫だねっ!」
・・・ナルシストだったんですね吉井君。なんだかおバカすぎて坂本君を責める気も起きません。
「でもお前、不細工だしな……」
坂本君、上げたいのか下げたいのかどっちなんですか?
「失礼な!365度どこから見ても美少年じゃないか!」
「よ、吉井君。5度多いですっ。」
「実質5度じゃな。」
「アホだぜ。」
「ほぼ不細工ですね。」
「よしーはバカな上にブサイクなのね。」
「皆なんか嫌いだあああああっ!」
吉井君は涙をこぼしながら廊下へと出て行きました。あの、今からテストがあるんですけど・・・
「さて、じゃあ俺たちは試験勉強に戻ろうか。」
『了解。』
「はい。」
吉井君の心配をしない私達。こ、これはきっと吉井君を信用してのことですね!すぐに戻ってきますもの!
――で、放課後。ナルシスト吉井君が単身Bクラスに乗り込んだのですが・・・なんと無傷で帰ってきました。
「雄二!あの銀髪の女の子がかばってくれなかったら、僕はぼこぼこにされてたよ!?」
「予想通りだ。まあ無傷だからいいじゃないか。」
「くきぃー!殺す!殺し切るーっ!」
「落ち着け。」
「ぐふぁっ!」
パンチの一撃で迎える坂本君。外道ですね。
しかし、銀髪の女の子ですか。咲夜さんとは別人みたいですけど、良い人ですねー!私、あってみたいですよ!
さて、吉井君も宣戦をしてきたみたいですし、今日もこれでおしまいですね!一緒に帰る咲夜さんを待たせると悪いので、急いで準備をしないといけませんね!
「おい!俺たちの邪魔をしてどういうつもりだ!?」
「どうもなにも、1人に集団で暴力をけしかけようとするのが間違ってると思ったからです、根本代表。」
「何を言ってる!あんなバカ痛めつけるぐらいなんでも――」
「あなたにとってはバカでも、彼の友達にとっては大切な存在です。あなたも親友が殴られたりして言い気分はしないでしょう?・・・そもそも、向こうは何もしていないのに、集団で暴力を振おうとするのがもはや道徳を無視しています。」
「ぐ…!」
「そこを踏まえたうえで、先ほど1人だけで来た吉井明久君に集団で暴力をふるう理由があるのなら、私が聞きます。慣習だとか下位クラスだからという理由なら、断固として許しません。」
「・・・・く、くそっ!本当にお前は目障りだなっ!!――て、な、何だお前らまで!そ、その眼はこの女に向けるところだろうがっ!」
「目障りで結構。試召戦争なんかでは場合によりますが、今みたいな理不尽なことをしたときは、問答無用で介入させてもらいますからね。」
「お~い美鈴。」
「あ、はい?」
1日が終わって開放感あふれながら廊下を歩く私に、後ろから魔理沙が声をかけてきました。
「なんです?」
「お前のちゃぶ台の上に何か置いてあったぜ?忘れ物じゃないか?」
「え、忘れ物をしてましたか?」
う~ん、もしかして授業のノートでも置いていましたかね?まあ1日ぐらい置いたって大丈夫でしょうけど・・・一応取りに戻っときますか。
「ありがとう魔理沙。ちょっと取りに行ってきます。」
「お~う。」
そこで魔理沙とすれ違い、来た道を早足で戻ります。すれ違うクラスメイトに挨拶をしていくうちに、Fクラスが見えてきました。
「あ、美鈴さんどうしたの?」
「・・・むしろあなたがどうしたんですか吉井君?なんで地面を這ってるんです?」
なぜか吉井君が匍匐前進(ほふくぜんしん)をしながら廊下を移動していました。ほんとに可笑しな行動をとりますね!
「うん。一応念のためここまで伏せてたんだよ。」
「??そうですか。私はちょっと忘れ物をしたらしいんで取りに戻ったんですよ。」
「そうなんだ?じゃあ僕はこれで。よいしょっ…」
起き上がってほこりをはたく吉井君。一体何の〝念のため〟だったんですか・・・?
かなり気になりましたが、そのまま吉井君と別れて私はFクラスに戻り、すぐに扉を開けました。やっぱり1日が終われば早く帰りたいですからねー。1分1秒が惜しいですもの!
ガラガラッ!
「ひゃうっ!?み、美鈴さん!?」
「あれ?瑞希さん。」
誰もいないと思ってたんですが、まだ瑞希さんが教室に残っていました。
・・・はて、そっちは吉井君の席ですよね。なぜ彼の座布団に座っているのでしょう?
「ど、ど、どうしたんですかっ?」
あ、手を後ろに回しましたね?何かを隠したのが丸分かりですよ?
「いえ、ちょっと忘れ物を・・・てあちゃ、数学のノートでしたか。」
私のちゃぶ台に置いてあったのは、今日の授業で使った数学ノートでした。教科書より自分なりにまとめたノートの方が見やすいんですよねー!
これを忘れては数学の勉強が出来ないところでした。危ない危ない!魔理沙には感謝しないと!
かばんにノートを入れてと…さて、やっぱり聞きたくなりますよね?
「・・・で、瑞希さんの方は吉井君の机に何か用でも?」
「!あ、あのっこ、これはそのっ―」
ファッ
「おっとと。」
「・・・あ、ああうあうあう。」
あらら。後ろに回した腕をうっかり身振り手振りに使おうとしちゃって、そこからすっぽ抜けて、まるでフリスビーみたいに私の手元にそれが飛んできましたよ。これまたドジッ娘ちゃんみたいなことをしますねえ。
手に取ったフリスビーを返そうと思いながらも、条件反射でつい私はそれを確認しちゃいました。
《あなたのことが好きです》
そう書かれた可愛らしい便箋(びんせん)。ここでクイズ。これは一体なんでしょう?
・・・数秒でわかりますよね~
「…吉井君にですか?」
「………………はい。」
瑞希さんは顔を真っ赤にしながら、小さな声で頷きました。全く初々しいですね~!見ているこっちがキュンキュンしますよ!
「ど、どうしてわかったんですか…?」
「そりゃーそんな手紙を持って、異性の席にいたら誰だって分かりますよ。上手くいくといいですねー?」
「…吉井君は気持ちに応えてくれるでしょうか…」
あ~、期待もあるけど不安が大きいのが告白ですからねえ。どんな言葉を言おうともあまり意味は無いでしょう。ここは無難な言葉だけ言っておきましょうか。
「さあ。でも、悪い風には思っていなさそうですし期待はしていいと思いますよ?」
「・・・えへへ、ありがとうございます。少し自信が持てました。」
嬉しそうな顔を浮かべてくれちゃって!役に立てて何よりです!
「で、その手紙はどこへ置きます?」
「吉井君のちゃぶ台の上です。できればこっそりと入れたかったんですが…」
「あ~・・・見事、引き出しとかない赤裸々な座席ですからねー。」
そういう点ではちゃぶ台は不便ですね。悪いことも良いこともあるのが道具、ってね!
「じゃあ、しっかり分かるところに置いておきましょうか。」
「は、はい!ええっと…」
ポケットからこれまた可愛らしい封筒を出し、丁寧に手紙を入れていきます。
真心を込めて書いた手紙、吉井君に限らず誰でも喜んでくれますよ!
封筒に手紙を入れ終わり、瑞希さんは両手で本を読み上げるように持って、少しだけ力を込めて握ってから吉井君のちゃぶ台の上に置きました。あとは明日を待つだけです!
「・・・ふわあ~、ど、ドキドキしますね~!」
「ふふ、そんなことを言ってたら、OKを貰ったときなんかもう気絶しちゃいますよ?」
「も、もしもその時は頑張って耐えます!」
「そうですよー!せっかくの記念なんですから!・・・でも、むしろ吉井君の方が嬉しくて気絶しちゃうかもしれませんねー!」
「ええー!?そ、そうですか!?」
「そうですよー!だあって、こんな可愛い女の子に告白されちゃうんですからっ!」
「はわっ!く、くすぐったいですよー美鈴さん!」
ふむふむ、瑞希さんはわき腹が弱いんですね!ちなみに私はのどですよ!
「すいませんね!瑞希さんが可愛いらしいですから、ついちょっかいをかけてしまいました!」
「そ、そんな!私なんかより美鈴さんの方がずっと可愛いですよ!」
「おや、嬉しいことを言ってくれますね!・・・そんなところも可愛いですよー!」
「きゃー!ははっ、あははっ!め、美鈴さ~ん!」
そういう気配りをできる女の子は絶対に良いことがあります!吉井君もきっと瑞希さんのそういうところを見てくれていますよ~!
―――おおっと、そろそろ瑞希さんが息切れしてしまいます。よいしょっ!
「あははっ、はっ、はっ、・・・ふうー。も、もう美鈴さんは~!」
ポカポカと私を叩く瑞希さんの顔は笑顔なのでセーフ!咲夜さんなら間違いなく脳天チョップが炸裂してましたね!
「あいたた!許してくださいよ~!」
「お腹が痛かったのがもっと痛くなっちゃったじゃないですか~!もう今日はご飯が食べれませんよ!」
「あはは!すいませーん!」
「笑ってるじゃないですか~!も~!」
「瑞希さんもですけどね~!あははははは!」
いや~、なんかレミィやフランと遊んでる感覚になっちゃいますねー!私もついつい笑いが浮かんでしまいますよー!
「ふ~…じゃ、そろそろ帰りましょうか?」
「うふふっ。はい、帰りましょうか!」
じゃれあいに一区切りがついた時間は、完全下校時刻まで少しでした。私と瑞希さんはカバンを持って立ち上がります。
「美鈴さん、ありがとうございます。あんなに笑ったのは久しぶりでしたっ!」
眼元の涙をぬぐう瑞希さん。いやいや私も久しぶりに笑いましたよ~!お礼には及びません!
「それは良かったです。吉井君にもその笑顔をみせてあげましょうね!」
「はい!・・・・上手くいくといいなあ。」
おっと、瑞希さんは独り言のつもりなんでしょうけど、ばっちり私にも聞こえてます。ここは一つ、言って欲しいであろうことを言わせてもらいましょう!
「上手くいきますよきっと!」
「・・・はいっ!」
瑞希さんの満面の笑み、男ならイチコロというレベルの可愛さでした。
「では行きましょうかー。」
「分かりました!」
私たちはFクラスを出て行きました。明日が楽しみですね~!何事も問題が起こりませんよーに!
「・・・・・・で、何か言い訳があって?美鈴。」
「え・・・え~っとですねえ・・・すみませんでしたああ!」
「あ、あの十六夜さん!美鈴さんは私に元気づけてくれてたんです!だから許してあげてください!」
「・・・ふむ。とりあえず一発はいいわよね。」
「え!?そ、そこは許してあげるところではぶっ!?」
「め、美鈴さ~ん!?」
・・・待ち合わせ場所で先に待っていた咲夜さんに手痛いチョップを受けたのは、完全に私が原因の問題でした。み、瑞希さんは悪くないですよ~・・・
お読みいただきありがとうございます!
まだ本格的には出てきていないのでここでは紹介しませんが、Bクラスに〝彼女〟が登場しました!卑怯な根本君にとっては水と油の関係となりますが、果たしてどうなる事やら。
〝彼女〟以外にもまた出演してもらう予定ますので、ほどほどに期待してください!
あと今回の後半、じゃっかん百合っぽい雰囲気になりましたが、あれは女子同士がじゃれて遊んでるだけです!
タグにも『ガールズラブ』と書きましたが、美鈴さんはシスコンなだけです!百合ではありませんよ~!他の人にその役割はいってもらってますっ!
・・・・・・本編でないのに、やけに本編と関係あることを書いてしまいましたが、皆さんが次回も楽しみにしていただければ!
それではっ!