バカと中華小娘とお姉さん   作:村雪

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 一日空けてとなりました。皆さま、明けましておめでとうございます!村雪でございます!
 皆さまの新年を明るく過ごせることを願いまして、新年最初の投稿とさせていただきます!
 
 前回にもちょっと伝えましたが、今回新たに東方キャラクター2人出場していただきます。少し皆さんの中での性格と食い違うかもしれませんけど、この作品ならではとご容赦くださいませ!

 では、思い思いに過ごされている皆さま。既に働いていらしゃる方々。
 ―ごゆっくりお読みください。


宣戦―援護、その後で彼には制裁してやりましょう

 

「明久にはDクラスへの宣戦布告への使者になってもらう。無事大役を果たせ!」

 

 

 坂本君による吉井君への指令。それは特攻指令と言っても差し支えないかもしれません。

 

 というのも、話によると下位クラスの人が上位クラスへと宣戦布告に行った場合、高確率で暴力を振るわれて痛い目に遭うのだとか。まあ、誰かにやってもらわないといけないのは確かになんですけど、絶対に友達にやらせることではありませんね。

 

 

「・・・下位勢力の宣戦布告の使者って、大抵ひどい目に遭うよね?」

 

 

 吉井君も知っていたようで渋い顔をしていました。当然の反応です。

 

 

「大丈夫だ。奴らがお前に危害を加えることはない。だまされたと思って行ってみろ。」

 

 

 なおも坂本君は嘘をついてまで吉井君に行かせようとしています。彼には情が無いのでしょうか?

 

 

「本当に?」

 

「もちろんだ。俺を誰だと思っている。」

 

 

 友を陥れる悪魔です。

 

 

「大丈夫、俺を信じろ。俺は友人をだますような真似をしない。」

 

 

・・・・・・・ふ~~……。

 

 

「分かったよ。それなら使者は僕が「待ってもらえますか吉井君?」へ?どうしたの紅さん?」

 

 

 私が突然割って入ったため、吉井君、坂本君だけではなく皆の視線が私に集まりました。あんまり注目されてると言いづらいんですけどね?でも、ここはきちんと言いましょう。 

 

 

「私が宣戦布告に行っていいですか?坂本君。」

 

「ええっ!?」

 

「なっ!?」

 

 

 2人は、どうしてか分からないと視線を向けてきます。ちょっと、私は変人じゃありません!

 

 

「Dクラスにどんな人がいるのかが気になってましてね。坂本君の言う通りでしたら誰が行っても危険は無いじゃないですか。だから私に行かせてもらえませんか?」

 

「あ、いや、だがな・・・」

 

 

 急にばつの悪そうな顔になる坂本君。まあ知っていますが、やはり彼の言ったことはウソだったのでしょう。でも、私はそこを踏まえてDクラスに行くと言っているのです。もちろん言ったこともウソじゃありませんけどね!どこに誰がいるのかもやっぱり知りたいのです!

 

 

「では、大役を果たしてきますね。」

 

 

 坂本君はOKを出すのをかなりしぶっていましたので、そのまま待たずに私は廊下へ向かいました。

 

 

「待って!じゃあ僕もいくよ!」

 

「え?」

 

 

 すると、さっきまで行きたくなさそうにしていた吉井君がなぜか同行を申し出てきました。え、実は吉井君がマゾだったのですか?

 

 

「雄二の言う通り安全だとしても、万が一ってことがあるでしょ?それなら男の僕も一緒についていった方がいいかなと思うんだ。」

 

 

・・・・やれやれ、私が変わってあげたのに危険な場所に行くとは、吉井君は変わり者ですね。でもそこが面白いですよ!

 

 

「分かりました。では宣戦布告に行くのは、私と吉井君という事で。」

 

「了解。」

 

 

『吉井!お前が行くのなら俺も行くぞ!』

 

『そうだ!お前だけに良い思いはさせねえぞ!』

 

『俺が美鈴さんとふたりになるんだ!』

 

 

「あ~、今回は私と吉井君という事に決まったからまた今度の機会にしてくださいね?」

 

『そ、そんな・・・』

 

 

 あまり大勢で行っても仕方ないのです。落胆する人たちには悪いですが、もう人はいりません。

 

 

「さって、行きましょうか吉井君?」

 

「うん、行こうか。」

 

 そうして私たちは廊下へと出ました。

 

 

 

 

 

『雄二よ、良かったのか?さっきお主が明久に言ったことはウソじゃろう?』

 

『・・・まず無事で帰ってくることは無い。』

 

『ああ。十中八九ボロボロにされるだろうな。』

 

『! ちょっと!それホントなの坂本!?』

 

『ひ、ひどいです坂本君っ!』

 

『心配するな。明久の事だからきっとボロボロになって帰ってくるさ。』

 

『そ、そうですか…ってダメじゃないですか!?』

 

『あんた鬼ねっ!!』

 

『いや~、そうはならないと思うぜ坂本。』

 

『ん?どういうことだ霧雨?』

 

『坂本はもう忘れたのか?吉井は誰とDクラスに行ったんだっけ?』

 

『・・・・・・・・・・あ。』

 

『え、美鈴(メイリン)が吉井と行ったんでしょ?』

 

『その通りだぜ。美鈴の奴、ああ見えて結構強くてな。さっき私と坂本が畳の肥やしになりかけてたぐらいだぜ。』

 

『・・・見事な写真を撮ることが出来た(ポタポタ)。』

 

『おいおい、シャイガールな私のパンツの撮影は勘弁してくれよ?代わりに美鈴のパンツを撮る協力をしてやるからさ!』

 

『・・・交渉成立…っ!!(がしっ!)』

 

『おうっ!(がしっ!)』

 

『き、霧雨さん。それはまずいんじゃないでしょうか?』

 

『な~に!私にかかればあいつに気付かれない内に撮る事ぐらい楽勝だぜ!』

 

『い、いえ、難易度の問題ではなく倫理的な問題の事です!』

 

『・・・・・・頼もしい…(ボタボタ)!』

 

『む、ムッツリーニ!出血量が増しておらんか!?一体何を想像したんじゃ!』

 

『へへっ!あ、それとだぜ。私の事は魔理沙って呼んでくれよ。どうも下の名前で呼ばれる方が好きなんでな!』

 

『あ、はい魔理沙ちゃん!』

 

『だ~ちょっと待った!話がそれまくってるわよ!?魔理沙!なんで吉井が大丈夫って言えるのよ!?』

 

『ん?おお、その話か?なに単純だぜ。美鈴がかばってくれるって話さ。あいつなら男の数人ぐらい楽勝にKOできるぜ!』

 

『へ、へえ。凄いのね、美鈴。』

 

『おう!むしろやばいのは坂本だぜ。あいつはいつも明るいけど、人を傷付けるような嘘が大っ嫌いだからな。』

 

『・・・さ、坂本?ずっと固まってるけど、そうらしいわよ。』

 

『・・・尋常じゃない汗の量。』

 

『か、顔が青を越して真っ白になっておるぞ!?』

 

『し、しっかりしてください坂本君っ!』

 

『・・・・霧雨。俺が本気で土下座して謝ったら、紅(ホン)は許してくれるだろうか。』

 

『んん~~~・・・・・・多分、意識が無くなる直前くらいで許してくれると思うぜ?』

 

『『『『それは完全に最後(ですよ!?)(じゃねえか!)(なのじゃ!)(じゃない!?)』』』』

 

『ま、ご愁傷様だぜ!・・・あ、そうだ土屋。良い話があるんだぜ。』

 

『…?』

 

『あたいったら・・・サイキョー・・・ね・・・・zZzZ』

 

 

 

 

 

 

「ねえ、紅(ホン)さん。」

 

「はい、なんですか?」

 

「紅さんはやっぱり、中国出身なの?」

 

「え?」

 

 

 Dクラスへの道のりを歩いていると、ふいに吉井君がそんなことを尋ねてきました。

 

 

「吉井君はあまり中国人が好きではありませんでしたか?」

 

「!違うよ!た、ただ中国出身の割にはすごく日本語が上手だなあって!ほんとだよ!?」

 

「ああ、そういうことですか。」

 

 

 私の名前は誰から見ても中国の出身だと分かること。なのに日本語を上手く話せているのが気になったという事ですね。意地悪なことを聞いて許しください。

 

 

「いえいえ、実は私、生まれてからすぐにこっち(日本)に来たらしいんですよ。」

 

「え?そうなの?」

 

「はい。」

 

 

 どんな理由があったのかは知りませんが、そのおかげで今があるわけなので思う事は無いんですけどね。

 

 

「ですから、名前は紅(ホン)美鈴(メイリン)なんですけど、ほとんど生粋(きっすい)の日本人なわけなんですよ。」

 

「へ~。だからそんなに日本語が上手なんだね!」

 

「逆に中国語はダメダメですけどね!」

 

 

 はっはっはー!と笑い声をあげている内に、私たちの目の前にはDクラスが見えてきました。

 

 

「おっと。着いたみたいですね。」

 

 

 外見はいたって普通の教室。しかしFクラスと比べると立派に見えるから困ったものです…

 

 

「では入るとしましょうか?」

 

「うん、そうだね。」

 

「快く出迎えてくれるとは思えません。罵(ののし)られる構えはしておきましょう。」

 

「分かった。」 

 

 

 私たちは頷いて、教室の扉に手をかけました。

 

 

 

ガラッ!

 

 

 開けた瞬間、中にいたDクラス全員がこちらを向き、口が開かれ…

 

 

 

『きゃああああああっ!!』

 

『うおおおおおおおっ!?』

 

『『ホ、紅(ホン) 美鈴(メイリン)さんっ!!』』

 

 

 

 

…何故か敵意的なものではなく、好意的な悲鳴をあげられました。

 

 

「わ、わお〰……?」

 

「ほ、紅さん。凄い人気だね…?」

 

 

 そ、そう言われましても!…私、何かしましたっけ?ああっ、皆さんの視線が歯がゆいですっ!

 あんまり長くいると私が調子に乗っちゃいそうですっ!はやく代表を見つけて撤退を

 

 

 

 

「美鈴(メイリン)~っ!」

 

「おごはっ!?」

 

 

 ・・・する前に胸に衝撃が走りました。

 

 う、うまい具合に入ったみたいで呼吸が一瞬止まりかけた・・・・あ、天井はFクラスとあまり変わってないです。

 

 

「だ、大丈夫紅さんっ!?」

 

「かっ、ひゅっ…………だ、だ、だいじょうぶでずよう吉井君~…」

 

 

 コヒュウ、コヒュウと文字通り息絶え絶えな状態でなんとか返事をした私は、今なお感じる胸周囲の異変の原因へと目をやりました。

 

 

 

 

 

「うにゅ~っ!美鈴(メイリン)~~~!!」

 

 

 そこには、嬉しそうな笑顔の女の子が、必死に私の胸に顔をすりつけている姿がありました。

 

 

 

「げほっ……げ、元気そうですね、お空(くう)?」

 

「うんっ!美鈴は元気だった!?」

 

「そ、そうですね。今はちょっと苦しいですがっはっ!」

 

 

 これ、思ったよりも効いてますね。全然咳(せき)が止まりません。

 

 

「だ、大丈夫美鈴!?風邪でも引いたの!?」

 

「ちょ、ちょっど待ってくだっ、ふう―。ふー……。」

 

「どうしたの!?お腹が痛いのっ!?」

 

 

 た、頼みます。しばらくの間ホントに黙ってて!ああもう、それを言うのも今はつらっごほっげほっ!!

 

 

 

 

「お空っ!美鈴さんが苦しそうだからいったん離れて!」

 

 

 !その声は!?

 

 

「わ、わかった!」

 

 

 その声に従って、お空はすぐに私の上からのいてくれました。

 ふ~っ……やっと体を起こせましたよ。

 

 

「ど、どう?紅さん?」

 

「スゥーー……ハァー………はい、もう落ち着きました。」

 

 

 吉井君、背中をさすってくれて感謝です!

 

 

「美鈴、大丈夫…?」

 

「ええ。でも、次からはもうちょっと優しく抱き着いてくださいね?」

 

「うん、分かった!」

 

 

 幼い笑みで、お空は頷いてくれました。

 

 お空とはあだ名のようなもので、彼女の本当の名前は霊烏路(れいうじ) 空(うつほ)。少しボサボサとした髪を、腰のあたりまで伸ばしているのが特徴の人懐っこい子で私の友達です!

 

 

「全く、お空は手加減を覚えなきゃいけないよ?」

 

「うにゅ、うつほはちゃんとしたもん!」

 

「そ、それであれですか…助かりましたよ、お燐(りん)さん。」

 

「いやいや、あたいは当然の事をしただけだよ、美鈴さん。」

 

 

 ニッと笑う彼女の名前は火焔猫(かえんびょう) 燐(りん)。あだ名がお燐です。私と同じ赤い髪を左右2束の三つ編みで決めている彼女も私の友人で、お空の姉のような存在です。彼女の瞳は瞳孔が縦向きになっていて、どことなく猫の雰囲気を漂わせているのが特徴なのです!

 

 

「で、美鈴さんはまた何でここに来たんだい?あと、そこの…」

 

「あ、吉井明久です。」

 

 

 お燐さんの視線に気づいて吉井君が自己紹介しました。

 

 

「火焔猫(かえんびょう) 燐(りん)だよ。……“吉井”っていうと、確かおバカで有名な男子だったっけ?」

 

 

・・・吉井君、君もどうやら有名人みたいですよ?

 

 

「ち、違うよ!僕はちょっとお茶目な男子なだけでバカなんて―」

 

「はい、観察処分者になってる吉井明久君です。」

 

「それだけは言わないで欲しかったよっ!」

 

 

 でも事実は事実!しっかりと自分の事は受け止めてあげましょう!

 

 

「ねえねえ!美鈴とよしひさたちは何しに来たの!?」

 

「あれ、よしひさって僕のこと?なんだか省略されちゃったみたいな言い方だけど、僕の名前は吉井 明久だよ。」

 

「あ、ごめんごめん!よしひさ達は遊びに来たの?」

 

「君はいったい何に謝ったのさ!?」

 

「お空、よしひさじゃなくて吉井だよ。」

 

「え!?そうなのよしー!?」

 

「・・・うん。なぜ僕の言葉は通じず火焔猫さんの言葉は聞いたのかが気になるけど、それであってるよ。」

 

「ゆ、許してあげてください吉井君。」

 

 

 お空はちょっぴりトリ頭なだけなんです。決して悪気があってやっているわけではないんですよ!

 

 

「っと。お燐さん。このクラスの代表は誰でしょうか?」

 

 

 使命を忘れるところでした。このまま雑談するのもいいのですが、1人だけの問題ではないので今はやめておきましょう。

 

 

「ん?代表?それなら」

 

「ひらが~!美鈴が呼んでるよ~っ!」

 

 

 お燐さんが名前を言う前に、お空がクラス中に聞こえる大きな声で呼んでしまいました。

 Dクラスの視線が一点に集まり、焦点となった男子が恥ずかしそうに顔をしかめていました。お、お空に代わって謝らせてくださいい!

 

 

「あ、ああ。霊烏路、そんな大きい声で呼ばなくても聞こえてるよ。」

 

 

 ひらがと呼ばれた男子が私たちの前に近づいてきて、ごほんと一つ咳払い。気持ちを入れ替えようとしたのでしょう。

 

 

「俺がDクラス代表の平賀 源二(げんじ)だ。紅 美鈴さん、一体何の用だろうか?」

 

「突然にすみません。実は―」

 

「あっ、それは僕が言うよ。」

 

「え。」

 

 

 私が言おうとしたときに吉井君が一歩前に出て、それを口にしました。

 

 

「2-Fの吉井明久です。僕たちFクラスは今日の午後、Dクラスに試召戦争をしかけると宣戦しにきました。」

 

 

『『何だとっ!?』』

 

「うにゅ?」

 

「…Fクラス?」

 

 

 途端、空気がピリピリしたものと変わり、お空、お燐さんを除いた皆さんの視線が興味心から敵意の物へと変わりました。

 

 

「お手柔らかにお願いします♡」

 

 

 いらない、その言葉はぜったいいりません!

 

 

『ふざけるな!FクラスごときがこのDクラスに挑むだと!?』

 

『お前らみたいなバカの集まりが勝てるわけないだろ!』

 

『身の程知らずが!ただで帰れると思うなよ!?』

 

『手土産にこいつを叩き潰すぞ!』

 

 

「え!?ちょ、ちょっと待って!?」

 

 

 そして、何人かのDクラスが吉井君に襲い掛かろうとし始めました………が、

 

 

 

「私の目の前で集団暴力とは、良い度胸です。」

 

 

『『『『へっ?』』』』

 

 

ゴキンッ!ガゴッ!ミシッ!どすっ!

 

『ぐえっ!?』『ごぺっ!?』『がはっ!?』『おぶはっ!?』

 

 

 頭、あご、脇、腹。それぞれ別の箇所に拳を叩き込んで抑えました。全く、弱い者いじめをさせるわけにはいきません。

 

 

「吉井君、大丈夫ですか?」

 

「・・・あ、う、うん。ありがとう紅さん。」

 

 

 しりもちをついた吉井君をたたせてほこりをはたきました。その顔は少し青くなっています。全くひどいことをっ!

 

 

「うにゅ~!美鈴はやっぱりすごいなあっ!」

 

 

 吉井君が顔を青くさせているのは別の理由だと気付いていない私に、近くにいたお空は、なぜかそんなずれたことを言い出してきました。いやいや、仮にもあなたのクラスメイトがやられたんですから怒るところですよね?ほら、他の人たちも―

 

 

 

「・・・・・・(がたがた)」

 

 

 私を見て凄く震えている平賀君。

 

 

「全く、何勝手をやってるんだいあんた達。」 

 

 

 ダウンした四人をズルズルと乱雑に移動させるお燐さん。

 

 

『・・・・・・・!!!(きらきらきら)』

 

 

 凄く目を耀かせる女子の皆さん

 

 

『・・・・・・(ボー・・・…)』

 

 

 顔を赤くして私を見る男子さん。

 

 

「美春にはっ、お姉さまという方がいますの…っ!(ガン!ガン!)」

 

 

 なぜか壁に頭を打ち付ける女の子。

 

 

 ・・・・おかしい、1人も仲間をやられて見せる普通の態度の方がいませんよ!?常識が通じないのはFクラスだけではなかったのですか!?まさかこの学校全体!?

 

 

「なんだか、思ったより反感を抱かれてないね・・・?」

 

「あ、ああ~・・・」

 

 

 な、なんだかいたたまれなくなってきました。早く出ることにしましょう!

 

 

「で、では!Dクラスの皆さん、互いに頑張りましょうっ!」

 

「あいたた!?力が強いよ紅さん!」

 

 

 私は吉井君の腕をつかんで、脱兎の如き素早さで教室を出ました。

 

 

・・・・・・とにかく、任務完了です!

 

 

「すいません。大丈夫ですか吉井君?」

 

「いたた・・・うん、大丈夫。紅さんも、さっきは本当にありがとう。命拾いしたよ。」

 

「それはよかったです。・・・さて。」

 

 

 次は悪魔さんを成敗することにしましょう。

 

 

 

 

 

「・・・Fクラスの吉井君と美鈴さんが一緒にいたってことは…………にゃっはは!これは骨が折れそうだい!平賀君!今すぐ作戦を立てようか!」

 

「あ、ああ!」

 

 

 

 

 

 

ガラッ!

 

 

「紅(ホン)、聞いてくれ。今回はたいへブァッ!?」

 

「えええ!?ホ、紅さん!?」

 

「あ~、やっぱりこうなったぜ。」

 

 

 教室に戻ると坂本君が何かを言っていましたが、それは後!私は勢いよく駆け出してサマーソルトキック坂本君に浴びせました。上手く顔には入りましたが少し浅い、80点!次です!

 

 

「ま、待ってくれ紅!まずは謝罪を聞いてかラリアットォォ―ッ!?」

 

 

 くっ、あごが邪魔で入らず・・・30点!次こそはっ!

 

 

「た頼むっ!せめて加減をしぎゃああああああああ!」

 

 

 脚のキレ良し。首のしまり良し。関節の決まり良し!文句なしの満点ですねっ!

 

 

「ススススストップストップ紅さん!卍(まんじ)固めをされてる雄二の顔が真っ青になってるよ!」

 

「そそ、そうじゃ紅!そろそろ雄二を許してやってくれ!」

 

「いいわメーリン!もっとやってやるのよっ!」

 

「ち、チルノちゃん!はやしたててはダメです!」

 

「ちょっと!魔理沙も止めるのに協力しなさいっ!」

 

「ん?美鈴~、逝かない程度に抑えてやれよ~。」

 

「それは加減したとは言わないわよっ!」

 

 

 周りで何かを言い合っていますが、坂本君を解放してほしいみたいです。

 まあ私としては、被害者である吉井君が良いというなら構いません。勝手な独断行動ですからね。

 

 なので、私は手足をはずして坂本君を解放しました。

 

 

「・・・・お、れは生きているの、か・・・?」

 

「生きてるよ雄二!バカみたいに生命力の高い有害人物の雄二がそんな簡単に死ぬわけないじゃないか!」

 

「明久よ、雄二をフォローしておるのか貶(けな)しておるのかどちらなんじゃ…?」

 

 

 まるでゴキブリみたいな言い方ですね。

 

 

「坂本君。今回は初めてという事で手加減をしました。が、次に人を傷つけるウソをついたら、なりふり構わず病院送りにしますからね?」

 

「・・・・!!(こくこくこくこここくこく)」

 

 

 顔を恐怖一色に染めて壊れたおもちゃのように激しく上下しています。うん、きちんと反省してくれたみたいですね!

 

 

「・・・な?美鈴は折檻をするときはめちゃくちゃ無防備だったろ?」

 

「…有益な情報提供に感謝する…!(ドバドバ)」

 

 

 あちらでは魔理沙と土屋君がぼそぼそと話し合っています。土屋君が鼻血を流しているし、またエッチな話でもしているのでしょう。どうして魔理沙と話しているのかは分かりませんけど。

 

 

「吉井君、大丈夫でしたか?」

 

 

 おや、吉井君の元に姫路さんが行きました。どこか心配そうですね。

 

 

「あ、うん。大丈夫だよ。紅さんが助けてくれたしね。」

 

「……む~。」

 

 

 どうやら姫路さんは、吉井君にけがが無いのかを気にしていたみたいです。でも、私の名前を聞くと頬を丸くふくらませてしまいました。ああ!可愛らしいけど怒らないでください~!!

 

 

「はあ…魔理沙の言う通りね。吉井達は無事だったの?」

 

「え、うん。島田さん。むしろDクラスの人が気絶してたよ。」

 

「そっか・・・なら、ウチの無駄になった心配の仇をここでとってもいい?」

 

「ああっ!もうだめ!島田さんの心配は的中してたよ!」

 

「・・・ばーか。冗談よ。」

 

 

 転げまわる吉井君を面白そうに眺める島田さん。・・・あれ?何か違和感を・・・?

 

 

「さ…さて。今からミーティングを行うぞ・・・」

 

 

 顔を青くさせたままの坂本君はよろよろと歩いて廊下へと出て行った。この教室ではしないのでしょうか?

 

 

「おっ、じゃあ私も参加させてもらうぜ。」

 

「…(ぶすぶす)」

 

 

 魔理沙が駆け足で坂本君を追い、そのあとをティッシュで鼻血をふさいだ土屋君が続きました。

 

 

「?何しに行くのみずき。」

 

「あ、今から坂本君のお話があるそうです。チルノちゃんも来ますか?」

 

「行く行くっ!」

 

「はい、じゃあ行きましょうか♪・・・吉井君!痛かったら我慢しないで言ってくださいね!」

 

 

 笑って吉井君にそう言った瑞希さんは、チルノの手を繋いで廊下へと出ました。

 

・・・み、見ない間に随分仲よくなりましたね?でもあれは同級生の友達と言うより、子どもを相手にする対応な気もします…。ま、仲良ければいいですよねっ!

 

 

「むっ…吉井!ウ、ウチ達も行くわよ?」

 

「あ、分かった、って!?し、島田さん!?」

 

「な、何よ!?早く来なさいっ!」

 

「い、行くけどどうして僕の腕を両腕で抱きしめてるの!?」

 

「う、うるさいわね!吉井が逃げないようにするためよっ!」

 

「い、いや僕は逃げる気なんかない―」

 

「ご、ごちゃごちゃ言わずに早く着いてきなさいいっ!」

 

「あいたたたたっ!!?」

 

 

・・・そんなやりとりをしながら、吉井君と島田さんは出て行きました。あ、あれってひょっとして・・・?

 

 

「ふむ。では、わしらも行くかの紅よ?」

 

「あっ。そうですね!」

 

 

 秀吉君に声をかけられたので、私もミーティング場へと出発しました。

 ふむ、ちょっと聞いてみましょうか?

 

 

「秀吉君。」

 

「む?」

 

「島田さんは、吉井君にホの字なんですかね?」

 

「!気付いておったのか?」

 

「はい、あんな姿を見ましたからね~!」

 

 

 やっぱりそうでしたか!吉田さんのあのきつい言い方は照れ隠しみたいなものだったんですね!それを見ただけなら分かりませんでしたけど、吉井君にたまに見せる気配りや接し方ですぐに分かっちゃいましたよ!

 

 

「私、ツンデレというものを初めて見ました!」

 

「確かにあれはそうとしか言わんのう。」

 

 

 だいたい、ツンとデレの割合が7:3ぐらいかな。私としてはもう1割ぐらいはデレをあげてもいいと思いますけどね~?

 

 

「や~、ライバル現る!ですね。」

 

 

 瑞希さん。悪いですが、これはあなたには言えません。同じクラスメイトどうし頑張ってください♪

 

 

 きっと、苦くも大切な思い出になりますから!

 

 

 

 

「ああ。そう言えばムッツリーニと魔理沙のことなんじゃが・・・・・・その、お主の写真を撮っておったぞい?」

 

「?はあ。まあ写真ぐらいなら別に構いませんけど・・・」

 

「・・・・・・下着の写真だそうなのじゃが。」

 

「土屋君魔理沙ああああああああっ!!!」

 

 

 

 

 




 お読みいただきありがとうございます!
 この年末年始、ちょっとインターネットを使えない環境に行ってたため投稿をすることができませんでした。なので間を空けての投稿となりましたが、それに見合った内容であれば幸いでございます。
 
 今回出ていただいたのは、地獄の支配者さとり様のペット達でございます!果たして
2人の性格をきちんと出せていたのか・・・にわかでる作者には非常に気になるところでございます!
 また次回も面白おかしく読んでいただけるように心がけますので、その時までお待ちいただけたら幸いです!

 それではっ!
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