さて、前回は美鈴さん達の召喚大会で終わったのですが、明久たちの召喚大会はもう少しお待ちを!
今回は喫茶店がメインとなっていて、彼女たちに出演してもらっています!果たして彼女は、どんな明るく、陽気な雰囲気を生み出すのか・・・!
――ごゆっくりお読みください。
「・・・それで、戻って来るのに時間がかかったと」
「そうなんだ。ごめんねムッツリーニ」
「・・・それなら仕方ない。気にするな」
「ありがとう。じゃあ僕はホールに戻るよ。藤原さんも厨房頑張ってね!」
「…一応、分かってる…」
「・・・藤原。さっそく紅茶を」
「…ん、分かった…」
さて、美鈴さんの後始末をしてたから遅くなったけど、藤原さんみたいに頑張るとするか!
「あっ、バカなお兄ちゃん!どこに行ってたんですか?」
戻ってきた僕に声をかけてきたのは葉月ちゃん。ピンクのチャイナドレスがとっても似合っていて、とっても可愛いらしく見える。お客さんの反応も絶対悪くないだろうね!
「あ、ちょっとね。葉月ちゃんも手伝ってくれてたの?」
「はいです!さいきょうのお姉ちゃん達に教えてもらいました!」
「そっか、でもね葉月ちゃん。その呼び方はあってないよ?」
「え、そうですか?」
間違いなくチルノの事だろうけど、やつには『バカなお姉ちゃん』と言うあだ名がぴったりだ。僕が保証しよう。
「失礼するよ」
「失礼します」
「!あ、いらっしゃいませ!」
やった、またお客さんだ!
今度は二人の女の人……って、1人は学年主任の高橋先生じゃないか。今日も知的なメガネが似合ってるなぁ。
・・・でも、もう一人の金髪の長身の女の人は見たことが無い。先生の高橋先生と一緒にいるんだからここの先生だと思うんだけど・・・新しい先生か、それとも先生じゃないのかな?
「――どうやら繁盛しているようだな。吉井」
「あ、鉄人先生」
「西村先生と呼べ」
そんな二人の後ろに、生徒指導にして僕たちの担任、鉄人もとい西村先生も一緒だ。
教師が3人(もしくは2人?)も一緒に来るなんて・・・見回りにでも来たんだろうか?はっ!まさかテーブルの件っ!?それだけは勘弁願いたいっ!
「――くっ、あっはっはっは!!鉄人たぁ良いあだ名だね、先生!私もぜひつけてもらいたいもんだよ!」
「む。その言葉は嬉しいのですが、正直、あまり私はその呼ばれ方は好きではなくてね…」
「っと、それは申し訳ない。気に障ることを言ってしまった」
「いえ。あなたに悪意が無いというのは、さっき会ったばかりですがなんとなく分かります。気になさらなくて結構」
「それはありがたいね!いや~、先生は人が出来てるねぇ!私はいい年になってもまだまだ出来てない部分だらけだよ!」
「勘弁を。どうも、あなたは私を過大評価しすぎですな、全く」
「勇儀。西村先生の肩を叩きすぎよ。少しは配慮をしなさいっ」
「おっとっと、失敬!」
「はあ…あなたのその馴れ馴れしさは、昔から全然変わってないわね」
「おいおい、それを言うなら洋子だって注意好きなのは変わってないじゃないか。ん?」
「う、うるさい!」
「・・・・・・」
僕は言葉を出せずに先生たち3人の様子を眺めた。
て、鉄人にあれほどフレンドリーに接するなんて、なんて肝っ玉の据わった女性なんだ・・・!しかも、普段はクールな高橋先生のこの慌てよう・・・・誰なんだろうこの人?
「あ~!こんにちはです!勇儀のおばさん!」
僕が興味津々にその金髪美女を見ていると、なんと葉月ちゃんが彼女に声をかけた。
「ん?おお葉月じゃないか!相変わらず元気そうだね!」
「えへへ、はいですっ!」
葉月ちゃんの声に応じた彼女は葉月ちゃんの頭を優しくなでた。どうやら二人は顔見知りのようだけど・・・
「葉月ちゃん、この人と知り合いなの?」
「はい!お友達のお母さんです!」
へえ、ってことは小学生の子どものお母さんなのか~。その割には若く見えるけど、いくつなんだろう?
「知ってるの勇儀?」
「ああ。娘の友達でよくウチに来ててね……ん?ここは写真のサ-ビスがあるのかい?だったら綺麗にとってもらわなきゃいけないね!頼むよあんた!」
「・・・お任せを(バシャバシャバシャ)」
「おや。そうだったのですか土屋君?では、私も撮ってもらわないといけませんかね・・・」
「いえ、これは違いますお二方。おい土屋、そのカメラをよこせ」
「・・・っ!?横暴すぎる・・・!」
「勝手に写真を撮る方が勝手だろうが」
「・・・断固として断る・・・!」
鉄人の脅迫にも屈さず、ムッツリーニが命を懸けてまで写真を撮ろうとする気持ちは僕にも分かる。
ところどころはねているけど腰辺りまで伸び、太陽のように光り輝く金髪。
どんなことにもくじけることがないのではと思ってしまう、勝気で明るいビューチフルな顔。
でかい鉄人にも劣らない大きな背。
そして・・・・・・この世の青少年が感動で泣いてしまうこと間違いナシの、抜群なスタイル!!ムッツリーニ!ここは君の命が尽きようともこの女の人を撮り続けて!!データは後で拾ってあげるから、僕に夢を見せてくれ!
「おばさんたちはお客さんで来たですか?」
「ああそうだね。三人だけどいいかい?」
「はっ!はい大丈夫です!」
少々邪念が出てしまったけど(※ダダ漏れの間違いです)、ここは仕事優先をしなくちゃ。
教室にはまだお客さんがいるけれど、ラッキーにも僕達が苦労して手に入れた机が多かったからまだ空きはある。ここに案内をしよう。
「では、2人とも積もる話もあるでしょうし、ゆっくりされてください。私はこの辺で失礼を」
「(ガシッ)まあまあ先生。せっかくここまで来たんだから、付き合っていくのが礼儀だよ?なあ洋子?」
「あなたの場合は強引過ぎると思うけど……西村先生。彼女はこうなったら絶対ひきませんので……諦めてください」
「・・・ぬぅ・・・・・・やむをえん」
「そうこなくちゃね。じゃあ葉月、案内を頼めるかい?」
「あ、はいです!じゃあこっちに来てください~!」
葉月ちゃんは僕が動く前に、僕の考えていたのと同じテーブルへと三人を案内していった。う~ん、鉄人の肩を掴んで有無を言わせないなんて…あの人は、本当に豪快な人だなー。
・・・ん、あれ?鉄人と二人の女性・・・・あれあれ?ひょっとして、鉄人は今・・・・・・二人の美女とデート、してることになってない?
「畜生!なんてうらやま、いや!うらやましいんだっ!」
おのれチンパンジー!娘さんがいるお母さんと仲を深めようとするとは、教師の風上にも置けないヤツ!許すまじ!Fクラス総出で正義の鉄意を下してやるから覚悟しておくんだっ!
(※本人達にそのつもりは全くありません。むしろ、熱烈に写真を求めていた君の方が不届きものです)
「おい明久、えらい遅かったがどこに行ってたんだ?」
「雄二・・・・・・僕たちには奴の間違いを正す使命があるんだよっ!」
「ああ?頭でも打ったか?」
そんな失礼な事を言う雄二だけど、説明をすればわかってくれるはず!
「雄二!実は鉄人が教師として許されざることを」
「・・・良い写真を撮れた」
「したなんてどうでもいいから早く見せてムッツリーニ!」
「・・・・相当強く打ったんだな、明久・・・」
鉄人のことよりも写真の方が大事に決まってるよ!ああ、さすがムッツリーニ!これほど綺麗に撮れているなんて…君と友達で良かったっ!
「なにしてんのよさアンタ達?」
「どうしたんだぜ?なんかさっきから騒がしいなー」
「ああ、チルノと霧雨か。明久の奴がどうも頭を強く打ったみたいでな」
「ほー。でも、吉井の奴がアホなのはいつもの事じゃないか?」
「いや、今はいつにも増してだ」
「へー。やっぱりよしーは大バカだったのね」
女の子達の失礼な声も今の僕は気にしない。幸運だったねチルノ。
「帰りましたよ~・・・」
「た、ただいま(です)~・・・」
あ、姫路さん達が戻ってきた。どうやら召喚大会が終わったみたいだ。
「おかえりみん……な?」
あれ?召喚大会って動き回ったりするイベントだったっけ?
「どうしたんだ三人とも。やけに疲れていないか?」
「髪も少し乱れてるし…美鈴達、どっか走ってたのか?」
雄二達の言う通り、三人は息を切らして顔を赤くしているし、ところどころ汚れちゃったりしていた。それでもチャイナの輝きは健在している。
「あ~・・・。少々、自身の尊厳のために戦っていました」
「そんげん?」
「はい、そうです」
「そうなんです」
「そうなのよ」
「・・・そ、そうなんだ」
3人揃って頷かれた。内容が気になるけど、聞かないでって顔をしてるから聞かない事にしよう。
「おかえりなのじゃ、紅、姫路、島田」
「あ、ただいまです秀吉君。皆さんは集まって何をされてるんですか?」
「うむ。わしもそれが気になって来たんじゃが・・・一体何をやっておるんじゃ?」
そんな秀吉の言葉に、雄二、魔理沙、チルノが僕に目を向け、それにつられて後から来た4人も僕を見つめてきた。え、僕が原因なの?素晴らしい写真を撮ったムッツリーニのせいだと思うけど・・・
「えーと、そんな大したことじゃないよ?ムッツリーニが撮った写真を見てただけだからさ!」
「あ?写真?そんなもんで騒いでたのか?」
「ほほう、いったいどんな写真ですか?」
「うん。ムッツリーニ、見せてあげてよ」
本人を紹介すれば済むけれど、さすがにそれはあの人にとって不愉快だろうから、写真で分かってもらうとしよう。きっと皆が皆、美女と思うこと間違いなしだね!
「・・・了解」
雄二。なんだか呆れた顔をしてるけど、それもこの写真を見るまで!君も騒がずにはいられないよきっと!
「・・・これ」
『どれどれ』
さあ!無様に騒ぐが良い雄二!そこを僕は思いっきりからかってあげるよ!
ムッツリーニがデジカメを差し出したので、皆揃ってその写真が写っている画像を、覗きこんだ。
「ん?誰じゃ?」
「っ!?んんんっ!?」
「え…おいおいっ?」
「誰だ?」
「おお、強そうな人なのよさ!」
「わぁ、綺麗な人です・・・!」
「あれ……この人って…?」
困った。予定していた人以外をからかわなくちゃいけないかもしれないや。
「?どうした?紅に霧雨」
「ちょ、土屋君!これ、いつどこで撮ったんですか!?」
え、どうしたの美鈴さん?そこまで喰い付くとは思わなかったよ?皆――って魔理沙以外か――が不思議そうにしてるよ?
それに、いつ、どこでっていうか――
「・・・さっき、ここで」
ダダッ
『ん?』
・・・・・・今、僕達の横を走り抜けた白いものは………藤原さん?
どうしたんだろ。お客さんから急ぎで注文でも受けたのかな?でも、そっちは鉄人たちが座ったテーブルだけ。まだ来たばかりで注文はしてないと――
「――――勇儀っ」
『・・・・・・え・・・?』
お客さんじゃなく、藤原さん自身に用があったみたいだ。
彼女は珍しく感情溢れた顔をしながら、例の女性へと声をかけたではないか。
「おっ、妹紅!その恰好、似合ってるじゃないか!素敵だよ」
「・・・あ、ありがとうっ。勇儀、来てたんだ・・・!」
「ああ、ちょっと合間にね。いやいや、妹紅が楽しそうにしていてくれてなによりだ」
「あ・・・・うんっ・・・!ぇㇸㇸ・・・」
さっきの葉月ちゃんみたいに、謎の美女は藤原さんの白く透き通るような白髪を優しく撫でだした。
そこに何か魔術でも宿っているのか、藤原さんは人見知りの影が全く見えない、これ以上なく嬉しそうにはにかんだ顔で、さらさらと頭を撫でられ続けている。
「あ!あの人、写真の人なのよさ!」
「ああ。確かにそうだな。・・・それにしても・・・・」
「・・・も、妹紅ちゃん・・・・・す、凄い嬉しそうです・・!」
「あ、あれほど笑顔の藤原は、初めて見たのじゃ・・・・」
大人しく、ポーカーフェイスの藤原さん。そんな彼女の顔が嬉しそうに綻(ほころ)んでいるから、皆ビックリして藤原さん達のテーブルを凝視する。鉄人や高橋先生だけじゃなく、藤原さんも大変身させるなんて・・・!本当にあの人は誰なの!?宇宙人か何かっ!?
え~っと、藤原さんは……あ、「ゆーぎ」って言ってたけど、あの人の名前のことかな?
「・・・あれ、『ゆうぎ』?」
「?どうした明久」
「あ、うん」
その言葉、ちょっと前にも聞いたよね?確か……教室に戻る前に藤原さんが・・・
『ゆ、勇儀の娘だからなだけだ・・・!べ、別にそんなんじゃないからな・・・っ!?』
・・・とかなんとか言ってたような気が――――――娘?
「妹紅、じゃあ美鈴もいるのか?あいつは頑張ってるかい?」
「・・・ああ。でも、それなら直接聞く方が・・・・あそこ」
「――お!なんだなんだ!素敵な恰好をしてるじゃないか、美鈴!」
今度は美鈴さんへと話しかける『ゆうぎ』さん。この人はどれだけ知り合いがここにいるんだろう。もしかして、僕以外の人は全員知ってるとか言わないよね?だったら僕だけ仲間はずれで、ものすごく寂しいなあ・・・
「・・・・・・!?」
「・・・ホ、紅?」
そんな顔の広い彼女に話しかけられた美鈴さんは・・・まるで、ありえないなことが起きたような顔で、『ゆうぎ』さんを見て固まった。秀吉はそんな美鈴さんを心配そうに見つめている。
「おい紅。お前をご指名だぞ」
「メ、美鈴さん。お知り合いですか?」
雄二、姫路さんも固まった美鈴さんへと話しかける。今のこの状況は美鈴さんが大事なので、皆の視線が美鈴さん一人へ集まり、動き出してくれるのを待った。
「・・・・な、なな・・・・か・・っ!?」
2人の声のおかげか、もしくは頭が働くようになっただけなのか。それは分からないけど、ようやく美鈴さんは石化状態を解き、詰まりながらも―――
「・・・かかっ、母さん!?な、なんでここにいるのよっ!!?」
大声で叫んだ。
『―――母さんんんんんんっ!!?』
「わわっ!ど、どうしたですかバカなお兄ちゃんたち!?」
僕たちも思わず、それ以上の叫び声を上げた。紅さんの家族は皆は顔が似ないのだろうかと不思議に思ったのは、絶対僕だけではないと思いたい。
『―――母さんんんんんんっ!!?』
「わわっ!?」
わ、私の叫びに皆さんが絶叫をあげちゃいます!
でも仕方ないじゃないですか!来ないって言ってた母さんが自分のクラスにお客さんとしているんですよ!?そりゃあびっくりしちゃうものですよ!
「母さんとは・・・・・・お、お主の母君なのか紅!?」
「は、はい。私の母親です!」
「へー!そ、そうなんですか!!」
「・・・気付かなかった」
「ああなるほど!分かるよ美鈴さん!確かにそう言われると似て・・・似てないよ!」
「ノ、ノリツッコミですか!?」
「全然似てないのよさ」
「ああ、似てないな」
「あ、あってますけども!」
何か傷つきますね!もうちょっと包んで言ってくださいよチルノ坂本く~ん!
「久しぶりだぜ、勇儀のおばちゃん!」
「お!魔理沙!相変らず元気そうだね!」
「おう!」
唯一面識のある魔理沙が母さんと口を交わします。し、仕方ありません。このままじゃグダグダになりますから、皆さんに母さんの紹介をするとしましょう!
「え、えっとですね。この人は、私の母親の星熊勇儀っていいます!」
「初めましてだ。いつも娘が世話になってるね!」
母さんがそう言って皆さんに挨拶を、って、あ、頭を撫でないで母さんっ!
「そ、そんな!私の方がいつも美鈴さんにお世話になってます!」
「そ、そうじゃぞい母君様。わしらの方こそお世話になっておるのじゃ」
「ほお、そうなのかい!やるじゃないか美鈴!」
「お、おかげさまでね!」
母さんの影響をだいぶ受けたもの!全然文句はないんだけどね!
「さて。じゃあ、注文を頼みたいんだけどいいか?」
「あ、う、うんいいわよ?」
お客で来たわけだから、それは当然注文するわよね!むしろしなかったら物申してたわよ!
「私はゴマ団子と本格ウーロン茶を頼むよ。2人はどうする?」
母さんはそう言って、2人、すなわち高橋先生と西村先生に尋ねました。高橋先生の事は同級生だって聞いてたから分かるけど、西村先生はどうして一緒にいるのでしょうか・・・?ものすっごく気になります!(※たまたまです)
「そうね・・・では、私も彼女と一緒でお願いします」
「では俺は、飲茶を頼もう」
「はい!じゃあ本格ウーロン茶を2つと飲茶を1つ、あとゴマ団子を2つですね!」
「……入れてくるっ」
「はやっ!?」
母さんがいるせいか、妹紅さんが非情にやる気を出しています。いつかは、私達といるときでもそうやって活発的になっていてほしいです!
「あっ!手伝うです白いお姉さん!」
「・・・ゴマ団子、作ってくる」
葉月ちゃんと土屋君が、妹紅さんの後に続いて厨房へと向かいました。白いお姉さんとは、葉月ちゃんは独特なあだ名を付けるのが得意ですね。楽しそうですから、ここにいる皆にあだ名をつけてみてほしいです!
「あ、あの~・・・」
「?」
その時、比較的静かだった島田さんが、遠慮気味に母さんへと声をかけました。
「ん?・・・お!葉月のお姉さん!あんたも美鈴と同じクラスだったのか?」
「はい!ひ、久しぶりですっ!」
「ああ、久しぶり。元気にしてるかい?」
「元気です!お、おばさんも元気そうね!」
「はっは!まあね!元気なのが私の売りさ!」
「・・・あ、あれ?母さん、島田さんと葉月ちゃんの事を知ってるの?」
顔を知った感じで2人は挨拶を始める2人。フランと葉月ちゃん繋がりでしょうか?
「ああ。前に小学校の授業参観で知り合ったんだ。1人だけ若い子がいて珍しかったら、つい声をかけたんだよ」
「急に声をかけられてびっくりしちゃったけど、おかげで緊張がとけたのよ♪」
その時の事を思い出したのか島田さんがホッとした顔になります。へ~、島田さんは授業参観に行ってたりもしてたんですか!確かに大人の女性がいっぱいいる中、高校生の女の子がいたらそれは異色の存在でしょうね!それを察して話しかけるなんて、母さんらしいわね!
「み、美波ちゃん。でもそれだと・・・学校を休んじゃうことになりませんか?」
「あ、確かに授業参観って普通、平日にやるもんね?」
「あ~・・・ま、まあね。その日だけちょっと休んじゃった」
瑞希さんと吉井君の質問に、島田さんは悪戯がばれた顔をして笑いました。
「でも、親も行けなかったし、葉月が楽しそうにしてるのが分かったから、ウチは後悔してないわっとと!?」
「いや~あの日も聞いたけど、立派なことをしたねお姉さんよ!勉強よりも大事な事なんだから、気にしなさんな!なあ2人共!」
「きょ、教師の立場として答えるのが難しい問いかけね・・・」
「全くです。……が、まあ……間違った行為ではない、と言っておきましょう」
島田さんの頭を撫でる母さんの同意に、先生の2人は複雑そうな顔をしますが、それほど叱るようなそぶりは見せません。西村先生は許容の言葉さえ告げ、島田さんの行為を認めました。い、意外です!西村先生は厳しいだけじゃなくて、柔軟性もあるのですね!
「す、すまん、お前ら。ちょっとお客さんが増えて来たから仕事を頼めるか?」
「あ、すいません!」
ちょ、ちょっとしゃべりすぎましたね!お客さんはまだ一杯いるのですから、田中君が救助要請をしてくるのも当然でした!
「じゃ、じゃあ私たちは仕事に戻るから、母さんたちはゆっくりしていって!行きましょうか皆さん!」
「あ、うん!」
「そ、そうね!」
「はい!」
「おう、そうだな」
「ア、アタイまだしゃべってないわよ!?」
何を話すつもりだったのかは知りませんけど、またあとにしてねチルノ!
「分かった。皆、大変だろうけど頑張るんだよ?」
『はい!』
母さんの暖かい声援に返事をして、私たちは先生たちの机から離れました。さあ、私は注文をうかがいに行くとしましょうか!
『いや~、皆が元気に働いているね。見ていて気持ちが良いクラスだ!』
『ありがとうございます。奴らが聞くと喜ぶでしょうし、後でしっかり伝えておきますよ。・・・しかし、あなたは本当に、紅と親子なのですな』
『ん?突然どうしたんだい先生?』
『いえ・・・・紅があれほど砕けた言葉を使うところを、初めて見ましたから。少なからず絆を感じました』
『あ…そう言われると、確かにそうですね。紅さんは普段、丁寧な言葉遣いだけでしたから・・・』
『あ~、確かにあの子は口が丁寧だからねえ・・・くっくっく・・・!』
『?どうしたの?』
『いやぁ~・・・ちょっと、昔を思い出してね。ま、それはともかく、先生、と洋子。大丈夫だとは思うけれど、美鈴と咲夜と妹紅の事を、頼んだよ』
『あ、ええ。任せて』
『もちろんです。・・・が、実は・・・お恥ずかしいことに、藤原はいたく私の事を避けていましてな』
『なに?そりゃまたどうして?』
『・・・どうも、私の顔が原因のようで…』
『ふっ!あっはっは!なるほど、確かに先生は武骨で男らしい顔をしてるから、妹紅は少し恐がるかもしれないねぇ~!』
『ちょっと勇儀っ。笑うなんて失礼ふふっ、よ・・・!!』
『高橋先生、あなた自身も笑っています。はあ・・・』
『…お、お待ちどう…』
『お、悪いね妹紅!』
『…うんっ。ど、どうぞ…』
『では、いただきましょうか』
『おう。――――お、甘さが控えめでいいじゃないか。悪くないね!』
『…よかった…』
『このお茶とも良くあってるけど、妹紅が入れたんだよな?上手いじゃないか、妹紅』
『…あ、ありがとっ』
『確かに・・・これは美味しいですね』
『うむ。上手くいっているようだな、藤原』
『……ど、どうも…』
『うおっと?いきなり私に隠れてどうした妹紅?』
『・・・なるほど。確かに遠慮されてますね、西村先生』
『うむむ・・・私は褒めただけなのだが・・・』
お読みいただきありがとうございます!
さて、今回は勇儀さんを中心にした回となったのですが、いかがでしたでしょうか?
村雪が自分で良いんじゃないかと思ったのは、妹紅さんとの和み合いの部分!や~、あの2人の絡みは書いていて和みます!まだ詳しいことは書いてませんが、血縁はなくとも、愛情で結ばれた彼女たち。他の美鈴さん達もはじめ、これからも星熊一家の家族愛をどんどん書いていきたいところです!
もう一つ家族愛で、美波さんにもちょっと頑張ってもらいました!前回は不憫なところしか出せなかったので、今回の姉妹参観で少しでも良いところを見せられたら・・・!
ではまた次回っ!明久たちの召喚大会の出番です!