バカと中華小娘とお姉さん   作:村雪

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どうも、村雪です!

 今回は文化祭方面となるのですが、少々原作にはない場面となっております。美鈴さんとあと1人が主軸となっているのですが、うまく、明るく良い雰囲気を出せているか…!皆様の目で確認してやってください!

 で、こちらは業務連絡なのですが、そろそろ文の蓄えが無くなってきたので、火曜日と金曜日に投稿していたのですが、金曜日だけに投稿させていただきますね!作品を楽しみにしてくださっている方には申し訳ないのですが、どうかご了承ください!

 後書きでも書きますが、まずはここで連絡をさせていただきまして――


――ごゆっくりお読みください。



休憩―一息、ではなくため息をつくのはわしだけじゃろうか・・・

「帰ったぞー」

 

「ただいま・・・」

 

「た、ただいまー・・・」

 

「あ、おかえりなさい!・・・・・・て、あの、なんで魔理沙はふてくされた顔をしてて、吉井君は腹を押さえてるんですか?」

 

 

 召喚大会では魔理沙と吉井君たちが戦ったそうなんですけど、魔理沙たちが負けて、吉井君が召喚獣のフィードバックというやつを受けたという感じでしょうか?

 

 

「お、戻ってきたんじゃなお主ら。勝負はどうなったのじゃ?」

 

「俺たちが勝ったさ。なあ明久」

 

「た、正しくは雄二の一人勝ち、な気がするけどね・・・」

 

「??チームなのにお主は負けたのか?」

 

 

 秀吉君の疑問ももっともです。さすがにその発想はありませんでした。結果も普通には終わらせませんねえ。

 

 

「残念でしたね魔理沙。まあそんな顔をしなくても、アリスにならいつでも機会があるじゃないですか」

 

 

 魔理沙はアリスと召喚大会に出たそうで、お目当ては景品の如月グランドパークのチケット。それを利用して距離を縮めたかったのだそうですが、アリスなら魔理沙のお誘いにいつでも乗ってくれますってきっと!

 

 

「いや、これはアリスが相変わらずの鈍感なせいだぜ。はあ~…」

 

「・・・そ、そうですか」

 

 

 魔理沙の不満は、どうもそのアリスに原因があるようです。アリスは意外と鈍感なのですね~。

 

 

「うわ・・・いっぱいお客さんが来てるね」

 

「あ、ええ。なんでも私や瑞希さんが召喚大会に出たのを見てて、2―Fクラスの出し物がどんなものか興味心が出たそうですよ」

 

 

 なんでもチャイナドレスに一目惚れだとか。その言い方だと私たちよりチャイナの方が・・・とも思いましたが、言い間違いですよね!たぶん!だから照れながら喜びましたよ私たち!

 

 

「うむ、そのおかげでわしらも休む暇なしじゃ」

 

「そうですね~、どんなことにもリスクあり、です!」

 

 

 秀吉君の言う通り、その影響がことのほか大きかったようで、お客さんがひっきりなしに、しかも飲茶やゴマ団子の味も良いということで、男子だけじゃなくて女子もたくさん来てくれているのです!

 

 で、私たちチャイナドレスを着たチャイナ組は看板娘ということで、お客さんの間を右往左往しているというわけです!不幸中の幸いという言葉があるので、今回は幸運中の不運、なんて言葉を使っても良いのではないでしょうか?

 

 

「ん?じゃあお前たちはまだ休憩をとってないのか?」

 

「ええ、まあ。私と秀吉君はまだとっていませんね」

 

「うむ。なんだかんだで立て込んでおったからの」

 

「なら、2人は休憩に入ってくれ。ずっと働いてもらうのは悪いからな」

 

 

 おっと、そんなありがたい坂本君の言葉です!待ってましたよ代表っ!

 

 

「いいんですか坂本君?お言葉に甘えますよ?」

 

「ああ、一時間ぐらいでいいか?」

 

「十分です!じゃあ休憩しましょうか秀吉君?」

 

「あ、うむ。そうじゃな」

 

 

 いやはや、さすがに少し疲れてたから助かりましたよ~!ではあとは魔理沙たちに任せて、休憩に入りますか!

 

 私たちは準備部屋に入って一息をつきます。

 

 

「お疲れ様です秀吉君。いや~働きましたね~!」

 

「うむ。紅もお疲れ様じゃ。・・・ところで、お主はどうやって時間を過ごすつもりなのかのう?」

 

「ん?そうですね~、とりあえず咲夜さんAクラスに行ってみるつもりです。興味がありますから!」

 

 

 咲夜さん達の出し物はメイド喫茶!ということはつまり、咲夜さんがメイド姿に・・・!!これを見ずして何が姉っ!絶対に見に行きますよー!

 

 

 

「ふむ、そうか・・・。わしも姉上がおるからAクラスに行ってみようとしておったのじゃが、一緒に良いか?」

 

「ええ、一緒に咲夜さんのメイド服を見に行きましょう!」

 

「はっは。わしが見たら、十六夜に叩かれそうな気がしてならないのう」

 

 

 秀吉君の笑いながらのそんな言葉。大丈夫です!それは私も一緒でしょうから一緒にチョップされましょう!散らば諸共ですよ!

 

 

「ま、まあ、分かったのじゃ。お供させてもらうぞい。お主はこの格好から制服に着替えるのか?」

 

「ああ、チャイナですね」

 

 

 秀吉君が自分の着た赤のチャイナドレスを見ながら尋ねます。う~ん。着替えですか~~・・・

 

 

「私はこのまま行こうかなって思ってます。後で着替えるのも面倒ですもの」

 

 

 着替えるのは手間がかかりますからやめておきましょう。それに、なんだかんだでやっぱりこのチャイナドレスもいいと思っていますからね!

 

 

「むう。それじゃとわしだけ着替えるわけにもいかんのう」

 

「あ、別に合わせてくれなくても大丈夫ですよ?待っておきますから着替えてきては―」

 

「構わぬのじゃ。では時間も限られておることじゃし、行くとせんか?」

 

「そ、そうですか?では行くとしましょうか!」

 

 

 女の子扱いされること間違いなしの格好なんですが・・・本人か良いって言ってるからいいですよね?

 

 秀吉君の言葉に乗って、私たちは部屋を出ます。・・・う~~ん!にぎやかですね~!この雰囲気を味わってこそ祭りなんだって実感しますよ~!

 

 

 そんな風に楽しみつつ歩く私たちに、すれ違う人たちはなぜか会話を弾ませます。

 

 

『おお・・・!アレは、Fクラスの木下と紅さん!?』 

 

『チャ、チャイナドレスだと・・・!?』

 

『おかあしゃまっ。あの2人変わった格好をしてるね!』

 

『ああ、あれはチャイナドレスって言うんだよ橙。素敵だけど、橙の方がず~っと素敵よ?』

 

『うわ~!あの2人、すっごい素敵!!』

 

『す、すごいな~。私じゃとても着れないよ~・・・』

 

『あの背の高い人、紅先輩だよね!』

 

『そうなの!?うわ!思ってたよりもずっとキレイ~!』

 

『でも、あっちの人は誰かしら?』

 

『わかんない。でも、可愛いよね!』

 

『うんうん!きっとお友達よ!』

 

『2人ともレベルが高いよ~。私もあんな風に可愛くなりたいな~・・・』

 

 

 

 

「・・・・わ、わしは男じゃというにぃぃ……!」

 

「ま、まあまあ秀吉君!決して悪口ではありませんから気を落とさずに!」

 

「なまじその評価がわしは嫌なのじゃっ!」

 

「ひぇっ!ごめんなさい!?」

 

 

 で、でも秀吉君がこの格好をしてたら誰だって女の子だって思いますよ!だから私、さっき着替えたらって言ったじゃないですか~~っ!

 

 

 

 

『あー、2-Aクラスではメイド喫茶をやっておりますので、よろしければご来店くださ~い。それなりに味は保証できま~す』

 

 

「あれ?」

 

 

 そんな私の耳に聞こえてきた声。

 

 見るとそちらには、可愛らしいメイド服を着た長い黒髪の女子が、あまり抑揚のない声で客寄せをしていました。

 

 ん~?あの声と髪は・・・

 

 

「む、なんじゃ?」

 

「あ、いえ・・・・・・霊夢、頑張ってますね!」

 

「あん?・・・って、美鈴と・・・秀吉か。あのわがままで短気な木下かと思ったわ」

 

「ひどい言い方しますね霊夢!?」

 

 予想通りそのメイドさんは、昔からの面倒くさがりな親友の霊夢でした。わがままで短気って、あなたが言うと違和感が凄まじいですね!霊夢の短気とかわがままも大したものですよ!?

 

 秀吉君も思うことあってか、霊夢に反論します。

 

 

「あ、姉上はそこまで短気でもわがままでもないはずじゃがのう、博麗よ」

 

「は~・・・相変わらず、あんたは木下を分かってないわね、秀吉」 

 

「れっきとした弟の立場なのじゃが!?」

 

「あいつは私が何もしてない時でさえも口を挟んでくんのよ?しかもいきなりケンカ腰で・・・あいつほど勝手な人間なんていないっての」

 

「そ、そんなことはない・・・・・・はずじゃっ!」

 

「今、ものすごい悩みましたね秀吉君」

 

 

 でも私は自信をもって言えますね。『霊夢にだけは言われたくない!』、と。

 

 ちなみに霊夢の言う木下とは、秀吉君の姉の木下優子さんのことです。この2人、非常に相性が悪いんですよねー。もう犬猿の仲という言葉が可愛らしく思えるほどです!

 

 

 

「にしても、秀吉。なによその恰好?あんたやっぱり女なの?」

 

「ち、違うのじゃ!れっきとした男じゃと言うとろうがっ!」

 

「あんたのその恰好で言われても全く伝わんないわよ。・・・まあ、どっちでもいいか」

 

「全然良くないっ!はっきり男と認識せんかーっ!」

 

「わかったわかった。あんたは男子よ」

 

 

 秀吉君の心の底からの要望――その割に、見た目からは全くその切望さが伝わりませんけどそこはともかく――に、霊夢が面倒そうに手をひらひらして答えます。

 

 

「うむ。それならよいの」

 

「女装が好きな変わった男子ね」

 

「お主わしにケンカを売っとるんじゃな!?」

 

「ひ、秀吉君落ち着いて!きっと男子の秀吉君でも霊夢には簡単に勝てませんから!」

 

 

 このとき、私は初めて秀吉君が額に青筋を立てて怒るのを目撃しました。き木下姉弟は霊夢と争わざるを得ない運命でも背負っているのでしょうか!?

 

 

「あー、ごめん。木下とそっくりだからついあいつと同じ反応をしちゃったわ」

 

「と、とんだとばっちりを受けたのじゃ、全く・・・」

 

「んで?あんた達はどっか行くところなの?」

 

「あ、ええ。ちょうど休憩時時間ですから、霊夢たちの2-Aクラスに行こうとしてます」

 

「へえ、そうなの。んじゃついてきなさい」

 

 

 そう言って霊夢は、Aクラスのある方へと足を動かし始めました。どうも案内をしてくれるみたいですが、客引きはよろしいのでしょうか?

 

 

「霊夢、私たちだけでも大丈夫ですよ?ですから霊夢は、仕事を続けてても……」

 

「いいのよ別に。客寄せしてるんだから、最後の案内までちゃんとするわよ」

 

「え、ほ、本当ですか?」

 

 

 なんと。霊夢がまじめに仕事をしようとしているですって!?あまりやる気を出さない霊夢が進んで動こうとするとは、何か企みが・・・!?

 

 

 

「本当だっての。だってそうしたら、しばらくは合法的に仕事を抜けられるでしょ?」

 

「・・・そうでしょうね~。そんなことだと思いましたよもう!」

 

 

 親切心で動く子じゃありませんからね!霊夢らしいところを見れてホッとがっかりしましたよ!!

 

 

「ほら、行くわよ」

 

「は~い」

 

「・・・案内を断って、あやつの企みを頓挫させてやりたいのじゃ」

 

 

 ぼそっと聞こえた秀吉君の黒い声を聞き流して、私たちは霊夢の後をついていきます。その時に集まった視線もかなりのものでした。三人寄れば群衆の目、なんてどうでしょう!?

 

 そんなこんなで歩き続け、目的地へと到着です。

 

 

「はいよ。一応ようこそ、【メイド喫茶 『ご主人様とお呼び!』】へ」

 

「メイドが目上なんですか!?」

 

「従者の役目を完全に忘れたネーミングじゃな・・・」

 

 

 変な名前を付けた店は私たちだけかと思っていましたが、よもや他にもいて、しかもAクラスとは・・・天才とおバカは紙一重って言葉は、案外嘘ではないのかもしれません。

 

 

「そうよねー。それだったら【メイド喫茶『い~っぱいお金をおとしていって♡』】の方がいいわよね?お金が儲かりそうで」

 

 

「あどけない言葉を使っているぶん、そちらの方が性質が悪いのじゃ!」

 

「それほど悪質な可愛らしいお願いもありませんね!」

 

 

 柄にもなく可愛らしい言い方をしてー!咲夜さん達をそんなお店で働かせるんじゃありませんっ!

 

 

「あっそ、まあいいんだけどね。ほら、入りなさいよご主人様」

 

「それはもはやご主人様が使う言い方じゃな」

 

「な、なんと高圧的なメイドでしょう!店の名前そのままです!」

 

 

 ダメです霊夢そんな言い方!そんな言い方していてはお客さんに避けられちゃいますから、ここは丁寧な言葉を使うのですよー!

 

 

(注.博麗さんは、親しい友人ということで二人には砕けた口調になっているだけで、実はしっかり丁寧な言葉を使い、静かで誠実な態度で接客をしています。その大人びた対応にかなり男女からも人気があり、大活躍をされています。

 

『は、博麗の奴!な、なんなのよあの綺麗な言葉と静かな対応はっ!?さ、さては偽物ね!?そうよ!あのバカがあんな……あ、あんなすごい丁寧な接客ができるわけないもの!ぜ、絶対私は認めないんだからあああっ!!』

 

・・・・・・そんな感想が聞こえたのは、きっと気のせいでしょう )

 

 

 

 

 ともかく、私たちは霊夢に続いてAクラスへと入ります。うわ~、相変わらず広い教室ですねー。しかもお客さんもいっぱい!私たちの教室は普通の広さですから分かるのですが、この広さでお客さんがたくさんとは・・・!さすがはAクラスです!

 

 

「おかえりなさいませ、お嬢様方・・・あら、美鈴に秀吉じゃない。来てくれたの?」

 

 

 するとすぐに、またまた知る声が聞こえてきました。

 

 

「あ、はい。お邪魔しに来ました、アリ…ス?」

 

 

 その主は、親友である金髪碧眼の美少女、アリス・マーガトロイド。

 

 

・・・なのですが、私は彼女を見て、失礼ながら目を丸くしてしまいました。

 

 

「アリス、ですよね・・・?」

 

「?そうよ?どうしたのよ急に」

 

 

 いや、不思議そうに見ますがねアリス。むしろ私の方がその顔をしたい、というかしてるのですよ。

 

 

 

 

「な・・・なんで、執事の恰好をしてるんですか?」

 

 

 黒い燕尾服をピシッときめた格好の女友達がいたら、初見だとびっくりしますよね?

 

 

「これ?ああ、まあ色々あってね。男子と女子の比率を分けるためよ」

 

「へ~、そうなんですか。に、似合ってますよその恰好?」

 

 

 これは嘘じゃありません。今のアリスの姿はとっても中性的で、女の子の私から見ても素敵だなあと思います!どもったのはちょっぴりドキッとしただけです!まずい、魔理沙と同じ世界が開くかも!?

 

 

「ありがとう。でも、あなた達も素敵よ?美鈴は背が高いからすごい似合ってるし……秀吉に関しては、見事な女装よ。相変わらず女の子にしか見えないわ」

 

「ほ、ほっとくのじゃ!お主だって見事な男装じゃろうがっ!」

 

「それこそほっときなさい。この一年でもう慣れたわ」

 

「・・・ア、アリスは普段から男装をしてたんですか」

 

 

 一年って。相当長い期間ですけど、そんなところ見たことがありませんよ?

 

 

「ええ、演劇部でね。最初の劇の時に、騎士役をやったんだけど…」

 

「その騎士が、凛々しさと美しさが揃っておったとかなんとかで、すごい評判になってのう。うちの部活は男子が少ないということもあって、今やアリスは、男役を主体に頑張っておるのじゃ」

 

「ほ~。ちなみにそのとき、秀吉君は?」

 

「・・・お姫様じゃ」

 

「そこはアリス姫で秀吉ナイトでしょうがっ!」

 

 

 たぶんそれが原因で、秀吉君は女の子みたいにとられちゃうようになったんです!でもアリスの騎士姿は一度見てみたいですね!きっと魔理沙が猛烈に感動しますよ!

 

 

「あんた達、いつまで立ち話してんのよ。席にさっさと着きなさい」

 

 

 しかし、案内人の霊夢は特に反応することなく私たちを席に案内します。いや、その言い方は絶対アウト!即刻とめることを提案します!

 

 

 

「って、霊夢、あなたは宣伝係でしょ?持ち場へ戻らないの?」

 

「あー戻る戻る。この2人を案内するから仕方ないでしょ」

 

 

 ちょっと!その言い草は私たちが悪いみたいでしょ霊夢~!お客さんに罪を擦り付けたらダメよ!

 

 

「案内するの?じゃあ霊夢、頼んだわよ?」

 

「分かった。アリスは店に来た男と女を悩殺してきなさい」

 

「ひ、人をふしだらな女みたいに言うなっ!」

 

 

 でも霊夢の言う通り、今のアリスなら男子からも女子からも人気が出る気がします。店員としてこれほど心強いウエイトレス(いや、この場合はウエイターの方がいいでしょうか・・・?)もいませんね!

 

 

「ほら、ここに座んなさい」

 

「あ、はいはいっと」

 

 

 顔を赤くしたアリスが他の場所へと歩いていくのを見ていると、霊夢が先に私たちの席らしいところにいて、私たちを呼びました。

 

 おお、なかなか素敵なテーブルですね、よいしょっと。私たちは席へと座ります。

 

 

「これがメニューよ。一番高いのを選びなさい」

 

「選択肢が一つ!?」

 

「メニューを渡す意味がないのじゃ・・・・・・」

 

「冗談よ。出来るだけ高いのを選びなさい」

 

「そ、それでも一応勧めるんですね・・・」

 

 

 霊夢。売り上げが大事なのはわかりますけど、まずは友情関係を大切にしてください!私は悲しいです!

 

 

「え~と、じゃあ、このふわふわシフォンケーキを一つお願いします」

 

「では、わしもそれで頼むのじゃ」

 

「はいよ。ふわふわシフォンケーキを二つね。ちょっと待ってなさい」

 

 

 さらさらと注文をメモして、霊夢は注文を言いに厨房へと消えました。ふ~、思ったよりもあっさり聞いてくれてほっとしました。一時はすごい出費をする覚悟をしていましたよー。

 

 

「やはりお客が多いのう。さすがはAクラスなのじゃ」

 

「確かにそうですね~。でも、私たちも負けていませんよ!その何割かは私たちがチャイナドレスで頑張った功績ですきっと!」

 

 

 大半は料理の味でしょうけれども!いやいや土屋君達ホールの皆さんはお料理が得意なんですね~!普段の行動からは全然わかりませんでした!あ、でも妹紅さんはさすがって感じますね!だってお料理とか上手そうですもの! 

 

(・・・真実とは、むごいものですね・・・)

 

 

「う、む。お、お主のその姿は・・・その、本当に見事じゃから、間違いなくお主の功績もあるのじゃ」

 

「あらあらまあまあ!お上手ですね秀吉君~、すごい嬉しいです!」

 

「・・・その言い方、絶対お世辞ととったのう・・・」

 

 

 いや~、じゃあ今度からこの姿で過ごしましょうか?な~んてですよ!

 

 

「でも、秀吉君もすごい似合ってますよ!どこから見ても中華娘です!」

 

「お主が人をからかう人間ではないと分かっておるからこそ、その言葉はものすごく嫌なのじゃ!」

 

「ええっ!?じゃ、じゃあ……全然似合ってません、ね?」

 

「・・・・・・・・思っていたよりも、悲しいものが沸き上がるのじゃ・・・」

 

「私がどう言えば満足してくれるのでしょうかっ!?」

 

 

 無茶苦茶ですよ秀吉君!そこは男の尊厳か演劇部の誇りのどちらかを拾って捨ててください!

 

 そうやって秀吉君の矛盾した反応に私が困っていると、霊夢が手にフォークを持って戻ってきました。

 

「はい、先にフォークとか渡しとくわ。料理はもうしばらく待ってなさい」

 

「はい、わかりました」

 

「ふ~、これであんたらの料理が来るまではのんびりできるわ」

 

「そこは分かりたくありませんね!はやく仕事に戻りなさい!」

 

 

 イスが2つだけでよかったです。霊夢なら椅子が余っていたら間違いなく座っていたところでしたね。

 

 

「あ、あの・・・博麗さん」

 

「ん?どうしたのよ佐藤?」

 

「その・・・き、木下さんが怒りそうだから・・・あんまり・・・お、お仕事はさぼらない方が・・・・・・ご、ごめんなさい!」

 

 

 おずおずと声をかけた佐藤さん。実に真面目そうな方で、仕事を口実にさぼろうとする霊夢に勇敢にも注意しました。あなたは謝る必要はありませんよ佐藤さん!どう考えても悪いのは霊夢ですから!

 

 

「あ~、悪いわね。この2人の料理を届けたらすぐ戻るわ」

 

「う、うん。分かった!それなら大丈――」

 

「博麗ぃぃっ!」

 

 

 珍しく、霊夢がなんの反抗なく佐藤さんの言葉にうなずいて(まあそれでもちゃっかり私たちの料理が来るまではいるって宣言したんですが、それはこの際良いとしましょう)、佐藤さんが笑って丸く収まりそうなのでしたが・・・・世界は平穏を許さないみたいでした。

 

 

「あ~?またうっさいのが来たわね。何よ、木下」

 

「う、うっさいのって何よ!あんたがうるさくさせてるんでしょうが!」

 

 

 顔を怒りの赤で染めながら、秀吉君の双子の姉である木下優子は霊夢へとずんずん接近します。もちろん、彼女も霊夢たちと同じメイド服姿なのですが、ご主人様にみせてはまずい剣幕です。弟の秀吉君は思わず頭を押さえます。

 

 

「あ、姉上。落ち着くの」

 

「あんたは今お客さんにお店のことを宣伝をする役割なはずよ!なのにここで油を売って、なに考えてんのよ!?」

 

「あのねー、別にさぼりにここへ来たんじゃないわ。この2人を案内したついでに、料理の部分まで責任をもってやろうとしてんのよ」

 

「なんですって?」

 

 

 霊夢の言葉に少し興奮を冷ます木下さん。私たちの方へと視線がやってきます。

 

 

「・・・ねえ、2人とも。この怠惰女が言ってることは、ほんと?」

 

「誰が怠惰よ。ただ時間を作ってやすらぎの時間を過ごしてるだけよ」

 

 

 霊夢、その行為をやりすぎるとまさに怠惰になるのですよ。

 

まあ、それはともかく・・・一応嘘ではないので、正直に答えましょう。

 

 

「はい。霊夢の言う通り、私たちは霊夢に案内されました。ね、秀吉君?」

 

「そうじゃな、姉上よ。博麗の言う通りじゃ」

 

「う・・・!そ、そもそもあんたはなんでチャイナドレスを着てんのよ・・・!!」

 

 

 お、お姉さん!そこは弟の心配をする顔になってあげて!その怒った顔はよろしくありませんよ!

 

 

「ほら見なさい。分かったんならさっさと仕事に戻んなさいよ」

 

「あ、あああんたが言うな!博麗こそさっさと戻んなさいよ!」

 

 

 2人は止まることなく口を交わし続けます。あの、私たちは一応お客ということを忘れていませんよね?

 

「だから、この2人の料理を渡したら戻るって言ってんでしょが。ほら、さっさと仕事場に戻んなさい。お客があんたの帰りを待ってるわよ」

 

「う、ううう・・・!イヤミ!?それって私に対するイヤミなのっ!?ざけんじゃないわよ!」

 

「・・・は?いや、褒めただけでしょうが。なんでそこでイヤミって言葉が出てくんのよ?」

 

「あ、あくまでしらを切る気・・!?私なんか眼中にないとでも言いたいの!?」

 

「・・・あんた、頭でも打ってバカになったの?意味が全然分かんないわ」

 

「・・・!!う~~、わ、私だって頑張って接客してるのに・・・!!な、なんでこんな薄情自堕落女の方が人気なのよぉぉおおっ!!」

 

「はあ・・・・・・よく分かんないけど、ケンカを売ってるのは分かったわ。買ってやるわ、木下」

 

「じょ、上等よ!あんたに下剋上を挑んでやるわっ!」

 

「ちょ、ちょっと木下さん、博麗さん!?2人してどこに行く気よーっ!?」

 

 

「「・・・・・・」」

 

 

・・・・・・廊下へと向かうメイド2人。と、それを涙目で追いかける佐藤さん。このクラスのメイドは、どうしてこうもアグレッシブな方が多いのでしょうか・・・

 

 

「お待どうさま」

 

「!!」

 

 

 そんな私たちに届く凛とした声。

 

 

・・・ふむ、どうやら、次は私がアグレッシブになる番のようでございますね!

 

 

 




 お読みいただきありがとうございます!

 今回は美鈴さんと秀吉の2人の休憩時間を書いてみました。あまーいひと時!というよりは普段通りのわいわい過ごしている感がありますが、そういうのもいいのではないかと思い、騒がしい雰囲気を目指したのですが、いかがでしょうか?

 それで、最初に書きましたように、少し文の蓄えが無くなってきましたので、来週は金曜日に投稿させていただきます!
 村雪という人間は非常に小心者でして、ある程余裕が無いと不安で仕方なくなる奴でございます。なので、ある程度溜まるまでは金曜日に一回投稿とさせてもらいます!

 ただ、その溜まると思うのがどれくらいか自分でも分からないので、もしかすれば長期間、はたまた再来週には!?なんてこともあるかもしれません。

 とりあえず、来週の火曜日には投稿しない!そう分かってもらえれば結構です!

 それではまた次回っ!

 
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