バカと中華小娘とお姉さん   作:村雪

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 こんにちは、村雪です。

 他の片のssを見ててたまに思うのですが、文章間の行は1マスぐらい空けた方が読みやすいんですかね?どうも自分のは詰め詰めな感じがしなくも・・・ひとまずいつも通りに投稿させてもらいますね。何か書き方で意見などありましたらお伝えください!
 
 -では、ごゆっくりお読みください


会議―混沌、それでも結束はするようです!

「さて、今からDクラス対抗戦の会議を始める。」

 

 

 それらしい雰囲気を出しながら坂本君(顔が青白いまま)が言いました。

 

 坂本君、吉井君、土屋君、秀吉君、魔理沙、チルノ、瑞希さん、島田さん、そして私の計9人の参加者は晴れた屋上で円状に座って昼からの事を話し始めるのです。土屋君、風は吹いていませんからスカートがめくれるのを待っても無駄です。というか、さっき私の下着を激写したカメラを壊したつもりだったんですけど・・・何個カメラを持ってるんですか?

 

 

「明久、紅(ホン)。宣戦布告はしてきたな?」

 

「うん。今日の午後に開戦予定と言ってきたけど。」

 

「だから今頃バタバタしてると思いますねー。」

 

 

 今からだとあと数時間ってところです。その間にどれだけ作戦を練れるかがカギとなってきますね。

 

 

「それじゃ、先にお昼ご飯ってことね?」

 

「あ~、それを聞くと小腹がすいてくるぜ~。美鈴なんかくれよ~?」

 

「なぜ私に・・・ほら、これで我慢してください。」

 

 

 ポケットに入れてあるチルノ用あめ玉(オレンジ味)に差し出すと、魔理沙は満足そうにあめ玉を舐めはじめました。

 それを見て、黙っていない存在が一つ。

 

 

「あ~っ!メーリンアタイもアタイも!」

 

「はいはいっと。」

 

 

 再びポケットを探り、ソーダ味のあめをチルノに与えます。ほんとに餌付けみたいですね・・・

 

 

「紅は準備がいいのじゃな。」

 

「二人のお姉さんみたいですねっ。」

 

 

 秀吉が感心の目で、瑞希さんがなんだか嬉しそうな視線をぶつけてきました。あはは、日ごろの習慣がもたらした事ですよ。・・・・・・ん?

 

 

 

「・・・・・・(ジーー)」

 

「・・・。よ、吉井君もよかったら食べますか?」

 

「ええっ!?いいの!?」 

 

 

 いや、そんなに見られては良いも悪いもないですよ!

 

 

「どうぞ。」

 

「わーいっ!久しぶりの固形物だーっ!」

 

「へ?」

 

 

 こけいぶつ・・・固形物?

 

 

「…明久、またなのか。今日の昼ぐらいはまともな物を食べろよ?」

 

 

 坂本君、私は話が見えないんですが・・・?

 

 

「吉井君はお昼を食べない人なんですか?」

 

「ああ。そういうことですか。」

 

 

 でも2人がおいしそうにあめをなめてるのを見て我慢出来なくなったと。それなら納得です!

 

 

「いや、食べてるよ。」

 

 

 へ?違うんですか?

 吉井君があめ玉をなめながら否定して、坂本君が聞きます。

 

 

「……あれは食べていると言えるのか?」

 

 

 ・・・どれですか?

 

 

「何が言いたいのさ。」

 

 

 

「いや、お前の主食って――塩と水だろう?」

 

 

 ・・・・・・絶句!仙人を目指しているのですか貴方は!?

 

 

「きちんと砂糖だって食べているさ!」

 

「いや、吉井!それだけでなんでお前は生きているんだ!?」

 

 

 魔理沙が信じられないと凄いものを見たような目で吉井君を見ます。確かに、普通なら考えられませんよ!新たな健康法でも編み出そうとしているのですか!?確かにそれならやせますよ!思いっきり不健康な形ででしょうけど!

 

 

「あの、吉井君。水と塩と砂糖って、食べるとは言いませんよ・・・」

 

「舐める、が表現としては正解じゃろうな。」

 

 

 瑞希さんと秀吉君が優しい目になるのもおかしくありません。ううっ、私!目から涙が・・・!!

 

 

「ちょ、ちょっと紅さん!?僕をすごい哀れな子みたいに見て涙を流すのはやめてよ!!」

 

 

 だ、だって・・・どれほど辛い思いをしてきたんでずが~~~っ!!?

 

 

「よしーってやっぱりバカなのね。」

 

「黙れチルノ!全く気にせずバカにされるのはメチャクチャ腹がたつね!?し、仕送りが少ないんだよ!」

 

 

 ぐすんっ。なんて親でしょうか!息子の命が懸っているというのに信じられません!

 

 

「その少ない仕送りを使い込む奴が悪いよな。」

 

「うっ!う、うるさいよ雄二!」

 

 

 あめ玉一つであのはしゃぎ様。固形物がどうこうと言っていましたしずっとその生活をしてきたのでしょう!ああ、なんと悲惨なのでしょう!

 

 

 ここは一つ!私が脱いであげてやりましょう!!

 

 

「吉井君。なんでしたら、明日から私がお昼ご飯を作ってあげましょうか?」

 

「ゑ?」

 

「あっ…」

 

 

 ぱちくりと目を瞬かせて吉井君が喰い付いてきました。その時姫路さんが小さく声を上げましたが、私はあまり気にしませんでした。

 

 

「え、ほ、本当に良いの?」

 

「ええ!少し時間が増えるだけで大した手間はかかりませんしね!」

 

「あ、ありがとうっ!!僕、塩と砂糖以外のものを食べるなんて久しぶりだよ!」

 

「そ、そんなにですか・・・じゃあ、嫌いな物とか好きな物とかありますか?」

 

「そんなこと気にしないよ!女の子の手作りお弁当が食べられるというのが重要なんだ!」

 

「えらい浮かれてるなあ明久。そんなに嬉しかったのか?」

 

「うん!」

 

「あはは、これは期待に応えないといけませんね!」

 

 

 坂本君のからかいにも素直に頷く吉井君の期待は非常に大きそうです!これは手が抜けませんね!?

 

 

「メーリンっ!」

 

「へ?」

 

 

 そう意気込んでいると、突然チルノが呼びました。

 

 

「よしーだけにずるい!あたいにもお弁当を作って!」

 

「え?いや、それは構いませんけど」

 

「もしも作ってくれないなら、よしーのお弁当はアタイのものよっ!」

 

「い、いやだっ!君はどこかのガキ大将かい!?」

 

「バカに食べられるメーリンのお弁当は無いわ!」

 

「その言葉そっくり返してやるよっ!」

 

「何だとーっ!?」

 

 

 立ち上がってバチバチと火花を散らしだす二人。吉井君は生命的なもので必死になるのも分かるのですが、どうしてチルノがこんなに必死になるのでしょう・・・?

 

 まあ、少し手間が増えるだけで作ろうとすれば作れます。でも家にはそこまで食材が無かった気もするので、買い出しに行く必要も出てくるかもしれません。2人はどれくらい食べるかも知っておかないといけませんね。

 

 

「バカは道草でも食べときなさいよっ!」

 

「あんなまずいものと紅さんの弁当なんか比べ物にもならないよ!!」

 

「待て!お前は雑草を食ったことがあるのか明久!?」

 

「チルノこそそこら辺の生き物でも食べればいいんだ!」

 

「ふん!イナゴとかカエルとかとっくに食べ飽きたのよさ!」

 

「ひっ・・・!?あ、あ、あんた普段何てものを食べてるのよチルノ!?」

 

「・・・・・・想像を絶する食生活・・・!」

 

「ん~、でも人間って意外と色々と食べれるんだぜ?私もこの前金欠だったから仕方なくか―」

 

「言わんでいい!何かは知らぬがこれ以上わしの食への目を歪めさせるでないっ!」

 

 

 あれ?いつの間に食の話になったのですか?なぜか顔を青くさせたり口元を抑えたり。お弁当の話はどこへ?

 

 

「あ、あの~・・・」

 

 

 そんな状況の中、おずおずとあげられる手が一つ。

 

 

「わ、私もお弁当を作って持ってきましょうか…?」

 

 

『『え?』』

 

 

 睨みあい勝負はあっさりと幕を下ろしました。

 

 

「あの、み、皆さんの分のお弁当を作ってきますので、美鈴さんのお弁当も含めて、全員で食べたりするのはどうでしょうか・・・?」

 

「ん?俺達もか?」

 

「よいのかのう?」

 

「は、はい。嫌じゃなかったら。」

 

 

 おお、助かりますよ瑞希さん。それなら吉井君もチルノも食べれるでしょうし、何より量を減らすことも出来ます!

 

 

「へえ、じゃあ御馳走になるとするぜ!」

 

「うむ、楽しみじゃのう。」

 

「………(こくこく)」

 

「お手並み拝見させてもらうわね。」

 

「命拾いしたわね、よしー。」

 

「チルノ、僕の優しさに感謝するんだね。」

 

 

 全員問題ないようです。さて、今日の晩は頑張るとしましょう!

 

 

「んじゃ、話もまとまりがついたし、そろそろ試召戦争の話に戻るとしようか。」

 

「あ、すっかり忘れてました。」

 

 

 お弁当のことで頭が満タンでした。

 

 

「雄二。一つ気になっておったのじゃが、どうしてDクラスなんじゃ?段階を踏んでいくならEクラスじゃろうし、勝負に出るならAクラスじゃろう?」

 

「そういえば、確かにそうですね。」

 

「面倒だから一つとばしたとかか?」

 

「馬鹿野郎、ちゃんと理由はある。」

 

 

 魔理沙の予想を坂本君は否定しました。

 

 

「じゃあ、どんな理由です、坂本君?」

 

「色々と理由はあるが、簡単に言うと、戦うまでもない相手だからだ。」

 

 

 ・・・ふむ。考えると確かに・・・

 

 

「え?でも僕らよりはクラスが上だよ?」

 

「振り分け試験の時点では確かに向こうが強かったかもしれないな。けど、実際のところは違う。オマエの周りにいる面子(メンツ)をよく見てみろ。」

 

「えーっと……」

 

 

 吉井君がグルリと私たちの顔を見回し、しばらく考えてから答えました。

 

 

 

 

「美少女4人とバカが3人とムッツリが1人いるね。」

 

「誰が美少女だと!?」

 

「………(ポッ)」

 

「ええっ!?雄二とムッツリーニが美少女に反応するの!?」

 

「おいおい煽(おだ)てたって何も出ねえぜ吉井~!」

 

「反応は正しいけどなぜか納得いかないのはどうしてだろうね!」

 

「ひ、ひどい吉井君!お弁当作ってあげませんよ!?」

 

「違う!紅さんはバカじゃないからお弁当作ってくださいお願いします!」

 

「だだっ、誰がバカよバカ!!」

 

「君だよバカっ!」

 

「むがあああああああっ!!」

 

 

 再び始まるとっくみあい。2人の相性は最悪です!

 

 

「ま、まあまあ落ち着くのじゃチルノに明久よ。」

 

 

 今度からは間に誰かがいる必要があるかもしれませんね・・・これがいわゆる同族嫌悪とやらでしょうか?

 

 

「まあ要するにだ。姫路や紅に問題がない今、正面からやりあってもEクラスには勝てる。Aクラスが目標である以上はEクラスなんかと戦っても意味が無いってことだ。」

 

「ん?ってことはDクラスと戦り合うのには何か意味があるってことか?」

 

「そういうことだ。さっき明久にも言いかけたが、これは打倒Aクラスへの必要なプロセスとなる。」

 

 

・・・『さっき明久にも』?あれ、いつの間にそんなことを………あ、もしかして廊下に出て行ったときでしょうか?

 

 

「あ、あの!」

 

「ん?どうした姫路。」

 

「えっと、その。さっき吉井君にも言いかけた、って……吉井君と坂本君は、前から試召戦争について話し合っていたんですか?」

 

 

 2人の計画の速さに姫路さんも疑問を持ったようです。すると吉井君は目を泳がせ、坂本君は意地の悪い笑みを浮かべました。

 

 

「ああ、それか。それはついさっき、姫路の為にって明久に相談されて―」

 

「それはそうと!」

 

 

 坂本君の声を遮るような吉井君の大きな声でしたが、私に効果はありませんでした。

 ほほ~、『姫路のため』、ですか。これは意外とあれかもしれませんね?

 

 

「Dクラスとの勝負はもうすぐなんだから早く作戦を練ろうよ!」

 

「ま、それもそうだな。」

 

 

 笑うのを抑えながら坂本君は頷きました。

 

 

「俺が作戦を考えておいた。それを説明しよう。」

 

 

 さあ、頭を切り替えないといけませんね。

 

 

 

 

 

 

「――というわけだ。分かったか皆?」

 

「はい。」

 

「問題ナシです。」

 

「オッケー。」

 

「おう。」

 

「わかったのじゃ。」

 

「…了解。」

 

「え、ええっと…」

 

「zzz・・・」

 

「…本能に正直だなチルノ。」

 

「ち、チルノちゃんには後で私が教えてあげますね?」

 

「瑞希さん、すいません……」

 

 

 全員とはいきませんが坂本君の作戦を頭に入れ込み終わり、作戦会議は終わりました。

 う~んっ!背伸びをするとすっきりしますね~!

 

 皆さんも背伸びをしたり、空を見上げたりしてリラックスをし始めた一時(いっとき)。

 

 

 ガチャッ!

 

 

 

 彼女が現れたのは丁度そのときでした。

 

 

 

「あら?美鈴(メイリン)じゃない。」

 

「あれ、咲夜(さくや)さん?」

 

 

 意外そうな顔をしながらこちらに近づいてきたのは私の誇りの妹!十六夜(いざよい)咲夜(さくや)さんでした!きゃ~~!

 

 

「げっ、咲夜かよ。」

 

 

 コラ魔理沙!咲夜さんになんて態度ですか!

 

 

「………!(バシャバシャバシャバシャ)」

 

 

 咲夜さんを見た瞬間カメラで写真を撮り続けている土屋君を見習いなさい!

 

 

「あら……誰かと思えば盗人(ぬすっと)魔理沙じゃない。」

 

「人聞きの悪いことを言うなっ!私は本を盗んでいるんじゃなくて永久に借りているだけだぜ!」

 

「…それを世間一般では盗んだというのではないじゃろうか?」

 

 

 秀吉君は常識人の鏡ですね。そのままの貴方でいてください!

 

 

「あら・・・・・木下さん、ではないわよね?」

 

 

 ?木下君であってますよ?

 

 

「姉上を知っておるのか?」

 

「姉……弟さんがいたのね。私の聞き漏らしかしら?」

 

 

 …あ、そういえばFクラスの戦力で秀吉君の名前が言われたときに、『木下 優子』っ言われてましたっけ?あれは秀吉君の姉の名前だったんですか。どんな人なのでしょう?

 

 

「!ま、待つのじゃ!今わしの事を、お、『弟』と呼んでくれたのか!?」

 

「?ええ、貴方は男子だと思ったのだけれど、違ったかしら?」

 

「・・・!わ、わしを一目で男だと分かってくれたのはお主が初めてじゃ…!」

 

「・・・そうだったの。服装を見てもすぐにわかるはずだと思うのだけど、苦労をしているのね…?」

 

「うう・・・っ!なんと嬉しき言葉じゃー!!」

 

 

 咲夜さん、私男装をした女の子と思っていました。そしてごめんなさい秀吉君。そこまで気にしていたとは思いませんでした!

 

 

「十六夜さん!秀吉は女の子なんだからそんなことを言ったらダメだよ!」

 

「待てい明久!わしは男だと言うとろうが!?」

 

「・・・」

 

 

 ぶっちゃけ吉井君の言う事も分からなくありません!

 

 

「こ、こんにちは!十六夜さん!」

 

 

 吉井君をバカを見るような目で見つめている咲夜さんに、瑞希さんが声をかけました。

 

 

「ええ、こんにちは姫路さん。試験中に倒れたそうだけど、体は大丈夫なの?」

 

「はいっ。もうすっかり大丈夫です!」

 

「そう、なら良かった。」

 

 

 少しだけ微笑む咲夜さん。うう!きちんと気配りも出来て偉いですよ~!

 

 

「・・・十六夜。少し聞きたいことがある。」

 

「何かしら?ええ・・・」

 

「坂本雄二だ。」

 

「・・・・あなたが。失礼、坂本君。何かしら?」

 

 

 あれ、どうして真剣な顔になっているのですか坂本君。

 

 

「姫路が倒れたという試験の時、お前は一緒のクラスだったのか?」

 

「?いいえ。それが何か?」

 

「・・・じゃあ、お前が姫路が倒れたのをなぜ知っている?」

 

「高橋先生から聞いたのよ。とても優秀な姫路さんが私たちのクラスにいないから、変に思って聞いただけだわ。」

 

「そ、そんなっ。十六夜さんの方が立派ですよ。」

 

「・・・・・・じゃあ、姫路がFクラスにいると知っているのはお前だけか?」

 

 

 あっ、もしかして坂本君が気にしているのは……Dクラス戦の作戦のことでしょうか?

 

 

「さあ。私と同じ事を考えた人なら誰でも同じことをするでしょうし、そこまでは知らないわ。」

 

「・・・そうか。すまなかったな十六夜。」

 

 

 唐突に話を区切った坂本君に、咲夜さんは観察するように目を配らせます。

 

 

「聞きたかったことは聞けたの?」

 

「ああ。十六夜はAクラスなんだな?」

 

「そうよ。」

 

「それを聞いたら充分さ。ふあ~~あ…」

 

 

 その言葉通り、坂本君は真剣な表情から気の抜けた表情となって大きなあくびをしました。どうやら坂本君の中で、Dクラスへの作戦に支障は出ないと判断されたみたいです。オンオフが激しいのが彼の特徴ですね。

 

 

「ところで、十六夜さんはどうして屋上に来たの?」

 

 

 話の内容についていけなかった吉井君が、ここぞとばかりに咲夜さんに話しかけました。

 

 

「外の風に当たりに来たのよ。ずっと室内にいると疲れてしまうからね。」

 

「いいのかよ?私たちやDクラスはともかく、他のクラスは授業中だろ?」

 

 

 試召戦争を行うことになったクラスは、戦争に備えて作戦を話し合ったり、点数を増やすための補充試験を行って戦力を増強するなど、準備期間という事でその時間にある授業は免除されるのです。これはあくまでも戦争を行うクラスのみの話で他のクラスは違います。

 

 

「授業の先生があなたたちの行う試召戦争の立会人だから自習になったの。だから問題は無いわ。」

 

 

 さらりとそう言った咲夜さん。試験召喚獣はそれぞれの科目で点数が異なり、望んだ科目で召喚するにはその科目担当の先生がいないと出すことが出来ないのです。だからこの学校では自習が多いのだとか。

 

 

「そ、それも一応問題じゃないの?だって自習って教室で勉強しておくものなんでしょ?」

 

 

 島田さんの疑問ももっともです。大丈夫なのでしょうか?

 

 

「ある程度の自習はしたから、全く言われたことをやってないわけではないわ。人間、縛られてばかりじゃ生きていけないわよ?」

 

 

 ほ、褒めるところか困るところか迷う言葉ですね。でもここは褒めちゃいましょう!偉いですよ咲夜さ~ん!

 

 

「な、なんだか意外だなあ。十六夜さんってもっとこう、規律に厳しい人だと思ってたよ。」

 

「……瀟洒(しょうしゃ)な女傑で有名。」

 

 

 吉井君と土屋君の言葉に何人かが頷く。あ~、確かに咲夜さんはよく、そういう風に思わせる立ち振る舞いをしてますもんね~?でもそればかりが咲夜さんではないのです!ユニークな所や優しいところもひっくるめて咲夜さんなのですよ!

 

 吉井君と土屋君の言ってることは咲夜さんも分かっていたようで、恥ずかしそうに指で頬をかきます。

 

 

「む、昔の癖(くせ)でまだ治しきれていないけど・・・・姉の姿を見てたら、規則正しすぎるだけじゃなくて、柔和な考え方も大事だなって思ったのよ。」

 

 

 へ?私!?いやん咲夜ちゃん照れるじゃないですかー!私が咲夜さんに貢献できるなんて光栄の極みですっ!

 

 

「え?十六夜ってお姉さんがいるの?」

 

「・・・初耳。」

 

 

 と島田さんと土屋君。ええ、いるのです!結構近くに!

 

 

「ええ、いるわ。」

 

「ほお、それはまた凄そうな姉だな。」

 

「そうじゃな。とても気になる人物なのじゃ。」

 

「だよね?十六夜さんのお姉さんってどんな人?」

 

 

 さらに坂本君と秀吉君と吉井君。その言葉からこの場にはいないと思い込んでるのが見え見えです!これは驚いた顔が見られそうですよ!

 

 口を挟んでこないのは、くっくっと笑いをかみ殺した魔理沙に、瑞希さんの膝を枕に眠っているチルノと、そしてニコニコと笑っている瑞希さん。・・・あれ、どうやら瑞希さんは知っていたみたいですね?

 

 じゃあ、その3人を除いた5人のビックリ仰天顔、この目で楽しませてもらうとしましょうか!!

 

 

「・・・どんな人も何も―」

 

 

 五人の会話の的となった咲夜さんが、何を言ってるのかとばかりに腕を水平に人差し指を一本立たせて、一言。

 

 

 

 

「そんな人が、私の姉よ。」

 

「「「「「・・・え?」」」」」

 

 

 指は、寸分違わず私へと向けられました。あははっ、皆さん面白い顔です♪

 

 

「「「「「・・・・・・えええええええええっっ!!?」」」」」

 

「わっ!?な、何なのよさ!?」

 

 

 あ、目を覚ましましたかチルノ。

 

 

「い、いや待て待て!?十六夜は冗談を言う人間だったのか!?」

 

「私はどんな人だと思われてるのよ・・・もちろん冗談を言う事だってあるわ。でも、今は冗談を言っていないわ。」

 

「う、嘘でしょ!?だって顔とか全然似てないじゃない!」

 

「姉妹全てが似た顔になるとは限らないわ。」

 

「…苗字が異なっているが。」

 

「違っていても〝姉妹〟であることは変わりないわ。」

 

「でも!胸の大きさが違うしやっぱりおかだあっ!?」

 

「黙りなさいこの変態が・・・!///」

 

 

 さ、咲夜さん?どうして私の胸を睨むのですか!?涙目だから可愛いですけど!

 

 

「じゃ、じゃが十六夜よ。その髪色はどうなのじゃ?お主は白銀色なのに対して、紅は紅蓮色じゃ。いくらなんでもそれほどの違いは出ぬと思うぞ…?」

 

 

 う~む、紅蓮色とはかっこいいですね!私は普通に〝赤色〟と言っていましたが、今度からはそれを採用してみますかね!

 

 

「それはあれよ。美鈴(メイリン)が髪の毛を赤に染めているからで、実際は銀髪なのよ。」

 

「咲夜さん!?そこは妹である咲夜さんが私に合わせてくれません!?」

 

『い、妹…!!』

 

「え、な、何ですか?」

 

 

 あ、姉として見栄を張りたいじゃないですかー!そ、それは咲夜さんの頼みごとなら断れませんけれど、やっぱり意地張りたいんですっ!!

 

 

「じゃ、じゃあ・・・二人は本当に姉妹なの?」

 

「ええ。〝義理の〟、が前に着くけれど。」

 

 

 ふふっと微笑む咲夜さん。悪戯が成功した時の顔でした。

 

 

「「「「・・・それを先に言(ってよ)(えよ)(うべき!)(わんか)!?」」」」

 

「あら、勘違いをしたのはあなた達じゃなくって?」

 

「誰だってそう思うわ!いきなり義理の姉だと考えるようなぶっとんだ奴がどこにいる!」

 

「・・・確かあの子曰く、『……将来、子どもは38人ほしい。』だそうよ?坂本君。」

 

「!?なななななっ、なんて会話をしてやがる!?聞いていたなら止めろ!」

 

「『…私と雄二のきょ―』」

 

「分かったあっ!!ぶっとんだ考えをする奴はいくらでもいると分かったからその声マネと言葉を即座に止めろおおおおっっ!!」

 

「分かってくれて嬉しいわ。」

 

 

 く、黒い・・・!何を言ってたのかは解りませんが、坂本君の魂を叩く言葉だというのはなんとなくわかりました・・・!

 

 

「・・・雄二、僕に隠し事をしていないかい?友達なんだから包み隠さず言うんだ。」

 

「・・・友を手に掛けたくはない。」

 

「話を聞く気があるならその手に持った上靴とカッターをしまいやがれっ!」

 

 

 なぜカッターなんかもっているんですか土屋君!凶器扱いする気満々じゃないですか!

 

 

「何か凄い恋を語ってたなー!咲夜、誰のものまねだったんだ?」

 

 

 恋に生きらしい魔理沙が反応しました。確かに、子どもが38って、世界最大の大家族になるんじゃないですか?

 

 

「勝手に言うはずがないでしょう。」

 

「けちけちすんなよ~。私と咲夜の仲じゃないか。」

 

「残念ね。私の中では、あなたとの仲より、今日知り合ったあの子とのこれからの関係の方が大切よ。」

 

「私との日々が1日以下の扱いかよ!?」

 

「そ、そんなこと言っちゃダメですよ十六夜さん。友達は大切にです。」

 

「おっ!さすが瑞希だぜ!」

 

 

 優しい瑞希さんの擁護を受けた魔理沙。肩を叩くのは良いですが加減はしてあげなさいよ?

 

 

「大丈夫よ、姫路さん。」

 

 

 照れつつもちょびっと痛そうな顔をしている瑞希さんに、語る咲夜さん。その顔はとても穏やかなものです。

 

 

「―――魔理沙とは友達ではなくて、ただの犬猿の仲だから。」

 

 

・・・言ってることには変わりなかった!

 

 

「おいっ!?言ってることが悪化しちまってるぜ!?」

 

「り、理由もなく人を嫌ってはいけませんよ!」

 

「ふむ。犬と猿は本能的に双方を忌み、嫌い合っていて理由なんてものは無いのかしら。じゃあ、咲夜と魔理沙の仲と言ったほうが適切ね。」

 

「適切も何もそのまんまじゃないか!というかそれだと理由があることになるのか!?」

 

「とてもあるわよ。本は取って返さないし人のおかずは勝手に食べるし人の部屋を勝手にあさるし美鈴の嫌がることをするし美鈴の言う事を聞かないし美鈴を笑うし美鈴をからかうし美鈴の作ったクッキーを勝手に食べるし美鈴の―」

 

「どれだけ引きずってるんだお前は!!」

 

「・・・魔理沙ちゃん・・・」

 

「おおっと、瑞希がものすごく呆れたような顔で私を見てくるのは私を責めているからではないと信じるぜ?」

 

「…それは友達と言われなくても仕方ないです。」

 

「断言されたぜ!?」

 

 

「・・・さ、咲夜さん。もしかしてお、怒ったりしてます・・・?」

 

 

 あまりにも普段と違う咲夜さんに疑問を抱かざるを得ず、こっそりと尋ねました。

 

 

「怒ってなんかいないわ。ただ、少し羨ましかったから意地悪をしたくなっただけよ。」

 

「え、何にですか?」

 

 

 授業が無くなって楽しそうに会話をしていることにですか?でもちゃんと戦争に関するものの話し合いですし、授業が無いという点では咲夜さんも同じだと思いますけど・・・

 

 

「…うんっ、私はそろそろ教室に戻るとするわ。あまり空けすぎるとまずいかもしれないし、気分もすっきりしたしね。」

 

「私の気分は真っ暗になったぜ!?」

 

「こっちもだ十六夜っ!」

 

 

 叫ぶ2人を無視する咲夜さん。声をかけたのは瑞希さんでした。

 

 

「姫路さん。Dクラス戦対抗戦、無理はせずに頑張るのよ?」

 

「はいっ。でも、皆さんのために頑張ります!」

 

「…なら、ほどほどにね。Dクラスへの勝利を祈るわ。」

 

 

 それだけ言って、咲夜さんは屋上を後にしました。

 

 咲夜さんに言われっぱなしだった坂本君と魔理沙は、ひくひくと口角を動かしていま

した。

 

 

「て、敵が応援するとは上等じゃねえか…!きっちりAクラスに勝って吠え面かかせてやる!!」

 

「同意だぜ坂本、ここは一発咲夜の顔を驚きにそめてやるぜっ!」

 

 

 坂本君は魔理沙の言葉に満足そうにうなずき、

 

 

「そのためにもこのDクラス戦!絶対勝つぞお前らっ!」

 

 

『了解!』

 

「が、頑張りますっ。」

 

 

 皆への活をいれました。さあ、初陣は縁起良く行きましょうか!

 

 

 

 

 

「はあ~・・・」

 

「ん?美波、溜息なんかついてどうしたんだぜ?」

 

「あ、ううん。別に嫌な事とかじゃなくて、ちょっと安心しただけ。」

 

「?何にだ?」

 

「・・・・・・ウチや魔理沙以外にも絶壁がいる、ってことよ。」

 

「はっはっは、私にケンカ売ってるなら買うぜこら。」

 

 

 

 

 




 最後のくだりはいりませんでしたかね。こんにちは、村雪です。なんとか1週間前後で投稿していっていますが果たしていつまでもつのやらや・・・周りの皆さんのハイペースには脱帽するのみです。

 次回からDクラス戦突入です!戦闘描写はあまり重視しないと思いますので、バトル描写への期待はせずに待っていただけたらありがたい!
 
 では、また次の投稿の時に!
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