バカと中華小娘とお姉さん   作:村雪

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 どうも、村雪です!長らく間を空けて申し訳ありませんでした!


 これはこの作品と関係のない話なのですが、実は別の原作で新しいssを書いてみたい!と衝動的に思ってしまい、こちらの執筆そっちのけで下書きみたいなのを書いておりましたのです!楽しみにしていただいてる方には本当に申し訳ありませんでした~!


 さて、そういうわけで久々の投稿なのですが、果たして駄文になっておらぬかどうか・・・!


――ごゆっくりお読みください。




激昂―身内、に手ぇ出されて黙ってられるわけないでしょうが~!

「は、は、話とは何じゃ美鈴(メイリン)?そんな恐ろしい顔をして…?」

 

「そ、そうだぜ美鈴。いつもの大らかなお前がどこかに消えちまってるぞ?」

 

 

 鬼と化して僕たちのいる部屋に突入してきたクラスメイトの女子、美鈴さんに勇気をもって声をかけたのは秀吉と魔理沙。そ、その剣幕から何かのっぴきならない話があるのは分かるけど、いったいなんだろう…?

 

 

 

「……先ほどですね~――」

 

 

 バタバタ!

 

 

「メッ、美鈴さん!まだ明久君達が犯人と決まったわけじゃありませんから、少し落ち着きましょう!」

 

「そうよ美鈴。まずは話を聞かないといけないわ!」

 

「あ。ひ、姫路さんに美波っ!」

 

 

 美鈴さんの声を割って部屋に入って来たのは、同じくクラスメイトの姫路さんと美波。しかもその背後には険しい顔をした大勢の女子も控えている。どうやら美鈴さんだけじゃなく、皆も僕達に用があるみたいだ。

 

 

「いったいどうしたんだ?こんなにぞろぞろと女子が集まって」

 

「もう、あんた達はのんきねぇ。こっちはちょっとした騒ぎになってるっていうのに…」

 

 

 僕たちを代表して雄二が集まった女子達に要件を尋ねるけど、美波はそれに呆れたようにため息をついて答えるだけ。

 

 何が起きたのか気になって仕方がない僕は、一番冷静そうな美波に尋ねてみる。

 

 

「な、何かあったの美波?」

 

 

 それに答えたのは、一番冷静そうじゃない彼女だった。

 

 

「それなんですがね~………これ、見てもらえますか?(ごそごそ)」

 

 

 そう言って美鈴さんはポケットから何かを取り出した。これは……何かの機械?

 

 

「ん~?なんだぜそれ?」

 

「……CCDカメラと小型収音マイク」

 

 

 そこはさすがムッツリーニ。すぐさま機械の名前を答えてくれた。

 

 

「ほ~。そんな名前なのですか……」

 

『………(じろ~)』

 

 

 なのに女子からの視線は冷めたまま、むしろさらに冷たさが増したような気がするのはどうしてだろう。

 

 

「そ、その機械がどうしたんじゃ?」

 

「……それがですね~。これが、女子風呂の脱衣所に置かれてたそうなんですよ」

 

 

へー。カメラとマイクが女子風呂に・・・

 

 

『――――って女子風呂に!?』

 

 

 それって完全に盗撮じゃないか!いったい誰がそんなことを!?

 

 

「……ええ。それで私は一人、思い当たる方がいましてねー」

 

「ええっ!こ、心当たりがあるの!?」

 

 

 すでに目星をつけているとはさすが美鈴さんだ。そいつはいったい…!?

 

 

「………ええ。実はその方、吉井君のすぐ横におられるんですよ~」

 

 

 ぼ、僕の横!?そんなバカな!さっきまで僕達以外に怪しい奴なんか誰もいなかったはず――!

 

 

 

「…………………あー」(僕)

 

「…………………なるほどな……」(雄二)

 

「…………………た、確かにのう……」(秀吉)

 

「…………………そりゃ誰でも疑うわな~……」(魔理沙)

 

 

 

「………なぜ、皆して俺を白い目で見るんだ……っ!」

 

「今までの行いを考えてくださいな、土屋君~?」

 

 

 僕の友達が一番怪しかったんだね。灯台下暗しとはまさにこのことだ。

 

 

「正直におっしゃってください土屋君………。あなた、女子風呂に入りましたか?」

 

「……入ってはいない。入りたいと思っただけだ…!」

 

 

この状況で本音を言うとは、この男は命が惜しくないのか。

 

 

「………じゃあ、この機械を設置したのはあなたではないのですね?」

 

「……俺なら、そんなすぐに見つかるようなヘマはしない…!」

 

「お前、弁解する気ないだろ土屋」

 

 

 魔理沙の言う通り、そんなことを主張されても得られるのは信頼ではなく不信感だけ。もはやムッツリーニの命は風前の灯火だ。 

 

 

「………坂本君達。土屋君の言葉を信じてよろしいでしょうか?一緒にいらしたんですよね?」

 

「えっ」

 

 

 すると、信用するためか同じ部屋の僕達にまで美鈴確認してきた。そ、そう言われてもムッツリーニが戻ってきたのはついさっきで、どこに行ってたのかも分かんないんだけどなあ。

 

 

「ああ、大丈夫だ。俺たちが保証しよう。な、明久?」

 

「え?あ、う、うん。そう、だね?」

 

 

 って、しまった!雄二に聞かれて思わずうなずいちゃった!ちょっと雄二っ!どうしてムッツリーニが白って決まってるわけじゃないのに、やっていないなんて後に引けなくなるようなことを勝手に……!

 

 

 

 

「………雄二………友達を盗撮なんてしてたら、絶対に許さない……!(ゴゴゴゴゴ)」

 

「明久、しっかり翔子に聞こえるように大きな声でやってないと言ってやれ。というか言ってくれ。後生だ、マジで頼む…!」

 

「うん。僕たちは盗撮なんてしてないよ霧島さん」

 

 

 こんなやつでも惨たらしく死ぬ姿は見たくない。美鈴さんの後方からただならぬ怒気をたぎらせる霧島さんを落ち着かせるために、僕は雄二の切願を聞いてあげた。これは一つ大きな貸しだね。

 

 

「……ふむぅ………秀吉君。あなたが一番信用できるのですが、どうでしょう?」

 

「う、む……そう、じゃな。わしはムッツリーニがそのようなことはしておらぬと信じ……たいのじゃ」

 

「………そうですか。え~と、その、すみませんでした!突然やって来た上に皆さんを疑ってしまってほんとに申し訳ありません!」

 

 

 だいぶ秀吉の擁護がグレーだったけど、どうやら美鈴さんの怒りを冷ますのに成功したようだ。あ~怖かった!いつもの美鈴さんに戻ってくれて僕のハート(心臓)も大喜びだよもう!

 

 

「だ、だから言ったじゃないですか美鈴さん!明久君達はそんなことしませんよ!」

 

「そうよ美鈴。アキは確かにエッチだけど、やっちゃいけないことぐらい分かってるわ」

 

「そ、そうですね!いや~よかったよかった!なんせ咲夜さんや妹紅さんの脱衣を撮ろうとした輩ですからね!かつてないレベルで怒るところでした!」

 

「・・・妹が絡むとあんたは本当に容赦ないわね。まあ、ウチも葉月が同じ事されたらそうなると思うけど」

 

 

 その時僕たちは生きていられたんだろうか。訪れなかった未来とはいえ、僕は美鈴さんの笑顔の告白に震えが止まらなかった。

 

 

「土屋君、あと吉井君達。証拠もなく疑ってしまってごめんなさい!この詫びはまたさせてもらいますね!」

 

 

 そう言って美鈴さんは、女の子たちが成り行きを見守ってた入口へと向かう。犯人が僕達でないと判断してくれたから、真犯人を探しに出かけるんだろう。

 

 

「あ、ううん。僕達は全然気にしてないから大丈夫だよ」

 

「うむ。わしらを信じてくれて嬉しいのじゃ」

 

「……分かってくれたなら問題ない」

 

「また今度甘いものをおごってくれたら私はOKだぜ」

 

「あやうく翔子が鬼になりかけたからな。頼むとしたら、次からそういうことは証拠を見つけてから行動―――」

 

 

 

 

 

ガチャンッ

 

 

『・・・ん?』

 

 

 それぞれ声をかけ雄二が締めくくろうとしたところで、なにかにぶい音がした。なんだろう、機械が落ちた音のような・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

・ムッツリーニが持っていた小型録音機←………美鈴さんが見せてくれたものと似て見えなくもない。

 

 

 

 

『………………』

 

「…………………失礼(スッ)」

 

 

 このタイミングで落とすとは、君はチルノ以上の大バカ野郎なのかバカ。

 

 

 

「・・・おい。それは何?」

 

「…………………俺の、所有物」

 

 

 どうやらムッツリーニはここまでのようだ。一度収めた怒りを復活させた美鈴さんは、もはや口調すら攻撃的になっている。

 

 

「(ゴキゴキゴキ)………あんたら覚悟できてるんだろうな、おお?」 

 

「っえ、ええっ!?ま、待って美鈴さん!なんかムッツリーニだけじゃなくて僕達にも怒りの矛先が向いてない!?僕達は何もやってないよっ!?」

 

 

 それはあまりにもひどすぎるっ!ムッツリーニはどうなってもいいけど、どうして僕達まで・・・!?

 

 

「さっき土屋君をかばったでしょうが。だったら、あんた達がグルと思うのが自然じゃないかしら?」

 

「ちっ、違うんだ美鈴さん!それは雄二が言っただけで正直僕たちは判断に迷ってて・・・!」

 

 

 や、やばいやばいやばいっ!?このままだと僕らもムッツリーニと心中しちゃう!何か助かる道を探さないとっ!

 

 

「ゆっ、雄二!君の力で何とかこの場を収めて―――」

 

 

 

『………雄二、絶対に許さない…っ!』

 

『ち、違うんだ翔子!風呂場のものはムッツリーニのとはちが、ぎゃああああああ!!』

 

 

「くううっ!もはや雄二の人生もあそこまでか・・・!ム、ムッツリーニ!君のせいなんだから君が責任を取って――!」

 

 

『……待て……小山友香……!これは誰かによる罠だ…っ!』

 

『黙りなさい。あっちは霧島と紅がやってくれるだろうから、あんたは私たちが裁いてやるわ。あんたには今までさんざん写真を撮られて来たから、その恨みもここで晴らさせてもらうわよ…!』

 

『……小山の写真は、あまり撮っていない・・・っ!』

 

『しっ、失礼ねこの変態がっ!(ずしんっ!)』

 

『………な、なぜ…っ!?』

 

 

 ダメだ。ムッツリーニもすでに石畳へ正座に加え、重石を乗せられて罰を受け始めてる!なんて古典的な懲罰だ!

 

 

「ひ、秀吉!魔理沙!なんとかこの状況を収める起死回生の手を頼むよっ!(ババッ)」

 

「わ、わしかっ!?というかなぜわしらの後ろに身を隠すのじゃ!卑怯じゃぞい!」

 

「お、女の私の後ろに隠れるってお前はそれでも男かっ!男見せて私の代わりに散りやがれっ!」

 

 

 何とでも言うがいいさっ!でも今大事なのは僕の安全!そのためなら僕はどんなみじめなことでもして見せよう!(カッコ良く言ってもカッコ悪いものはカッコ悪いです…)

 

 

 

 

 

 

 だけど、そんな抵抗は無意味だったみたいで……

 

 

 

 

 

 

「咲夜さん達の身体を盗み撮ろうとしたその大罪ぃ………っ!魂(タマ)もって償えやぁあああああ!!」

 

 

 

 そう叫んだ美鈴さんが一直線にこちらへ向かって走り、

 

 

「(ビシッ!)いっ、痛いのじゃああああ!?」

 

「(ガンッ!)いってええぇっ!?」 

 

 

 チョップを見舞われた二人はそこを抑えて崩れ落ち……って、壁!僕の最後の砦があっという間に崩れ落ちた!?

 

 

「………!!(グオオオッ!)」

 

「ま、待った美鈴さん!それはだめだっ!そんな大きく手を振りかぶったりなんかしたらゼッタイだめ―――!」

 

 

 

 ベッチィイイイインッ!!

 

 

 

「あっ、明久君んんんんんん~っ!?」

 

「ちょ、やめなさい美鈴っ!アキの首が変な方向に向いちゃって―――!?」

 

 

 

 そんな声を最後に、僕は強制的に意識をシャットダウンすることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

『(ガチャ!)こらお前ら!いったい何をはしゃいでるんだ!…む!?』

 

 

 

『やっ!やめてあげてください美鈴さんお願いしますやめてあげてくださいぃ!明久君が死んじゃいますぅうううっ!!』

 

『知ったことか~!私の妹たちの裸を撮ろうとしたやつらに持ち合わせる慈悲なんざいらないのよぉ!離しなさ~~い!』

 

『や、やめなさい美鈴んんんん!!アキの意識はもうないのよ!?やるなら意識のある魔理沙か木下にやんなさいってぇええええ!』

 

『おっ、お前なんちゅうことを言うんだぜ美波!?私らに死ねと言ってんのか、おお!?』

 

『わ、わしらもじゅうぶん痛い目にあっておるのじゃぞ!?さらになんて絶対にいやじゃ!!』

 

『後でいくらでも謝るし何でもするわ!だからゴメン魔理沙、木下!アキのために一肌脱いでやって!』

 

『一肌ってレベルじゃねえよバカ!』

 

『もはや肌が無くなるほどじゃその要求は!・・・はっ!?に、西村先生っ!実に良いところに来てくださった!どうか美鈴を抑えてくださらんか!後生の頼みじゃー!』

 

『ほ、本当に頼むぜ先生!と言うかお願いします先生!私らの命の危機が~~~っ!!』

 

 

『ぬあああああああ~っ!離しなさい瑞希美波ぃいいいいい!!』

 

『『ぜっ、絶対にダメ(です)~~~~っっ!!』

 

 

 

『……何がどうあったらこうなるんだお前らは……ええいやめんか紅んんんっ!』

 

『!?ななにすんですかせんせ、っぴ!?にゃああああ!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐ、ぐぁぁああ………美鈴のやつ、本気で怒りやがって~……!」

 

「か、か、身体全身がまだ痛いのじゃ……美鈴がすごいということを、改めて思い知ったのう………いたた……」

 

「ふぉうふぁよね。ふぉくまふぁふぉっふぇたがひんひんふるよ」

 

「うむ、明久。見事に何を言ってるのか分からんのじゃ」

 

「無理してしゃべんなくていいぞ吉井。見ているこっちが痛くなってくるんだぜ」

 

 

 うん、ありがとう魔理沙。正直口を動かすだけで涙が出そう、と言うかもう出て来てるんだよこれが。

 

 

 美鈴さんという嵐が猛威を振るってから数分後。僕たちはいまだに立ち直れずケガを痛がっていた。

 

 むう、この見事なはれ具合。僕はいつから顔がアンパンのヒーローになったんだろうか。

 

 

「………災難だった」

 

「〝ふぁいふぁんふぁった〟じゃふぁいよ!ふぉもふぉもむっひゅりーにふぁあふぉふぇんなきふぁいをおふぉしふぁのふぁふぇんいんでふぉ!?」

 

(訳:「〝災難だった〟じゃないよ!そもそもムッツリーニがあの変な機械を落としたのが原因でしょ!?」 ※ 字数が多くなっちゃいますので、ここからは翻訳したものだけ書かせていただきます)」

 

 

 ムッツリーニはムッツリーニでCクラスの小山さん達から拷問を受けてたみたいだけど、そんなの僕たち自慢の美鈴さんの殺戮演技に比べればなんてことなさすぎるよ!僕が代わって天罰を下してやろうかこのムッツリめっ!

 

 

「………あれは、仕方なかった」

 

「仕方ない!?何がさ!」

 

「……いつどこで金になる情報が出て来るか分からないから、録音をしようとしたら……」

 

「君のその欲望への忠実さに、今は殺意さえ覚えたよ僕は!」

 

「同意だぜ吉井。お前あとで覚えてろよ土屋!」

 

「わ、わしらは金のために死にかけたのか……」

 

 

 ちくしょう!だから僕はこんな変態を信じるのは嫌だったんだ!それを雄二のバカが命惜しさにかばったから―――!

 

 

「・・・って。そう言えば雄二、さっきから静かだけど大丈夫?」

 

「………」

 

 

 霧島さんにバツを受けていた雄二だけど、さっきから背中を見せるだけで何もしゃべってない。ひょっとしてホントにお陀仏したのかな?

 

 

「おい、大丈夫か坂本?意識でもとんでるのか?」

 

「………上等じゃねえか」

 

「は?」

 

「へ?」

 

 

 ゆらりと雄二が立ち上がった。その目は怒りの炎がメラメラ燃えている。

 

 

「ここまでされて大人しくさがってたまるか!本当にやってやろうじゃねえか!」

 

「本当に?何をやるのじゃ?」

 

「決まってる!覗き以外に何がある!」

 

「「はあっ!?」」

 

 

 この男は何を言い出すんだろう。今死にかけたというのに、また死にに行こうとするなんてどこかがおかしくなったとしか思えない。

 

 

「正気かよ坂本!?今何されたかもう忘れたのか!?」

 

「そうだよ雄二!霧島さんの裸を見たいんなら個人的に頼めばいいじゃないか!」

 

 

 きっと彼女なら喜んで雄二にスッポンポンなってくれるよ!だからこれ以上命の危険を引き起こすのはやめて!

 

 

「んバッ、バカ言うな!誰がそんなこと頼むか!あいつの裸になんか興味ねえ!」

 

 

 それはそれで男としていいのだろうか。ちなみに僕は興味津々だ。

 

 

「いいかお前らよく考えろ。俺たちは尻に火傷の痕がある犯人を捜さなきゃならん。そこはいいな?」

 

「それは知ってるよ。でも、その話は美鈴さんに頼むってことで…」

 

「明久、お前はさっき紅に何をされたか忘れたか」

 

「絶対にこの作戦は不可能となったね」

 

 

 今の美鈴さんなら、頼むどころか話しかけただけでビンタが飛んでくるに違いない。せっかくの妙案もこれでボツ入りだ。

 

 

「そういうことだ。覗きなんてマネはさすがにやり過ぎだと思ったが、女子の大半はすでに俺たちを覗きと断定してる。なら遠慮なく俺たちも覗きをしてやろうじゃないか」

 

「待て待て!さすがにそれは女である私は看過できないんだぜ!もっと別の方法を探してからでも遅くないだろ!?」

 

 

 魔理沙が慌てた様子で雄二の策を止めにかかる。そりゃそうだ。自分と同じ女の子たちが、僕達男に裸を見られては気分が悪くなって当然のこと。意外と人情あふれる魔理沙だから、そんないけないことを見逃すはずがない。

 

 

 

「安心しろ霧雨。ウチのクラスの女子とアリス・マーガトロイドとその親友だけは絶対に見ないと約束する」

 

「いや雄二。魔理沙が言ってるのはそういう問題じゃ・・・」

 

「ん?そうか?ならオーケーだぜ」

 

「そういう問題だったの魔理沙!?」

 

 

 友達や思い人が無事ならそれで良いんだろうか。人情溢れるどころかものすごい薄情な女の子である。

 

 

「……さっきのカメラとマイクは、脅迫犯の物と同じだった」

 

「なんじゃと?それは本当かのムッツリーニ?」

 

「……間違いない」

 

「おお。だったらだいぶ手間が省けるな」

 

「だな」

 

「そうじゃな」

 

「……ターゲットは1人だけ」

 

「え?なになにどういうこと?」

 

 

 そんな4人だけ分かった顔しないで僕にも教えてほしい。疎外感がすごくて僕さみしいよ。

 

 

「やれやれ。つまりだな、俺と明久と霧雨を脅している犯人はおそらく同じで、さっきの盗撮犯のカメラとマイクがその犯人と同じものだった。そして、盗撮犯は火傷の痕があるという話だから――」

 

「ああ、なるほどその火傷の痕がある人を探せば全部解決するってわけだ!!」

 

「そういうことだ」

 

 

 それならもう迷うことはない!犯人を捜すためにも盗撮犯の汚名を晴らすためにも!やってやろうじゃないか女湯覗きっ!

 

 

「いや、だけどそう上手くいくかぁ?今度美鈴に知られたら命はないと思うぞ?まあ私はその時、風呂に行こうとしてたって言えばセーフだろうけどさ」

 

「こっ、怖いこと言って僕の決心を鈍らせないでよ魔理沙っ!」

 

 

 しかも自分だけ助かろうとするなんて!僕がそう言ったって消されるのは確定だし、一人だけずるいじゃないか!

 

 

「じゃ、じゃが美鈴も話が分かる奴じゃ。誠心誠意説明をすれば分かってくれるのではないじゃろうか」

 

「ああ。かもしれないが、やはり紅との接触は極力避けろ。そこを守らなきゃ……命の保証は出来ん」

 

「「「「……(ゴクリッ)」」」」

 

 

 よもやクラスメイトに始末される可能性が出てきてしまうとは。今後同じクラスで過ごすことも考えると……絶対にこの盗撮事件、真犯人を見つけ出さないとねっ!死におびえながらの学校生活なんてごめんだよ!

 

 

 

「よし。行くぞお前ら……女子風呂へ!」

 

『了解(ラジャー)!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「や、やっぱりやりすぎですよ美鈴さん!まだ明久君達がしたと決まったわけではないじゃないですか!」

 

「瑞希の言う通りよ美鈴!これでアキが何もしてなかったら、美鈴がひどいやつになっちゃうわよ!?」

 

「し、心配には及びません2人とも!あれは家族に迫る魔(ヘンタイ)の手を払うためだったんです!だから正義は私にありました!何も問題はありません!」

 

「「問題大アリ(です)(よ)っ!」」

 

「む、むグググ…!?」

 

 

ええいなんと厳しい追及っ!普段の穏やかさはどこへいったんですか2人とも!

 

というのも吉井君達をおしおき(おしおき…?)し、途中でやって来た西村先生に力づくで止められてから温泉に入るまで、この2人からの注意がすごいんですよ!せめて温泉につかってる今だけはゆっくりさせてください!

 

 

「で、でも2人も土屋君のあれを見たでしょ!?あれってどう見てもその用途にしか使わないものじゃないですか!」

 

「そ、それはそうですけれど…!」

 

「つ、土屋ならすぐにばれるような仕事はしないわ!だからきっと、風呂場にあったのは別のヤツが仕掛けたものよ!!」

 

「それを女の子の美波さんが言います!?」

 

「そっ、そうですよね!土屋くんならもっと上手にカメラを仕掛けて、私たちの脱衣を撮ると思います!」

 

「瑞希さんも何言っちゃってるんですか!?」

 

 

 吉井君をかばいたいからって土屋君の盗撮を買ってもダメでしょう!?どっちにしても被害をこうむるのは私達ですよ!?

 

 

「と、とにかく美鈴さん!きっと明久君達は盗撮に関与していません!今からでも謝りに行きましょう!(ザバッ)」

 

「そうよ美鈴!…でも瑞希!そんなに勢いよくお湯から立ち上がらないで!アキを陥れたヤツより、すごい揺れてるあんたの胸を叩きのめしたくなるから!」

 

 

 お~、確かにすごいゆれました…ってそうじゃなくて。

 

 

「え~?正直に言いますと、私は謝りたくないのですが…」

 

 

 真犯人が正しい間違ってるとかではなく、あれだけやっちゃったのに今さらどの顏下げて謝れと言うのでしょう。ましてや私の中ではっきり白と決まったわけでもないですし、いくら瑞希さんの言葉でも素直にうなずけません。

 

 

 

「そう言わないのっ!アキは優しいからきっと許してくれるわ!ほら、そろそろ出るわよ!(ジャバン)」

 

「う~。もう少し浸かってたかったのに~…(バシャバシャ)」

 

 

2人が出て行ったので、私も仕方なくお風呂から立ち去ります。ちなみに私たちが3人なのは、チルノと妹紅さんが2人でいろんなお風呂巡りをしていて、魔理沙はどういうわけか吉井君達といたので放置をしております。次はFクラス女子全員でユックリまったり湯に入りたいですね~。

 

 

 

「……でもですね2人とも。ちょっとを越して結構吉井君を美化してますけど、彼は結構スケベですよ?ですから彼がカメラを仕掛けた可能性もゼロじゃ……」

 

「ゼ、ゼロですっ!明久君は絶対そんなことをしません!」

 

「そうよ美鈴っ!アキは盗撮も盗聴なんかもしないわっ!ちょっとはアキを信じてあげなさい!!」

 

「…さ、さいですか……」

 

 

 そこまで言われては何も言い返せません。私は肩身の狭い思いをしながら素早く着替えを終え、暖簾をくぐります。

 

 

「は~、仕方ありません。2人もああですし、吉井君に謝りに――(スッ)」

 

 

 

『ま、待ってくれ先生!私はただ風呂に入ろうとしてただけだぜ!?なのにどうして私もこいつらと一緒に反省文を書かなきゃいけないんだよっ!』

 

『ウソをつくな霧雨っ!だったらどうして布施先生に召喚獣を仕向けたんだ!誰がどう見てもこいつらの仲間だろうが!』

 

『そ、そんなことはないぞっ!なあお前ら!?私は関係ないよな!?』

 

『何言ってるんだよ魔理沙!君だけ助かろうなんてそうはいかないぞ!落ちる時は皆一緒だよ!』

 

『てめえ吉井!少しは恩を作るとか考えやがれっ!』

 

『くっ…!まさか3人も教師が見張りをやってやがるとは。うかつだった…!』

 

『む、むう…!さっぱり分からぬ…!ムッツリーニ。『反省する』という単語はなんじゃったろうか?』

 

『……そこまで、見えているのに…っ!』

 

『まだそっちを見ておったのか!それよりも早くお主も英文で反省文を書かんか!美鈴たちがいつ現れるか分からんのじゃぞ!』

 

 

 

「…………………はい?」

 

 

 地下に位置する女子風呂から、一階の階段までの一本道。

 

 

 その上で正座をしながら何かを書く男子4人+1人を見た途端、私は一瞬思考がストップしました。

 

 

 

「(ふぁさ)ふ~。良いお湯だったわ~…ん?どうしたの美鈴、ん、んんん…?」

 

「(ふわっ)気持ちよかったですね~。…………え?あ、あ、明久、君………?」

 

 

 続いて出て来る2人も、せっかくお湯であったまってほぐれた身体が硬直します。

 

 

「………西村先生」

 

『げっ!?』

 

 

 何ですかその反応。今は西村先生に話しかけてるんですよ。あなたらはあとで拳でじっくりと聞かせてもらいますよ。

 

 

「むっ……紅か。すまんな道を邪魔して」

 

「いえ……この5人、どうしたんです?」

 

「………実は、女子風呂に入り込もうとしおってな」

 

 

「………………バカは死なないと直らないものですね」

 

 

 よもや機械に頼らず直に覗きに来やがるとは。

 

 

 さすがにこれには………彼女達も限界のようですよ?

 

 

 

「………美鈴の言うとおりね。アキ。さすがにもうウチも………堪忍袋の緒ってやつがキレたわ(パキパキ)」

 

「吉井君………さすがにそこまでやってしまっては………女の子として怒ります(ガタッ ガタッ)」

 

 

 激昂の表情で身体をならす美波さんに、暖簾を武器にする瑞希さん。2人とも攻撃準備は万端で、私もばっちりOKです。

 

 

「あんなことがあってまたやろうなんて、覚悟はしてきたんですよね?え?地獄に落ちる覚悟は出来てるのよね?おお?」

 

 

 

『………助けてください西村先生っ!』

 

 

 出来てないのかごらぁ!せめてそこは潔く覚悟するなりなんなりしなさいよーっ!

 

「……この状況を生み出したのはお前たちが原因だろう。…反省文は免除してやる。けじめをつけてこい」

 

 

「なっ!?ま、待て鉄人!俺たちに死ねと言うのかおいっ!」

 

「………死刑になるようなことはしていない……っ!」

 

「ウ、ウソだろ先生!この状況で放置なんてあんまりだぜ!?」

 

「そんなこと言わないで先生!お願い!ボク達を見捨てないで先生―っ!」

 

「い、いやじゃっ!このあと起こることを想像するだけでイヤなのじゃ~!!」

 

「やかましい!自分たちのしようとしたことをきちんと反省しろっ!」

 

 

『あっ!せ、せんせ―っ!』

 

 

 おお。スッと五人の前から立ち退いてくださるとは、ありがとうですよ先生。 

 

 

 

「――――では、もうすこ~し反省してもらいましょうか?ねぇ美波さん、瑞希さん」

 

「ええ………その身体に刻み込んでもらいましょ。―――人を怒らせたらどうなるのかを」

 

「皆さん………どうかこのお仕置きで、こんなことを二度としないようになってください」

 

 

 バッ!

 

 

 私たちは怒り十割で、おバカな五人組へととびかかりました。

 

 

 

『いやぁあああああああああ~~~…!!』

 

 

 

 

 

 

 

「も……もこお~………あ、あんた大丈夫なのよさ……?も、もうかれこれ30分はサウナにいるわよ~~……」

 

「………いや、私はちゃんと言ったぞチルノ。苦しくなったら先に出るようにと、私は5回は言ったよな?」

 

「バ、バ、バカね~……さいぎょーのアタイが先に出るなんで……ゼッタイに許されないのよ~……うあ~……」

 

「そんな典型的なことを言って………。って、相当まずいじゃないか。出るよ」

 

「あ~~……い、生き返るのよさぁぁぁぁ~~…!」

 

「……冷たっ。こんな冷たいところに、よく全身をつかれるな…」

 

 

「あら、大丈夫?サウナや水風呂に無理して入ったらダメよ?」

 

「っ!?………(こく)」

 

「あ~?あ、あんたたち誰よ?Fクラスじゃないわよね」

 

「アタシはEクラスの島林!あとEクラスの女子数名よ!アンタがやんちゃっ娘のチルノと、噂の転校生のもこうさんかしら?」

 

「や、やんちゃって何よさ。アタイはやんちゃじゃなくてさいきょーって言ってるのに~……あ~~~」

 

「……(こくこく)…………そ、そうだけど……?」

 

「やっぱり!うわ~!!ほんとにキレ~~!(ぎゅ~っ!)」

 

「ひい…っ!?(バシッ!)な、な、何…!?うわさって何…!?」

 

「あうっ!だって有名よ!?雪みたいな綺麗でなが~い髪の毛に、びっくりするぐらい人見知りな可愛い女の子がFクラスにいるって!私、一度会ってみたかったの!」

 

「………!な、なんでそんなうわさが…っ!」

 

「ムッツリ商会の土屋が言ってたの!〝ウチのクラスに新しく入って来た女の子は熱い〟って!半信半疑だったけど、今正しかったことに気づいたわ!」

 

「………っ!!あ、あの変態野郎……っ!」

 

「きゃ~!代表だけずる~い!私たちもギュッてさせて~~!!」

 

『きゃ~~!妹紅ちゃ~~~ん!!』

 

「ひぃいいいいいい…!?た、助けてチルノォ~…!!」

 

「うぼぅ!?ちょ、ちょっと待ちなさいもこう!アタイを頼ってくれるのはいいけど、今水に浮いてるか、ら……あばばばばぁ~!?」

 

 

 

 




 お読みいただきありがとうございます!どうも最近、妹紅さんの活躍が最後の部分だけとなっている気がして申し訳ないでがすよ。また彼女にもどんどん出てもらわねばなりませんね!

 さて、今回で長かった合宿一日目も終わりました!次回からは合宿二日目、おバカ達がますますバカをやっていくこととなりますよ~!

・・・が、最初にも書きましたように、ちょっと違うものを書くのがマイブームとなってまして、投稿がなかなかに遅れることになると思います。誠にすみませんが、気長に待ってやっていただけるようお願いいたします!

 それではまた次回っ!自分勝手な作者でごめんなさい~!
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