片思い的な僕ら。   作:鋭利庵

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壊れかけの遺伝子

 

 

 

 

 

 

「こんにちはー。お土産持ってきましたー」

「わー、嬉しくないお土産ー。そっちの方で直接局に持って行ってくれても良かったのに」

「ははは何言ってるんですかなのはさん、そんなことしたら面倒だし、何より局員の僕が士官学校卒業もしてない見習いと完全な民間人をロストロギア捕獲に迷いなく巻き込んだなんて知れたら、懲戒免職か良くても減給ものですよ。しかも、片方聖王ですし」

「あ、ごめーん。もうフィアッテがロストロギア捕獲しましたって言っちゃった」

「何してくれてんですか」

「ふふふ、私は事実を伝えただけなのだよ、フィアッテ君。……あ、ヴィヴィオたちのことは言ってないから、安心してね」

 

 軽妙に軽快なやり取りが僕となのはさんの口の間を行き交い、エアコンで心地良く冷やされた空気を震わせる。伝達した冷たい空気は先ほどまで炎天下に焼かれていた気管を苛み、喉の奥に痰が絡んだように異物を形成した。

「ささ、座って座って」となのはさんに案内され、オリヴィエを置いたらすぐに帰るつもりだった僕の尻がソファの柔らかさとエアコンの魅力で拘束され、差し出されるがままにお茶菓子とかに手を出してしまう。

 もきゅもきゅ。むぐむぐ。

 なのはさんと共に、無言で一心不乱に口内の糖を舌の細部にまで行き渡ることに熱中する。すっきりとした甘さが、物の良し悪しがわからない貧乏舌に乗り込み、何だか勿体無い気分になってきた。熱いと温かいのちょうど中間のお茶を食道に侵入させ、無理矢理気分を誤魔化す。渋みと苦みが微かに喉を通りすぎるのを感じて、胃の中に入った液体の温度を転写した溜息をゆっくりと周囲の空気に混じらせる。

 

 一息ついて、ケージに変形したコロナちゃんお手製のゴーレムをなのはさんに近付けるように床を移動させる。

 

「あ、これ。オリヴィエ……あー、ロストロギアです」

「にゃはは、相変わらず聖王教会に喧嘩売ったパッション溢れる生き方してるね……」

 

 細められたなのはさんの目に呆れが混入しているのが見える。負けじと僕も眼球に疑問符を付着させて、なのはさんに聞く。

 

「あれ、娘に聖王の名前付けてる人とかもいるし、普通にセーフなのでは……?」

「いや、さすがに猫に付ける人はいないかなーって。ていうか、ないかなーって。イスラム教圏でペットにムハンマドと名付けるが如し。その内ホントにシスターシャッハに決闘申し込まれてもおかしくないよ……?」

「……そうですね。あの人、僕のことを親の敵のように見つつ目の敵にしてますから……うん、決闘じゃなくて通り魔されてもおかしくはない気が」

 

 最近は会う度に、にこにこした笑顔に合致しない、血管が浮き出るほど強く握られた拳を見せ付けながら模擬戦を申し込んでくるものだから、そろそろ真面目に命の危険を感じる。彼女に微笑まれた時に心臓がドキリと震えたあれは、きっと恋ではなく殺意。

 

「あはは、さすがにシスターシャッハもそれはしないよ。……しないよね?」

「それ、僕が聞きたいんですが」

 

 いざというときに備えて雑誌か、ヴィヴィオちゃんガードでも常備しておきたいところだ。効果的かどうかは微妙だけど。

 なのはさんがオリヴィエの入ったケージをそっと持ち上げ、宅配物でも扱うかのような気軽さで無造作にテーブルに置いた。子供の頃からロストロギアに関わってきたロストロギアのプロであるなのはさんとはいえ、その扱いは危険じゃないのか少し心配になって疑問を呈する。

 

「あの、それ、危険なやつじゃないんですか?」

「あー、言ってなかったっけ?そういえばロストロギアの特性を説明する前に通信打ち切っちゃったっけ。うーん、やっぱり指揮官は向かないかなあ……」

「ははは……」僕がヴィヴィオちゃんを話の生け贄に差し出したことに起因しているので、イエスノーによる返答を喉が拒否する。

 

 そんな僕の反応を気を遣ったのかと受け取ってくれたのか、なのはさんは微笑みで流して話を続けた。

 

「そのロストロギア────ミュッテケって名前なんだけどね」

「変な名前ですね」オリヴィエでいいや。

「うん、古代ベルカの蚊って言葉から取ったらしいんだけど────」

 

 なのはさんが視線を少し落として、ケージの中のオリヴィエを透視する。僕も釣られてケージに目をやるが、サイキックの熟練度が足りなかったようで土を捏ねて出来た置物にしか見えない。さらに、空気穴から覗くのも距離がありすぎて不可能だ。

 だが、今の世の中透視の一つもまともに使えないようなら非人間扱いをされてしまうので、僕にも中身が覗けたように知ったかぶりつつ、答える。

 

「猫ですね」

「猫だね」

 

 ひょっとしてあの猫は外見が猫だっただけで生物学的には蚊の仲間だったとか?

 うわ触っちゃったよばっちいな。

 

「まあ、発掘された時は乾いた蚊みたいな形状してて、それで使用用途もご丁寧に発掘場所に文献があったからわかったんだけど、どうもこれ、特定の貴重な遺伝子を回収して内部に保管、別所に注入するロストロギアだったんだよね。だから、働き自体は大分違うけど、外側から見たら似たようなものだし、だからミュッテケなんだろうね」

「別所に注入?」

 

 何故か引っかかりを覚えて、なのはさんの言葉を反復する。ぐじゅぐじゅりと喉から何かが迫り上がってくるような錯覚が吐き気にせき止められ、不快感として浮上する。注入って言葉に何かトラウマあったかなと、海馬を回転させて心当たりを捜索するが、そもそも存在しないのか発見が出来ないほど深くに埋まっているのかがわからないまま、疑問符を大きくした。

 

「うん。つまり、遺伝子の統合ってことになるのかな。専門的なことはよくわからないけど……どうやら注入された形質は本人じゃなくてその子に現れるらしいね」

「はあ……あ、それで厄介だと」

「そういうこと」

 

 つまりはご家庭クラッシャーであるわけだ。先祖を遡っても金髪の人物が見つからない両親から生まれてきた金髪の子供は、さぞ家庭の不和になることだろう。

 

「最初は乾いた蚊だったんだけど、水をかけたら戻って、目を離した隙に猫になって逃亡しちゃったみたいで……それが、猫になってる理由かな」

「すいません、理由が理由になってないんですが」

 

 何がどうして水をかけたんだ。インスタントモスキートのロストロギアが何で猫になってるんだ。というか、何でそう易々と逃がしちゃうんだ。

 色々と問題点が多すぎて、自分が所属してる組織への不安が増大する。いや、元からちょっとアレなところも多い組織だとは思っていたが、せめてロストロギアの扱いくらいはもうちょっと慎重にしてほしいものだ。

 

「まあ、額のところにトライフォース……三角形が四つくっついたようなマークが確認できてたから私もわかったんだけど、もし目印が何もなかったらと考えると、ぞっとするかな」

「普通に高町さん宅のペットになってたんじゃないですかね」

「うーん、普通にあり得そう……」なのはさんがうむむと唸り、想像力を働かせる。僕も空想の世界に架空のなのはさん一家を作り出し、そこにロストロギアを追加してみた。「…………」やっぱり、違和感ないよなあ。

 

 しかし、その場合なのはさんやフェイトさんに遺伝子を注入したとして、何か影響があるのだろうか。あってくれと切に願う気持ちと、なくてもいいんじゃないかなという心情が同居して……同居して……んん、注入?猫の状態で?

 

「……………………んぅえ?」

「んぅえ?」

 

 僕の発した間抜けな奇声に反応したなのはさんが、可愛らしく小首を傾げる。同じ音を発しているというのに僕となのはさんで修飾が違うのは、やっぱり外見かなと思考を切り離しながら考えた。

 

「すいません、なのはさん。ちょっと訊いてもいいですか」

「ん、何々?お姉さん……って言えるような歳でもないけど、何でも答えちゃうよ?」

「猫状態での遺伝子の注入って、どうやるんですか」

 

 楽観視と危機感が混ざり合い、危機感が競り勝って汗として体表に現れる。頭の中にあった都合の良い展開が焦燥と切迫に駆逐されるのを感じた。

 

「ん?そりゃあもう、引っ掻いたり噛み付いたりだと思うけど……え、ん?まさか……」

「……………………」

 

 にっこりと笑う。そんなわけないじゃないですか、と顔面で語っているように見えたのか、安堵を表現するなのはさん。

 すっとオリヴィエに引っかかれた右手の甲を見せる。なのはさんの笑顔にピシリと罅が入る。心なしか、肌もほんのりと土気色で、瞬間的に彼女の顔が焼き物になったことが予想できた。

 ころころと変わるなのはさんの表情を、面白いなあとか他人事のように現実逃避を促進させながら考える。

 

「……………………」

「……………………」

 

 空気が青色に着色され、振動しない鼓膜に耳鳴りがうるさい。

 ……ん、いや待てよ。よく考えてみたら僕は別に悲観する必要なくないか?どうせ誰とも結婚はできないだろうし、そうすると必然的に子供を作る機会もないわけで。

 いや、でも。

 

「……あの猫の目、聖王色してたんですが」

 

 自然にこぼれ落ちた声は下顎と声帯を同時に震わせる。内臓がふわふわと浮遊するように食道を浸食するようで、口内から胃袋を吐き出しそうだ。

 

「……………………」

「……………………」

 

 重苦しくて、逆に清々しいほどの沈黙が続く。

 数秒後、正気を取り戻したと言いたげななのはさんの瞳が数回瞬いて、

 

「フィアッテの結婚相手、カリムさんになるかもしれないね!」

「冗談でもやめてください!?」

 

 ていうか冗談じゃねえ。彼女のことは尊敬しているし、いい人だとは思っているけど、共同生活を送れるかと聞かれたら絶対に無理だ。一日目で互いにゲロ吐いて二日目で胃潰瘍になる自信が心の中で自己主張する。

 何というか、魂レベルで拒否反応が出てる。とにかく波長が合わないのだ。

 それはカリムさんの方も同様らしく、僕を嫌っているわけではないしむしろ人間としては好きなくらいだけど、その存在を不快には思っているという高度な言語を駆使した応対を見せ付けてくれた。でも、僕も似たようなものだし仕方がないとも思う。

 

「でも、真面目な話、この事態がバレたとしてフィアッテが現状、結婚できるのは────っていうか、バレたらほぼ強制的にカリムさんと結婚させられると思うよ。何せ、生まれてくるのは聖王の形質を持った子。ヴィヴィオの時はなんやかんやでお流れになったけど、聖王教会としてはこれ以上野良聖王を増やしたくないと思うし、きっちり確保してくるだろうね」

 

 野良聖王の言葉に、ヴィヴィオちゃんがジークリンデと一緒に「わんわんお!」と鳴いている様子を想像して、案外ハマってる言葉なのかもしれないと感心した。

 

「そこで、結婚相手────聖王の母に相応しいのは、聖王教会である程度の地位に就いていて、権力に振り回されない権力を持っていて、善良かつ聖王を政治の道具に利用しようとせず、自分の命令系統を持っていて、特定の偏った思想を持たない独身の女性……。多分カリムさんくらいしかいないと思うよ?」

「いやいやいや、絶対カリムさんも拒否しますって。今誰よりも頭の中に拒否という言葉が溢れてる僕が言うんだから間違いありません」

「でも責任感の強い人だし……うーん」

「バラさなかったら!バラさなかったら現状問題はないわけですよね!だとしたら大丈夫ですよ僕生涯現役童貞でいるつもりですから!!だからカリムさんと結婚だけはご勘弁!!」

「う~ん……ど~しよっかなー」

 

 僕の必死の懇願を知らんぷりして、なのはさんは悪戯っ子のような笑みを浮かべる。この笑顔の対象がヴィヴィオちゃんかフェイトさんあたりだったら他人事の壁の向こうから対岸の火事を楽しむことができたのだが、いざ自分のこととなってみると楽しむ余裕なぞまるでない。

 最悪に近い精神状況が頭蓋骨の内側を蝕み、青虫の形になって脳味噌の表面を這い回る。あの人と結婚する可能性が欠片でもあるという事実が、精神衛生上この上なく悪影響だ。

 

 吐血と吐瀉を繰り返したくなる気分をぐっと堪えて、なのはさんの言葉を待つ。

 ……いや、なのはさんは僕が本気で嫌がることはしないだろうとはわかってはいるけれど、それでも針の筵に触れるか触れないかのところで宙吊りにされているような現状は許容しがたい。

 

「冗談冗談、誰にも言わないから。……あ、そうだ。ヴィヴィオと結婚したら子供産んでも聖王の形質は気にしなくてもいいけど、どう?」

 

 気軽にコーヒーでもどうだと聞くように、娘を本人の承知無く嫁にどうだと提案してきた。仄かに香ってきた無償の人身売買の匂いに苦笑いで対応し、お茶で反論を喉奥に流し込んだ。緩やかな笑顔で流してやるのが大人というものだろう。反応に困るとも言うかもしれないけど。「今なら可愛いお義母さんが二人も付いてきちゃうよ?」「ははは……」だからどう反応しろってんだこんなの。「更に年の割には若すぎるお義祖母ちゃんが二人……!」「ははははは」いかん、笑い声が乾燥をし出した。

 

「まあ、冗談はこのへんにしといて……。あ、結婚するなら歓迎するけどね」

「しませんが」

「にゃはは、そうなったら楽しいかなってだけだよ。ほら、もうなんか私は色々と望み薄だし……」

 

 最後の方は消え入るように、薄くなって空気に溶解する声。焦点を遠洋漁業に赴かせた視線からは悲哀以上の成果は確認できず、コバンザメのように諦観が引っ付いているだけのようだった。なのはさんの全身がどろりと溶け出してソファにへばり付く。

 

「ぅあー。ヴィヴィオとフェイトちゃんはいるし、職場には満足してるし、現状に不満はないんだけど、どうにもねー」

「誰か気になる人とか、食事に誘ってみたらどうですか?ほら、誰か……いません?」

「いません……」

 

 なのはさんはソファでぐねぐねと骨を消失させて、軟体動物ごっこに勤しんでいる。骨なしという言葉の意味を全身で体現しているさまに、僕も負けじと骨太の称号を勝ち取ろうとカルシウムの摂取を試みようと思ったが、手近なカルシウムが見当たらなかった。無念である。

 

「こういうときユーノ君がいてくれればって思うけど、ユーノ君はもうユーノちゃんになっちゃったし……。現実を直視したくなーい……」

「直視しなくてもいい現実って、あると思います」

「ありがと、フィアッテ。愚痴っぽくなっちゃってごめんね?うーん、結婚願望はそれほど強くないと思ってたんだけどね。やっぱりヴィヴィオに好きな人ができたって聞いたからかなあ……」

「なーんか、身近なだけにイメージ湧きませんよね。ヴィヴィオちゃんが誰か男の人を好きになるって。僕もフェイトさんから聞いて驚きましたし」

「んー、ほら、気にしてはいないけど、ヴィヴィオってちょっと立ち位置が特殊でしょ?だからヴィヴィオが人並みの幸せを手に入れてくれることは嬉しいんだけど、やっぱりフィアッテの言ったみたいに、イメージが湧かないのかなぁ……。エリオのことも、何だかんだ言ってキャロとくっつくものだと思ってたし、単に私が色恋に向いてないのかも…………ん、フィアッテ、どうかした?」

「いえ、何も」

 

 完全に油断していたところに、横側からスタングレネードでぶん殴られたような感じだった。揺さぶられる脳味噌になのはさんの言葉が反響する。

 うーむ、まだ拘ってる?やっぱり僕は、キャロにエリオと結ばれて欲しかったと思ってるんだなあと、自分一人では確認が困難だった内心をまざまざと見せ付けられて、何とも複雑だ。好きってどういうことなんだろうとか、中学生なことを考えてしまう。

 

 暴れながら悶える内心をにこやかな笑みで覆い隠し、のり付けされた表皮を接着剤で貼り付けた表情筋に上書きした。なんとも図工的に作られている僕の顔面を美術的に書き直し、自然さを強調した表情を全面に押し出す。どちらにせよ作り物めいてることは否定しないが、そもそもを言えば僕だって母親に作られた作品と言えなくもないから、何も問題はないという謎の理論で強制的に自分を納得させた。

 

「誰かいい人でもいれば、もうちょっとマシにはなるのかもしれないけど、焦って誰か捕まえようとも思えないから駄目なんだろうね」

 

 そう言ったなのはさんは、縁側に座っているお婆ちゃんを彷彿とさせる穏やかな顔で、お茶をゆっくり啜った。

 いい人、という言葉に先ほどのコロナちゃんの鼻の穴からミントが香りそうな清々しい笑顔を思い出して、同時に想起と共に心に空っ風を吹かせる。悪天候にも負けない強い作物を心臓に体毛として植えるべきだと、幻聴が忠言をしてきた。

 

「あれ、この前、なのはさん食事に誘われてませんでしたっけ。同僚の人に」

 

 不意に、一週間ほど前の情景を回顧して、赤い顔でなのはさんに必死に話しかけていた男性を思い出した。あの時はそれほど気にしていなかったけど、ひょっとすると……というか今考えるとほぼ、なのはさんに気があったのではないだろうか。

 これはひょっとすると、なのはさんにも春が到来しているのではないだろうか。

 

「え?ただの食事だったよ?した話も仕事の内容だけだったし、そんな色っぽいものじゃないって」

「え、でも何か、小洒落たレストランみたいなところだったんでしょう?こう、ちょっとお高めの」

「うん。普段はあんまり食べないけど、ああいうところもたまにはいいものだよね。でも、やっぱりちょっと高いかな。お財布の三分の一くらいは使っちゃったし……」

「……なのはさん、払ったんですか?そのレストランで」

「そりゃあ、払わなかったら食い逃げになっちゃうからね。誘ってくれた人は払ってくれるって言ってたんだけど、高かったから、それも悪いし……」

「……………………」

 

 春が到来していたのはなのはさんの頭の中身の方が先で、外殻は訪れた春を受け入れずに過ぎ去った冬を体感しているようだった。なのはさんの度を超した鈍感っぷりに戦慄を覚えつつも、相手の男性に妙なシンパシーを感じて、キャロも誘っての片思い連盟の発足を脳内で計画する。

 実現し得ない願望に身を費やす者たち、とか表現すると格好良いかもしれないけど、どろりとした想いが表層にまで表れる未練がましきものどもとも表現できるから、ミッド語は真に不思議である。あー、いや。両方格好悪いか?

 

「……何なら、僕が誰か男の人紹介しましょうか?」

 

 いくらなのはさんが恋愛に向いてないとはいえ、最初から男女だということを意識させていたらいけるのではないかと、好奇心から派生した日常生活に何ら不必要な対抗心を発露させてお節介を口から零した。

 

「うーん、気持ちは嬉しいけど……いいかな。やっぱりこういうのって出会いだと思うし……。もし出会いがなかったら、やっぱりそうなのかなーって諦めも付くしね」

 

 なのはさんはそう言って、和風に淡泊な味付けで薄く微笑んだ。包丁当てたら抵抗なく切れそうなほど柔らかい笑みに、押したら崩れないだろうかと思わず手を伸ばしかける。セクハラで訴えられる未来はすぐそこだ。

 

「…………」

 

 深く脳に皺を刻み込まないまま、赤錆色の脳細胞の表面に電気を元気よく走らせる。

 あー、何だろうな、これ。共感……とは少し違うか。何というか……ううむ。まあ、独身の先輩への敬意とでも思っておこうか。しかしながら、敬意というものは口先だけでは重みが薄れる。何らかの形を伴わせたいと思いつつも、それが可能なのは男性の紹介くらいしかできないのが現状。そして今、男性の紹介という手も潰れてしまった。

 ふうむ……。

 

「……あ、ヴェロッサさんとかは」「申し訳ないけどロリコンはNG」

 

 ありゃま。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




Q.結局こいつハーレム系鈍感主人公なの?
A.(フラグ立ってる人が一人しかいないのにハーレムはでき)ないです

Q.何でヴェロッサ君ロリコンになってしまうん?
A.許せサスケ……はやてに逃げ道を与えないためなのだ

Q.ロリコンにする必要あったん?
A.許せサスケ




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