Girls und Kosmosflotte   作:Brahma

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熊本の震災に心からお悔やみ申し上げます。
ネトゲで同じ血盟の血盟主と最も親しい友人が熊本なので心配なのですが、最近過疎っているので連絡不能なので不安です。
中央構造線にそった断層帯の地震なので下手すると和歌山や愛知まで影響しないように願うばかりです。

さて、士官学校卒業後、辺境の海賊討伐を命じられた「あんこう」チームと...




第19話 海賊討伐です。

ズゴーーーーーオオオン…

宇宙空間でなかったらこのような爆音がしたであろう。

爆発の衝撃波が伝わる。

「敵弾、駆逐艦マクレールⅠに命中。」

「敵のアクティヴレーダー照射確認。」

「引き続き電波妨害続行?。」

「複数の熱源、敵ミサイルと確認。着弾まで30秒。」

「敵さんはずいぶんとミサイルに余裕があるみたいですねえ。海賊の分際で。」

「各防衛システムを自動連射モード?。」

「発射。」

「敵ミサイル三基撃墜。いや一基残っています。」

近接用レーザー砲が火を噴いて撃墜し、爆炎に変わる。

「敵艦発見。華!」

「発射。」

「着弾まで30秒。」

「敵艦撃沈を確認。」

駆逐艦ロフィダの艦内は安堵に包まれる。

しかし、数分しないうちに

ヴィー、ヴィー

艦内警報が鳴る。

「沙織さん。」

「敵ミサイル4基接近だよ。みぽりん。あと20秒。」

「対象は80km圏内。かこまれているよ。」

エリコが操作盤をめまぐるしく操作して

「華さん?」と声をかける。

「発射。」

「敵ミサイル1基」

「2基」

「3基」

「4基。すべて撃墜。」

「発射想定位置は?」

「敵、確認できません。」

「ミサイルが発射されたのに発射位置が確認できないなんて。」

「西住殿、敵は、特殊なステルス仕様の装備なのでしょうか?」

「うん。エリコさん。どうですか?」

「いろいろためしてみる?」

ヴィーッツ、ヴィーッツ

「また、熱源4探知。敵ミサイル接近。」

「4基のうち2基はプログラムで対応できない?華さん?」

「はい。」

「敵ミサイル二基撃墜。」

「発射。」

「敵ミサイルさらに二基撃墜。」

「右舷方向、宇宙竜巻に接近。あと0.5光秒」

「右60度。宇宙竜巻へ向かって転針!」

「みぽりん!」

「敵は小型のミサイル艇4隻?宇宙竜巻に耐えられる性能はない?」

「なるほど。西住殿。相手のアクティヴステルスを嵐で使えなくすると?」

「うん。」

 

一方海賊船の艦橋ではみほの艦の転針をとらえていた。

「敵艦、右へ転針し、宇宙竜巻に向かっていきます。」

「宇宙竜巻に向かう敵艦を追う。」

「アイ、サー。」

 

「レーダーに微弱反応?。数4?。小型高速船と推定?。宇宙竜巻に対し対避航行中?。」

「艦影1捕捉。本艦を追跡してきます。現在の距離2光秒。」

「きましたね。」

「おそらくそれが本体?」

みほはうなづく。

 

「艦種識別?蓋然性87%?3か月前に海賊に強奪された船?」

 

「アクティヴステルス稼働率1%。偽装電波の照射一時停止。」

「なかなかやるな。われらの攻撃を回避し、自ら嵐の中へ飛び込むか。しかし、この船からは逃げられんぞ。」

「敵艦の予想位置特定?アクティヴステルス稼働見られず?航行に専念?」

「進路、速度はこのままでおねがいします。」

「了解。」

「宇宙竜巻を抜けて、敵がシステムを復帰するまでの時間が勝負!」

「わかりました。」

「減揺装置と推進器で船体姿勢を維持?しかし長くは待たない?」

「了解。」

「敵艦との会敵予想時間はどのくらいですか?」

「130秒後。」

「みほさん。いつでも発射できます。」

「敵艦の脱出予想進路を割り出した?4か所。映します?」

画面に映った予想進路をみて

「Bでいきます。」

「どうして?みぽりん?」

「気流の向きに対して艦の姿勢を安定させられるし、システムを復帰させるにはこの進路がいちばんいいからですよ。武部殿。」

みほは、優花里の説明に微笑む。

「敵艦会敵まであと65秒。」

 

「宇宙竜巻をもうすぐ抜けます。アクティヴステルス有効稼働まであと40秒。」

「索敵レーダーを復帰次第、直ちに攻撃だ。そう遠くまで逃げてはおるまい。ふふふ…さあ狩りの総仕上げだ。」

 

「!!」

「予想位置に敵艦出現!」

「撃て。」

「発射!」

 

「熱源4探知!」

「なんだと?」

「敵艦、0.5光秒!」

「信じられん。あの竜巻のすぐ外側で待ち構えていたというのか?」

「敵ミサイル20秒!」

「迎撃だ!」

「間に合いません。」

爆炎が起こり金属片が飛散していく。

 

「敵艦の位置で爆発?命中によるものと思われる?」

「敵艦かなりの損害?航行不能?」

「沙織さん。」

「みぽりん?」

「降伏をよびかけて。これ以上の抵抗は無益です、乗組員の安全は保障します、って。」

「うん!」

沙織の呼びかけで海賊たちは降伏した。

 

数か月後

「よし、敵艦をおいつめたぞ。」

「船長、敵艦のまわりにデブリ多数。」

「気にすることはない。同盟でも帝国でもわれらを発見できる船はいないのだ。」

 

「敵艦発見?距離90光秒。座標X07200 Y03812 Z37564?」

「右舷方向52度、仰角31度。」

「右舷方向51度、仰角30度。」

「発射!」

 

「船長!敵に発射反応あり!」

「なぜだ。逃げろ。」

「いえ、どっちへ逃げても当たります。」

「あ、あれは…デブリではありません。人工物です。」

数十秒後海賊船は爆煙をあげ四散していた。

 

「マルチスタテック・サテライト・システム?」

「なるほど。SFにでてきた反射衛星砲のように多数の衛星でステルスを見破っているわけですね。さすがエリコ殿です。」

「それだけではない?電波が吸収された座標とその物質もスペクトル解析できる?」

「エリコさんのおかげで、わたしの目からはどんな敵艦もにげられません。」

「エリちゃんも華もすごすぎる~。」

沙織は安堵した後にみほの指示が的確で凄みのあるものであることに気づいて付け加える。

「それからあ、戦い終わってから、なるほど、あれはそういうことなのかって改めてみぽりんの指揮のすごさがわかるよ~。」

「いえ、わたしは…。」

「いえいえ、戦果は、西住殿の巧緻きわまる指揮とそれを的確に僚艦につたえる武部殿の通信のたまものでもあります。」

「わたしは、あんな大胆なことは考え付かない?」

「みほさんのおかげで確実に当てられます。」

みほは微笑んでいた。

(大洗の時もこの宇宙でも頼りになるチームメイトがいてくれて、うれしい。これがわたしの「戦艦道」なのかなぁ)

みほは、そんなことを考えていた。

さて、このようにして、みほたちは戦果を重ねていった。

背中にあの「あんこう」が描かれたあんこうチームのパンツァージャケットを着た少女の集団と、茶色のブレザーに胸に赤いリボン、紺のプリーツスカートを着た少女の組み合わせは昇進辞令を受けるために時々首都星ハイネセンに帰還するため、いつしか同盟軍内では、駆逐艦ロフィダが率いる数隻でしかないこの海賊討伐隊「ロフィダ・ガールズ」を「チームあんこう」と呼んでその戦果がひそひそと語られるようになっていた。

 




「また、「チームあんこう」が海賊を仕留めたそうだぞ。」
「すごいな。」
「こんどは海賊のステルス破りを幕僚がやったそうだ。」
「あの赤いリボンに茶色いブレザーを着たおとなしそうな女の子だろ。」
「ああ、エリコ・ミズキ大尉だ。」
「それに士官学校時代からドジっ娘って評判のミホ・ニシズミ准将の陣形展開と判断に海賊はやられっぱなしだそうだ。」
「そういえば、彼女は戦術シュミレーションで、首席のアンドリュー・フォークを破ったという話だぞ。」
「いまや実戦の功績でフォークとならぶ准将閣下だもんな。」
「同期の出世頭だな。」
それを聞かされるフォークは歯噛みをせざるを得ない。
(無駄飯ぐいとあんな子犬のような女になぜわたしがおくれをとらないといけないのだ。)
フォークの暗い情熱は、帝国領侵攻作戦について私的ルートで自分の作戦を売り込むという挙につながった。しかし、それはとても作戦と呼べるものでなかったが…

※駆逐艦ロフィダ Lophiidae(アンコウ科のラテン語学名)
※1AU(天文単位、太陽から地球までの距離)≒1憶5000万キロ≒500光秒
※1光秒≒(地球の「円周」=40,000キロ×7.5)≒300,000キロ



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