活動報告に書いた日付から1週間近く空いてしまいました。本当に申し訳ございません。
さぁ!今回は琴里ちゃんによる説明回です。
御本家様を読んだり、アニメを見てて
「そんなの知ってんだよ、このクソ作者!」
と、言う方は流してしまっても構いません。(震え声)
それでは!デート・ア・ライブ士織パラドックス
第………6話?お楽しみください!!
「……グスッ、それで、説明はして貰えるの?」
士織が泣き止んだのは、十分程経った後だった。
「ええ、もちろんよ。でもまずは、これを理解してもらうわ」
そう言って琴里が、指をパチンと鳴らすと、モニターに先程の謎の少女と折紙が映し出された。
「まずはこっちよ」
そして琴里は、謎の少女を指さす。
「彼女は精霊と呼ばれる、本来はこの世界に存在しないモノであり……この世界に出現するだけで、己の意思とは関係なく、あたり一帯を吹き飛ばしちゃうの」
琴里は両手をドーン!と広げ、爆発を表現する。
「……それってどう言う…?」
士織は思わず口にする。
「まだ分からない?空間震よ。…空間震は彼女の様な精霊がこの世界に現れる時の、余波だって言われてるわ」
「なっ……!」
士織は思わず眉根を寄せた。
空間の地震。空間震。
人類___世界を蝕む理不尽極まる現象。
その原因が彼女だなんて__
「ま……規模はまちまちだけどね。小さければ、数メートル程度。大きければ_____それこそ、大陸に穴が開くくらい」
言って琴里は両手で大きな輪を作る。
三十年前に確認された、最初の空間震__ユーラシア大空災のことを言っているのだろう。
「運が良かったわね、士織。もし今回の爆発規模がもっと大きかったら、あなた一緒に吹き飛ばされていたかもしれないのよ?」
「……っ」
確かに、その通りだ。
士織は今更ながら、身を竦ませた。
そんな士織の様子を見て、琴里は半目を作る。
「そもそも、どうして警報が鳴ってるのに外に出てたのかしら?自殺願望でもあるのかしら?」
「いや……だって琴里、これ」
士織はポケットから携帯を取り出すと、琴里の位置情報を、表示させた。やはり、琴里のアイコンはファミレスの前で停止している。
「ん?あぁ、それ」
しかし琴里は、懐から携帯を取り出して見せた。
「え……?貴女、何でそれ…」
てっきりファミレスの前にでも落としてきたのかと思っていたのだが。
琴里は肩を竦めると、ふぅと嘆息した。
「何で警報発令中に外にいるのかと思ったら、そんなことだったのね。私をどれだけ馬鹿だと思ってるのかしら、この姉は」
「…ってことは」
「多分、今士織が思ってることで合ってるわよ。__一回フィルター切って」
琴里が言うと、艦橋が一気に明るくなった。
とは言え、照明が付いた訳ではなく。天井から暗幕が一気に取り払われた様に。
____事実、士織の足元には青空が広がっていた。
「ひゃっあ!?」
驚く士織を他所に、琴里はお気に入りの玩具を自慢するかのような顔をしている。いや、どちらかと言えば、手塩にかけて育てた我が子を紹介する教育ママと言った感じだろう。
「この<フラクシナス>は空中艦なのよ。…それより、次はこのAST。精霊専門の部隊よ」
言って、折紙を含めた団体を指さす。
「精霊専門の部隊って……具体的には何をしてるの?」
士織が問うと、琴里は当然と言う様に眉を上げた。
「簡単よ。精霊が出現したら、その場に飛んで行って処理するの」
「処理……?」
「要はぶっ殺すってことよ」
「………っ!」
琴里の言葉をまったく予想してなかった訳ではない。
だが士織は、心臓を思い切り鷲掴みにされるかのような感覚に陥った。
「こ、殺す……?」
「ええ」
こともなげに、琴里が頷く。
士織はごくりと唾液を飲み込んだ。
言ってることは理解できる。
でも___いくらなんでも、殺す、だなんて。
ふと、士織の脳裏に、あの少女の顔が浮かんできた。
(__だってお前も、私を殺しに来たんだろう?)
少女があんなことを言った意味が、ようやくわかった。
そしてあの、今にも泣き出してしまいそうな顔の意味も。
「まぁ、普通に考えれば死んでくれるのが一番でしょうね」
特に感慨もなさそうに琴里が言う。
「な、なん…っ、でなの」
「なんで、ですって?」
士織が表情を歪めながらうめくように言うと、琴里が興味深そうにあごに手を当てた。
「何もおかしなことはないでしょう。あれは怪物よ?この世界に現れるだけで空間震を起こす最凶。最悪の猛毒よ?」
「だって琴里、言ったじゃない。空間震は、精霊の意思とは関係なく起こるって」
「ええ。少なくとも現界時の爆発は、本人の意思とは関わりないというのが有力な見方よ。__まあ、そのあとASTとドンパチした破壊痕も空災被害に数えられるけどね」
「……それは、そのASTって人たちが攻撃するからでしょ?」
「まあ、そうかもしれないわね。__でもそれはあくまで推測。もしかしたら、ASTが何もしなくても、精霊は大喜びで破壊活動を始めるかもしれない」
「それは……ないでしょ」
士織が言うと、琴里が不思議そうに首を傾げた。
「根拠は?」
「好き好んで街を壊すような人は……あんな顔、しないのよ」
それは根拠と呼ぶにはあまりに曖昧で薄弱なものだったが……何故だろうか、士織はそれを心の底から確信していた。
「本人の意思じゃないんでしょ?それなのに_____」
「随意か不随意かなんて、大した問題じゃないのよ、どっちにしろ精霊が空間震を起こすことに変わりはないんだから。士織の言い分も分からなくはないけれど、可哀想って理由だけで、核弾頭レベルの危険生物を放置しておくことはできないわ。今は小規模な爆発で済んでるけれど、いつユーラシア級の大空災が起こるかわからないのよ?」
「だからって……殺すなんて」
士織がしつこく追いすがると、琴里はやれやれと肩をすくめた。
「数分程度しか接点のない、しかも自分が殺されかけた相手だっていうのに、随分精霊の肩を持つじゃない。……もしかして、惚れちゃった?」
「っ、違うわよ。ただ、もっと他に方法があるんじゃないかって思うだけよ」
「方法、ね」
士織の言葉に、琴里はふうと、息を吐く。
「それじゃあ聞くけれど、どんな方法があると思うの?」
「それは___」
言われて、言葉が止まる。
頭では、琴里の言うことが理解できてしまっている。
出現するだけで世界に深刻な爪痕を残す異常__精霊。
それでも。たった一瞬だったけれど。
士織は見てしまった。少女の、今にも泣き出してしまいそうな顔を。
士織は聞いてしまった。少女の、悲痛な声を。
__ああ、これは、なにか違うと、思ってしまった。
「……とにかく」
士織の口は、自然と言葉を紡いでいた。
「一度……ちゃんと話してみないと…分からないでしょ」
あの時直面した死の恐怖は、未だ身体の奥底に刻まれている。
正直、逃げ出してしまうくらい怖い。
でも士織には、あの少女をこのまま放っておくことができなかった。
だって彼女は__士織と同じだったのだから。
そんな士織の言葉に、琴里はニヤリと唇の端を上げた。
「そう。__じゃあ、手伝ってあげる」
「え……?」
士織が口をぽかんと開けると同時、琴里が両手をバッと上げた。
令音を、神無月を、下段に広がるクルーたちを、そしてこの空中艦__<フラクシナス>を示すように。
「私たちが、それを手伝ってあげるって言ったのよ。<ラタトスク機関>の総力を以て、士織をサポートしてあげるって」
「な、何なのそれ。意味が__」
「最初の質問に答えてあげるわ。私たちが何なのか、を」
士織の言葉を遮るように、琴里が声を発した。
「いい?精霊の対処方法は、大きく分けて二つあるの」
「二つ……?」
士織が問うと、琴里は大仰に頷き、人差し指を立てた。
「一つはASTのやり方。戦力をぶつけてこれを殲滅する方法」
次に中指を立てる。
「もう一つは……精霊と、対話する方法。___私たちは、<ラタトスク>。対話によって、精霊を殺さず空間震を解決するために結成された組織よ」
士織は眉をひそめた。
「……それで、なんでその組織が私をサポートするって話になるの?」
士織が問うと、琴里はキャンディを口の中で転がしながらうなった。
「んー、まあ、士織は特別なのよ」
「説明になってないよ!?」
しかし琴里は不敵に笑うと、肩をすくめる仕草を見せてきた。
「まあ、その内わかるわよ」
「その内って…………。それで、話をするって具体的に何をするの?」
士織は気になっていた疑問を口にする。
「ああ。言ってなかったわね。精霊に_____恋をさせるの」
あっけらかんと答える琴里に、士織はまたも口をぽかんと開ける。
「……えっと、え?」
まだ理解出来ない、と言う様子の士織に、琴里は再度口を開く。
「だから、精霊と仲良くお話してイチャイチャしてデートしてメロメロにさせるの」
「だ、だから、何でそれで空間震が解決するの?」
「んー…武力以外で空間震を解決しようとしたら、要は精霊を説得しなきゃならないわけでしょ?」
「そうだね」
「そのためにはまず、精霊に世界を好きになってもらうのが手っ取り早いじゃない。世界がこんなに素晴らしモノなんだー、ってわかれば、精霊だってむやみやたらに暴れたりしないでしょうし」
「な、なるほど?」
「で、ほら、よく言うじゃない。恋をすると世界が美しく見えるって。____と言うわけでデートして、精霊をデレさせなさい!」
琴里の言葉に、士織はこれ以上ない程困惑している。
それもそうだ。
訳が分からない。
___でも、あんな顔をしてしまう程に絶望している少女を、助ける為には、これしか方法がないのも分かっている。
全てに納得しているわけじゃない。
でも、出来ることをしたい。
そんな優しさに溢れた士織は、決意するよう拳を握ると、琴里に言葉をかけた。
「……琴里たちが手伝ってくれれば、私はあの子を助けられるんだよね?」
「ええ、約束するわ」
琴里に最後の確認をして、士織は。
「……わかった。私、やるよ」
そう、声を出した。
士織のこの言葉を聞いた琴里は、嬉しそうに唇の端を上げた。
「____よろしい。今までのデータから見て、精霊が現界するのは最短でも1週間後。早速明日から訓練よ」
「え……?くんれん…?」
士織は、呆然と呟いた。
如何でしたでしょうか?
未だに百合要素が本当に少なくて
作者自身、少し困ってます。
「あれー?こんな筈じゃ…」
ってなってます。
ですので、ご慈悲を下さい。
さぁ次回は、遂に士織ちゃんが、学校で告白しまくる。
あの回でございます。
ではでは!次回もお会い出来たら嬉しいです。