作者は「アニメ第一期」「アニメ第二期」「映画」を視聴済みですが、残念ながら細部までは覚えておりません。そのため、設定矛盾等が見受けられるかもしれませんが、そこはあたたかく見守っていただければ幸いです。
拙い作品ではありますが、少しでもお楽しみいただけることを願いつつ...。
わたし、綺羅サクラ、国立音ノ木坂学院高校1年生!一生懸命に受験勉強して無事に第一志望の学校に通うようになったわたし。けれども、そんな気分最高なわたしを待っていたのはなんと…。
「えぇぇぇぇ!?廃校!?真姫ちゃん、それってどういうこと!?」
「サクラ、ここしばらく病気で休んでたじゃない。その間に、理事長から発表があったのよ。入学希望者数が募集人数よりも少なかった場合は、わたしたちが最後の音ノ木坂の生徒として卒業した後、廃校だそうよ」
「がぁーん!わたしが休んでいた間にそんなことが!」
「ていうかさ、掲示板見なかったの?廃校のお知らせが一面に張ってあったわよ」
クールにわたしの質問に答える真姫ちゃん。いやぁ~、かっこいいし、可愛いよねぇ~。わたしは真姫ちゃんと話ながら、真姫ちゃんの魅力を考える。うん、パーフェクトだね!
「ゔぇ、別に、そ、そんなことないわよ」
真姫ちゃんは髪の毛を右手でいじりながら、恥ずかしそうに呟いた。
「あれ?わたし、心の中でしかしゃべってないのに?なんで?」
「…思いっきり声に出てたにゃ」
「うん、わたしにも、聞こえてたよ」
「おぉ、凛ちゃん、かよちん、おはよう!久しぶり!」
わたしの大切な友だち、凛ちゃん、かよちん!ふたりは性格正反対のコンビだけど、幼馴染でとっても仲良し。今ではそこに真姫ちゃんとわたしも加わって仲良し四人組だ。
「「おはよう、サクラちゃん」」
それは、そうと、わたしの考えていたことは、すべて口に出ていたらしい。ちょっと、恥ずかしいな。わたしはそう思って顔を紅く染めて俯いた。
「サクラちゃん、可愛いにゃー」
「うん、恥じらいが最高だね」
「そうね、こういう天然なところが、サクラの良いところよね。ま、幼馴染の私はもっともっとこの子の可愛いとこを知ってるんだけどね」
凛ちゃん、かよちん、真姫ちゃんの順にわたしへのコメントが入った。嬉しいような、恥ずかしいような、何とも言えない不思議な感じ。てか、かよちんのコメント、おかしくない!?なんか、キャラが崩壊してるよ!みんなの会話はそんなわたしのことなど、おかまいなしとでも言うかのように、勝手に進んでいく。
「何を言ってるにゃ、わたしの方がもっとサクラちゃんの可愛さを語れるよ」
「何よ、私と張り合うつもり!?言っとくけど、私のサクラへの愛は山より高く海よりも深いのよ。ここ最近でサクラの友だちになった凛に負けるわけないじゃない」
そう言って真姫ちゃんは徐に席を立ち上がり、凛ちゃんをにらみつける。しかし、ここで引き下がる凛ちゃんではなかった。引き下がってくれれば良いのに。
「へぇ、言ってくれるじゃない」
真姫ちゃんの真正面に立って、全くたじろぐことなくにらみ据える凛ちゃん。
「あぁ、またこのパターン?これで何回目?そろそろいい加減にしたらどう?」
「「サクラ(ちゃん)は黙ってて!」」
仲が良いのか悪いのか、揃いも揃って同じことを口にする二人。うん、基本的には仲良しなんだよね。ただ、なぜかわたしのことになるとヒートアップするのはどうかと思う。
「良い、サクラ?世の中にはね、引けない勝負っていうのがあるのよ」
「そういうこと。サクラちゃんのことを一番知っているのは凛だって証明しなくちゃいけないの!」
ああ、はい。そうですか。お疲れさまです。私はため息交じりに二人の口論の行く末を見守ることにした。
「今日は凛からいくよ!」
「好きにすれば。私は負けないわ!」
火花を散らす熱い戦いがここに始まった。本当にくだらない戦いだけどね。
「サクラちゃんがお風呂に入って一番最初に洗うのは、頭。じゃ、その次はどこ?」
おい、凛ちゃん、なんという質問をしてくれるよ、君は!
「ふ、簡単過ぎて話にならないわ。左腕よ。」
「むむむ…悔しいけど正解だにゃ」
「当たり前でしょ、私を誰だと思ってるのよ」
真姫ちゃん、なぜそこでドヤ顔でふんぞりかえってるのかな?というか、君たち、なぜわたしのプライバシーを侵食して余りあるような情報を知ってるし。
「ああ、わたしも知ってるよ。3番目に洗うのは右腕、その後に首の順番だよね?」
さっきまで残念ながら半ば空気と化していたかよちんからの痛恨の一撃。綺羅サクラのHPはゼロになった。目の前が真っ暗になった。
「かよちん、君のポジションとしては、口論してる二人を見て、『誰か助けて~』じゃないの?」
あきれ混じりにかよちんに問いかけるわたし。
「だって、わたしもサクラちゃん大好きだから、二人にだって負けたくないし」
花咲く笑顔でのたまうかよちん。ダメだ、わたしの味方はいないらしい。
「ああ、誰か、助けて~」
机に突っ伏しながらボソッと呟いた一言。わたしの心からの嘆きだ。まったくもう。すると、突然私の席の右後ろから『ガラガラ!ドン!』という音がした。遅刻間際の生徒の駆け込みだろうか?そう思って後ろを見ると、息も絶え絶えに走り寄って来る3人がいた。
「サクラ、呼びましたか!?」
「サクラちゃんがピンチと聞いて走って来たよ!」
「サクラちゃん、お姉ちゃんが守ってあげるね」
「…。なんで、先輩たちがここに居るんですか」
突然の乱入者こと、2年生の先輩たち。海未先輩、穂乃果先輩、ことり先輩だ。先輩たちとは、入学式の日に声をかけられて以来親しくさせてもらっている。ちなみにその時に穂乃果先輩が発した第一声が「君、可愛いね、名前は?」というまるでナンパのような奇想天外な言葉だったことは記憶に新しい。普通ならそこは「入学おめでとう」とか、そういう典型的な挨拶から始まるものなのではないだろうか。そんな風に過去へとトリップするわたし。だが、言わせてほしい。おい、君らの教室この上の階だろうが。SHR始まるぞ。
「ん?なんでって?サクラちゃん、誰か助けてって呼んだよね?」
穂乃果先輩がさも当たり前であるかのように首を傾げながら、答えてくれる。
「いやいや、確かに言いましたけど、呟いただけですし、どう考えても聞こえる距離にいませんでしたよね?」
まさか私の席に盗聴器でも仕掛けているのか?もしくは地獄耳か。どちらにせよ怖い。
「言っておきますが、サクラ。私たちは盗聴器を仕掛けるような真似はしませんし、穂乃果はともかく、私とことりは地獄耳でもありません」
わたしの心は既に読まれていた。今回は本当に声に出していないんだけど。マジでなんなんだ、この学校。
「じゃあ、なんでわたしの所に駆け付けたんですか?」
「それは…」
そう言って顔を赤らめながらもじもじとする海未先輩。普段がクールビューティーなだけにギャップが激しい。これがギャップ萌えってやつか!?狙ってるのか!?
「それはね、さくらちゃん」
海未先輩の肩に手を置きながらわたしに可愛いらしい笑顔を向けてくることり先輩。
「それは?」
「それはね、お姉ちゃんたちの愛なんだよ」
えへん、となぜか偉そうにしていることり先輩。言っておきますけど、どこにも誇れる要素ないですからね。
「ということで、サクラちゃんの危機にわたしたちはいつでも駆け付けるのであります」
敬礼しながら、ニコニコと宣言する穂乃果先輩。ダメだ、この学校。早く、なんとかしないと…。いや、もう手遅れか。頭の中で白衣を着た医師が「残念ながら…」と言って病室を後にするドラマのワンシーンを思い出した。
「ちょっと、先輩だろうとなんだろうと、サクラへの愛はわたしが一番上よ」
少しムスッとした表情で真姫ちゃんが先輩たちに言った。
「あれ、真姫ちゃん?真姫ちゃんもこのクラスだったんだ」
「何言っているの、一年生一クラスしかないじゃない」
「そういえば、そうだったね。いや~、しかしサクラちゃんは今日も可愛いねぇ。その可愛さを一番知ってる私ってサイコー!」
全くもって的外れなことをいきなり笑顔で仰る穂乃果先輩。本当にこの先輩を誰かどうにかして下さい。
「だから!サクラのこと一番知ってるのは私だって言ってるでしょ!何度も言わせないで!」
真姫ちゃん、そろそろその話題終わらない?SHR始まちゃうよ。
「ちょっと、待って下さい!納得できません。サクラのことを一番大好きなのは私です。当然、私が一番知っています」
やれやれ、とわたしが肩をすくめてため息を吐いていると、後ろから海未先輩がまたもや問題発言。こういうのって火に油って言うの?
「ちょっと待って海未ちゃん。わたしはサクラちゃんのお姉ちゃん的存在だよ?ということは、わたしが一番サクラちゃんのことが大好きで、一番知ってるはずなんだけど?」
ことり先輩乱入!顔は笑顔なのに、こめかみの辺りがピクついてる!普段怒らない人が怒る怖いってこういうことだね…。てか、マジで怖いです、ことり先輩。
「それはおかしいにゃ!凛こそがサクラちゃんの一番なのに!」
「そうですよ、わたしがサクラちゃんの一番です!」
この修羅場に凛ちゃんと、かよちんまで介入。もう手のつけようがないよ。現状は真姫ちゃん、凛ちゃん、かよちん、穂乃果先輩、海未先輩、ことり先輩の6人がわたしの席の周りを取り囲むようにしてにらみ合っているというもの。いや、ホント、誰か!助けて~!
『キーン、コーン、カーン、コーン』
おお、ようやく待ちに待ったSHRの始まりを告げるベルが鳴ったよ。うん、今まで神さまなんて信じてなかったけど、この危機を救ってくれた神さまに感謝しよう。ありがとう。
「仕方がありませんね、今朝のところはここまでにします。けれども、いずれこの件については、どこかで決着をつけましょう。行きますよ、穂乃果、ことり!」
…え?まだ続きやるの?
こうして休み時間になる度にわたしの席の周りがカオスになるという恐ろしい事態が繰り返された。
「やっぱ、神さまなんて信じない!」