超次元ゲイムネプテューヌ 光の輪廻と闇の輪廻   作:超輪

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Episode12 無双と思いと成長

ルウィー コロシアム

 

表示されているモニターに、全ギルドメンバーや通りすがった人達が目を釘付けになっていた。驚きの声を漏らす人が居れば戸惑いを見せる人もいる。人が見ているモニターにはそれぞれ種類がある。「討伐クエスト」「ランクアップクエスト」「デュエル」そして「無双クエスト」

人が目を釘付けにして視聴しているのは無双クエスト。そこに映っているのは、白く美しい髪の毛が静かに靡く太刀を扱う1人の女性だった。

 

電子空間

 

《新次元ゲイムネプテューヌV2 Voltage》

 

[サクラ]

 

アタシは今、無双クエストのついでに己の実力を極めようとここに修行している。モンスターの数は1000、大将が50存在する電子空間にアタシは居て、フィールドの位置としては中心にいる。

 

サクラ「月詠流(つくよみりゅう)三日月(みかづき)!」

 

スライヌやロボットに囲まる位置に居るアタシは広範囲攻撃を繰り出す。三日月の斬撃波を全方位に放つ。斬撃波によって次々と真っ二つされていく雑魚敵は食らった順から徐々に消滅していく。しかしすぐにも別の雑魚が向かってくる。休む暇を与えさせないこの修行こそ、戦いに集中させる精神力を鍛えさせる。

 

サクラ「はぁー!」

 

アタシは向かってくる雑魚の群れへ走っていく。そして雑魚がアタシの太刀の射程内に入った瞬間、刹那の煌めき、居合い技で次々と雑魚を一閃し、遅れて現出する斬波が追加攻撃で更に一閃。この技こそアタシの基礎。

 

サクラ「せぃ!はぁ!」

 

向かってくる雑魚をただひたすら一閃する。やがて陣地に着くと大将が立ち塞がる。

 

グルルルゥゥ……

 

この大将は危険種「フェンリル」だ。アタシは一旦止まり、居合いの構えをとる。相手の動きを見て仕掛けようと考えた。そして先に動いたのはフェンリル。飛び掛りに動いた。

 

グルルルアァ!

 

真っ直ぐに飛び掛るフェンリルをアタシは右に避ける。右に避けたアタシに鋭い爪で更に仕掛ける。アタシはその攻撃にも最小限の動きで回避する。

 

サクラ「貰った!」

 

フェンリルの左手に着いたところでアタシは反撃する。居合い技でフェンリルの左手首を一閃し、フェンリルのバランスを崩させる。

 

グルゥ!?

 

切り離された左手首は機能を失い、その場で倒れる。しかし痛みは感じていないようだ。まあここは電子空間、相手は全てデータ上だからね。

 

サクラ「月詠流(つくよみりゅう)十二刀(トゥエルブサーベル)!」

 

居合い技の1つ。対象に十二の斬撃が現出し食らわせる。

見る者からすれば、アタシの斬撃は一振りだと思うだろう。でも実際は違う。並の目では追いつかない早さで剣を振っているのだ。

倒れていたフェンリルは回避する余地もなく、十二刀(トゥエルブサーベル)によって微塵切りにされ消滅した。

 

そして大将がなくなったこの陣を制圧し、周りの雑魚が消滅する。

 

サクラ「この技は強いけど、電子空間の中だからこそ使える技なんだよね。生き物にやったらとんでもない事になる……」

 

アタシは平気だけれど、周りがどう思うか……

 

月詠『サクラ。まだ無双クエストは終わっていません』

 

アタシの隣に、薄く見える姿で現れた月詠がアタシの集中力が一瞬緩んだ事に気付き、声を掛けてきた。

 

サクラ「分かってるよ。月詠」

 

アタシは力を持つ者として、ネプテューヌさん達に恩返しとして力になりたい。それにあれから数日経った今、月下乃刀(げっかのとう)舞桜(まいざくら)を持ってからたまに思う事があった。この剣を持つ時に必ず「アダスオラの足を引っ張っちゃだめだ」そういつも思う。何故かはアタシにも分からない。ただ剣を持つ時にだけ、当たり前のように思うのだ。

 

サクラ「さあて、残りもやっちゃいますか!」

 

気を取り直して無双クエストの遂行する。自己修行して、月詠に色々教えて貰って、己の強さを磨く。次は足でまといにならないように。

 

 

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ルウィー 教会 ブランの寝室

 

《東京ザナドゥ X.R.C.》

 

[アルブム]

 

アルブム「体調はどうですか?ブランさん」

ホワイト「だいぶ良くなったわ。でも少し体を動かすと痛むわね」

アルブム「あまり無理しないで下さいね」

ホワイト「えぇ。ありがとう」

 

あれから一週間、ブランさんの様子を見ている。サクラさんとピーシェさんは治療知識があまり豊富ではないらしく、仕方なく僕と大きなロボットの優しい方と2人でブランさんのリハビリをしている。でもブランさんの状態は見た目に寄らず大きなダメージを負っていた。骨折は幸い無かったが、体全体、主に背中部分の骨に小さなひびが入っていた。その影響で体を動かす度に体の激痛がブランを襲う。また幸い、女神の体であるお陰で、普通の人と比べて回復が早い事が分かった。それを知った時は本当にほっとした。僕はブランの面倒を付きっきりで見ているから、恥ずかしながらずっとブランさんの寝室にいる。何故ならブランさん直接僕に頼んできたから。どうして僕何だろう?そう思うけれど、一緒に面倒を見ているロボットが……

 

???「調子はどうだ!ブラン!」

ホワイト「声が大きわよ。アルブムがまたびっくりするわよ」

アルブム「だ、大丈夫ですよブランさん。コピリーエースさんも相変わらずですね」

 

噂をしたらなんとやら本人がやって来た。コピリーエース、彼が僕と一緒にブランさんのリハビリをしているロボットで、とにかく気合が凄くて暑苦しい。だからブランさんはコピリーエースさんじゃなくて僕を寝室に残らせようとしたんだと思う。彼はドアの前に居るがまず何より、キャタピラーで部屋に入るのも流石に分かる。仕方ない事なんだと僕は思った。

 

コピリーエース「いやーすまないね!これが俺様の素なんでな」

ホワイト「体調は万全とは言えないけど、元気よ」

コピリーエース「それは良かった!仲間の元気な姿を見たら俺様も元気になってきた!それじゃあ俺様はまた仕事に戻る。任せっきりですまないけど、よろしく頼むぞ!アルブム!」

アルブム「わ、分かりましたから大きな声をあげないで下さい」

コピリーエース「ハッハッハッハ!」

 

ブランさんの様子を見に来ただけなのか、特に何事もなく大きな笑い声をあげながらその場を後にした。

彼もリハビリを手伝っているが、気持ちを保たせるだけの役割なんだと思う。決して曇らず仲間を励ます彼の行動は本当に羨ましいと思った。体と心は一心同体と言う説があるのだけれど、ちょっと分かる気がする。

 

ホワイト「少し寝るわ。好きな本を読んでもいいから、また寝室に残って欲しいの。いいかしら?」

アルブム「あ、はい。大丈夫ですよ」

ホワイト「ありがとう。それじゃあおやすみなさい」

アルブム「おやすみなさい。ブランさん」

 

僕はブランさんの言う通りに、また寝室に残るように言われた。正直そろそろ誰かと交代したいと心に止めている。それに気持ち良さそうに寝るブランさんの仕草は僕としてなんだかドキドキしてくる。視界にブランさんが映らないように近くにある本棚に手を伸ばす。余程読書好きなのか本は沢山並ばれている。僕も読書好きだから楽しみではあった。これなら2人っきりの空間を気にせずに居られる。そう思った。

 

アルブム「…………」

 

本に手を付けようとした時、僕は手を止めた。

 

アルブム『そう言えば、どうして僕は読書好きなのかな』

 

人それぞれ趣味がある。それにはもちろんきっかけと理由がある。ゲームが好きなのは楽しくて夢中になれるからとか物作りは奥が深くて、作った物が使われる時の達成感がいいとか、主に楽しいからていうのが定番。でも僕には自分がどうして読書好きなのかが分からない。確かに本が好き、でも何故かが分からない。好きだからって理由で大体済むけど、僕の場合そうじゃない気がする。好きだからと思うと自然に顔を横に振る。どうでもいいかも知らないけど。

 

アルブム『気にしても仕方ないよね』

 

読書好きの理由を考えるのを止めて、とりあえず本に手を掛けて取る。

 

アルブム「この本はなんだろう?」

 

模様1つなく、題名も無い。厚さが薄い本を僕はとった。試しにページを(めく)って読んでみる。

 

 

アルブム『豆乳には良質のタンパク質が含まれており、栄養値が高い特性を持っている。毎日1杯飲むとA〜Cまで…………』

 

僕は男として読んではいけない本を読んでしまったかも知らない。ブランさんごめんなさい。まさか手に取った本が胸を大きくする方法が書かれた本だと思わなくて……

僕はそっと本を戻して、何も無かったかのように最初の状態に戻す。幸いブランさんは寝ていたから気づく可能性は極めて低いけど、起きた時ちゃんと謝ろう。黙っているのもなんだが罪悪感があるしね。

 

アルブム「やっぱり僕も寝てようかな」

 

本を読んで暇を潰すのを諦めて、少し仮眠を取ることにした。その方が1番いいと僕は思った。それにブランさんの隠された一面を知った僕は、本に集中したくてもしきれないと思うし。

 

アルブム「えと、今10時だから11時30分近くまで寝ていよう」

 

時計を確認して、目を覚ます時間を決めてからすぐに寝ようとベッドよりにイスを置き、座って目を閉じる。そうしていたらすぐに眠気がやって来て、2分もしない内に睡眠に入った。2人っきりで寝ている寝室は、同じ大人しい者同士の静かな空間となった。

 

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ルウィー中央公園 紅葉園

 

《超次元ゲイムネプテューヌ The Animation promise》

 

ピーシェ「は〜」

 

公園のベンチに座っている私は三日前から悩みを真面目に抱えるようになった。

 

ピーシェ「んー……」

 

ガムを噛んで風船を膨らませながら空を見る。こんなに考えるの、エディンの国の事を考える以外で初めてだ。昔の私だったら、考える事なんて遊んで忘れる毎日だった。でも今回は違う。

 

ピーシェ『女神になった人は、一生成長しないってママやねぷてぬ達に聞いたけど、じゃあなんで女神の私が成長してるんだろう?』

 

そう言えば、今になって思い出した。自分の体が成長し始めたのは、丁度あの【扉】が初めて現れてからなんだよね。じゃあ原因は【扉】にあるのが普通だけど、それじゃあどうやって、何があって私は成長したの?初めて【扉】に入ったのなんてあの森林が初めてだし【扉】に原因があるなら入った後に私の体が成長する筈なのに、入るずっと前に私は成長している。じゃあ初めて現れた時だったら、私は何がどうやって関わったんだろうか……

 

パァ!

 

ガム風船が小さな声をなって破れた。破れた風船を回収してまた噛み続ける。

 

ピーシェ「そう言えば、どうやってなったんだっけ?そもそも」

 

(エディン)を作ってから今、本当に今更な思いついた。女神メモリー自体私は見てないし触れた記憶もない。意識が無い時に触れたとか?有り得そうだけど、使った時には必ず意識はある筈だし、女神になった瞬間なんて忘れられやしない。じゃあなんだろう?

 

???「となり……いいかしら」

ピーシェ「へ?……あ、はい。どうぞ」

 

頭の中で呟いてたら、隣に仮面を被った茶髪のセミロングの黒ずくめの女性が私に訪ねてきた。席を譲り、座ってきた。仮面を被った人なんて初めて見たけど、案外いるもんだね。でも声に聞き覚えがあるのは気のせいかな?

 

???「紅葉……綺麗だね」

ピーシェ「そ、そうですね。好きなんですか?」

???「えぇ……昔、お兄ちゃんに見せてもらって気に入った」

ピーシェ「そうですか」

 

私は紅葉が大好きって訳じゃないけど、見て綺麗だとは思える。昔、ねぷてぬにクエストのついでに連れてってもらった事があるけど、その頃の私は紅葉の魅力なんて分からなかった。

それにしても、やっぱり気のせいじゃない。この声、どっかで聞いたような気がする。

 

???「あなた、悩んでいるような表情をしていたけれど、何かあったの?」

ピーシェ「え?私、そんな顔してましたか?」

???「えぇ」

 

相当悩んでたんだな。成長はいい事、でも私の場合はそれが謎なのよね。

 

ピーシェ「まあ……色々……」

???「そう……隣、ありがとう」

ピーシェ「あ、いえ……」

???「また縁があったら、どこかで……って言っても、また会うけどね……」

 

 

ピーシェ「え?」

???「何でもないわ。あなたは何に悩んでるかは知らないけど、きっと解決出来ると思うわ。それじゃあ、良い1日を」

ピーシェ「あ……はい……」

 

ベンチから立った後、意味深な事を口にしてその場を歩いて去って行った。なんだか不思議な人だと私は思った。仮面の女性、もしかして悩んでいた私を慰めようと隣に来たのかな?世の中は見た目じゃないね。

 

ピーシェ「あ、もう12時だ。教会に戻ると」

 

気づいたら、公園の時計には短い針が12時を指そうとしていた。私はベンチから立って公園を後にする。実は料理をするのは私。ホワイトの昼食やアルブムとコピリちゃんのも作らないとね。

 




サクラ達はその日、個人で動いていた。サクラは特訓、アルブムはホワイトの面倒、ピーシェは悩み事の考え。それぞれの時間を過ごして1日を終えた。

一方その日のプラネテューヌではプルルートが心配だったノワールがやって来ていた。一週間眠っていたプルルートが目が覚め、ネプテューヌとノワールは嬉しい気持ちでいっぱいになり、心配していたイストワールやアイエフ達を呼ぶ。そして念のため、ダークメガミがこっちにも現れた事を伝えるべく超次元のイストワールに連絡を取る。無事連絡が繋がるがイストワールは少々疑問に思う点を持っていた。その内容にネプテューヌが驚く。

次回
Episode13 ハザマ
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