牙狼〈GARO〉 -女神ノ調べ-   作:らいどる

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今回はちょいと短めです。


第25話  夢幻/Ⅱ

 

 

 

「――君の経過を診る度に、人体の常識というものが崩れそうになるよ」

 

清潔・滅菌が徹底された真っ白な診察室。

上半身を露にした彩牙の前でこの西木野総合病院の院長――真姫の父は呆れたようにそう呟いた。

重傷を負って倒れていた彩牙の手術の執刀、治療、そして主治医としてその後の経過観察を行っていたのは他でもない彼だった。今日もこうして退院後の彩牙の傷の具合を診るための定期検診を行っていたのだ。

そんな彼がこうして頭を抱えている姿に、彩牙は疑問符を浮かべていた。

 

「順調に治っているのであれば何も問題ないのでは?」

 

「……いいかね君、普通の人間は生死の境を彷徨うほどの大怪我を負って一週間もしないうちに退院はおろか傷が塞がるようにはできていないのだよ」

 

おまけにあれだけの重傷で後遺症が全くないなど――というぼやきも彩牙には届いていないのか、不思議そうに首を傾げていた。

そんな身体も思考も常識外れの患者を前に、真姫の父は気を取り直すように息を整える。

 

「ともあれ、経過は問題ない。これならもうここに来なくても大丈夫だろう。 ――生傷が日に日に増えているのは気になるがね」

 

最期の呟きに耳が痛くなりながらも、「ありがとうございます」と頭を下げる彩牙。

あの日死にかけていた自分の命を繋ぎとめ、現世に踏み止まらせてくれたのは他でもないこの人なのだ。“彼女たち”に起きている騒動の原因の一人であるとはいえ、それとこれとは話が別だった。

――そう、思えば今日ここに来たのは定期健診を受けるだけが目的ではなかった。

 

「……そういえば、俺が世話になっている園田家の跡取り――海未がスクールアイドルという活動をしているようなのですが――

 

 

 

――先生の娘さんも参加している、とか」

 

 

 

**

 

 

 

――その日は、良く晴れた日だった。

秋晴れの下、見上げる西木野邸の姿は見た目以上に大きく見えた。自分たちがこれから挑もうとしている、立ち塞がる『壁』が如何に強大で堅牢であるのかを表している――そんな錯覚を抱かせているほどに。

その圧に呑み込まれそうになり、いけない――と首を振る。今日ここに来た目的を思えば、こんなところで二の足を踏んでいるわけにはいかない。

 

「それにしても、直接会うことができたのは幸運だったわね」

 

絵里の言う通りだ。

海未自身、ここまで簡単に真姫の父に会うことが叶うとは正直思ってもみなかった。

真姫の父からしてみれば、自分たちは娘をワケのわからない道に引き摺りこんで勉学を妨害し、将来への障害となる――極端な言い方をすれば悪い虫の類だ。

そんな相手からの申し出を受け、直接話をする機会を設けてくれるなど――少なくとも最初のうちは会うことはできず、何度かコンタクトを取る必要があるだろうと思っていただけに、この展開は想定外だった。

 

「案外、話の分かる人なのかな?」とことりが言うが、楽観視はできない。

話を聞いてくれるからといってこちらの望みに応えてくれるとは限らない。むしろ真っ向から言い負かされて望みが潰えてしまう可能性だってあるのだ。

それに、危惧することはもう一つある。

 

「もしここで真姫のお父上を説得することができなかったら……」

 

「打つ手が無くなる――やね」

 

仮に説得に失敗すれば、再び話に応じてくれる可能性は限りなく低い。それどころか聴く価値はないとして門前払いにされ、説得することはできなくなってしまう。

そうなれば真姫をμ’sに連れ戻すことは二度と叶わなくなってしまうだろう。それだけは何としても避けなくてはいけなかった。

 

「……大丈夫だよ」

 

静かに、それでいて力強い呟きに、皆の視線が集中する。

そこには普段の朗らかさは鳴りを潜め、凛々しく真剣な表情の穂乃果の姿があった。

そんな彼女と視線を交わし、互いに頷き合う海未。彼女の勇気を受け取り、最初の一歩を踏み出した。

 

 

――帰ってきてください、真姫……

私たちには――あなたが必要なんです!

 

 

 

**

 

 

 

――その日は、良く晴れた日だった。

気持ちいいほどの秋晴れの下、街中を歩く真姫の心はその空模様に反して暗く濁り、澱みきっていた。

父親からの言いつけによりスクールアイドルを続けられなくなった――だけではない。それを境に見るようになった悪夢により、精神を磨りきらされていったからだ。

 

はじめに見た両親の惨殺死体――あれはまだ序の口でしかなかった。

自分が殺される夢。

皆から『裏切り者』と罵倒され、蔑まされ、汚物のように扱われる夢。

よくわからないモノに辱められ、人としての尊厳を奪われる夢。

医者になることができず、両親から生まれたことを否定される夢。

憎しみに駆られたμ’sの皆が、両親を殺す夢。

 

数多くの悪夢が昼夜・状況を問わずに襲い掛かり、真姫の精神は限界寸前だった。

正直、こうして外を出歩くことさえ苦痛であった。道行く人の顔や晴れ模様の空を見る度に、『なぜ自分ばかりがこんな目に』という不快感が沸き上がるのだ。向こうが悪いわけではないとわかっているのに――だ。

それはμ’sの皆に対しても同様だった。彼女たちの顔を見る度にもやもやとした感情が沸き上がり、自己嫌悪に繋がっていく。だから学校でもなるべく彼女たちと顔を合わせないようにした。彼女たちを嫌いになりたくなかったし、これ以上惨めな思いをしたくなかった。

 

そんな真姫がこうして外を出歩いているのは、ある人物に会うためだ。

誘いが来た時、最初は断るつもりだった。会いたい気分ではないから――顔を合わせてしまえば八つ当たり気味に恨み節をぶつけてしまいそうになるから。

だが知らない仲でもなく――仮にも助けられたこともあり、どうしても会わなければいけないと有無を言わせない勢いで詰め寄られた結果、真姫が折れたことでこうして会うこととなったのだった。

 

そうしてしばらく歩いた頃、待ち合わせ場所となっていた公園に辿り着いた。

休日の真昼間にしては珍しく子供の姿も見かけない中、時計の下に待ち合わせ相手が――

 

「……来たか。 待っていたぞ、西木野さん」

 

「……そこ、嘘でも今来たところって言うべきじゃないの」

 

 

――村雨彩牙が、そこにいた。

 

 

 

**

 

 

 

それは、何の前兆もなくやってきた。

自らの心身を苛む悪夢によって最悪な目覚めを迎えた朝、真姫を出迎えたのは母の声ではなくスマートフォンからの着信音だった。ごちゃごちゃと纏まらない思考のまま見覚えのない番号からの着信――今にして思えばあまりにも不用心だった――に出ると、その相手こそが彩牙だったのだ。

 

「どうしても大事な話がある。二人で会えないだろうか」

普通ならばこんな下心満載な台詞に応えることなどなかっただろう。だが彼女自身でも驚くことに、真姫はその誘いをあっさりと受けた。

悪夢に苛まれた上に寝起きだったためまともな思考回路をしていなかったからかもしれないし、彩牙の言葉から邪な感情を感じ取れなかったからかもしれない。――無論、彼がそんな人間ではないことくらいは知っているが。

 

 

そんな経緯で彩牙と会った真姫は今、屋根付きの休憩所の下で彼から手渡された缶ジュースをちびちびと飲みながら、周囲を見回す。

――やっぱり、あまりにも人気がない。確かにこの公園はあまり人が来ないことで知られているが、それでもここまで人の気配がないのは珍しい。

そのまま隣の彩牙に視線を向ける。彼はこの状況に何の違和感も抱いていないのか、平然とした表情で缶コーヒーを飲んでいる。

そんな姿を見て心に浮かんだ言葉が、ぽろりと真姫の口から零れる。

 

「……それで、何の用よ」

 

ここへ向かう途中から、真姫はずっとそのことを考えていた。

実を言うと思い当たる節がないわけではない。自分がμ’sを抜けたことは海未から聞いているだろうし、大方そのことについてなのだろうと思っていた。

――そう考えていながらこんな捻くれたような言い方をする自分に、嫌悪する自分もいる。

 

「μ’sを――スクールアイドルを辞めたようだな。親に言われたから、と」

 

やっぱりそのことか――と、心の中でため息をつく。

そして続けて言うのだ、『自分の気持ちに素直になれ、やりたいようにやるべきだ』と。

正直なところ、余計な口出しをしないでほしいと思っている。自分がどんな思いでμ’sを抜けることを皆に告げたのか知らないくせに、わかったようなことを言わないでほしい。

――そんな思考にまた嫌悪する。

 

「――が、まあそのことは海未たちが何とかするだろう」

 

「…………は?」

 

だからこそ、その言葉に真姫は呆気にとられた。

心配する必要など何もないとでもいうようにあっけからんと言い放つ彩牙は、飲み干した缶コーヒーを手摺の上に置き、真姫の方へと振り向いた。

僅かに険しくなったその表情に、真姫は慄くと同時に既視感を抱く。

確か……彼がこういう表情をするときは――

 

「俺が聞きたいのは――西木野さん、最近悪夢を見るようになったんじゃないか?」

 

「……な、なによ……それ」

 

「例えば――親や友が殺される、辱められる、生まれたことを否定される……それも何度も、時間や場所を選ばずに――な」

 

「……!」

 

「図星のようだな」と言われて、真姫の心がびくりと跳ね上がる。

何故そこまで知っているのか。μ’s経由で最近の様子から推理したにしても、何故悪夢を見ていること、その内容まで知っているのか。

そもそも――何故、そんな訳知り顔で話しているのか。

 

「単刀直入に言おう。 ――西木野さんはホラーに狙われている。人界に現れるためのゲートとしてな」

 

「…………は? な、何言って……!?」

 

「このまま放っておけば西木野さん自身がゲートになり、ホラーに憑依される――そう言ったんだ」

 

その言葉に背筋が凍り、肩をぎゅっと抱きしめる。

――私がホラーになる?あの醜い化け物になる?なんで?どうして?

本能のまま人を喰らい、時には自分たちにも襲い掛かってきたホラーの姿が脳裏に浮かび、自分もそれに成り果ててしまうという恐怖と絶望が真姫を支配していく。

 

「なんで……? なんで私なのよ!?」

 

『さあな。奴がどういう趣味嗜好でお前さんを選んだのかはわからんが……“運が悪かった”としか言えんだろうな』

 

「なによ、それ……そんな適当な理由でどうして私が! ……わたしが……!」

 

 

「――だからこそ、こうしてここに呼んだんだ」

 

絶望を遮るような力強い言葉に、顔を上げる真姫。

全く揺らぐことのない力強い眼を向ける彩牙の姿がそこにはあった。

 

「俺が守る。西木野さんがホラーにされる前に必ず奴を斬る」

 

 

 

 

「だから先に謝っておく。―――すまない」

 

「え」と言う暇もなく、真姫の腹部に鈍い衝撃が走った。

震える視線を下に向ける。彩牙の手に握られていた魔戒剣の赤い柄が、真姫の腹を突いていた。

なんで、と疑問が浮かぶ中、真姫の意識は闇の中に落ちていった。

 

 

 

 

 

 

――素早く済ませよう。

意識を落とした真姫の身体をベンチの上に寝かせた彩牙は、懐から金の縁が付いた平面の水晶を取り出した。

レンズのように光が屈折しているそれを横たわる真姫の胸の上にそっと置くと、今度は魔戒符を取り出して水晶の上に翳した。すると水晶の表面に魔戒符に刻まれた印と同じ紋様が浮かび上がり、それに呼応するように魔戒符の印も淡く光りだした。

 

「これで準備は整ったか」

 

『ああ、いつでも嬢ちゃんの中に飛び込めるぜ』

 

 

これが、今回の指令にあたってオルトスから渡された魔導具だった。

曰く入心の術――闇斬師が用いる心の中に入り込む術――の術式をアレンジして魔導具として組み込み、内なる魔界へと侵入できるようにしたものだと云う。

ただし制限がある。一つ、対象が意識を失っていなければならない。二つ、侵入できるのは人間の魂のみで魔導具の――ザルバの意識は入ることができない。そのための前準備として、人払いの結界を張った公園を準備したのだ。

そして三つは――

 

「内なる魔界で魂が消滅すれば現実の肉体も死ぬ……か」

 

『怖気ついたか?』

 

「まさか。いつもと変わらないだろう」

 

敗れることがあれば己は死に、守ろうとした人も死ぬ。

いつもと変わらない単純明快な答え。違いはその場が現世か否か、それだけの話だ。

魔戒符を己の額に貼り付け、真姫とは向かい側のベンチに腰掛ける彩牙。

魔戒符と水晶から放たれる光が段々強くなっていき、それに応じて彩牙の意識もゆっくりと落ちていく。

 

「こっちのことは任せたぞ」

 

『あいよ。精々気張ってきな』

 

 

 

**

 

 

 

「「「――お願いします。どうか真姫さんと一緒に活動させてください!!」」」

 

――西木野家のリビングに通された、真姫を除いたμ’sメンバーたち。

彼女たちは今、向かいのソファに腰を掛けている男性――真姫の父に対して深々と頭を下げていた。

娘と同じ年頃の少女たちが一斉に頭を下げて懇願する光景を前に、彼は最初から見せていた威圧感を抱かせるほどの毅然とした態度を微塵も崩すことはなく、眼鏡の下から感情の読み取れない視線を向けていた。

 

「私たちには、真姫ちゃんが絶対必要なんです!」

 

必死な表情を浮かべた穂乃果の言葉を浴び、真姫の父はその必死な姿に胸を打たれる――なんてことはなく、微塵も動じる様子を見せなかった。

 

「……申し訳ないが、真姫には医者になるために勉強する時間が必要だ。無駄なアイドル活動如きに割ける時間はないのだよ」

 

「ごときなんてひどいニャ!」

 

「そうよ!真姫だって続けたいって泣いてたのに――!」

 

真姫の父の冷酷なまでの言葉に憤る凛とにこ。

感情を爆発させる二人を窘める絵里を横目に、海未は幸先の悪さを感じ取っていた。

真姫の父は思っていた以上に強敵だ。穂乃果の必死な訴えはおろか、凛とにこの怒りにさえ感情の動きを感じ取らせない。その瞳の奥で自分たちにどのような印象を抱いているのか――それこそ娘の友人には相応しくない無礼な少女たち、と冷徹な評価を下しているのかもしれないのだ。

そんな中、真姫の父はゆっくりと、静かな声色で口を開いた。

 

「君たちの話は聞いている。廃校になる母校を守りたいがためにスクールアイドルを始めたと。 ……妻の母校でもあるし、その想いを無下にするつもりもなかったからこれまでは黙認してきた」

 

「っ! でしたら――!」

 

「そして廃校は無事に阻止された。ならば真姫がこれ以上スクールアイドルを続ける意味が一体どこにあるのかね?」

 

 

 

「――改めて聞こう。将来のために必要な時間を犠牲にしてまで、真姫がスクールアイドルを続ける意味があるのかね?」

 

 

 

**

 

 

 

「―――っ、ぐっ……!」

 

意識が引き戻されると同時に、全身に掛かる浮遊感と落下する感覚。

意識が覚醒した彩牙の目に映ったのは、淡い光に包まれながらもどこまでも深く、底の見えない奈落のような空間と、その中で落下していく自分自身だった。

ここは、真姫の内なる魔界へと繋がる道。

深淵へと続く奈落を落ちていく彩牙は最初こそ戸惑う様子を見せたものの、すぐに平静を取り戻し、抵抗せず身を任せるようにその道を進んでいく。

 

――そして、その道は不意に終わりを告げた。

前触れもなく現れた地面を前に体勢を翻し、着地の姿勢をとる。

衝撃もなく難なく着地――ずっと落下していたとは思えないほどに――した彩牙は、改めて周囲を見渡す。

 

「……ここが、西木野さんの内なる魔界か」

 

一見すると、遊園地のような場所だった。夜の闇に包まれた中を装飾や外灯の灯りが淡く照らし出しており、現実の遊園地と大差ない光景だった。

唯一、決定的に違う点があるとすれば、本来あるべき遊具やアトラクションが舞台のようなものにすり替わっていることだった。その内容も様々で、家のリビングをはじめコンサートホール、学校の教室、屋上、神社、砂浜と多種多様だ。そして天高くに存在する白い輝きを放つ月のような球体が、それらを淡く照らしていた。

その中で、ブザー音と共にリビングの舞台が照らされる。その舞台の上には、見覚えのある赤毛の少女とその両親と思しきマネキンが立っていた。

 

『なんだ、一位じゃないのか』

 

『残念だったわね、でも真姫ちゃんは学校で一番勉強ができるんだもの。ピアノができるよりずっとすごいわ』

 

『そうだな、この間も塾の全国選抜に残ったし――真姫はえらいな、これなら将来は立派な女医さんになれるぞ』

 

『……うん、真姫ね、将来はおいしゃさんになるの――』

 

 

「これは……?」

 

その光景に視線を奪われる中、また別の舞台が照らし出される。

今度は学校の屋上が舞台で、赤毛の少女の他に眼鏡の少女、ショートカットの少女、サイドテールの少女、ベージュの髪の少女――そして、青い長髪の少女のマネキンが立っていた。

その舞台で演じられるのは、勇気の一歩を踏み出した眼鏡の少女と、彼女に続くように新しい一歩を踏み出す二人の少女の姿。

また別の舞台では、神社にて決意を新たにする9人の少女たちの絆が演じられていた。

 

「……なるほど。これらは西木野さんの記憶か」

 

これらの舞台は、真姫の記憶の結晶。彼女のこれまでの人生の中で特に印象に残った記憶が舞台という形になったものなのだ。

彼女自身が印象深いと自覚している記憶もあれば、中には自覚のないまま印象深いと心に刻まれている記憶もある。そうして混在しているのがこの多くの舞台だった。

そして舞台のマネキンたちは、真姫の記憶を演じている役者であった。

 

 

「―――なんだ?」

 

訝しげな表情を浮かべる彩牙。

それまで真姫の記憶を演じていたマネキンたちが一斉にその動きを止めたのだ。

何があったのかと一拍を置いた直後、今度は一斉に首だけが彩牙に向かって振り向き、眼球を赤く光らせながら彼の下へと襲い掛かり始めたのだ。

 

「奴が操っているのか……!?」

 

彩牙という異物を排除するために、アンプゥが真姫の心を乗っ取って操っているのか、それとも彼女自身の世界による異物を排除するための自浄作用なのか、真実は定かではない。

だが確かなのは、この襲い来るマネキンの軍勢を乗り切らねばならないこと、そしてどちらにせよ猶予はあまり残されてはいなさそうということであった。

 

「全く、骨が折れる……!」

 

そしてもう一つの問題は、これらのマネキンはあくまで真姫の記憶の一部であること。下手に斬り捨てようものなら彼女の心にどんな悪影響をもたらすのかわからないが故に、手加減せざるを得ないことだ。

ぼやきながら守りの型を構えた彩牙は、襲い掛かるマネキンたちを迎え撃つのだった――

 

 

 

 

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