外道魔法少女 蓬莱 暁美★マギカ「連続24回」   作:navaho

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滅茶苦茶久しぶりの投稿笑
息抜きでちょこちょこ書いていましたのど投稿します❗
呀の補完も兼ねている部分もあったりしましので、
よろしければお願いします。


第二回「私のたった一人の家族」

 一台の乳母車を一人の少女が押していた。

 

乳母車は木で出来ており、古い時代劇に出てくるそれと同じであり

 

少女は白い装束を纏い、月明かり……この場所は彼女の心象風景をそのまま現しており、現実の世界ではないのだ。

 

「坊やは…よい子だ。寝んねしな~~」

 

乳母車の毛布に寝かされているのは、白く小さな生き物だった。穏やかな顔で眠っており、それを見つめる少女 蓬莱暁美もまた黒めがちの大きな目に笑みを浮かべていた。

 

「うふふふふふ。ワタシの可愛い、可愛いユウ……、アナタは今、どんな夢を見ているのかしら」

 

黒い瞳には親愛の情が浮かんでいた。眠る我が子の毛並みは良く、将来は自身が身体を許したインキュベーター”カヲル”よりも良い存在になれればという願いがあった……

 

小さな頭を撫でる手は優しく、それは母が我が子へ無償の愛を与える姿そのものだった。

 

そしてまた、彼女の世界に”誰かが”尋ねてきた……それは、彼女にとって懐かしい存在であった。

 

「あらあら、また尋ねてきたの。貴女は女神の鞄持ちじゃなかったっけ?”さやか”」

 

視線を向けるとそこには、見滝原中学校の制服を着た”美樹さやか”がお土産袋を片手に笑みを浮かべていた。

 

「今はちょっと、うちも色々とあって一時休業なんで暫くこっちでお世話になります」

 

少し小声なのは、乳母車で眠る”ユウ”を気遣ってのことであった。いつものことであるが……

 

「ユウちゃんって、いつも寝てばかり……たまには、さやかちゃんに構いなさいよ~~~このこの~~♪」

 

眠っているユウの頬を突きながらさやかは、笑みを浮かべている。

 

「その辺にしなさいな。ユウが起きてしまうわ。そのこ愚図ると宥めるのが大変なのよ」

 

「えぇ~~、それはそれで見てみたい気が……まぁ、お姉ちゃんを苦労させるのもなんだし…この辺にしておきますか・あっ、それとこれお土産。お姉ちゃん、好きだったでしょ」

 

紙袋にあるのは、見滝原名物 葱せんべいである。知る人ぞ知る有名菓子である。

 

「あらあら、いつもながら悪いわね……こっちもお返しをしなくちゃいけないわ。さやか、ガトーショコラは今でも好きかしら?」

 

「うんうん、大好き♪って、お姉ちゃん、なんでここにそんなモノがあるの?」

 

「えぇ、この間、”悪魔”さんが態々お供えに来てくれたの」

 

”悪魔”という言葉にさやかは、少しムッとしたが直に笑みを浮かべ、

 

「あいつがね~~。ちょっと腹立つことは多いけど、何だかんだいって律儀なんだよね~~~あの悪魔ちゃんはっ!!!」

 

”悪魔”については、色々と複雑な思いがあるが、実を言えばそれほど嫌っていないというのがさやかの本音である。

 

「うふふふふふ。まぁいいわ、それで貴女が暫くこっちに厄介になるのは、単なる懐かしさだけじゃないわよね」

 

「やっぱりお姉ちゃんには、敵わないな。今更だけどインキュベーターがこっちに来なかった?」

 

「ええ、着たわよ……私の何処を見て判断したのか……一緒に女神と悪魔を支配して、私を女王にすると言っていたわ……命を与えてね……」

 

蓬莱暁美は、笑みこそ浮かべていたが目だけは笑っていなかった。インキュベーターは分からなかったが、彼を見ていた目は怒りの色を浮かべていたのだ。

 

「私が何時、支配を目指したとでもいうのかしら?私はただ、自分自身の為にやりたいように生きてきただけなのに……何処でどう勘違いしたのかしら?」

 

「へぇ~~。インキュベーターってそういうところで失敗して、大損ばかりしてるよね。お姉ちゃん達がえらい目に遭ってないか心配だったけど……そうでもなかったね」

 

かつて”悪魔”が”悪魔”になる前に不意を突かれてインキュベーターに”生体実験”をさせられたことがあったが、同様に墓で眠る彼女達に何かしでかすのではないかと……

 

「お姉ちゃんがそうそうやられるわけ無かったか……だって、外道魔法少女っていうか、魔女って呼ばれてたんだよね」

 

さやかは、”姉”についてよく知っていた。”姉”が従えてきた他の魔法少女の”我の強さ”をそしていかに”邪悪”だったかを……

 

(はっきり言って、”まどか”ですら手を焼くようなのが多すぎてとてもじゃないけど円環の理には導けないんだよね)

 

その問題児達はこの姉 蓬莱暁美の結界の中で眠っている。おそらくは生前の夢を満喫しているだろうが間違ってもこの結界からは迷い出ることがないようにと、さやかは願っている。

 

仮に出てきたら間違いなく生前同様の悪事を働くだろう。インキュベーターはその辺のところが理解できないので、自分の利益の為なら他の”平行世界”にそれらを放つ結果になっても”仕方がない”で済ませるだろう。

 

我が身にそれが降りかかってきた場合は自らの危機を訴え見捨てるのも仕方がない他の”平行世界”に助けを求めるであろう。今回の件も平行世界の因果を都合よく解釈したためにインキュベーターが被ってしまった損失だった。なるべくしてなった自業自得なのだ。

 

「一応私はここの番人でもあるわ……そうそう、やられてなるものですか。さやかが真実を知っても私を慕うのはどうして?答えはいつものことながら決まっているのかしら?」

 

「あははは、あたりまえじゃん。だって、お姉ちゃんはアタシのたった一人の家族だよ♪嫌いになれるわけ無いじゃん♪」

 

さやかにとっては、この姉こそが唯一の身内であった。円環の理には蓬莱暁美を恨むものは数知れなかった。

 

何しろ善悪問わずに殺された者があまりにも多すぎるのだ。蓬莱暁美自身が直接手に掛けた者やその仲間達がやらかしたことによる被害者は相当なものであったからだ。

 

だが、さやかだけは好意的だったのだ。その理由は単純明快で蓬莱暁美が唯一の”家族”だったのだから……

 

”家族”。蓬莱暁美にとってそれは特別な意味を持つ言葉だった。人として当たり前の時間を生きてきたが、何処か歪んだ道を歩いてきた。

 

「そういえば……さやかと出会ったのは、魔女の結界の中だったわね」

 

「う~~ん。私は覚えていないかな(本当はまどかに導かれてから思い出したけど)」

 

「そう……貴女が憶えているのは、どのあたりから?」

 

懐かしそうに微笑む蓬莱暁美は、乳母車よりユウを抱え背中に背負う。

 

「今、ユウちゃんと同じところからだよ♪」

 

 

 

 

 

 

数年前 見滝原市  とある報道番組より~~

 

見滝原市中央の都市のスクランブル交差点のビジョンには、夕方六時の報道番組が映っており、ここ最近周辺都市を悩ませているある団体について特集を組んでいた。

 

”若者が嵌る!!!カルト組織 ニルヴァーナ!!!”

 

何処かで聞いた低く良く通ったナレーションが大げさに台本を読み上げる。

 

続いて取材によって撮影された映像が次々と映し出されていく。風見野市に建設された三角形の奇妙な巨大建造物は”ピラミッド”を思わせる。

 

さらには、信者達の修行風景があり、奇怪な魔方陣”セフィロト”の紋章があり、その周りを十数人の若者達が声を上げて教祖を称えていた。

 

異様な光景であり、信者達は皆白いウエットスーツのような物を着用し、黒い切れ目のような模様という何処と無くサイケな印象を齎していた。

 

さらには、幹部 チルドレンと呼ばれる少女達の姿が映し出されたと同時に

 

”チルドレン!!!歪んだ教義の犠牲者!!!!”

 

義務教育すら拒否し、組織の有する教育機関があると主張し、今の日本の教育、文化、全てを否定し、ニルヴァーナの元で正さなければならないとし、国家の転覆すら目論んでいるとも報道されていた。

 

彼らの教義の中に”教祖”を中心とした国家の建立のいうものがあり、また教義の売り込みを息のかかった政治家に吹き込んでいるとも・・・・・・

 

そんな報道番組に誰も気を止めることが無かったが…一組の男女がその番組を見ていた。

 

「あ、これや、ワイが取材したのは!!」

 

「鈴原じゃなくって、トウヤ……また、無茶をしたの?あんな危ない事をして」

 

「でもな~~、あいつ等はごっつヤバイから、皆に知ってもらわなあかん」

 

一組の男女 男性、少し怪しい関西弁で喋っている彼の名は 鈴原 トウヤ。つい最近になってとある新聞会社に就職した若手の記者である。

 

「トウヤのそういうところはよく分かるけど、あのニルヴァーナって凄く危ないって……それに……」

 

「だからやで、出家した人の何人かが行方不明になっとる。しかもあいつ等の施設からはいつも助けを求めて脱走するのおるらしい」

 

女性 つい最近 見滝原で教鞭を取り出した 和子。彼女は少し大きめの眼鏡の奥の瞳を少し不安そうに揺らしたが、彼の正義感の強さを知っていたので止めようと思っても止められないことを知っていた。

 

「それにな、つい最近な…ニルヴァーナの尻尾がつかめるかもしれん情報が入ったんや」

 

話から察するに”ニルヴァーナの犯罪”に大きく近づける何からしいのだが……和子は、あまりこういう話を聞きたくなかったのか。

 

「そういう話はやめましょうよ。そういえば詢子と知久さんがこの見滝原に越してきたみたいだから、これからご挨拶にどう?」

 

「ああ、そうやさかい。いかんわ…ワイ、つい熱くなってしもうた。やっしゃ、イインチョ!!!祝いに何か買っていこうか!!!」

 

「イインチョって……いつの私の呼び方よ…このジャージ馬鹿」

 

仕事熱心なのは結構だが、二人きりの時は持ち込まないでほしいと願う和子先生ことイインチョだった。

 

「ジャージって、それは学生の頃の話やがな、イインチョ」

 

 

 

 

 

 

 美樹さやかは借りてきた猫のように大人しくしていた。

 

現在、彼女が居るのは数日前からお世話になっている”お姉ちゃん”の家である。ここは見滝原の中では古い住宅のエリアであり、数十年前のレトロな瓦張りの日本家屋がいくつも連なっている。

 

それらの家屋の中でも一際目立つ大きな屋敷 武家屋敷を髣髴とさせる家の玄関の前で”お姉ちゃん”を待っていたのだ。

 

辺りは薄暗くなり、人通りも少なく、古い街頭の明かりが点在している光景は今、自分が置かれている状況によく似ているのではとさやかは内心思うのだった。

 

「お姉ちゃん……早く帰ってこないかな~~」

 

真っ先に浮かぶのは、家族ではなく、数日前に自分の手を取ってくれた姉ともいえる 蓬莱 暁美だった。

 

 

 

 

 

 

何時の頃から分からなかったけど、私の家族は私の家族では無くなってしまった。ただ分かっているのは、父さんと母さんが一緒になったのは、相当な訳ありで本気で愛し合っているわけでもなかったことは幼心ながら理解していた。

 

一般的な家庭であったとは思う。だけど、何処かに歪みがあってそれは、押さえつければ押さえつけるほど反動が大きくなってしまい、爆発した時の光景は今でも忘れられない。

 

”総一郎さん……こんなに遅くまで何処に行っていたの?”

 

”うるさいな……今日は特別な日だ!!!!悪い奴をこの手で豚箱に入れてやったんだ!!!!こんなに良い日はない!!!!”

 

優秀な刑事ではあるが、刑事とは思えない振る舞いだった。酷く酔っ払っていて、一晩でよくもこれだけと思わなくなった。

 

後で知ったことだけれど、今日一日中お酒を飲んでいて、見滝原の至る所で醜態を晒していた。でもこれは一度や二度じゃなかった……

 

”総一郎さん!!!!さやかが寝ているんですよ!!!!”

 

”うるさい!!!!誰のおかげで世の中が平和になっていると思っているんだ!!!!俺がロクデナシを一人残らず豚箱に入れているからだ!!!!!俺は、正しいんだ!!!!”

 

”お前も!!!少しは警察に感謝しろ!!!どいつもこいつも揚げ足ばかり!!!!”

 

気がつけば、母さんは父さんの理不尽な暴力に晒されていた。真夜中だというのに、こんなにも騒々しいことに私は絶望し、気がつけば部屋を飛び出し……

 

見慣れた家の中には、気持ち悪い女の写真が掲げられていて、苛立ちながら私はその写真を窓に投げつけ、家を飛び出していた。

 

”さやか!!!何てことをするんだ!!!!こっちに来なさい!!!!!”

 

こんな所に居たくなかったというのが本音だった。ここに居ては私は私でなくなってしまう。だからこそ、此処から逃げ出したのだった。

 

父さんの怒声が小さくなっていく。冷たいアスファルトと夜の街の冷たい空気だけが私の孤独感をさらに孤独へと追い詰めていく……

 

そんな感情に惹かれたのか、私にとって因縁深い……私の人生のこれからを伝えに来たのか魔女と初めてであった……

 

最悪の夜の日に姉 蓬莱暁美に助けられたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

”ヒトリガイヤナラコッチニオイデヨ”

 

奇怪な声と共にさやかは見たことも聞いたこともない場所にたどり着いていた。そこはモノクロの世界で目の前には大きく口の裂けた影の怪物が居た…

 

”ヒトリハイヤナンデショ?ダッタラ、ワタシガイッショニイテアゲル”

 

それは真っ直ぐに彼女に迫ってきた。だが、彼女はそれを恐ろしいとも思わなかった。あんな所に居るぐらいなら死んだほうが……

 

『まったく、子供にそんな顔をさせる世の中になるなんて世も末ね……』

 

頭上から現れたのは灰色の翼を携えた少女だった。

 

『うふふふふふふふふふ。とりあえずそこの不審者だけは倒しておきましょうか』

 

灰色の翼を大きく交差させたと同時にそれらを黒光りする刃に変化させ影の怪物こと 影の魔女を勢い良く貫き、切り裂いた。

 

魔女が消えると同時に結界も晴れていた。目の前に居る翼をもった少女に対しさやかは

 

”天使様?もしかして、わたしを迎えにきてくれたの?”

 

さやかは喜びの声を上げてその少女に縋りついた。自分を辛い場所から連れ出してくれる存在をいつも夢見ていたのだ。

 

”天使?私は、ああいう気取った存在じゃないわ…そうね……いくつか通り名はあるけど、天狗と呼ばれていた頃もあったわね”

 

”背中に翼があるのは天使様だよ!!!おとうさんのいう使徒なんかとは全然違うよ!!!!”

 

さやかの父 総一郎の語る天使とは異形の存在であり、人類という形に行き着くまでの17段階の姿を言う。

 

聖書に伝わる天使は単なる想像の産物でしかないというものであった。そのような紛いモノは、見るだけでも”罪”になるといい、お気に入りだった絵本も玩具も全て父親の手によって処分されていた。

 

変わりに与えられた”使徒”のオブジェは幼心ながら気味の悪い物であり、男の子達が好んでみる”光の巨人”と敵対するモンスターの方がまだ愛嬌があるモノだった。

 

さやかは自分が憧れるもの、好きな物が否定されることが我慢できなかった。時折、聞き訳が無いという理由でニルヴァーナの施設に連れて行かれたこともあった。

 

そこは全体が狂っており、数十人の子供たちが暗い目をし、その様子を大人達は満足そうにしている光景はさやかも幼心ながら理解していた。

 

教育と称して暗く狭い部屋に閉じ込め、共同生活と言いながら劣悪な監獄のような部屋に何十人もすし詰めにされたり……

 

”壊れた心を補完することであの子達は幸せになれる……”

 

”互いに互いに補完し合うためには、私達の未来の為にはこれは正しいことなんですよ”

 

気がつけば、昨日までいた子供がいなくなっていて、その子が着ていた衣服がゴミのように捨てられているというのが”ニルヴァーナ”の日常であった。

 

『尋ねても構わまいかしら?私はどこから来たと思う?』

 

黒目がちの大きな瞳に映った幼子 さやかは満面の笑顔で

 

”もちろん天国からだよっ!!!!天使様は天国に居るんだから!!!!”

 

『天国ね……そういうガラじゃないんだけど、うふふふふふ目が覚めたとき、少しはマシな所に連れて行ってあげるわ』

 

指先をさやかの額に突きつけると同時にさやかの意識は途切れるのだった。

 

「天国か………そんなモノは唯の都合の良い夢物語よ。それに私は地獄から来たのよ…あら?うふふふふふふ私としたことが……」

 

いつのまにか腕に抱えているさやかを見て蓬莱暁美は…

 

「この娘の名前をまだ聞いていなかったわね」

 

さやかを抱き抱えながら蓬莱暁美は、自身の家に戻るべく足を進めるのだった。

 

”アレ?蓬来さん?その子どうしたの?”

 

見計らったように魔法少女特有のテレパシーで誰かが語りかけてきた。そう彼女の仲間の一人である。

 

”あら、真須美かしら?そうね、そこで拾ってきたのよ。せっかくだから我が家に招待しようと思ってね”

 

相手の名前は 真須美 巴。

 

”キャハハハハハ?蓬来さんのお家はいいわね。アタシも時々邪魔してるけど落ち着くのよね”

 

”貴女がこの辺にいるのは偶然じゃないわよね。この子に関係があるのかしら?”

 

”そうそう♪その子はニルヴァーナと少しばかり関係があるのよ。正確には警察側に沸いた膿みたいな男の身内よ”

 

美樹さやかの父親である 美樹総一郎は何かしらの問題があるようである。ここのところ世間を騒がせている”ニルヴァーナ機関”とは何らかの関りがあるようである。

 

”………なるほどね。情報を得るまでに何人とヤったのかしら?”

 

”嫌だわ♪私の食事は、アレとアレを兼ねた素晴らしいものなのよ♪そのへんの事は理解してね♪”

 

魔法少女独自のテレパシーに対して蓬莱明美は苦笑しながら

 

”程程にね、真須美。あとで報告を聞きたいから私の端末に送っておいて”

 

”分かりましたわ♪あ、そういえば、アタシ食事の途中でしたわ。また後で♪”

 

 

 

 

 

 

真須美 巴は蓬莱暁美との会話を終え、視線を背後に向けた。

 

「キャハハハハハ♪ごめんね~~待たせちゃって……」

 

視線を向けた先には衣類を身に着けていない40代ほどの男が息遣いを荒くして立っていた。

 

「あぁ…ひ、ひっ、も、こうこれ以上はが、我慢できません…」

 

「言いわよ。好きにして……アタシが全てを受け入れるから」

 

服の一切を身につけていない男の視線の先には、幼いながら十分に女として発達した少女の裸体があった。

 

貪るように男は少女の体を抱きしめる対する少女もまた男に対し、甘い自ら唇を求め、また自身の雌の部分が雄を求めていたのだ。

 

「あぁあぁああああああああああああっ!!!!!………」

 

理性が弾ける快感とともに男は果てた。果てた男の姿はミイラのようにいや、ミイラそのものとなって干からびていた。

 

「キャハハハハハ美味しかったわよ。やっぱり年上の男のほうが旬よね♪」

 

少女 真須美 巴の手には爛々と輝くソウルジェムがこれまでにないくらいに輝いていたのだった。

 

「キャハハハハハ♪魔女を倒してグリーフシードを得るのもいいけど、こっちのほうが私は好きだわ」

 

魔法少女 真須美 巴……彼女は魔法少女でありながら、人を食らう存在である。性欲と食欲の両方を満たす自身の食事に対し、これまでにない喜びを感じていた……

 

「キャハハハハハ。人を襲う魔女を私が襲う。でも人間を私が襲ってもおかしくはないわよね♪」

 

誰に問いかけたのか定かではないが、真須美 巴は脱いだ衣類を身につけた後、その場を後にするのだった。

 

「う~~~ん。この服も飽きちゃったからもう少し良い服を明日見繕ってこようかしら」

 

真須美 巴は”喰らった男”の上着より財布を抜き出し、そのまま繁華街へと足を進めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んんっ?うちの天井じゃない……知らない天井だ」

 

意識を覚醒したさやかの目に映ったのはかつての日本家屋に見られた木製の天井であり、自身は真新しい布団で寝かせられており、余りなじみのない畳の和室にいた。

 

「あれっ?確かアタシ、うちを飛び出して…それから……」

 

家を飛び出してからの記憶が全くないことにさやかは唸るが、

 

「気が付いたようね。あなたのお名前を聞いてもいいかな?」

 

「み、美樹 さやかです。え~~と、おねえちゃんは?」

 

「うふふふ。失礼したわね。こういう場合は私から名乗るべきだったわね」

 

「私は 蓬莱暁美。ここは私の家で今は一人でこの家に暮らしているわ」

 

 

 

 

 

「いやぁ~、いつ来てもここは落ち着くわ~~」

 

「あらあら。ここはかつて貴女に遺した見滝原の家をそのまま再現したものだけれど」

 

「再現というか、そのままこっちに移動したような安心感があるよ。この傷なんか、あたしが転んでつけちゃったものだし、こっちはあたしの背を記した奴だし」

 

今現在、さやかと蓬莱暁美は結界の中の自身の住居に来ていた。普段は社にいることが多い蓬莱暁美だが、時折訪ねてくるさやかとはこの住居で過ごすのだ。

 

「うふふふふふ。着替えはあなたの部屋に用意してあるから、後で居間にでもいらっしゃい」

 

「はぁ~~い」

 

さやかは自室のベットに横になり、

 

「あははは。見知った天井だ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

「さやか。どうしたの?家に居ないでこんな所にいて」

 

見上げると姉が優しい笑みを浮かべていた。

 

「おねえちゃんを待っていたんだよ!!!おねえちゃん遅いよ!!!!」

 

「うふふふふ。ごめんなさいね。少しクラスメイトと帰りが一緒になってついでにさやかのリクエストの食材を買いに行ってたからかしら」

 

買い物袋に入っているのは挽肉と玉ねぎ、さらには小麦粉等であり、さやかの好物であるハンバーグの材料である。

 

「だからね。機嫌を直してもらえるかしら?」

 

「うん!!いいよ♪それで勘弁してあげる♪」

 

「うふふふふ。ありがとう。じゃあ、さやかも手伝ってくれるかしら?」

 

 

 

 

 

 

 時刻は既に11時を回り、今は夢の中の住人であるさやかの傍に蓬莱暁美は居た。

 

一緒に夕飯を作り、その後はさやかの話を聞きながら過ごした団欒。

 

話題の転校生”鹿目 まどか”が寂しそうと言っていたので、話しかけてあげるとその娘も喜ぶと話したら、

 

さっそく明日話しかけてみると笑顔で応えてくれたさやかに蓬莱暁美はらしくない感情を覚えていた。

 

「うふふふふふ。私も私で人肌が恋しいのかしらね。貴方は私のことを優しいお姉さんだと思っているけど、実際はその反対だというのに……」

 

もしも彼女を此処に連れてきた本当の理由を言ったら、さやかはどんな顔をするだろうか?

 

「今は私自身も貴方のことを気に入っているからもう少しだけ一緒にいましょう」

 

頭を撫で、蓬莱暁美はその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの時、お姉ちゃんはアタシの頭を撫でてくれて寝付くまで一緒にいてくれたんだよね」

 

暫くは布団で寝ていたが、後々になってベットを用意してくれたのは申し訳ない気持ちもあったが、それ以上にうれしかった。この家で姉は、色々なことを教えてくれた。姉は自分に温もりを与えてくれたのだ。

 

実の両親については思うところはあるが、もう一度会いたいとは思わなかった。

 

”円環の理”に導かれてから、自分が居なくなった後、両親はそのまま離婚し、最初からいなかったかのような生活を送っている。

 

もう一度会いたいと願ったのは”姉 蓬莱暁美”だった。彼女も魔法少女なら、”円環の理”に導かれたのではと考えたが、姉は”円環の理”に導かれるのを拒絶し、自身は自身で魔法少女達の”その後”を見守っていた。

 

全ての魔法少女を救う、希望を見た魔法少女が絶望する前に救済する理想の為に”希望”となった”親友”に対して姉は、

 

”貴女も魔法少女を救おうとしていた。だったら私達と一緒に”

 

”うふふふふふ。それは生前の話よ、今は役目を終えて此処で墓守をしているわ。ここは来るもの拒まず、去るもの追わずですもの…来たい人だけ来ればいいから、私自身は死んでまで働く気はないわ”

 

”でも、希望を見た皆が絶望して呪いを振りまくのは……”

 

”間違っているとでも・・・・・・希望こそが正しいと言いたそうだけど、災いを詰め込んだパンドラの箱に何故、希望が残されていたのか?一度は考えたことはあるかしら?”

 

”苦しんで居なくなるだけの生だけなんて、残酷だよ。ほんの少しの救いがあっても良いってことじゃないかな”

 

”うふふふふふふ。ほとんどの人間がそう解釈するわね。飛び出すまでもなく誰もが必ず手を出す希望こそが本当の意味での災いということかもしれないわ”

 

”貴方と私では見てきたものが違うのよ。魔法少女というのは自分の願いの為に人の道を外れた存在。言ってしまえば、因果応報の何物でもない。私自身もね”

 

”貴方が女神であることは否定しないわ。貴女達のやり方もね…ただ、私は私のやり方でかつての仲間の面倒を見るつもりよ。そういう訳だから私は貴女達には干渉しない”

 

姉は”円環の理”に救いを求める気はないのだろう。彼女は自身の運命についてこれといった救いを求めていない。

 

全ては自身が選択した因果が齎した結果なのだから。

 

”貴女達は生贄や人身御供を迷信や無知故の行いというけど、過去の人がそれだけ生きる事に真剣であり、真っ直ぐでもあった。命を繋ぐためには命を糧にする以外に方法がなかったこともね”

 

”そして・・・人の道を外れた存在の力を得ることはそれだけの大きな代償が必要だったのよ”

 

”うふふふふふふふふふ。それに私があの日、自身の因果応報が巡ってきた事はこれ以上にないくらい愉快だったわよ”

 

その後、これでもかと愉快に笑う姉の姿に”まどか”が動揺していたのは今でも忘れられない。

 

”その果てに貴女やあの悪魔が生まれたことは本当にエキサイティングなストーリーだったわ。まさしく希望こそが災いであり救いでもあったことを見せてくれたのだから”

 

 

 

 

「お姉ちゃんの本性は何というかぶっ飛んでたんだよね。評判も最悪だったし、まどか達も結局は無視を決め込んだんだけどね」

 

例え、蓬莱暁美が”極悪人”であっても彼女は幼い頃の自分を救ってくれた事実は変わらない。

 

”あの日、魔女から救ってくれた時”

 

”一緒にご飯を食べた時間”

 

”勉強を教えてくれた時間”

 

”しょうもない悪戯をして叱られた時”

 

”喧嘩して家を飛び出して、心細くなった時に迎えに来てくれた時”

 

”幼馴染であり、初恋の人 恭介と一緒にヴァイオリンを聞かせてくれた時”

 

「人間は二面性があるって言うけど、お姉ちゃんは極端なんだよね」

 

自室で寛ぎながらさやかは、姉が居るであろうキッチン、この家の場合は台所といった方が適切であろう場所へと足を向けた。

 

 

 

 

 

 

「う~~ん。さやかちゃんはやっぱりお鍋には、肉団子は外せないと思います!!」

 

「あらあら。肉団子なら少し前に作っておいたから、冷蔵庫から出してもらえるかしら?」

 

「は~~いって……卵も結構あるんだね」

 

冷蔵庫の中を開けるとラップがされた肉団子を載せた皿以外に卵がいくつかあり、卵を見てさやかは、生前のある教師のことを思い出した。

 

目玉焼きの焼き加減について色々と話していたが、他にも様々なことが原因で別れと出会いを繰り返した彼女のことを

 

和子先生は当時、恋人がいたが

 

(・・・・・・そういえば、先生に恋人がいなかったのは、あの人が先生から奪ったんだよね)

 

かつては知らなかったが、カルト組織”ニルヴァーナ”に身を置いていた”父”によって命を奪われたのだ。

 

 

 

 

 

 

数年前の風見野

 

 風見野の一等地に構える奇怪な外見をした三角形の建物が存在している。ここは世間を騒がしているカルト組織の総本山である。

 

都市の美観を大いに損ねる外観は周辺住民から反感を買うのは当然だが、さらにはカルト組織”ニルヴァーナ”の総本山でもあるためその評判は最悪であり、公安警察が一般市民を装って監視をし、さらには立ち退きを求めるデモもあり、この周辺は風見野では最も治安が悪化の一途を辿っているのだ。

 

105階建ての最上階に彼女らは居た。豪華なシャンデリアが掛けられ室内の調度品の全てが一流ブランド物で統一された白亜の室内の執務室に妙齢の女性が笑みを浮かべていた。

 

笑みというよりは、にやついているという方が合っているだろう。事実、女性の笑みは人が見れば生理的嫌悪感を抱かせる。顔立ちこそは十分美人と言えるものだったが雰囲気が奇妙なことに無機質なマネキンを思わせるほど生気を感じることはできなかったのだ。

 

彼女の名は 錨 ユラ。このニルヴァーナ機関のトップである。

 

「それでその子は私達の周りを嗅ぎまわっていて、放っておいたら都合が悪いのね、総一郎さん」

 

「はい、ユラ様の崇高なる目的に理解を示さず、警察に呼び掛けていますが、私が抑えても何度も何度も同じことを繰り返す進歩のない人間です」

 

ユラに応えた総一郎こと 美樹総一郎は現在、組織の邪魔をしていると思われる男 鈴原 トウヤが写った写真に対し冷たい視線を向けていたのだった。

 

「そうですね。ハッキリ言って私達の行為 人類を幸せにする研究を否定するのはいただけませんし、それを理解できないのは、この子がすでに行き詰っている人間でそれ以上は望めないんですよ」

 

ユラは生理的嫌悪感を抱かせる嫌らしい笑みを浮かべて・・・・・・

 

「近いうちに消しちゃってください。この子の犠牲もまた人類には必要なんですよ」

 

「はい。しばらくは泳がせますが、時期はこちらに任せてください」

 

総一郎は恭しく頭を下げる。表情は完全に彼女に心酔しており、彼女を絶対視していた。

 

「そうそう、貴方の娘のさやかちゃんですけど、検査の結果、適性があったそうですが、こちらに連れくくることをお願いできますか?」

 

「その件ですが、さやかは数日前から家を飛び出していて学校には行っているんですが家には帰らないで誰かに囲われているようなんです」

 

「ふ~~~ん。あっ、そうなんですか、いいでしょう。特に大した適正でもなかったですし、今は放っておいても良いでしょう。総一郎さんが良いなら」

 

「はい。あの子の躾が上手くいかなくて、今度会ったら何とかしてみます」

 

異様な話し合いであるが、その内容はまともな常識のあるものが聞けば嫌悪を抱かせるものがあった。

 

 

 

 

 

 ニルヴァーナの総本山であるこの建物のある区画には医療センターを思わせる施設が存在している。

 

組織所属の人間たちよりここは”エッグ”と呼ばれている。卵を思わせる奇妙なカプセルがいくつも並び、その中には12歳から14歳の少女達が収容されており、その体からは幾つも管が繋がれており、研究員達が常にモニタリングを行っていた。

 

「実験体№115のバイタルが不安定ですね。試験薬の投入を行いましょうか?」

 

「そうだな、感情が少し不安定だが、試してみよう。彼女を孵化させるんだ」

 

端末を操作しカプセルの中にいる少女へ管を通して怪しげな薬物が投入されたと同時にカプセルの中を怪しげな光が輝いたと同時に少女の胸から光が飛び出そうとした瞬間

 

「あああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!」

 

少女は暴れだし、管を抜き自分の胸から飛び出そうとしている光を戻そうと手をするが、手は光によって焼け焦げ彼女自身もまた痙攣を起こし体中から血が噴き出したと同時に光が弾けた。

 

鈍い音と共にカプセルが揺れたのだった。

 

「実験体№115.生体反応なし、死亡を確認しました」

 

「またか、ユラ様のご期待に応えなければならないのにいつまで同じ失敗を繰り返せばいいんだ」

 

「しかし、素質のないモノから魂を抜き出せる段階までは来ていますが問題は魂を抜き出したと同時に死亡してしまうことです」

 

端末よりカプセルの中が映し出される。防護服を着た研究員が感覚がマヒしたかのように事務的にバラバラになった少女の遺体を処分していた。

 

「チルドレンは現在、ゼロからセカンドまで漕ぎ着けたのだ。サードを急いで育成しユラ様の期待に応えるのだ」

 

二人の研究員と別の場所でまた同じことが続けられていた。結果はやはり同じであった・・・・・・

 

 

 

 

 

 そんなニルヴァーナの施設を誰にも気づかれずに堂々と白い生き物が闊歩していた。

 

「まったく、僕自身の仕事が雑であったことを改めて思い知らせてくれるよ。このニルヴァーナの施設は」

 

キュウベエは、事情を知っている魔法少女からみたら珍しく苛立ちに似た様子を見せていたのだ。

 

「素質のない子がまさかこんなことを仕出かすなんて・・・これだと他の魔法少女達に危害が及んだらそれこそ、僕らにとっては許容することなんてできない」

 

最も許容するつもりなどなく、キュウベエはこのニルヴァーナを”排除”の対象としてみていたのだ。

 

「風見野に居た魔法少女には一応離れるように忠告をしておいて良かった。見滝原にまで手を伸ばすなんて知らなかったとはいえ彼らの運命は既に決した」

 

先日、蓬莱暁美率いる組織”メビウスの目”が動き出している以上、魔法少女たちは直接的な被害を被ることはないだろう。だが、将来魔法少女になるかもしれない素質を持った子が犠牲にされるのだけはたまったものではない。

 

 

 

 

 

 

そして現在

 

「うふふふふふふ。世界が違うとはいえ別世界のインキュベーターに女神と悪魔を倒そうと話を持ち掛けられたのは愉快でしたが、死んだ身である私達を利用するところは頂けなかったわね」

 

「あははははは、お姉ちゃん。アタシ達の所にいたインキュベーターでしょう。アイツ、とうとう命までなくなったんだね。しばらくは安心して休めそうだね・・・」

 

生前のことを思い返していて思わず含み笑いをしてしまったが、さやかにとってもインキュベーターが倒れたことは喜ばしいようだった。

 

「あらあら、貴方は女神の鞄持ちだったわよね。あの子を引き裂いた例の悪魔の件は大丈夫なの?」

 

「それは・・・・・・そうだけどさ。アイツはアイツで何とかしてまどかを助けようとしていた。ただ、まどかは意外と人の話を聞かないところがあるから、強引なことをしないといけないこともわかってはいたんだけどね」

 

さやかはあのどこか助けを求めながらも決して表には出すまいと振舞う痛々しい悪魔と宣言したまどかとどこか似ている少女のことが気になって仕方がなかったのだ。

 

「だからと言ってとあの方法はというのは分からなくもないわ。でもね、話を聞く限りあの悪魔の失敗はインキュベーターに対して少し心を許しすぎてしまったことと円環の理があまりにも理想に走りすぎ、現実の壁を強引に何とかしようとしたことと色々な要因が重なってしまったことね」

 

「お姉ちゃん、随分と事情に詳しいんだね」

 

「生きている人間の世界に干渉はしないけど、一応はインキュベーターが”円環の理”に手を出した時点でこちとらも警戒していたわ。何故なら、”円環の理”も死の世界の一つですもの。死者の世界に干渉しようとした時点で私達も動かざる得ないわ」

 

「そういうことか・・・・・・色々あったけどアタシはアタシでアイツの現状が納得いかないんだ」

 

「うふふふふ。さやかはやっぱり良い子ね。世界を改変した悪魔は敢えて自分の都合の良い世界にしながらも自分の周りにいたかつての友人達に平穏を望んだ。そこに自身を加えることなくね」

 

”そこが納得がいかないのでしょ”と視線で蓬莱暁美はさやかに問いかけた。

 

「自分を中心とした都合のいい世界を作ることもできたのに、敢えて自分は独りぼっちになることを選んだ。本当の意味での約束。誰かが言ったわね、願いというモノは全てを犠牲にしてでも貫かなければならないって・・・」

 

「だからって・・・・・・あんな結末はまどかも私も望んでなんか・・・・・・」

 

「だったらどうするの?寂しそうにしている子が転校してきた時、さやかはどうしてた?」

 

蓬莱暁美の言葉にさやかは何かを思い出したかのように

 

「あっ、そういうことか・・・・・・やっぱりお姉ちゃんは凄いな。こんな簡単なことに気が付かないなんて」

 

「そういうことよ。あなたは少し意地っ張りです強情だけど、優しい良い子なんだから・・・」

 

いつものようにさやかの頭を撫でる蓬莱暁美だった。

 

「も、もおぅ~~~!!!子供じゃないんだから!!!」

 

顔を赤くしながら頭を押さえてさやかは台所から脱兎のごとく逃げ出したのだった。

 

「うふふふふふふふふ。食事の準備ができたら、あとでさやかを呼びに行きましょうか」

 

 

 

 

 

「もぅ~~~、お姉ちゃんはアタシをいつも子ども扱いするんだから」

 

口を尖らせながらもさやかは照れ臭そうに笑っていた。

 

 

 

 

 




さやかと悪魔ほむらは、意外と良い組み合わせなのではと思います。

”叛逆の物語”を見ていて、さやかがほむらに言ったセリフは何となくですが、まどかを助けてほしいと願ってたのではと公開当初、思っていました。

ほむらの取った手段は、斜め上のやり方であり、さやかもこのやり方と自身を孤独に追いやるような姿に納得がいかないという具合にしています。

エイプリルフールの企画で”叛逆の物語”の続編の予告っぽい映像では、さやかがまどかにサーベルの切っ先を向けていたので、彼女もまたまどかを人としての生を歩ませるために悪魔ほむらと結託してたら、それはそれで面白いのではと考えています。

とはいっても、まどかさんは意外と人の話を聞かない部分もあり妙なところで意固地ですので、どうなることやらと思っています。

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