飛鳥と悟りの物語   作:桂木ヤユ

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少し期間が空いてしまいました。今回は美玲回でもあります。


~みんなでカラオケに行ったぞ!~

「料金は安いんですね。」

「意外と広いんだなッ。なんか緊張してきた…。」

「そうですね。私も長いこと生きてますが初めてですから…。」

「長いこと?」

「言っただろう?それはさとりの設定さ。」

「そうです…ね。」

「ああ。お、おう!」

「まあ二人とも緊張しなくてもいいさ。楽しみにきたんだからさ。」

 

 飛鳥は慣れた手つきでそれを取ると何やら操作し始めた。

 

「最初は僕からいこう。聞いてくれ。『共鳴世界の存在論』」

 

♪壊れたラジオから~

 

「いきなり持ち歌ですね。」

「本人が歌ってる。」

 

 ウチはその楽しそうに歌う飛鳥の姿をただ見つめることしかできなかった。上手く言葉にできないけどただ圧倒されていたんだと思う。まだまだ駆け出しと言っていた彼女の歌は強く強くウチの胸に衝撃を与えた。

 

「ふう。94点か。まだまだだね。」

 

飛鳥はコーラを少し飲むとエクステに触れる。

 

「本人が歌ったら100点じゃないんですか?」

「カラオケの機械は本人かどうか判断する機能なんてないから、楽譜通りに歌えているとかで点数を出しているのさ。まあ歌に点数をつけるなんて意味なんてないとは思うけど、歌うときの目安にはなるからね。」

「でもウチは凄いって思ったぞッ!飛鳥はアイドルって知ってたけど歌を聞いたらやっぱりアイドルなんだなって!」

「少し要領を得ないですけど言いたいことは私も同じです。」

 

飛鳥はドリンクを持ち、ストローに口をつけると少しそっぽを向いた。

 

「二人とも誉めても何も出ないよ。でもそうやって口に出して伝えられるとやっぱり嬉しいな。もっとアイドルを頑張ろうって気になるよ。」

「応援してますよ。」

「ウチも!」

「じゃあその勢いのまま美玲どうぞ。」

 

飛鳥はウインクするとマイクを手渡す。

 

「えっ!ウチかッ!うーんうーん。じゃあこれで。二人とも知ってるか分かんないけど。」

 

右上のテロップに東京テディベアと出た。

 

「ああボカロか。その曲聞いたことはあるよ。」

「ホントかッ!この主人公の服が好きでな!」

「っともう始まるよ。」

「ッ!」

 

♪と、父さん母さん~

 

「今時の歌ですか?」

「まあ今時の歌というと少し違うかもしれないけどその認識で間違ってはいない…かな。ボーカロイドといって機械が歌ってる歌さ。」

「機械も歌う時代ですか。ずいぶんハイテクですね。」

「さとりも少しはインターネットに触れてみなよ。」

「たくさん出てきて何を調べたらいいのか分からなくて。」

「帰ったらオススメを教えよう。さとりも気に入る音楽とかも多分あるさ。」

「そうですね。あっ次飛鳥どうぞ。私はしばらく二人の歌を聞いています。」

「そうかい?じゃあ僕はこれにしようかな。」

 

右上のテロップに天ノ弱と出る。

 

「妖怪の歌ですか?」

「さっきと同じボーカロイドの歌さ。」

 

歌い終わると画面に84点と出る。一回90点取ったことあるけど歌うの久しぶりだったからかあんまり点数でなかったな。

 

「ふう。84か。まあ最初だったからな。って次、天ノ弱か!」

「ボカロの流れかなと思ってね。」

「いいな!これ低くてうち歌えないけど好きだぞ!」

「歌なんて好きだったら歌えばいいのさ。っと僕の番だね。」

 

♪僕がずっと前から~

 

「次何にしようかな~。」

「楽しそうで良かったです。」

 

ウチも気づかないうちに鼻歌を歌ってたみたいだ。

 

「さとりも歌えばいいのに。」

「私はあんまり歌を知らないので。」

「じゃあ今度CD持っていくよ!」

「ありがとうございます。次は歌えるようにします。」

「楽しみにしてるぞ!そのときは一緒に歌おうね!」

「デュエットですか。いいですね。」

「二人で歌う歌も好きなのあるけど一人で歌うと息継ぎが大変でー…。」

「なるほど。ちょっと飛鳥と一緒にボイスレッスンした方がいいかもしれませんね。」

「そんなにかたくならなくてもいいさ。カラオケは楽しく歌ってストレスを発散するところなんだしさ。」

 

いつの間にか飛鳥は歌い終わってたみたいだ。何 歌おうか考えてると時間経つの早いな。

 

「おっ飛鳥87点。流石だね!」

「アイドルだからね。今度何かの曲をカバーするらしいし色んな曲歌えるようにしようと思ってさ。」

「もうそんな話も挙がってるんですか。」

「まだ未定だけどね。かもしれないって話さ。そうそうそれで思い出したけど今度色んなプロダクションのアイドルの中から人気一位を決めようっていう企画があるらしくて一応一二三代表として出ることになってね。」

「えっそれってアイドル総選挙!?」

「確かそんな名前だったかな。順位を決めるものではな…」

「それテレビとかでやってるやつだぞ!ウチ見たことあるもん!」

 

最近はアイドルとか少しは見てるけど、それまでは全然興味なかったウチでも知ってるやつってことは結構規模がでかいやつだ。

 

「となるともしかしたらテレビデビューになるかもしれないね。」

「それはお祝いしないといけませんね。飛鳥、いつあるんですか?」

「確か4月の頭くらいからだったと思うけど…。」

「そうだ!選挙カーとかに乗って宣伝するのはどうだ!」

 

ウチは自分のことのように嬉しくなった。だってテレビだぞ!テレビに出るって有名人じゃん。

 

「どうなんだろう。またプロデューサーに聞いてみるよ。まあとりあえず今日は歌おうよ。カラオケにきたんだからさ。」

「そうだな。よし!ウチも今日は張り切って歌うぞッ!」

 

いつもと変わらない飛鳥の態度に少し戸惑いながらも気持ちを切り替える。

 

「応援歌みたいな感じですか?」

「そんな感じ…かな?」

「じゃあ私も歌わないといけませんね。」

 

飛鳥は珍しく驚いた顔になった。初めて見た…。

 

「…てっきり僕は聞き手に徹すると思ってたよ。」

「たまにはですよ。じゃあ聞いてください。『Adore Your Pain!』」

 

 

 

「カラオケ楽しかったですね。」

「そうだね。でもさとりがロック系の歌を歌うとは思わなかったよ。」

「うん。ウチも演歌とかかと思った。」

 

しかも上手かったし。いつものさとりとは別人みたいだった。

 

「いいじゃないですかロック。格好いいですし。」

「まあウチもたまには聞くし…。ワンオクとか。」

「今日はさとりの意外な一面を知れたことが収穫かな。」

 

飛鳥はエクステを汗がつくからと外したから、珍しくショートヘアーだ。

 

「それよりも総選挙の方が重要じゃないですか?」

「そうじゃん!飛鳥総選挙出るんだからウチらもなんかしないと。」

 

帰ったら考えてみようかな。

 

「まあなるようになるさ。僕は僕であるだけさ。そんな僕を好いてくれるファンがいるなら嬉しいけどね。」

 

飛鳥はフフッと彼女らしく笑った。そんな飛鳥を見てウチもアイドルになってみるのもいいかなと少し思った。

 

 

 




いよいよ総選挙ですね。飛鳥!二宮飛鳥に清き一票を!頂けると大変幸いです。

今回もお読み頂きありがとうございます。気軽に感想等お待ちしております。






PS.飛鳥のcover天ノ弱かなって思ってます。投票したのはFallenでしたけど。
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