放浪者ロロ異界見聞録 Self-interpretation 作:Boukun0214
20000℃を越える灼熱のマグマを原料とする、『天槍フェラール』。
龍星皇の落下によってできたクレーターから発掘された。
大鎌のフール
「こ、ここは?」
気が付くと、私は見慣れぬ景色の中に放り出されていた。
冷静に状況を分析すると言うほど、私の頭は冴えていなく、ただただ、幼い頃に読んだ図鑑の昔の地球の姿に似ていると思った。
「た、タイムスリップ?」
しばらく呆然としたあと、とりあえずコレは夢だと判断をして、どうせなら少し探索してみようと、周囲を見渡す。
「わあ、溶岩、だよね?初めて見た。ホントにどろどろしてるんだ。」
周囲には目新しいものが多く、植物などの見馴れたものはほとんどない。
けれども、私の抱いていた不安と恐怖を紛らわせるには十分なものだった。
「ふぅ、にしても暑いなぁ。生き物とかいるのかな?」
少しだけ好奇心を感じ、耳を澄ます。
マグマのボコボコと沸騰する音と、遠くの方で足音のような、重みのある音が聞こえた。
「あっちだ!行ってみよう!」
駆け足で音の主を探すと、それはすぐに見つかった。
「きょ、恐竜だ・・・!なんだろう?草食恐竜みたいだけど。。。」
近くの岩の影から観察する。その姿は、地球の生き物とは似ているが非となるもので、特徴的なのは背中の刃のようなヒレで、そこには丸い穴が空いている。
小さな丸い身体は、大きな目がついていて少し可愛らしいとも言えなくはない姿をしていた。
「さ、触ってみても、大丈夫・・・だよね?」
恐る恐る近づいて手を延ばし、刃に触らないように頭を撫でようとする。
「グゥ!」
「わっ、あわわ!ごめんなさい!」
その、初めて見る生き物は低い声でこちらを威嚇して、それに私は情けなくも怯んでしまう。
それでも、どうせ夢なのだからと再び手を延ばす。
「やめときな。その右手とバイバイしたくなかったらな。」
「ひゃい!!!」
後ろから、"彼"の声が聞こえた。
これが、彼との、私の同行者との初めての対面となる。
「おいおい、別に捕って喰ったりするわけじゃねぇんだから、そんなにビビんなよ。」
「ご、ごめんなさい。」
後ろを振り向くと、そこにはそう、トランプのジョーカーのような派手な赤い格好をして、右肩に大きな鎌を担いでいる男が立っていた。
「どうした?お前、見たところ竜人じゃねぇよなぁ?どこのガキだ?」
「え、えっと・・・」
「まあ、どうでもいっか!とりあえず村に行こうや。俺は腹へってんだ。」
「あ、はい。」
半ば勢いに押される形で案内をされ、私は小さな村へと到着する。
その村には簡素ながらも家があり、この灼熱から身を休めることは出来た。
「あー!やっぱ一仕事したあとの酒はうめぇ!お前も飲むか?」
「あ、僕は結構です。。。お酒は飲めないので。」
私はそのまま、酒場のような場所へと連れていかれ、目の前の道化は酒をのみはじめる。
「それにしてもボウズ、お前、この辺じゃあ見ねぇ顔だな。名前は?」
「えっと、ロロって言います。僕の名前は、ロロです。」
ふうん。といったような顔をして、彼は自己紹介を始めた。
「俺はフール。この辺じゃあ、"大鎌フール・ジョーカー"で通ってる。よろしくな。ロロ。」
「よ、よろしくおねがいします。」
「おいおい。その敬語はやめろ。堅苦しい坊っちゃんだなぁ。」
私の肩をバンバンと叩き、フールは笑う。
どうやら、この同行者は、随分と気のいい男らしい。