ミッドナイト・ランナー   作:囃子とも

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作中のアレコレ

・この作品のモチーフ。

2chに投稿した時も説明しましたが、この話のモチーフは福野礼一郎著“狂気撃走小説バンザイラン”という小説をモチーフにしています。

このバンザイランは、もともと自動車雑誌のティーポで連載されていた小説で、80年代初頭に行われていた“東名レース”を題材にした小説です。

恐らく、車を題材にした漫画や小説等の創作物の中でも、その完成度は随一です。

 

ちなみに、湾岸ミッドナイトの著者の楠みちはる氏は福野礼一郎氏のファンだそうで、湾岸ミッドナイトもこのバンザイランをモチーフにしたと言われています。

 

 

・劇中劇設定の理由

一番の理由は、キャラクターの職業や立場などが完全に変わってしまうので、不自然極まりなくなるという点が出てきます。

なので、最初から劇中劇という形で書く事は決めていました。

 

 

・ヘレンとテスタロッサ

何故、数あるフェラーリの中でテスタロッサを選んだかと言うと、理由は3つあります。

一つ目は、バブル真っ只中に製造されていたので、フェラーリの中でも生産台数が多く日本にも多く輸入されている点。

二つ目は、テスタロッサの押しの強いデザインは、ヘレンさんに良く似合う。

三つ目は、何よりも駄馬。フェラーリの中でも、欠陥を抱える部分は多いです。だけど、そういうダメ車というキャラクターが、自分は愛おしいんです。

 

熱いイメージのフェラーリと、情熱的なキャラのヘレンさんは、自分の中ではすごくマッチしました。

 

 

・高峰のあとCTR

ルーフCTRという、当時の世界最速マシンを出演させました。

ちなみに、本家のバンザイランでも最速マシンはポルシェターボですし、湾岸ミッドナイトは言うまでも無いでしょう。

湾岸ミッドナイトのブラックバードの異名は、おそらくルーフCTRイエローバードをモチーフにしてると推測しています。連載初期は930のターボでしたし。

 

高峰のあさんを選んだ理由は、主役のヘレンさんと同い年です。それに、割とクールでミステリアスなイメージの有るのあさんと、結構ラテン的なイメージの有るヘレンさんは、対極に位置する気がしました。

それは、車のイメージも同じです。合理的なドイツ車と、情熱的なイタリア車。つまり、ポルシェとフェラーリの対比とも被らせています。

 

 

・向井拓海のポジション

拓海に関しては、本作の狂言回し的なポジションになりました。

作中で様々なメカ知識を留美に教わっていましたが、イコール読み手に一番近い位置のキャラクターという面も持ち合わせています。

車の挙動理論を、キャラクターを通じてしゃべらせる事で、少しでも解りやすくしたつもりです。

 

元ネタのバンザイランも、語り手の主人公が居ましたが、狂言回しの位置でした。

 

 

・その他登場人物たち

バトルシーンに登場したキャラクター達は、姉御肌的な人物で固まりました。単なる好みと言うのもありますが(笑)。

ただ、ライバルであったり協力者であったりする必要は十分にあるので、その辺りの描写はこだわったつもりです。

 

 

・ラストシーンについて

伝説の走り屋と言われる、ゲーリー・アラン・光永氏のオマージュです。なお、実際に有った有名な話です。

気になる方は「光永パンテーラ」で検索してみると、良いと思います。

 

 

 

・小ネタについて

この物語でも、多くの小ネタを突っ込みました。

 

 

 

・チューニング関連のオマージュ

明確な名前でオマージュしているのは、RE雨宮(美世&RX-7)とRS山本(夏樹&GT-R)なのは解ったと思います。

ただ、名前は出てなくとも、個々のチューニングショップはすべて当時有名だったショップのオマージュだったりします。

拓海のアルバイトしている雑誌は、オプション誌の編集部が元ネタです。

その他キャラクターのチューニングショップも、実在のショップが元ネタです。

 

 

・1992年のF1のネタ

ヘレンが父親の事について語るシーンで、跳ね馬は復活すると言うセリフがあります。

1992年のF1と言えば、ウイリアムズのナイジェル・マンセルが圧倒的な強さを誇ったシーズンです。その頃のフェラーリは、低迷の真っ只中でした。

 

 

・ティフォシとは?

ティフォシ(Tifosi)と呼ばれるのは、熱狂的なフェラーリファンの総称の事です。

元々はチフス患者(一種の熱病)の呼び名からきています。その熱狂ぶりに対する侮蔑表現として定着しているそうです。

 

 

 

・ジル・ビルヌーブとマリオ・アンドレッティ

ジル・ビルヌーブ(1950~1982)は、フェラーリ等で活躍した伝説のF1ドライバーの一人です。

成績こそ超一流のレーサーには及びませんが、そのアグレッシブな走りで多くのF1ファンを虜にした“記録より記憶”に残る名手です。

後進のドライバーで、彼に憧れた人は数多いです。御大エンツォが、もっとも愛したドライバーとも言われています。

 

マリオ・アンドレッティ(1940~)は、インディ、ナスカー、そしてF1でチャンピオンを獲得した唯一のレーサーで、アメリカで最も成功したレーサーの呼び声も高いです。

F1でも多くのチームを渡り歩き、当然フェラーリにも所属していました。今なお、そのカリスマ性は衰えていません。

 

70年代から80年代を代表するF1の名手の名を出させてもらいました。

ちなみに、ビルヌーブはカナダ出身で、アンドレッティはイタリアからのアメリカ移民です。

ヘレンの父親が、アメリカ人と言う設定なので、北米の名レーサーのファンという設定を作りました。

 

 

 

・オプション誌、およびV-OPT誌のネタ

90年代前半は、チューニング業界にとって特に過渡期だったと思います。

その後の谷田部最高速記録に置いても、この頃が特に煮詰まっていたと思える時代だと記憶しています。

 

現在、谷田部高速周回路は存在しませんが、あの頃は誰もが目指した聖地でした。

 

 

 

・この物語を書いた理由

前作の首都高バトルクロスを書いた後、湾岸ミッドナイトやモバマスのキャラクターで書いてほしいと言う意見がチラホラありました。

なので、モバマスのキャラクターで書こうと思いましたが、単に湾岸ミッドナイトに当てはめても面白く無さそうだったので、バンザイランという小説を下敷きにしました。

 

バンザイランは、自分がもっとも影響を大きく受けた小説で、走り屋を題材にした作品の中でも一番面白いと思っています。

もし、気になった方はヤフオクやアマゾンなどで、購入をお勧めします。

本当に面白いですし、こういった車を取り扱う物語を作る上で、一番参考になる小説だと思います。

 

自分もこの物語は、車を題材にして書きたい人の参考になれば良いかな、と思って書いて居る部分はあります。

 

 

では、ご観閲ありがとうございました。

 

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