幻獣王が行く!!   作:トリィケンスケ

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今回の話は今までとは少し雰囲気が違います。

なお、元信公のセリフや行動が、原作と違う辺りがあります。
が、それは“独自解釈”と“独自展開”なので、あまり責めないでください。

それではどうぞ。


元信公、最後の授業

「ふふん、聖連の諸君は驚いているだろうねぇ?いや、驚いているのはインノケンティウス教皇総長とガリレオ君や枢機卿(カルディナル)共ぐらいのものか?」

 元信公はどこか他の嬉しそうに回りながら喋る。

 その光景は、地脈炉が暴走している三河に居るとは思えない光景だった。

 誰もが呆けた顔をしている中で、インノケンティウスとガリレオは表示枠(サインフレーム)を険しい顔で睨み、それと同時に自分の表示枠に向かって怒鳴り声を上げていた。

 

「いいかい?生徒諸君。君たちが教導院で教わり、もしくは教わるであろう人物、それが幻獣王」

 しかし、ね?と元信公は言葉をつなげる。

 

「すべての教導院で“居たかもしれないけど、その可能性は極めて低い”と教えられているんだ」

 そうだろう?と言葉を投げかける先には酒井 忠次の姿があった。

 

「Jud.、だねぇ、殿先生」

「それはそうだろうねぇ。だって、居た事にしたら不味いから」

「松平 元信!!それ以上は―――」

「うるさいねぇ、最後まで聞かない生徒には点を上げないよ?」

 元信公はインノケンティウスの言葉を途中で遮った。

 そして自動人形達の音楽はクライマックスに入り、壮大な音に変わっていく。

 

「そうさ!彼は全てを破壊する力で!!聖譜を!世界を!末世を!人々を!!!」

「止めろォ!!傀儡王!!!」

 インノケンティウスは声を荒げて言葉を遮ろうとする。

 しかしそれは叶わず、元信公の言葉は発せられた。

 否、発っせられてしまった。

 

「一度・・・壊したんだ」

 世界中の時が止まった。

 

「最初の末世、それは環境神郡の異常で起こったんだ。それをどうやって解決したか」

 

 それはね―――

 

「壊したんだよ、環境神郡はもちろん、地脈やその時生きていた人達を、ね」

 

 そして―――

 

「世界はまた正常に戻ったんだ、皆その時の事を覚えていなかったそうだけどね」

 

 そう、つまり―――

 

「今僕たちは、壊れた世界の壊れた道を、壊れた体と壊れた意思と壊れた心で、生きているんだ」

 

 それなのに、なんで治ったかって?―――

 

「世界は壊れているのが普通だから、さ!」

 世界はその瞬間、忘れられていたものを思い出したかの様に、音を取り戻した。

 

「でも安心するといい、今回の末世はその方法では解決できないからね。で、他の解決方法だけどね?なかなかショッキングな話だったけどちゃんと頭を切り替えて聞きなよ?」

 元信公はそのままマイクを握りしめて声を上げた。

 

「今回は破壊では解決できない、壊れたものをさらに壊す事はできないだからだ」

「つまり幻獣王一人では何もできない、ならどうするか」

「今の世界という薄汚くカビの蔓る“群れ”を飛び出し、新たな光に向かい生き続ける。それさえできれば簡単にこの末世は解決できる」

「その道標たる力を持つ者はもう言ったよね?大罪武装(ロイズモイ・オプロ)をすべて持ち、さらに全能の龍を司る者」

「そしてまぁ、非常にッ不本意だが、創世計画もあるねぇ。あれは解決には程遠い代物だけど」

「いいかい?これまで話してきたのは授業だ。この話をこれから生き続ける君たちがどうしようが、今からこの三河と共に粒子レベルまでバラバラになる先生が知ったことじゃあない」

「でもこれだけは言っておこうか」

「先生の言った事をそのままやるだけでは、絶対に乗り越えることのできない問題が出てくる」

「そして幻獣王。君はもう少し思うままに生きてみたまえ」

「さて、これまでペラペラ話してきたがもうそろそろ限界だ」

「じゃあ皆!先生の授業は、これにて終了!」

「ウチの副長の忠義偏差値が全国トップクラスだったから学級崩壊は免れた、おかげで三河崩壊が始まるよ!」

「おいぃ!殿先生!それ我がダメな事になってねぇ!?」

「じゃあ皆!先生はいなくなるけど!」

「我無視ぃ!?」

 元信公は矢継ぎ早(やつぎばや)に言葉を放った。

 その後、元信公は手を振り上げ―――

 

「考えて、理解して、迷って、頑張って、勉強しましょう!これより授業を、始めます」

 

――――そして三河に絶大な光が現れた。




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