オーバーロード10巻発売おめでとうございます!
罰ゲームを受けているお二人の話その2です
小部屋の中で鼻唄が聞こえる。少し古めのジャズの様な曲を口ずさんでいるは恐怖公であり、彼は今気分がすこぶる良かった
何故ならアインズの御勅命により重大な使命を与えられたからであり、只今絶賛仕事中だからである
「さてと...学ぶ事はいい事ですがあまり詰め込み過ぎますとせっかく覚えた事も忘れてしまいますね。少し早いですが終わりとしましょうか、明日も早いのでしっかりと睡眠を取るようにして下さいね。それではお二人方、良い夜を」
あんな触覚みたいな手でどうやってドアノブを回してるか不思議でしょうがないが、それどころじゃないし、いっそのこと逃げたいんだけどそんなの無理だし...
シャルティアは昔ペロロンチーノが
「うわぁああ仕事とか面倒くせー、エロゲしてーしユグドラシルにもっといてーよ!もうチーズ蒸しパンになりたい」
と言ってたのを思い出し、今の自分なら確実にチーズ蒸しパンになれるとか訳の分からない事を考えている
「ッチ――なにがいい夜をでありんすか...こちとら朝も昼も夜もゴキブリ三昧の毎日なのに...」
「えぇ...しかしこれは私達の日頃の行いが招いた罰、アインズ様が与えてくれた慈悲深き罰なのよ。とは言え正直辛いわね...もうやめたいわ」
「まだ2日目が終わっただけでありんすよ?まだ2日目...2日ってどう言う意味でありんしたっけ?アレ?」
「シャルティアしっかりして...自分を見失わないで」
「うぅ...ありがとう。でもねアルベド、2日目...まだ2日目なのにもうゴキブリに少し耐性が付き始めた自分が恐ろしいでありんすぇ...」
泣きそうなシャルティアの発言にアルベドは「私も同じよ」と言いたかったのだが、言ったら最後自分の中の何かが無くなりそうで言うに言えず、沈黙が部屋を満たす中、カサカサとゴキブリが動く音が響き渡った。
―――Barナザリック―――
日付が変わるような時間でもこのBarでは人の姿がちらほら見ることができる。というのも休憩制度を入れてからここはナザリックで働く者の溜まり場となり、客足が途切れるのは1日の仕込みをする早朝ぐらいしかない。
店内には静かに降り注ぐ雨音を思わせるジャズが流れオレンジ色に光るキャンドルと大理石のように磨かれた杉のカウンターがより一層、店の味わい深さを引き立てていた
Barのマスターは休憩制度により、このバランスの取れた素晴らしい雰囲気が軽々しくうるさいメイド達に壊されてしまうのではないのかと悲壮的になっていたが、来る面々はフォルネウスやデミウルゴスと言った味の分かる者が多く、アインズもここに来ては酒に舌鼓を打ち満足して帰る事もあった。
そのためおかげでナザリック通信の『アインズ様御用達スポット(非公認)』で2週間連続1位という輝かしい結果を叩きだしている
(俺のBarが今週も1位...やるじゃないか俺!)
(おっすオラbarのマスター兼副料理長をやってるイケメンマタンゴのピッキーってんだ。...いやピッキーってのはエクレアの旦那が付けたあだ名だからな。そこんとこ勘違いすんなよ。まぁあだ名何だけど名前も無いし今んとこ気に入ってるから良いんだけどね。)
(いやー今まで全然客が来なかった訳じゃないけどシフト制にして客足が増えてよかったよー。昔からたまに来てたデミウルゴスさんとコキュートスさんも最近毎晩来るようになったし、新しく入ったフォルネウスさんと牛頭さんも中々いい味出しながらこの店楽しんでくれてるし...でもあのお二人さんを見た時そんなにこの店にマッチすると思わなかったよなー。)
(フォルネウスさんはともかく牛頭さんだよな。あんな馬鹿みたいにデカイ図体に声もデカいから好きになれるタイプじゃないと思ってたけどさ、いざ来店してみればカウンターの端で静かに大吟醸をチビチビ飲むなんてスタイルぶちかましてくるんだからマジビックリ。今もそこにコキュートスさんと一緒に居るけどこれがまた絶妙な雰囲気であってんだよな。)
カランコローン
「おじゃまします」
「おぉ恐怖公様...とアインズ様ようこそいらっしゃいました。」
「あぁ、じゃまする。」
「じゃまなどそのような事は...」
「ふふふそうか、じゃあ遠慮無く」
アインズと恐怖公は店の中心に円を描くように作らえたカウンターに腰をかける
「アインズ様、今夜は何にいたしましょうか」
「そうだないつものを――と言いたい処だが...悩むな」
(と言うものの俺自身あまり酒には詳しくないしなぁ、ウィスキーのロックがなんかこうカッコいいからよく頼んでるけど...あまりマスターを待たせるのも嫌だし...どうしようか)
「...それでしたらアインズ様、口出しをするのも無粋なのですが私のオススメを飲んでは見ませんか?」
(おっ助け舟来た)
「ん...そうだな、恐怖公のオススメとやらも気になるしな。ではお言葉に甘えてお前に任せるよ。」
「ありがとうございます。それではマスター、私はラムバックを、アインズ様にはマティーニを、後はそうですね付け合せにピクルスを」
「かしこまりました」
注文を受けるとマスターは後ろの棚から2本のビンを取り出し慣れた手つきでマティーニを作っていく。氷をステアする音が店内にゆっくりと伝わっていく中、アインズと恐怖公は無駄な会話などはせず、耳を澄ましこの時間と雰囲気を存分に満喫していた。
店内にはイワトビペンギンのエクレアとその手下たちに図書館の
「お待たせしました。ドライ・マティーニです。付け合せのピクルスはここナザリックで採れたものでございます」
「おぉ、これはまたキレイだな。では早速」
アインズは差し出されたグラスに指を添える。
指がグラスに触れるとカチャリと音が立つがそれ以上は何も聞こえることもなく、アインズは程よく冷えたマティーニを口の中に少し流し込んだ。
「うまいな」
「ありがとうございます」
(へぇ〜この酒よく昔の映画とかによくに出てきたけど...意外とイケるじゃないか。かなり辛口だけど塩の効いたピクルスの後に飲むと口の中がスッキリしてまた少しピクルスが恋しくなる、そこで時間が立ったらまた少し飲むの繰り返し...的な?感じかな?)
「アインズ様お気に召したでしょうか?」
「あぁこれ以上ないほど満足している」
「ありがとうございます。ではマスター次はアコーを。」
「かしこまりました。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
アインズはシメのリキュールを飲み干すと大きく息を吐き、とてつもない満足感に浸っていた。
「ふぅ...恐怖公はスゴイなこんなにもの種類を知ってるなんてな。」
「お褒めにあずあり光栄でございます」
「それに流れも完璧だったな、ゆっくりでも早めでもなく絶妙なタイミングで次の酒が出てくるからとても気分が良かったぞ。それに少しの動作も完璧というか...そうだ恐怖公、お前に預けたあの二人は今どうなってるんだ?」
「お二人ですか、きっとご就眠になられたでしょう」
―――そのころ二人は――――
「ねぇアルベド烏龍茶とって」
「ん」
「ありがと......ん〜染みるでありぇ〜」
「ぷっ、なんなのそれとてもオヤジ臭いわ」
―――こんな感じだった―――
「ふっそうか。この罰ゲー...指導が終わった後にあいつ等が恐怖公に少しでも近づけるといいんだがな。俺もお前から帝王としての動作を学ぼうかな...なんてな」
「お戯れを...私がアインズ様に指導をするなど恐れ多い...」
「いや私はナザリックを動かす事はできるのだが上に立つ者としては幾分か不向きでな、今度本当にご指導願うとするよ。いや命令だ、御指導願おうか」
「しかしアインズ様......分かりました。この恐怖公全身全霊を持ってアインズ様を満足させてみせます」
「ありがとうな、そう言えば明日はアイツが
「えぇあの人はすこし苦手ですが器量好しなのでアルベド様たちには良い影響を及ぼすと思いますよ」
そんな感じで夜は明けていった
〜3日目〜
今日は何故かゴキブリ達の姿が見えない
いや厳密には虫達は居るのだが物音すらたてない
ゴキブリ達は恐怖している
恐怖公より召喚された恐れを知らない有象無象達が...だ
生き物はどのような時に1番の恐れを見せるか?
それは死を目の当たりにした時である
私達1匹1匹に意識を向け確実に死を運ぶ者
そんな者はナザリック内で1人...いや1匹しかいない
――――その名は―――――
「さて今日からお二人をサポートするようアインズ様より命じられエントマ様です。エントマ様ご挨拶を」
「はぁ〜い、アルベド様にシャルティア様ぁ、私は全力でお二人方をサポートしますので一緒に頑張りましょうねぇ。」
蜘蛛人であり圧倒的捕食者
―エントマ・ヴァシリッサ・ゼータ降臨―
ちなみに
さてオバロ屈指の美少女?キャラのエントマちゃんのご登場ですよ!(出てきたの最後だけど)