某鎮守府、昼下り――
◇執務室◇
ガチャ
巻波「書類大淀さんとこに持ってったよ〜、提督〜。んで、その帰りに高波からおやつ貰ったからさ、休憩がてら一緒に食べない?」
提督「ああ、なら休憩するか」
巻波「いいお返事! ならお茶淹れてくるから、ソファーで待ってて!」
〜それから〜
巻波「んっ、おいひい!」
提督「高波はまた腕を上げたな」
〜高波特製バタークッキーを堪能中〜
巻波「そりゃあんだけ長波姉にくっついて色々習ってれば上達するわよ」
提督「そういや、お前が着任したばっかの頃は高波と良く長波争奪戦やってたよな」
巻波「え、意味わかんない。そんなことしてないし」
提督「それマジで言ってる?」
巻波「マジですけど何か? 藤波風に言えば『モチ』ですが?」
提督「へぇ〜」
巻波「だって巻波、提督に一目惚れして、長波姉に提督の好みを色々と聞いてただけだし。その頃はまだ他の姉妹に提督が好きなことバレたくなかったからちょっとアレだっただけし」
提督「お、おう……」
巻波「ん〜、何なに〜? 一目惚れって言われて照れてんの〜? 提督って案外初心だよね〜♪」
提督「……そりゃあ、俺も一目惚れだったから、そんなこと言われたら照れるだろ……」
巻波「ほぇ?」
ポク
ポク
チーン
ボンッ!
巻波「ちょ、ま、え? え? それマジ? 初耳子ちゃんなんですけど?」
提督「たった今伝えたからなぁ」
巻波「サラッと言い過ぎじゃない!?」
提督「俺も巻波が一目惚れしてくれてたなんて知らなかったしなぁ」
巻波「い、一々そういうこと言わないじゃん?」
提督「だよな。だから俺も言わなかった」
巻波「…………////」
提督「…………」
〜なんとも言えない空気が流れる〜
巻波「あの〜……何か言ってくれませんか?」
提督「好きだよ?」
巻波「え、あ、うん、私も好きよ……えへへ♡」
提督「…………」
巻波「…………////」
〜二人してニヤニヤしながら沈黙する〜
巻波「だ、だから〜、何なのよ、この空気は〜!」
提督「俺は巻波の息遣いの音とかだけでも嬉しいんだが?」
巻波「うっさい! うっせうっせ! 恥ずかしいことばっか言うのダメだから!」
提督「…………」
巻波「……うるさい」
提督「何も言ってない」
巻波「私の心臓がうるさいの……」
提督「……可愛い」
巻波「うがぁー! もう好き! 好きだよ……とってもとっても大好き!」
提督「俺も好きだよ」ニコッ
巻波「〜〜〜〜っ♡」
ガバッ
〜巻波、提督の膝上に向かい合うようにして座る〜
提督「どうした?」
巻波「悔しい」
提督「?」
巻波「だってさぁ、私ばっか恥ずかしい思いさせられてるんだもん」
提督「そんなことないと思うんだけど……」
巻波「あるし! 提督がニコッてしただけで私顔熱いもん!」
提督「そんなこと言われてもなぁ」
巻波「ほらその顔! その仕方ないなぁって顔! キュンキュンする!」
提督「お、おう……」
巻波「むぅ……どんな表情でも仕草でもキュンキュンするぅ……」
提督「…………」
巻波「巻波の全部提督のモノじゃん……こんなにこんなに夢中にさせてさ」
提督「俺は嬉しいけど?」
巻波「むぅ……むぅむぅ! こんなの……こんなのってさ……」
提督「なんだよ?」
ぽすっ
〜巻波、提督の胸板に顔を押し当てる〜
巻波「好きになる一方じゃんか!♡」
テシテシ!
〜巻波、提督の胸板を軽く叩いて謎の抗議〜
提督「俺も毎日巻波のことが好きになってるよ」
巻波「う、うぅ嬉しいけどぉ、今はそんなこと訊いてない〜!」
提督「好きなのに……」
巻波「分かった! 分かったから! 私も好き! それで提督も私が好き! うん、オッケー! もうこの話終わり!」
提督「あ、ああ」
〜また二人の間に沈黙が流れる〜
巻波「…………ねぇ」
提督「ん?」
巻波「ぎゅってする力を弱めていいとは言ってないんだけど?」
提督「ああ、ごめん」ギュッ
巻波「んんっ……へへへ……♡」ニヤニヤ
提督「もう少しこのままでいたいんだけど、いいか?」
巻波「え〜、仕方ないなぁ♡ 私も同じ気持ちだから許してあげる〜♡」スリスリ
◇執務室外・ドア前◇
高波「二人共ラブラブかも……♪」
長波「ラブラブ超えてね、アレ」
高波「言っちゃダメだよ、長波姉様。みんなそんなこと知ってるもん」
長波「あ、しまった。あまりにもゲロあまだから思わずツッコんじまった」
高波「ツッコんだら負け、かも!」
長波「だな〜。ま、報告書はもう少しあとにするか〜」
高波「高波もクッキーの感想を訊くのあとにする」
長波たちは執務室のドアに『ゲロあま注意』と言う張り紙を貼ってその場をあとにした。
しかし結局、戻って来ても夫婦はくっついたままだったので、長波様が突撃することになったそう――。
巻波 完
巻波終わりです!
お粗末様でしたー!