奥様は艦娘! 艦これSS   作:室賀小史郎

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駆逐艦榧がお嫁さん。


榧とケッコンしました。

 

 某鎮守府、昼過ぎ――

 

 ◇執務室◇

 

榧「あの、提督……?」

 

提督「ん〜? どうした、かやや?」

 

 〜提督はソファーで榧に膝枕をしてもらっている最中〜

 

榧「そろそろ席に戻りませんか?」

 

提督「あ、辛い?」ムクリ

 

榧「あ、いえ、そういう訳では……ただ、午前中に遠征から戻ってきた艦隊旗艦さんがそろそろ報告に来る時間なのでは、と」

 

提督「確かにそうだ……でもそれはいつも榧に膝枕されながら聞いてるじゃないか」

 

 〜艦隊のみんなはその光景に慣れてしまっているのだが、榧は提督が怠け者と思われたくないのである(そんなことは杞憂なのだが)〜

 

榧「しかしそれでは威厳が……」

提督「威厳で飯は食えぬ」バッサリ

榧「でも……他の方々に提督がよく思われないのは、妻として心苦しいです」

提督「別にそんなことないよ」

榧「どうしてそうもハッキリと……」

提督「だって俺がかややの膝枕されてるのはここじゃデフォだからな」キリッ

榧「ですから……」

提督「そりゃあみっちーとかかすみんとかぼのぼのとかのきびしー組は榧にベッタリな俺に文句は言うけど……」

榧「やっぱり……」

提督「……分かったよ。かややがそう言うなら、これからはプライベートの時だけにするよ」

榧「はい、お聞き届け頂きありがとうございます」ニッコリ

 

 〜こうして提督は榧の膝枕を我慢することに〜

 

 ◇

 

 それから数日後ーー

 

榧「あの、提督……」

 

提督「ん〜? どうした、かやや?」

 

榧「榧たち、夫婦ですよね?」

 

提督「何当たり前のこと聞いてるんだ?」

 

榧「…………」

 

提督「もしかして、何か俺に至らないところが?」

 

 〜提督は顔面蒼白で榧の隣に詰め寄った〜

 

榧「い、いえいえ! そういうことは決してありませんから、ご安心ください!」

提督「本当に……? 自覚無しってことでリコンとか……」

榧「リコンなんて考えたくもありません!」

提督「良かった……」ホッ

 

 〜心底ホッとする提督〜

 

提督「ならなんであんなことを聞いたの?」

榧「それは……その……」

提督「言ってくれ。夫婦なんだから二人で分かち合おう」

榧「最近、艦隊の皆さんに……」

提督「みんなから?」

榧「提督とリコン間近なのか、と尋ねられることが増えていまして……」

提督「あ〜、それは俺も訊かれたよ」

榧「え!? ちち、因みに、ど、どなたから?」

提督「ゴンゴン(金剛)にハルル(榛名)にあまぎん(天城)だろ? あとは……」

榧「そ、そんなにですか?」

提督「うん。ほらちょっと前から俺がかややの膝枕を堪能するのやめたじゃん? そのせいなのか、なんかみんな俺がかややから愛想尽かされたって思ってるみたい」

榧「榧はそんなことありませんからね!? 絶対にリコンなんてしませんからね!?」

提督「それは知ってるって……でもそこまで強く言ってくれると嬉しいな」

 

 〜思わず笑みが零れてしまう提督だが、榧は正反対で顔面蒼白〜

 

榧「……いや」

提督「かやや?」

榧「提督とリコンなんて絶対に嫌です! 嫌! 嫌嫌嫌嫌嫌ーっ!」

提督「お、落ち着け! リコンなんてしないんだから!」

榧「でも! 皆さんから尋ねられる度に、榧は苦しくて……気が狂いそうになるんです!」

提督「だから心配しなくていいって!」

榧「……そうだ」

提督「どうした?」

 

 〜榧は提督の質問には答えず、問答無用で提督を抱え上げてソファーに移る〜

 

提督「あの……榧さん?」

榧「提督、榧は自分勝手です。自分から提督におやめになるよう言ったのに……」

 

 〜榧は提督に膝枕しつつ、今にも泣き出しそうになりながら謝る〜

 

提督「つまり、前のように戻すってこと?」

榧「お嫌でしょうか?」

提督「嫌だなんてとんでもない! 寧ろ願ったり叶ったりだ!」

榧「……実は榧も、この数日間、提督がお膝に居られないことを寂しく思っていました」

提督「ほう?」

榧「駄目ですね……艦隊の皆さんに示しがつかないからと自分からおやめになるよう提案しておきながら、それをやめた途端に不安で自分が押し潰されてしまって。妻失格です」

提督「人生に正解なんてないんだ。結局俺たちはこれが合ってた。それだけのことだ。だからそんなに自分を責めるんじゃない」

 

 〜そう言って提督は榧の頬を優しく撫でた〜

 

榧「榧は幸せ者です♡」

提督「それは俺のセリフだ」

榧「ふふっ、では夫婦共に幸せということですね♡」

提督「うん、そういうこと。これを最高って言うんだな」

榧「そうですね……♡」

 

提督「にしても、プライベートの時間ではしてもらってたけど、やっぱりこうして自由に膝枕してもらうのが一番だなー」

榧「榧も提督が近くに感じられて幸せです♡」

提督「やっぱり俺たちはこうじゃないとな」

榧「はい♡ あ、そうだ。いいことを思いつきました!」

提督「お、なんだ?」

榧「ふふっ、それはまだ秘密です♡」

提督「何かは分からないが、楽しみにしてるよ」

榧「はい♡」

 

 後日、榧は自身の太ももに『提督専用』と達筆に書き、提督や仲間たちを大いに驚かせたとさ――。

 

                   榧 完




榧終わりです!

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