オーバーロード ~破滅の少女~   作:タッパ・タッパ

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2017/5/26 「人間の食料」→「人間を食料」、「無い」→「ない」、「見て見たい
」→「見てみたい」、「見つけて見せる」→「見つけてみせる」、「早や1週間が立
つ」→「はや1週間が経つ」、「見た」→「みた」、「変える」→「帰る」、「寝物
語として」→「毎夜、眠りにつくまでのベッドの中で」 訂正しました
文中にカギかっこが入っていたところがありましたので、削除しました
文末に句点がついていない所がありましたので、「。」をつけました


最終話 伝説の始まり

 険しい巌が重なるようにしてそびえたつ丘陵。

 切り立った岩々は、はるか下方の大地より突きだしたようであり、もしうっかりその断崖から一歩足を踏み外そうものなら、翼のある者でもない限り、命を失うのは確実であろう。

 

 そんな地上をはるか下に臨む高地、灰白色の岩々が折り重なる渓谷の合間を抜け、とある一団が姿を現した。

 それは黒や白、そしてまだらの毛並みを持つ山羊の群れである。

 

 

 その群れはゆったりとした足取りで岩山の間に出来た坂道を登り、やがて小高い山の上、開けた場所へとたどり着いた。

 そこにはなだらかな斜面が広がっており、青々とした草が陽光を受け、山々を吹き抜ける風に揺れていた。

 

 

 連れてきた山羊たちをそのちょっとした牧草地で休ませ、彼らを率いてきたまだ幼さの残る少年と、彼よりはわずかに年上らしい痩せぎすながら上背のある少女は、辺りを見回せる小高いところに転がっている岩の上に腰かけ、一休みすることにした。

 大きく平たい岩のすぐ脇には一本の大きな広葉樹があり、その生い茂った葉がちょうどいい(ひさし)となって、初夏の陽光から彼らを守ってくれた。

 

 

 そうして、彼女らはしばし体を休めていた。

 彼女らの視線の先では、数十頭の山羊たちが警戒の色もなく、呑気に過ごしている。

 

 そんな山羊たちを見守る少年たちもまた、なんら用心する様子を見せなかった。

 

 

 この場所ならば、絶対に危険はないという訳でもない。

 およそこの付近は、子ども達だけに山羊の番を任せても大丈夫なほどに安全な場所ではあったが、それでもごくたまに魔獣が姿を現すときもある。

 周囲に気を配るのは当然だ。

 

 

 だが今の彼らは、そんな魔獣に怯える必要もないのだ。

 

 

 少女は腰に下げていた水筒を手にとり、一口だけ飲む。

 水はなまぬるかったが、それは少女の乾いた喉を癒した。

 

 彼女からその水筒を手渡された少年は、うまそうにごくごくと音を立てて飲んだ。そうして一息ついた少年は水筒を少女に返す。

 そして少女は、まだ中身が残っているそれを、この場にいる第三の人物に差し出した。

 

 

 差し出された山羊の内臓で作られた水筒。

 その先にいた人物。

 

 

 それは、目も冴えるような蒼い鎧を着た騎士だった。

 

 

 肌をさらしている部分が一つもないため、その素顔はおろか、どのような人物かさえも垣間見ることは出来ないが、かなりの重量があるであろう重い金属製の全身鎧(フルプレート)を身に着け、険しい山道を歩いてきながら、疲労どころか息一つ乱した様子もない。

 明らかに並大抵の戦士とは一線を画すほどの実力の持ち主であることは間違いない。

 

 

 彼は差し出された水筒を前に首を振る。

 それに少女はわずかに残念そうな表情を浮かべ、固くふたを閉めて、それを腰へと戻した。

 

 

 彼にはいささか変わったところがあった。

 食事などをしているところを他の者には見せようとしないのだ。

 常に鎧兜を身につけたままである。

 

 だが、食事を渡した後、しばらく経ってから見ると、それは綺麗に食べられていた。

 食事をする必要がない――実は鎧の下はアンデッド、などということではないようだ。

 

 

 その奇行には、いささか首をひねったものの、その様子を見た元冒険者の父が、宗教上の理由だろうと推察し、言われた彼はその言葉に首肯した。そう言われてしまえば、それ以上は追及してはいけないという暗黙の了解があるらしい。

 少女は素顔を見てみたいという好奇心を無理矢理、胸の内に収めるより他になかった。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 この騎士は不思議な人物であった。

 

 

 数日前の事、この高地において他の者らが住む集落とはいささか離れた山間に彼女らの一家は居を構えていたのだが、その住居の付近に1体のマウンテン・トロールが姿を現したのだ。

 

  

 彼女らの父はかつて冒険者であり、怪物(モンスター)への対処はお手のものだった。

 ときおり現れる、そういった怪物(モンスター)たちはこれまで彼によって退治されるなり、追い払われていた。

 

 だが、そんな歴戦の彼の目から見て、現れたそいつを討伐するのは困難極まりないことであるとは容易に知れた。

 

 

 トロールはその体躯に見合った怪力と防御力を持ち、そして何より驚異的なまでの再生能力を有する難敵である。たとえ1体でも、決して油断することは出来ない。並み程度の冒険者がチームを組んで立ち向かい、それでやっとの相手だ。

 

 それなのに今ここでトロール相手に闘えるのは、すでに引退し、肉体の盛りを過ぎた元冒険者である父ただ一人なのだ。

 少年もまた戦うと言ったが、それはげんこつで黙らされた。

 

 ましてや、相手はただのトロールではなく、マウンテン・トロールである。

 多数の亜種がいるトロールの中でも、敏捷性と知性――元より大して無いが――こそ劣るが、その巨躯からくる耐久性と膂力は群を抜いている。

 

 それこそ、子供が大人に立ち向かうようなものだ。

 

 

 勝ち目がないことをすぐさま悟った父は、大切な妻と2人の子供たちを何とか逃がそうと試みた。

 だがそいつは、彼らの住居の周りにあった建物――小屋や道具置き場など――を手にした棍棒で破壊してしまった。

 家の中に追い詰めたはずの人間たちが、自分の隙をついて、ちょろちょろと物陰に隠れて逃げだすであろうことは、そいつの知能でも分かった。

 

 

 まさに万事休す。

 

 家を出て逃げだそうにも遮蔽物も何もないところでは、歩幅が大きいマウンテン・トロールにはすぐに追いつかれてしまうであろうことは目に見えている。

 かといって、家に立て籠もろうにも、この家は木造である。そいつの持つ樹齢100年を超える巨木のようなこん棒の前には、砂糖菓子のように容易く粉砕されるだろう。

 

 かくなる上は、全員バラバラに走って逃げることで、誰かを犠牲にしつつも残る誰かを生かすという、非情の手段を決断せねばならぬかと悲痛な覚悟を決めた。

 

 

 

 そんな時であった。

 その場に、湖に湛えられた水のように蒼い全身鎧(フルプレート)を身に纏った騎士が現れたのは。

 

 

 

 彼は臆することなく、トロールへと歩み寄り――なんと、そいつに向かって、その狼藉をいさめたのだ。

 

 当然ながら、トロールはそんな忠告など聞く耳を持たない。

 不快さからくる苛立ちのままに、蒼の騎士へとこん棒を振り上げ、襲いかかった。

 

 

 ――一閃――。

 

 

 まさに一瞬。

 刹那の剣技。

 恐るべき強敵であったマウンテン・トロールは、一刀両断の言葉通りに切り捨てられてしまっていた。

 

 その(さま)を見た元冒険者の父は、眼前で起きた出来事に度肝を抜かれて、立ち尽くすより他になかった。

 

 

 

 そうして、彼はその家に歓迎を以って、迎え入れられた。

 

 なんでも、彼ははるか遠い所から、この地にやって来たらしい。この周辺の地理なども、まったく知らなかった。

 そして名前を聞いても、なんと言っていいのか困っている様子だった。

 

 そんな奇妙すぎる彼の事を一家は受け入れた。 

 彼はその一家の許にとどまり、多少の手伝いをしつつ、様々な知識、情報を教えてもらい、時を過ごした。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 そうして、少年と少女、2人の護衛を兼ねた蒼の騎士の3人は、山の上にあるちょっとした草地でのんびりと時間を過ごしていた。

 

 彼らの視線の先で山羊たちはなんら警戒することなく、思い思いに跳ねまわるなり、草を()んだり、座り込んでいたりとのどかな雰囲気を醸し出している。

 

 だが、そうして代わり映えのしない山羊たちの様子を眺めている事に飽きたのであろう、そのうち少年は腰かけていた岩から立ち上がると、足首ていどまで丈がある野原の上で身体を動かし始めた。

 

 

「ちょっと、パット! あんまり騒がないの! 山羊が驚いてるでしょ」

 

 少女の言葉通り、パットと呼ばれた少年があげる気合の声というより、奇声とでもいうべきものに、すぐそばに近づいていた山羊がビクンと身体を動かしていた。

 

「えー、リーナ姉ちゃん、それくらいいいじゃん」

「駄目よ! そうして怖がって乳の出具合が悪くなったら、どうするの!?」

 

 その言葉に、パットはウッと口ごもった。

 ヤギの乳は少年の好物の一つだ。それにヤギの乳から作ったチーズは麓の街に高く売れる。もし、それが採れなくなったら、一家は貴重な収入源を失い、困ることになる。

 

 

 少年の分が悪くなったと察した彼は助け船を出した。

 

「パット、随分と熱心に体を鍛えているんだね。大したものだ」

 

 かけられた言葉に、がばっと身体ごと振り向くパット。

 その目は輝いていた。

 

「騎士様、分かる?」

「ああ、もちろん分かるとも」

 

 少年はにんまりとその頬をゆるめた。

 

 そして、ふたたびしゅっしゅっと拳を繰り出して見せる。

 それは拳を握り突きだす、勢いの乗った蹴りを繰り出すというより、握った手を振り回したり、膝を曲げたまま反動をつけて足を上へと振り上げるだけといった、およそ武術、格闘技とはとうてい言えないような稚拙なものでしかなかったが。

 

 

 しかし、そんなことはさておき、パットは軽く汗をかくほどに体を動かし、己が夢をこの漂泊の騎士へと語った。

 

「俺はさ、いつか強い格闘家になるんだ。そして世界中を旅してまわるんだ」

 

 そんな少年に、姉は呆れたような声をかけた。

 

「はいはい。また『拳聖』みたいになりたいって、言うんでしょ。なれるわけないじゃないの」

「なれるよ! 絶対になる!」

「そんなの無理だってば!」

「無理じゃない!」

 

 

 傍から見ていて、ほほえましくもある言い争いが始まりかけ、彼はまあまあと言って2人を抑える。

 そして、ふと気になった、会話に出てきたキーワードについて訊いてみた。

 

「『拳聖』とは、なんだい?」

 

 その言葉に少年はことさら驚いたような表情を浮かべた。

 

「えー、『拳聖』を知らないの?」

 

 尋ねてみたのは少々拙かったかと思ったが、今更、言い繕っても仕方がない。彼は素直に「知らない」と答え、教えてくれるよう頼んだ。

 言われた少年は少し自慢気な顔をして語った。

 

「『拳聖』ゼロだよ。300年くらい前にあったっていう死霊戦争の頃の人で、世界中が混乱していた時代を自分の拳一つで生き抜いた凄い格闘家さ」

 

 

 

 そうして少年は自分の憧れている人物が、如何に偉大な人物であったかを語った。

 

 なんでも、そのゼロという男は、武器を持った者に決して後れを取らぬほど鍛錬を積んだ格闘家であり、その肉体は鋼のごとくに刃を通さず、また繰り出した拳から衝撃波を飛ばし、遠距離の敵を攻撃することも出来たという。

 なかでも彼の一番の切り札としては、その全身に施された様々な動物の入れ墨。その力を発動させると、それぞれの動物に応じた力が自分の身体に顕現され、凄まじい肉体能力を手に入れることが出来たのだという。

 

 

「そうやって、ゼロは死霊戦争で混乱した世界各地を渡り歩いたんだよ」

 

 そう言って目をキラキラと光らせる。

 きっと少年にとって、会った事もないそのゼロとかいう人物は、崇敬の対象となっているのであろう。

 

 

 だが、それに姉のリーナは微妙な表情を見せた。

 

「うん。パットがそのゼロを尊敬するのはいいんだけどね。……でも、お姉ちゃん、唐揚げにマヨネーズをかけて食べるの止めてほしいんだけど……」

「えー。でも、ゼロもそうやって食べてたって言うぜ」

 

 唐揚げには柚子胡椒派の彼としては、唐揚げにたっぷりのマヨネーズをかけるのがこちらの習慣かと思い、我慢して食べていたのであるが、そんな理由があったのかと納得した。

 

 

 それと同時に先ほどの表情、受け答えする際の少年の様子に、実際に子供がいる身である彼は(ははぁ)と見当がついた。

 

「なあ、パット。すまないが、その死霊戦争とは何なんだい?」

 

 再度、驚いたような声をあがった。

 

「ええー? そんな事も知らないの?」

「ああ、知らないんだよ。私は遠くから来たからね。だから、すまないが教えてくれないかな? 頼むよ」

「しょうがないなぁ」

 

 口ではそう言いつつも、自分が尋ねられたことにパットは満足げな顔だ。

 

 少年は家族の中では一番の年下である。

 そして、一家はあまり余所との交流もないようだ。

 そんな自分が誰かにものを教える立場になったというのが嬉しいのだろう。

 

 

 そして、少年は語った。

 300年ほど前、この地において『死霊戦争』と呼ばれる大きな騒乱があったことを。

 

 

 

 死霊戦争。

 それは一つの大きな紛争ではなく、800年前の八欲王や、500年前の十三英雄の時代と並んで、世界が大きく混乱した時代の事を指す。

 

 先ず、何故、死霊戦争なる呼び名がつけられているのか?

 これについては、大量のアンデッドたちが全世界で暴れたことに由来する。

 

 かつて死霊術に長け、アンデッドを使役するズーラーノーンなる秘密組織があった。

 生と死の探求に全てを捧げた彼らは己が目的をかなえるため、長年にわたり、闇に紛れて活動を続けていた。

 そんな彼らであったが、その頃――どういう理由があったのかまでは伝わってはいないが――突如として活動を活発化させ、世界中を混乱の渦に叩きこんだのだ。

 

 何の前触れもなく、あちらこちらにアンデッドの大群が現れては人々を襲った。

 その結果、かつてはこの近隣にいくつもの人間を主とした国家があったのだが、今、彼らがいる竜王国を除いた全ての国が一度滅んだのだそうな。

 

 

 そんな破壊と狂乱の最中、先にあげたゼロの他、幾多の英雄や悪人が現れた。

 

 ゼロの宿命のライバルとして、そして時には友として、長年にわたって互いに切磋琢磨することになった蜥蜴人(リザードマン)の格闘家『武神』ゼンベル。

 世の混乱に乗じ、これまで踏破不可能と思われていた険しい山脈を越えて人間の領域奥深くに侵攻することに成功し、そこにビーストマンの国家を作った獣王ナグルファン。

 動乱の隙を狙い、かつてあった国家を盗み取った盗人王コッコドール。

 古よりの故郷を取り戻さんと、邪悪なる外法に身を委ねたダークエルフにして吸血鬼(ヴァンパイア)、黒のモーリア。

 圧制を敷く貴族により腐敗していた国を立て直し、民衆を助けた慈愛王スタッファン。

 華麗なる剣技、そして主への忠節で知られた『夢幻』のサキュロント。

 荒れ果てた世を立て直すため、正義と秩序を求めて戦った光の聖騎士スタイプ。

 かつてあった人間至上主義の国を完膚なきまでに破壊し、人民を虐待しつくした邪悪なトロールのザグ王。

 己がいかな目に遭おうとも、傷ついた人を助ける事を止めなかった『嘆きの聖女』ラグンヒルド。

 我が物顔で暴れ、跳梁跋扈するアンデッドや亜人、怪物(モンスター)たちから人間種を守るため、国家によらぬ秘密組織を作り上げた人類の守護者ニグン・ルーイン。

 戦争中は重宝された傭兵も、紛争が終われば野盗と化して近隣の住民を襲う状況を憂い、現在まで続く傭兵ギルドを立ち上げた、伝説の傭兵ハーコン。

 そして、そんな混沌とする情勢の中、果敢にも諸問題に立ち向かい国家、そして国民を守った偉大なる『黒鱗の竜王(ブラックスケイル・ドラゴンロード)』、ドラウディオン・オーリウクルス。

 

 

 

 少年の口から止めどなく流れるのは、古より語り継がれてきた伝承(サーガ)

 鋼と魔法の世界に繰り広げられた、まばゆいばかりの英雄譚。

 誰もが掛け値ない勇者であり、悪人ですらも破格の人物たちであった。

 

 聞けば、この姉弟、リーナとパットという名も、その当時の動乱の中、為政者に迫害され、放浪を余儀なくされた民衆たちに食料を分け与えて保護し、誰かれの区別なく多くの人を助けたという偉人の名に由来するらしい。

 

 

 

 そして、少年は興奮して語る。

 

「でも、やっぱり、一番は『至高帝』だよ!」

 

 息せき切って言われた言葉を彼は聞き返す。

 

「『至高帝』?」

「うん!」

 

 パットは力強く頷いた。

 

「『至高帝』エンリ・バレアレ。ただの村娘から、一大帝国を築いた凄い人さ!」

 

 

 

 エンリ・バレアレ。

 後の世に『至高帝』と語り継がれる彼女は、元々は何処にあるとも知れぬ寒村に生まれたごく普通の村娘であったらしい。

 おそらく平和な時代であれば、彼女は名を残すことなく、平凡な女性として生き、そして年老い死んでいき、歴史の中に埋没していったであろう。

 

 だが、彼女が生きたのは動乱の時代。

 英雄が求められた時代。

 

 ズーラーノーンの策動により、各国が滅び、世が荒廃していく中、彼女は立ち上がった。

 

 

 その当時、人間や亜人などの各種族は交わることなく、別々に暮らすことが普通であった。

 とくに、この近隣の人間の領域と呼ばれていた地域では、人間種が優位に立ち、他の種族ゴブリンやオーガらの亜人は言うに及ばず、エルフやドワーフなど、その時代より一昔前までは人類の友邦とされていた種族まで迫害し、地域によっては奴隷にまで貶められていたのだとか。もっとも、そんな人間の領域の外では、戦闘力に勝る亜人たちに人間は虐げられる存在であり、奴隷として労働階級にされるならまだましな方、家畜として食料や趣味の狩猟の対象とされていたほどだったという。

 

 

 そんな中、エンリは自身も人間であり、人間の住まう領域に身を置きながら、それとは反する政策をとった。

 すなわち、種族に関係なく、人間であろうと亜人であろうと平等に取り扱ったのだ。

 彼女の旗下に収まったのは、人間の他、ゴブリンやオーガ、蜥蜴人(リザードマン)らに加え、通常、人間を食料とする亜人種であるビーストマンやトロールまで。それに加えて恐るべき力を誇る強大な魔獣や、挙句の果てにはアンデッドすらも彼女の命に従っていたとされる。

 

 そうして、彼女は混乱の大地に覇を唱えた。

 最初は自分が治めていた村を守るため。

 そして、近隣の村々に請われるままに、彼らを助け、やがて大いなる歴史の流れの中で、一大帝国を築くまでになった。

 

 もちろん、それを成し遂げることが出来たのは、彼女一人の力だけではない。

 大義の為に、彼女と命運を共にした臣下たちがいてこそである。

 彼女に心酔する者は多く、その名が語り継がれる者だけでも、トブの大森林を支配した森の賢王。エンリの妹にして数々の魔獣を従えた『獣姫』ネム。旗揚げ当初からの側近であり、ルディスの戦いの際に彼女をかばって死んだゴブリンのカイジャリ。軍師として知略の面から彼女を助けた小男グトホルム。蜥蜴人(リザードマン)の勇者、『白き鱗』のリュクラース・シャシャ。魔術の粋を極め、そしてその力で弱き民衆を助けたニニャ・ザ・スペルマスター。魔術と剣技の両方に長けた『不死将軍』リュース。臆病者としてかつての部族を追われたが、エンリの下でその怪力を存分に生かして戦ったトロールの『剛腕』グズレーズ。金属鎧すらも容易く貫く必殺の刺突を得手とした『怪鳥の雄たけび』のマルムヴィスト……。

 一人一人が伝説となるほどの英雄たちが、彼女の下に集い、そして命を懸けた。

 

 

 その頃の人物の中でも、彼女が特に人々からの人気が高く、そして広く語り継がれる理由は先にあげた、ただの村娘から皇帝までかけあがった事、種族を問わぬ平等政策を推進した事の2点の他に、さらにもう一つある。

 それは彼女こそが、長く続いた死霊戦争を終わらせた人物であるからに他ならない。

 

 

 死霊戦争と呼ばれた長き不毛の時代。

 その最後の戦い。

 

 すでに盟主は打ち倒され、最後に残ったズーラーノーンの幹部たちは、一つ都市に閉じ込めた数十万人ともいわれる生きとし生ける人間を一度に殺戮し、その莫大な負のエネルギーをもって、自分たちの悲願を成就せんと目論んだ。

 それを阻止し、人々を救わんとしたエンリの軍勢との間で起こった、『アーウィンタール攻防戦』。

 

 

 かつて、その地にあり、隆盛を誇ったと言われた国のかつての首都を舞台にした熾烈な戦い。

 

 攻める至高帝の軍勢。

 

 対するは追い詰められたズーラーノーンの残存戦力。

 滅びた国の王女を生き返らせる為、数限りない人間を生贄にささげた『外法騎士』クライム。力を信奉し、邪法により狼の力をその身に宿した暗黒戦士、(よこしま)インガルド。名も知れぬ、汚らしい膿を垂れながす醜悪極まりない異形の怪物。

 そして、邪悪なる秘術によって生み出された地を埋め尽くすほどのアンデッドたち。

 

 

 だが、そんな彼らを前にしても、『至高帝』エンリ率いる正義を胸に抱いた戦士たちは屈さなかった。

 多大な犠牲を払いつつも――ついにエンリは勝利した。

 

 そして、長きにわたった死霊戦争に幕が下りる事となったのだ。

 

 

 長き時の果て、彼女の作りあげた帝国も今はなく、各地にいくつかの街や遺跡など、往時の痕跡を思わせるものを残すのみであるが、その輝かしい功績は決して色あせることなく伝承の中に生き続けている。

 

 

 

「僕はいつか、その『至高帝』エンリの遺産が隠された迷宮を見つけたいんだよ」

 

 興奮のあまり、一人称が俺から僕になってしまっている事にも気づかず、少年はつづける。

 

 

 エンリの配下には『不死将軍』リュースを始めとしたアンデッドも多数、加わっていた。

 だが、彼らはエンリの死後、いずこかへと姿を消したのだという。

 

 なんでも、この世界のどこかに、とある迷宮(ダンジョン)があり、彼らはそこへ行ったのだとか。

 その名も知られていない迷宮(ダンジョン)の奥深くは、また別の地へと繋がっているらしい。そこは金銀財宝や値もつけられぬほどの芸術品の数々で埋め尽くされ、言葉では言い表せぬほどの、まさに天上の世界とでもいうべき空間であるという。

 そして、そこには『至高の御方』が長い眠りについているのだと語り継がれている。

 

 

「『至高の御方』って言えば、『至高帝』だろ? きっとエンリは死んだんじゃなくて、そこで眠りについているのさ。僕は世界中を旅して、それを見つけてみせるんだ」

 

 目を輝かせて言う少年の言葉に、彼は優し気な口調で「きっと、できるよ」と口にした。

 

 

 

「ねえ。そろそろ、帰りましょう」

 

 姉であるリーナの声。

 話に夢中になっていたが、天を見上げると日が傾きかけている。

 

 彼女らの家は、満足な照明がなく、そのため、日の出と共に動きだし、そして日の入りと共に眠りにつくといった生活をしている。今はまだ、頭上にある太陽はやや傾いた程度だが、これから家に帰った頃には、空が茜色に染まり始めているだろう。

 

 

 放牧を終え、帰り支度をするかたわら、リーナはちょっとすました感じで語りかけた。

 

「ねえ、騎士様。昔のお話が気になりますか? なんでしたら明日にでも、パットじゃなく私が詳しくお話ししましょうか?」

 

 その言葉には、わずかながら青の騎士に対する憧憬以上のものが込められていた。

 だが、彼は首を横に振った。

 

「いや、すまないが、私はそろそろお(いとま)しようと思っている。明日の朝にでも、この地を発つつもりだ」

 

 その答えに、少女はわずかに身を揺らせた。

 彼女の胸の奥に秘められ、生まれ始めていた感情は彼とて分かっていたものの、あまり彼らの許に長居をするわけにもいかないのだ。

 

 

 

 

 彼がこの地に来てから、はや1週間が経つ。

 その間、何の知らせもない。

 ログアウトもできず、GMコールもきかなかった。

 どう考えても、おかしすぎる。

 

 

 そもそも、彼がその日、ユグドラシルを起動したのも、ほんのちょっとしたことからであった。

 

 

 彼はすでに何年も前、友人たちに引退を告げていた。

 それ以降、ユグドラシルにログインすることもなかった。

 

 だが、忙しく時を過ごしていたある日、昔の友人からメールをもらったのだ。

 ユグドラシルが終了しますので、せっかくですから最後の日に集まりませんか、と。

 

 

 そのメールを見た瞬間、かつての輝かしい日々、楽しかったあのころの事が頭の中に浮かび上がってきた。矢も楯もたまらなかった。

 

 幸いにして、引退を宣言したとはいえ、ユグドラシルのアカウント自体は消さぬままにしてあった。 そこで彼は仕事が終わり、家に帰りついた後、久しぶりにログインしようとしたのだが、長い事、やっていなかったため、起動にはシステムのアップデートが必要ですと言われ、延々と待たされる羽目になってしまった。

 

 ようやく入れた時には、もはや終了時間ぎりぎり。

 とにかくメールをくれた友人を捜そうとした刹那、不意に眩暈のようなものに襲われた。

 

 

 

 そうして、気がついたら、見知らぬ山地にただ一人佇んでいたのだ。

 

 

 

 訳が分からないながら、それから数日かけて移動し、ようやく民家を見つけたと思ったら、どうやらマウンテン・トロールに襲われているようだった。

 とりあえず、そのトロールには話しかけてはみたものの、問答無用に襲ってきたのでそれを退治した。

 

 そうして、知り合った家族からようやく事情を聞くことが出来た。

 もっともそれは、何が何だかさっぱり分からないということが分かったのみであったが。

 

 何はともあれ、どうやら自分はゲーム中のキャラのまま、どこか全く知らない異世界へ転移したらしいということは推測できた。

 

 

 誰も知る人もない異世界に放りだされたわけだが、幸いにも、この最初に知り合った一家は自分を受け入れてくれた。

 ――くれたのであるが、いつまでもこうしているわけにもいかない。

 彼には愛する妻も、自分の命より大切な娘もいるのだ。

 とにかく、早く帰る方法を見つけなければならない。

 一刻も早く探しに行かなくてはならない。

 

 

 だが――。

 

 だが、薄情な話かもしれないが、彼はこの見知らぬ世界を前にして心躍るものを感じていた。

 

 

 空気は澄んでおり、人工心肺もマスクも必要なく呼吸ができる。

 周囲を取り巻く大自然は、瑞々しいまでの生命力を見せつけている。

 料理は合成食品ではなく、彼ですらめったに口にすることのなかった自然のもの、いや、口にしたことすらもない天然ものである。そんな食事を堪能できたのは僥倖といえる。彼らは大した味付けも出来ないと言っているが、肉や野菜の素材本来の味が味わえる料理など、よほどの上流階級ですらまず口に出来ない代物だ。

 

 一切、スモッグや有毒物質に汚染されていない、生命の息吹あふれる世界。

 彼が本来生きてきた世界は、全てが人類自らが垂れ流した化学物質によって汚染され、その澱みにまみれて生きるか、人工的に作ったドームの中に籠もるしかなく、自然あふれる世界とはかつての記憶映像かゲームの中にしか存在しなかった。

 

 だが、今、彼の目の前にはゲームなどの疑似的なものではない、本当の大自然が広がっているのだ。 

 

 

 彼ははるか高き岩壁の際に立ち、そこから眼下の景色を眺めた。

 険しい岩々が連なる山脈。

 はるか遠くを見渡せば、向こうの山の頂は白い雪で覆われている。 

 下に広がるのは、うっそうとした深緑色の密林。

 それが途切れた先には、満々と水を湛えた湖が陽光を受けてきらめいており、またそのすぐ近くには灰色や黄土色の規則正しい建造物がある。おそらく人間の住む街だろう。 

 

 

 この周辺の地理については、少年たちの両親から聞いている。

 彼らの家からしばらく降ったところの谷合には山村があり、そこからさらに降った山の麓に、城塞都市オグリオン――これも死霊戦争の頃の英雄の名前に由来するらしい――があるそうだ。

 

 

 ――とりあえず、そこで冒険者にでもなってみるか。

 

 

 話に聞く分では、冒険者は様々なネットワークや情報を持っているらしいし、上位の者になれば、国の有力者とのつながりも出来る。

 彼が知りたい、現実へと帰る方法について、なんらかの情報を持っていてもおかしくはない。

 

 

 人間の街に行くにあたって、彼には大きな問題がある。

 それは今の姿だ。

 話に聞く分にはあまり人種による差別はないらしい。だが、亜人種ならともかく異形種というのはさすがに隠しておいた方がいいと思われた。

 となると、それに伴い、今着ている全身鎧(フルプレート)は脱ぐことは出来ない。人前で食事も出来ない。

 

 しかし、そこで冒険者という立場が優位に働くようだ。

 

 どうやら冒険者の間では、互いの素性を詮索するのは忌避されるらしい。

 脛に傷持つ者も多い危険と隣り合わせの仕事である。大切な事は、かつての行いではなく、今の態度と実力のみという思想があるのだそうな。

 

 

 なんでも、かつて――また死霊紛争の頃の人物のようだが――全身、黒の鎧で身を包んだ『漆黒』と呼ばれる戦士がいたらしい。

 彼は何処から来たのか素性をはっきりとは語らず、その鎧を脱ぐこともなく、人前で食事をすることも宗教上の理由として断っていた。

 そんな得体のしれぬところのある彼であったが、その実力は確かなものであり、幾度もズーラーノーンの呼び出したアンデッドの群れを撃退し、人類を窮地から救ったのだという。

 そこから冒険者に関しては、本人が自ら語ろうとしない内情を探るのはご法度という暗黙の了解が出来たのだそうだ。

 

 どうりで全身鎧を身に着け、素顔も晒さず、名前も言わない彼の事を、元冒険者の父が受け入れてくれたわけだと合点がいった。

 

 

 そういったことを考えた場合、冒険者になるというのは自分の素性を秘するための隠れ蓑として悪くないと思えた。

 

 

 ――それに冒険者となって各地を回るというのもいいかもしれない。

 

 

 彼とても、DMMO-RPGであるユグドラシルをプレイし、その世界を探索することに心血を注いだ人間である。この素晴らしい未知なる世界を旅してみたいという欲望が、むくむくと心のうちに湧き上がってくるのを感じていた。

 

 

 ひとつ、懸念となるのは現在の武装だった。

 彼、本来の装備は引退を宣言した時、「使ってくれ」とかつての友人たちに渡してしまっていた。その為、今、身に着けている装備はゲームを始めた初期の頃に手に入れ、その後は記念だからとアイテムボックスにしまいっぱなしだったものである。かつての最強装備とは比ぶべくもない。本当に強敵と遭遇した時には困ったことになってしまう。

 だが、幸いにして話に聞く分には、この辺りの怪物(モンスター)のレベルは100レベルである彼から比べれば圧倒的に低いようだ。それならば、これらの装備でも十分やっていけるだろうと思われた。少なくとも、装備の新調の為、その身を鍛冶師に晒す必要はないだろう。

 

 

 

 ――はたして、帰る方法は見つかるだろうか?

 そして、この地にはいったい、どんな未知が溢れているのだろう? 

 何なら、その話に聞いた『至高帝』の迷宮(ダンジョン)とやらを探してみてもいいかもしれないな。

 

 

 彼ははるか遠く、地平線まで見通せるほどの広大な世界に思いをはせていた。

 

 

 

 そんな彼に対し、少年は声をかけた。

 

「ねえ、騎士様。騎士様の名前を教えてよ」

 

 少年は、かつて冒険者であった父から、相手が語ろうとしない限り、素性を探ろうとしないのが力ある者達の間でのマナーであることは聞き及んでいた。

 だが、それを知っていながらも、パットはその名を知りたいという欲求を抑えられなかった。

 

 

 少年は感じていた。

 毎夜、眠りにつくまでのベッドの中で聞かされてきた数限りない英雄譚。

 それは少年にとって、それは明日の天気と同様、自分の生活とつながるものであった。

 しかし、心のどこかでは、あくまでそれらはどこかの誰かの物語でしかない、こんな山奥にいる、ちっぽけな自分と関わることなどないのだと、うすうす感じていた。

 

 

 だが、少年ははっきりと悟った。

 今、目の前にいるこの騎士。

 彼は間違いなく、自分が聞かされていた英雄たち、彼らと同じ存在なのだ、と。

 

 

 ――きっとこの人はこれから英雄譚を積み上げるだろう。

 その一番最初に出会えたのは自分なのだ。

 

 

 頬を紅潮させて尋ねた少年に、彼はいささか思案気に答えた。

 

 

 

「名前……名前か、そうだな、私のことは――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――たっちと呼んでくれないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 これで「オーバーロード ~破滅の少女~ 」は終了になります。
 本当に思い付きと勢いだけで書き始めたのですが、こんなに長く書き続けることになるとは思ってもいませんでした。
 1年5か月余りですが、最後までおつきあいくださいまして、ありがとうございました。
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