Fate/Problem Children 作:エステバリス
エステバリスです。
知ってる人はまたやるのか、ですよね。知らない人ははじめまして。
今回言うべきことはありません。強いて言うなら、僕はロリコンじゃないです。ただジャックに父性もしくは母性を刺激された人です。おのれGrand Orderいいぞもっとやれひゃっほーう!
くえすちょんぜろ さよなら醜い世界、ようこそ楽しい世界
いつかの夢を見た。
毎日見るけど、いつも懐かしい夢。
わたしたちは
さぁ、幻想の続きを始めよう―――
◆◇◆
「あれ?」
空を動く音がマントを薙ぐ。中の素肌に風の冷たさが伝わってとても気持ちがいい。
状況の確認を終えて周りを見ると、服装と性別に違いはあれど三人の少年少女がわたしたちと同じように空を切り裂いている。
「―――わ、ぷ!?」
ドポン、ドポン、ドポン……と不思議な水膜を通りすぎて、最後に湖に着水した。
「……ぷは!ちょっと、いきなり呼びつけておいてこれはないんじゃないのかしら!?」
「右に同じくだクソッタレ……こんなんなら石の中に呼び出された方がマシだぞ」
「……いえ、それはそれでダメじゃないのかしら」
「俺は問題ない」
「そう、傲慢ね」
はぁ、とロングヘアーの少女、金髪の少年、栗色の少女の順で湖から上がってくるが、最後の一人―――銀髪の少女は一向に上がってこない。
「……あら?貴女は上がらないの?」
「うん……泳げないの」
頬に物騒なツギハギを持つ少女はあどけない口調で正直に答えた。女性二人の視線がジーっと、少年に向いて彼はめんどくさそうに髪の毛を掻き分けながら再び湖に入水する。
「おらよツギハギロリ……手、掴みな」
「……んっ」
少女が手を掴んだのを確認して少年は再び湖に上がる。少女は衣服が水を吸いまくって端々から水が垂れ落ちているのに気にも止めない。行動、発言、容姿。全てがなにかズレている。
「おいおい、さすがに水気は出そうぜ……ったく」
少年は甲斐甲斐しくマントを細かく絞る。まるで妹の面倒を見ている兄のようだ。
「……まぁ、いいわ。ところで貴方達にも手紙が?」
少女の世話をする少年を尻目に、ロングヘアーの少女は三人に問いかける。
「ああ、んじゃなんだ。そういうオマエも?」
「そのオマエ、というのをやめてくれるかしら?私には久遠 飛鳥という名前があるの……そこの猫を抱えた貴女は?」
「春日部 耀。以上」
「そう……よろしく春日部さん。それで、貴女は?名前、言えるかしら?」
「わたしたちの名前は、ジャックだよ」
「……達?いやそれにそもそもジャックは男につける名前のはずだが……」
ジャックと名乗った少女の言葉に思わず少年は首をかしげる。突然こんな意味のわからない場所に飛ばされて情緒が不安定になっているのか、と勝手に結論づけるにはあまりに早計だ。
「おにぃさんは?」
「あん?」
「おにぃさんの名前は、なぁに?」
「俺か?俺は逆廻 十六夜。粗野、凶暴、快楽主義と三拍子揃ったロクデナシなので用法、用量をよーく守った上で接してくれよ?」
こくん、とジャックは頷く。彼女ほどの幼子には少しわかりづらい言葉を選んだつもりだが、これは全てを理解した首肯なのか、それとも名前を把握したという意味でのそれなのか。判断に迷う。
「……そう、よろしくねジャック、それと十六夜くん」
「ん、おう。よろしく頼むぜ」
一通り挨拶を済ませたのでふぅ……と一旦落ち着く。まずは情報整理。これに越したことはない。
「それで……ここ、どこだろう」
最初に切り出したのは意外にも耀だった。それに対して十六夜は遥か彼方を見ながら答える。
「さあな。どこぞの大亀の背中の上かもしれねぇなぁ……さっき世界の果てみてぇなのが見えたし」
茶目っ気を聞かせているのかはわからないが不思議と確信を得ているかのように十六夜は呟く。まぁあくまで推測は推測。それ以上の答えは彼らには得ることはできないのだが。
と、そんな時、十六夜の服がくい、くい……と引っ張られる。ジャックだ。彼女が少し恥ずかしげにしていたが、十六夜に話を聞いてほしかったようで少し強めに服を引っ張られている。
「ん?どうしたジャック」
「あのね
十六夜を呼ぶ声は不思議な声だった。おにぃさん、そう確かに聞こえたのに他にもなにかが同時に聞こえてくる。
「おう」
「そこのおねぇさんに、話を聞かないの?」
その瞬間、その場にいた全員が謎の寒気に襲われた。無論、おねぇさんと言われたそこの―――隠れているウサミミ少女もだ。
「なっ―――」
「………?」
しかしその寒気を感じたのはほんの一瞬で、呆けていた四人もすぐに意識を引き戻された。
「……あ、あぁ……確かに、そうだな……出てこいよ」
「え、あ、はひ!出てきます!出てきますのでとって食べないでくださいね!?黒ウサギは食べても美味しくないのデスよ!?」
明らかに、寒気にウサギ的な意味で死を察したかのようにウサミミの少女が茂みの中から出てくる。両手をあげて目が丸く、額には多少の冷や汗が流れている。
「で、ですので、どうか落ち着いて黒ウサギの話を聞いてほしいのデスよ?」
「嫌だね」
「お断りするわ」
「右に同じく」
「んーと……やだ」
「取りつくシマがないのデス!」
ぬが!と思わず突っ込んでしまう。あの状況でこうも平然に断ることができるなんてどういう精神構造をしているのかと小一時間ほど問い詰めたくなってしまうではないか。
一旦落ち着くように自己暗示した、黒ウサギと名乗る少女はニコッと綺麗な営業スマイルを作る。
「ま、まーよいです。この世界にやってきた皆様にはこの黒ウサギから直々に、ここ箱庭の解説等々を―――」
「ていっ」
「フギャア!?い、いったい何を思い立ってこの黒ウサギの素敵ミミを引っ張っているのですか!?」
しかして突然自称素敵ミミを耀に引っ張られて思わず反応してしまう。主に痛い的な意味で。
しかし当の耀は
「思い立ったが吉日」
とかのたまう。それでいいのか。
「へぇ、そのウサミミモノホンなのか。んじゃ俺も引っ張りてーな」
「……私も気になるわ」
「わたしたちも!」
わいやわいや俺も俺も、とどんどん黒ウサギに群がってくる。そのあまりの勢いに黒ウサギは押され、か弱いウサギの哀れな断末魔が響いたという。
◆◇◆
それから一時間後、適当に遊んで飽きた三人はようやく黒ウサギを解放し、彼女の顔には隠しようのない疲労が漂っていた。
なおジャックは未だにウサミミで遊んでいるが、この際無視だ。
「……あ゛、ありえないのデスよ……まさか最初の説明に入る前の段階で既に小一時間消費するなんてありえない……まさしく学級崩壊デス」
「わーったからさっさと進めろよ」
「あ、はいラジャーです!それでは言いますよ!?定型文で言いますよ!皆様にはこの箱庭で暮らす権利を獲得いたしました!」
はいおめでとーございまーす!とわかりやすい世辞を述べながら黒ウサギは四人を祝福する。だが彼らが彼女に聞きたいのはそれだけではなく、もっと山のようにある。
「質問、箱庭って?」
「よい質問でございます!皆さんお気付きでございますでしょうが、皆様は普通の人間ではございません。生来、あるいは後天的に授けられたギフトを用いることの可能な存在、それが皆様であり、この箱庭はそうして元の世界で生きられなくなった方や箱庭に招かれるだけの功績のあるギフトを持っている者達が蔓延っています!皆様はその中の一人として、こうして招かれたというわけです!」
どこからともなく現れた回転式のホワイトボードには首尾よく箱庭について記されていた。黒ウサギがそれを反転させて反対のボードに移す。
「この箱庭においてはそんなギフトを持つ方々によるギフトゲームという、皆様の世界におけるスポーツのようなものが存在しております。
「嫌だね」
「属していただきます!」
十六夜の発言を却下するように二回言った。すると早速聞きたいことがあると飛鳥が挙手する。
「じゃあ次の質問よ。"主催者"って誰?具体的に、特定の個人と決まっているの?」
「それは様々です。修羅神仏が定めた、偉業をなぞるゲームもあればただのYes,or Noクイズというものも存在しますし、であれば"主催者"も神仏主催の大掛かりなものから友人間での掛けのようなものもありますから。当然、賞品として定められているのならギフトの略奪だって可能でございます」
「ならギフトゲームとはこの世界の法そのものと考えても?」
「それは半分正解です。ギフトゲーム外で盗難や拉致、性犯罪などがあってはいけませんからその辺りの法は勿論存在しますし。ですがそれが互いの同意によるギフトゲームで決まったことなら箱庭側から止めることは基本的にいたしませんね」
「そう、なかなかに野蛮ね」
「Yes.ギフトゲームとは勝ったものこそが正義。勝利には飛ぶことが必須であれば飛べない方が悪い。極論、不死を殺せと言われても殺せない方が悪いのです」
少し長めの問答をして、少しだけ黒ウサギは息を整える。するとそのタイミングを測っていたように次の質問が。
「じゃあそのギフトゲームはどう行うの?」
「互いの同意さえあればモノによってはその場でぱぱっと。大掛かりなものとなるとゲーム盤の準備などなにかとありますから、具体的な日時を決めてその時に執り行ったりもします」
今度の質問は逆に短く終わった。聞かれれば答えはするが、聞かれなければ答えない、のスタンスなのだろう。黒ウサギは未だにミミ弄りに余念がないジャックを少し強引に引き剥がして耀と飛鳥の側にぽん、と置く。
つまらなさそうな顔をしていたので少し罪悪感。まぁそこは司会進行。これ以上の質問はないと判断したのか、西側に足を向け、ツアーガイドのようにヒラヒラと四人を招く。
「さて……私からのチュートリアルは基本的に以上となっております。説明すべきところはお二人がご質問なさってくださりましたから。それではまず、皆様には黒ウサギの属するコミュニティに加入していただきます。なによりもコミュニティの加入がなければ―――」
「おい待てよ黒ウサギ。俺はまだ質問してないぜ」
が、それを十六夜が止めた。なんの質問が来るのやら、と黒ウサギは少しだけ身構える。
「……なんでございましょう?箱庭のルールに関しては一通り説明致しましたが」
「ああそうだな。だが、俺が聞きたいのはそうじゃねぇ。招かれた経緯?この世界はどういう世界が?ハッ、それは二の次だ」
「……では、いったいなんでございましょうか」
黒ウサギの問いかけに対して十六夜の表情はにひゃりと笑った。黒ウサギ含む四人を見回して、まるで世界を仰ぐように両手を広げる。
「俺が聞きたいのはたった一つ……俺達は元の世界にあった財産の凡てを置いてきた。だったらこの箱庭はその置いてきた財産に見合った……あるいはそれ以上の世界じゃなきゃ納得いかねぇ」
ビッ、と黒ウサギに向けて人差し指を指す。自称快楽主義の十六夜がこの状況で問うのはただ一つ。彼がこの世にあり続けるために最も必要としている糧……愉悦、その有無。
「この世界は―――楽しいか?」
「―――Yes!皆様が置いてきた財産に見合った、いえ、それ以上の価値のものがこの箱庭の世界には存在すると、この黒ウサギが保証致します!!」
こうして、彼らの
いったいこのプロローグ何回書いてるんでしょうか。メインで進めてる作品以外一向に進んでないです。なのにこのプロローグだけ何回もやってて、よくわかんないけど泣けてきます。
……お正月、なにがピックアップされるんでしょうね(遠い目)