Fate/Problem Children   作:エステバリス

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オルタニキ出なかった(挨拶)

い、いいさ……これは茨木童子や水着のためにとっとく石なんだ……ランスロットしかいないからって無闇に引いたりは……引いたりは……!

あ、ここからは少しお知らせを。後書きに質問というか、作品の今後のことについて少々皆さんに聞きたいことがあります。そこまで大事な話ではないのですが、もしかしたら多くの読者離れを呼んでしまうかもしれないことなので……

それでは本編をどうぞ。




くえすちょんつぅ 小さな決意と、動く栞

 

 

「構わんぞ」

 

白夜叉が一行の要望に出した答えは予想外のYESだった。

 

だがそれで終わるはずがなく、彼女はしかし、と付け加える。

 

「条件……というか聞きたいことがある。ジンよ、"フォレス・ガロ"とのギフトゲームを終えて少ししてから小耳に挟んだのだが、"ノーネーム"が魔王関連のトラブルを引き受けると聞いた。真か?」

 

ジンは静かに首肯して返事をする。

 

「はい。旗も名もない僕らが成り上がり、失ったものを取り戻すにはこれが最善の手段だと判断しました」

 

「それは無関係な魔王とのいざこざも自分達の下に招き入れるということだぞ? そのリスクは承知しているか?」

 

「承知の上です。元より奪われ尽くされたコミュニティの残り滓のようなもの。失敗すればその時点で完全に終わるくらいの危険性がないと釣り合いません」

 

十六夜に諭されて始まった事だが、それでも彼もそれで行くと決めた事だ。誰が始まりかなんて関係ない。今彼がどう思っているかが重要なのだ。

 

「そもそも、無関係な魔王と戦うという機会に()()()()ことこそ今の僕らには好都合です。例えどれ程弱い魔王であったとしても魔王は魔王。名を挙げ、魔王を隷属させ、戦力を強める……とても効率的です」

 

少年の答えに思わず白夜叉は冷や汗を一滴垂らした。もしこれを提案したのが本当に彼ならば、彼女はジン=ラッセルという男の評価を改めなければならないとさえ思う。

 

「……そこまで考えているのなら構わん、か。ではジン=ラッセル殿。東側の"階層支配者"としておんしに一つ以来をしよう。よろしいか?」

 

「は、はい。謹んでお請けします」

 

ジンの先程のある種冷淡とも言える発言からまた掛け離れた青さの残る返事に白夜叉は満足したのか、呵呵、と笑い話し出す。

 

「まず北側の"階層支配者"の一角の世代交代の話は知っておるか? 病に侵され引退したとか。丁度火龍誕生祭にその儀を執り行う……と。まぁ亜龍にしては高齢だったからのう、ここいらが潮時だったのだろう」

 

「「「龍?」」」

 

「がおーっ」

 

ジャックが両手を卵を持つようなカタチにして犬歯と爪を見せつけながら小さく唸る。残念ながら皆興味はジャックより龍という単語に向かっていたため半ば無視されたが。

 

「寄る年波には勝てん、か。歳は取りたくないのう。おんしら人間は特に老い先短い生き物であるからな……む、すまんすまん、話が逸れてしまった。此度の誕生祭はどちらかと言うと継承の儀に催しを引っ付けてよりアピールしようという魂胆だろう」

 

北側を担う"階層支配者"が一人、火龍の出現を祝う(まつりごと)。それこそが今回の火龍誕生祭だ。

 

「五桁の五四五四五外門に本拠を構えるコミュニティ━━━"サラマンドラ"というコミュニティが今回代替わりしたコミュニティなのだ」

 

"サラマンドラ"。先程ジンが言っていた以前の"ノーネーム"と交流のあったコミュニティと一致する。ジン本人も三年前の"サラマンドラ"を思いだし、照らし合わせ、納得する。

 

「成る程。確かにご頭首はかなりの高齢だったと記憶しています。でしたら後継者は誰に? やはり長女のサラ様か、次男のマンドラ様でしょうか」

 

「いや、跡を継いだのは末子のサンドラだ」

 

その名前を聞いてジンは「え?」とでも言わんばかりの顔をした。次いでまさかそんな、と思わず復唱してしまう。

 

「サ、サンドラですか!? 彼女はまだ十一だったはずでは?」

 

「あら、ジンくんも十一で"ノーネーム"のリーダーじゃない」

 

「わたしたちもじゅういちだよ!」

 

「はいはい、そりゃ仮の話だろ」

 

変なところに突っ掛かるジャックを適当にあしらう十六夜。実際、身長150前後の十一歳少女というと大きく感じられるが実はそうでもない。十六夜の時代では十一歳女児の平均身長は150cmを僅かに下回る程度だ。百二十年前の存在とはいえ、十六夜基準で言うならばあながち間違いでもない。

 

閑話休題(それはそれとして)

 

「そのサンドラが此度の誕生祭で東側の"階層支配者"の私に共同の"主催者"(ホスト)を持ち掛けて来たのだよ」

 

白夜叉の言葉を聞いたジンは今度こそ疑うような声を揚げて質問をしてきた。

 

「え……? それはおかしな話では? 北側は多種族が混生している為に治安が悪く、"階層支配者"は複数人いるはずです。それなのに同じ北側でなく東側の白夜叉様に依頼するなんて」

 

「なんのことはない。少し頭を使ってみよ少年」

 

そう言われてジンは少し顎下に右手を添える。しかし考えればすぐにでもわかることだ。彼も考えはじめてからものの数秒であっ、と声を漏らして再び白夜叉に向き直る。

 

「……サンドラが、齢十一の少女が"階層支配者"になることに反対しているんですね」

 

「その通りだ。まぁそんなような諸事情を抱えて火龍誕生祭が開かれ」

 

「ちょっと待って。その話長い?」

 

「む? まぁ軽く一時間で済ますつもりだが。なにかマズいことでもあるのか?」

 

「マズいってほどじゃないけど……悠長にしてたら黒ウサギが来る」

 

事情を知っているジンからするとその目は母にイタズラを敢行し、そのまま流れで逃げている子供のようにも見える。このまま暫く話していて貰おうかとも考えたが、白夜叉の思考回路がある程度この問題児達と似通っていることをすぐに思い出して諦めた。

 

「悪い白夜叉、早く北側に送ってくれねぇか」

 

「構わぬが、内容を聞かずに受諾しても良いものか」

 

「問題ねぇだろ。黒ウサギならさっさと来るだろうし」

 

それだけではあまり事情を飲み込むことが出来なかったが、この会話で黒ウサギに告げず、あるいは黒ウサギの耳に届く頃には既に北へ向かうためにここを目指していたのだろうとは察する。

 

となると、黒ウサギは金がないからと五人を連れ戻しに来ているということだろうか。

 

そこまで考えがつくと白夜叉は「仕方ないのう」と呟いて三度、柏手を軽く打つ。

 

「━━━ついたぞ。北側だ」

 

は? と思わず一行は首を傾げる。店内を抜けるとそこは見慣れた東側の商店街とは全く景色の異なる、青白い空の下の街が広がっていた。

 

歩くキャンドル、僅かに積もった雪、そして一行の目を引く巨大なペンダントランプ。行商人の獣人もどちらかと言うと"人間寄り"だったのに対して全体的に"獣寄り"のイメージを与えられる。衣服から透けて見える体毛は北側の元々の環境を物語っているようにも見える。

 

この季節は四季の季節感の調整によってだいたい秋に近い気候になっているのだが、今日に限っては僅かに冬寄りの気温になっているようだ。

 

「さぶいよ……」

 

「言うほど寒いか?確かに東側よりは肌寒いが」

 

ピトッと十六夜に引っ付いてくるジャックを呆れ顔で受け入れる。

 

「うん、これのした、薄いもん」

 

「……あー」

 

"ペルセウス"戦を始め、"ノーネーム"に来てからの数日を思い出す。十六夜がマントの下を見たのはメドゥーサとの交戦時が初めてだが、かなり蠱惑的な娼婦のような格好というのが第一印象だった。

 

それから度々マントの下がちらり、ちらりと見える機会も何度かあったが、間が悪い時ばかりでどの時もそれに関して十六夜は何かを言うことはなかった。

 

「……ジャック、お前その格好どうにかしたらどうだ?」

 

「……はずかしいの、わかってるもんっ」

 

「……ハァ」

 

狙っていないのだろうが、彼女のこういう懇願はどうしても彼の記憶を刺激する。

 

明朗快活にして沈着な矛盾した"活動的な子供らしさ"と"恥じらいを知り始めた子供らしさ"。この二つを兼ね備えているジャックは不思議と十六夜の記憶の中にいる僅かな心残りを喚起させるのだ。

 

箱庭に来る為の対価として置いていったものなのだから、出来る限り思い出すことはしないようにしているのだが、流星群の夜にジャックをそれらと重ねてしまった瞬間からどうにも意識してしまう。

 

「確か歳も同じくらいだったか……」

 

「なぁに?」

 

「なんでも」

 

ジャックにはそう言っておいて、彼女の背面にいる同僚二人に静かな眼光を飛ばす。

 

『ジャックの衣服、早急に見繕うべし』

 

『了解されたし。子煩悩ね』

 

『合点承知』

 

そんなアイコンタクトを交わして一行はこれからどうしようかと考える。やはり今いったようにジャックの衣服を優先しようか、とかそんなことを考えていると、何処からか、爆音が鳴ったような音が聞こえてきた。

 

「……み、見つけましたよ……! 問題児様方ぁぁぁぁぁ……!!」

 

「お、お疲れ様黒ウサギ」

 

「あ、はい労いの言葉をどうも……じゃありませんよ! 私達がどれだけ心配したと思っているのですか!? だいたいコミュニティをそんな理由で抜けるなんて不謹慎にも程があります!」

 

プンスカといつも以上に感情を露にして怒る。それほど箱庭にとってホイホイとコミュニティを抜けるという言葉を出すことが不用意で不謹慎なのだろう。

 

しかし耀はそれの反論と言わんばかりに拗ねながら返事をする。

 

「お金がないにしたってひた隠しにしようとするのはどうかと思う。私達だってバカじゃないんだから、自重はしてた……多分」

 

最後の一言がなんとも言えなくなる。だが何の相談もしなかったことに違いはない。互いに互いのダメな部分を突く行為は若干泥沼状態となっており、少しの間どちらも口を聞くことのできない空気になってしまった。

 

「……ふむ、あい解った。此度の件は両成敗にしようではないか」

 

突如、白夜叉が口を出す。二人は「は?」と言ったような表情を見せて白夜叉にどういうことかと問い詰める。

 

「このままでは決着が着かぬだろう、故にだ。ここは箱庭らしく……ギフトゲームで白黒着けようではないか」

 

「と、言いますと?」

 

「移動手段に私を頼ったと言うことはおんしらは大方一発逆転のギャンブル狙いのような感覚の金稼ぎをするつもりだろう? ならば好都合だ」

 

ほれ、と一枚の"契約書類"を取り出す。

 

「これは?」

 

「"造物主の決闘"というギフトゲームだ。被造物系ギフトの完成度を競うのだよ。展示会もあってな。そこでは単に造形や造詣の深さと言った物をゆるりと魅せる……まぁ趣味のようなものだな」

 

そっちはもう参加期限を過ぎているのだがな、と付け足す。

 

「耀よ、おんしの"生命の目録"(ゲノム・ツリー)は技術、美術共に優れておる。加えてこの"造物主の決闘"は誕生祭において最大級のゲームだ。優勝が出来なかったとしてもそれなりの成果を残せばおんしらの名もそれなりに広まるだろうよ」

 

「……確かに」

 

「それの成果で優劣を着けるのはどうだ? 優勝賞品も結構な代物だ。それをコミュニティで使うも良し、金に換えるも良し。……どうだ、一石で三鳥は得するだろう?」

 

ほれほれ、と耀の闘争心を刺激する。恐らくは白夜叉個人としても"生命の目録"の完成度や耀自身が箱庭に来て暫くの時を経てどれほど戦闘慣れしたのかを見たいという魂胆だろう。

 

「……うん、じゃあそうしよう」

 

「わかりました。そうまで言われるのなら私も乗り掛かりましょう。この勝負の勝敗の景品や基準はどうなさいますか? 私はコミュニティの名が広まるのならそれで十分なので三位かそれ以上でも」

 

「ううん、私が狙うのは一位だけ。接戦で二位になったとしても誰かに負けた勝利なんていらないから」

 

黒ウサギの言葉を直ぐ様否定した耀の顔はどこか勇ましげだった。箱庭に来た時やそれまでのギフトゲームでは見せなかった、闘争本能に飢えた眼だ。

 

どうも、飛鳥と耀は箱庭というものを甘く見ていた節があったのかもしれない。特に耀は初めてグリフォンに乗った時、夢が叶った感動に打ち震えて自分の命という無二の宝を簡単に掛け物にした。

 

ガルドの時も知り合って日が浅かったとはいえ、囮になったはいいものの飛鳥やジンと共に何かをするわけでもなく「自分は二人よりも強い」という単純な理由でロクな策を講じることもなく単独撃破を狙った。

 

"ペルセウス"戦が終わってから。貧困だ貧困だ、魔王はこんなに凄い傷跡を遺した、と実際に見て、深く理解していくにつれてそれを心底から実感した。

 

それまで全力を尽くしていなかったわけではない。だが箱庭というファンタジーに夢を見過ぎていたのもまた事実だ。

 

きっとこの尊い敗北感に気付かなかったら彼女は箱庭に来るまでと何も変わらない、自分の異常と他人の正常を見比べて自分も他人も真に理解することのない生活を送ることになっていたのは想像に難くない。

 

「相手が誰だろうと私には関係ない。そこに"ノーネーム"の目的の壁があるのなら、私は誇りと共に壁を穿つ爪となり、牙ともなる」

 

「……なるほど。では黒ウサギもそれでよいか?」

 

「構いません。私は皆様が確固たる信念を以てコミュニティの為に行動を為すのなら、私は壁にも道標にもなる所存です」

 

「呵呵! ならばこの二人のゲームの賞品は少し茶目っ気を利かせた物にでもしようか。そうさな……敗者への絶対命令件一つ分ではどうだ?」

 

その言葉を聞いて二人ともちょっとビク、となったが。二人とも後には引けないようで頷き合った。

 

◆◇◆

 

それから結構な時間が経過した、北の某所。

 

「誕生祭の状況は概ね良好だ。"千の瞳"のコミュニティがもたらした情報が原因で若干事情を知らぬ三者達の警戒は強まっているが、問題はないだろう」

 

「ありがとうランサー。なんとか向こうの目を盗めたわね」

 

「なんとかもないだろう。怪しむ輩を次から次へとそれの中へ押し込むというのは少々乱暴が過ぎると思うが」

 

「いいのよ、ネズミはティーポッドで飼うのが常識なんだから。それにここから出せばその前後は夢のように霞むのだから、見られていない限りそれに気付く者もいなくなるわ」

 

アリスとランサー。二人は何処か、賑わう街並みの中で並んで歩いていた。ランサーは特徴的な鎧を外してブレザー調の茶色い衣服をキッチリと身に纏っており、色白が過ぎる身体と相まってよく目立つ。

 

一方のアリスも普段と変わらない格好をしているため、獣人種や鬼種の多い北側ではその格好は割と目立っている。

 

端から見ると幼い少女に付き従う執事か何かにも見えないことはないが、二人の砕けた雰囲気が「それはない」と感じさせる。

 

「ステンドグラス、キャンドル、ペンダントランプ……懐かしいわ。まるであの子の記憶を追体験しているかのよう」

 

「それは懐かしいと言わないのではないのだろうか」

 

「……いいのよ。これは誰がなんと言おうと()()記憶なの」

 

そう返すとランサーは「そうか」と言ったきりその事に関しては何も返さなくなった。

 

「そう言えばヤツらの方の首尾はどうなっている?」

 

「問題ないわ。侵入も上手く行ったみたい。私達は向こうのタイミングに合わせてゲームにちょっかいをかけるだけ。そのうちに怪しまれないようにアレの居場所を突き止める、でしょう?」

 

「ああ。だがオレはマスターに可能な限り戦うなと念を押されている。お前を守れとも。この言葉の意味はわかっているな?」

 

「勿論、殿下達は私が聖杯戦争でどれだけ戦えるか、それを見たいのでしょう? キャスターだもの、運用には一塩ね」

 

キャスター。魔術師の名を冠するそのクラスは魔術を用いて戦う。

 

否、者によってはキャスターは「戦う」という行為をすることかできない可能性がある。

 

理由は至極簡単だ。魔術とひとくくりにしてもそれがなんの魔術かは"剣士"や"槍兵"といった者達より明らかに広義的なのだ。無論、偉人の中には戦闘面に向かないもので結果を遺した者だってごまんといる。

 

さて、アリスがキャスターたる所以はただ魔術を使うからではない。いや、それどころか彼女は魔術というものを一切合切扱わない。

 

ならば何故、彼女はキャスターなのか。それは彼女の境遇こそに真実がある。

 

「しおりって、どういうものか知ってる?」

 

「しおり……? 書物のページに着ける目印のような物だろう?」

 

「そうよ。しおりはまさに物語の時間を止める魔法なの。ここまでのお話は止まった時間(ページ)の中に書かれていた文に過ぎない、小さな物語だったけれど」

 

アリスは手元に何時かタイトルを名付けた大きな絵本を取りだし、随分と手前の方に挟まったしおりを抜いた。

 

「━━━な、!?」

 

「ふふ」

 

刹那、ランサーの身体に一瞬だけ違和感が生まれた。

 

しかし不快な違和感ではない。むしろ枷が外れたかのような解放感を感じる。

 

「これ、は」

 

「うふふ、ランサー。貴方の物語が動き出したのね。貴方もやっぱり、この物語に運命を左右される運命の子供達……配役者(キャスター)として予言するわ。私達の側で運命を変えるのは貴方よ」

 

「運命だと……?」

 

「そう、箱庭を、世界を変えるくらいの運命! それを運命のまま享受するか、反抗するかは貴方次第! 貴方がこの物語の主人公になるの!」

 

クルクルと身を回しながら大仰に腕を広げる。そんな動作を脇目も降らずにしていたせいか、アリスはそこを歩いていた一人の少女と衝突する。

 

「っ……無事か?」

 

しかし二人が尻餅をつく直前に二人をランサーが両腕で支える。どうやらもう一人の少女の方にも付き人はいたようで、すぐに金髪の少年が駆けつけてくる。

 

「おい大丈夫か……ったく、人込みを走るなって言っただろ」

 

「はぁい」

 

アリスより幾分か大きい少女は、しかしアリスよりもたどたどしい口調で少年に謝る。わかればいい、と言った少年は彼女の手を取ってランサーとアリスに向き直る。

 

「すまなかった。彼女を守れと命じられておきながらオレは彼女にも、そちらの少女にも危険な目に合わせてしまった」

 

「ん? いや……それを言うならこっちもだ。ガキの監督が行き届いてなかったのは俺もだからな、悪かった」

 

ランサーと少年は互いに頭を下げる。その様子がおかしかったのか、アリスはクスクスと笑い出し、少女の方は少年にべったりとひっついている。

 

「そうか……では双方監督不行き届きの痛み分けという事で引くのはどうだろうか。互いに謝罪し合っても泥沼になるだけだろう」

 

「そうだな……それじゃそういうことで。そっちの黒アリスも悪かったな」

 

「いいえ、私は構わないわ。そっちの貴女は無事かしら?」

 

「うん、だいじょうぶだよ」

 

それからランサーはもう一度頭を下げて二人と別れた。未だに笑い続けているアリスを横目に見ながら何がおかしいのかと考え続けて、答えは結局出なかったからそれ以上は考えなかった。

 

 

 

 

 

「━━━久しぶり」

 

 

 

 

 

 






キミこそが主人公だろう?(数々のマジキチ行動を幼女にさせておきながら)

それでは以下、前書きに書いてあった相談事です。











相談事、というのはサーヴァントの事です。実は一騎、オリジナルのサーヴァントを入れようかと悩んでいます。

別作品で作ったサーヴァントなのですが、もしかしたらそちらを続けるのが難しいかなぁ、となりまして。しかし(個人的に)自分が作ってきたオリジナルキャラクターの中では一、二を争う程の完成度と自負しておりそのまま埋もれるのは勿体ないんじゃないかな、と思ったことが動機です。

かと言ってこの作品はそれなりの数の方々に読まれ、評価されている作品なのでそういう方々の期待をそういったカタチで裏切ることをしたくないのもまた事実なので、勝手にやることはどうかと思ったことも相談に踏み切った理由です。

この説明だけではどうとも、という方々もいらっしゃると思うので、そういう方はお手数ですが自分のメッセージボックスにメッセージを送ってくださればサーヴァントの設定を送らせて頂きます。参考にしていただけたらと。

上から目線で物事を言ってしまいますが、この件への発言権は読者の皆様には平等にありますので、コメントやメッセージでの反応を参考に決めていきたいと思っています。

長文失礼しました。それでは次回もよろしくお願いします。

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