Fate/Problem Children 作:エステバリス
ロリコンもしくはジャックのおかあさんの皆様はこうして年納めもロリを見てでゅふふとか言うんでしょうね!
……あ、すみません石を投げないで。いやごめんなさいほんとごめんなさい!もっと投げて!
「ウッサギが死んじゃった♪わたしたちも死んじゃった♪みーんなみーんな死んじゃった♪ふんふんふんふー―――」
四人が箱庭へ辿り着いてすぐのこと、黒ウサギが「我々の……いえ、これから皆様のものともなる箱庭の中へと案内致します」と連れられて少しだろうか、唐突にジャックはなにか物騒な歌を歌い始めた。
恐らく歩きづめで暇なのだろう。自作の歌を歌って気を紛らわす姿は微笑ましいが、正直内容は周りのテンションががた落ちになるようなそれだ。
「……えっと、ジャック?」
「なぁに?あすか」
「……その物騒な歌はどうにかならないのかしら」
「だめ?」
「ダメよ」
「はぁい」
意外にもというか、なんというか。ジャックは飛鳥の言うことに素直に従った。
だが子供が暇潰しの手段を奪われればそのうち機嫌も悪くなる。やがて頬を膨らませたジャックはちょんちょん、と黒ウサギの肩を叩く。
「はい?なんでございま―――」
「えいっ」
「しぇふ!?」
黒ウサギが振り向いた方向にはジャックの人差し指が待っていた。完全に予想してなかったようで、彼女の頬は吸い込まれるように指とぶつかった。
「にゃははは!黒ウサギ、ひっかかった!」
「にゃ、突然にゃにをなさるのですかジャックさん!?黒ウサギの頬は弄ってもなんの御利益もないのデスよ!?」
「じゃあ、食べていい?」
「ダメに決まっていますでしょう!」
嘘とも本気ともつかない無垢な眼差しというのは恐ろしい。本当に冗談なのかどうかわからない。黒ウサギは暴力反対!とウサミミを抑えて猛抗議する。
そもそもそのくだりからじゃあ、と食べていいかを聞いてくることの不自然さは……子供に問い掛けても無駄だろう。気にしてはいけない。
「―――あ、そ、それより見えてきましたよ!あれが箱庭の内側、そしてあそこにいらっしゃるのが、と」
それよりも!と丁度いいタイミングで黒ウサギは外面と思われるものに背を預けている少年に向かって大きく手を振った。
「ジン坊ちゃーん!新しい方を連れてきましたよー!」
なにか考え事をしていたのか、少年ははっと顔を上げて黒ウサギを見やる。
「お帰り、黒ウサギ。そちらの女性三人が?」
「はいな。こちらの御四人様が―――」
あれ?と振り返って、硬直。
「……え、あれ。もう一人いませんでした?目付きと口悪くてこう、全身から"俺ってば問題児!"みたいなオーラバリバリの殿方が」
「おにぃさんなら、"ちょっと世界の果てを見てくるからよろしく!"って言ってたよ」
「ど、どちらに!!?」
「あっち」
指を指したのはなんたることか。スタートラインの方である。
ぽけー、と暫く意☆味☆不☆明といった感じの顔で立ち尽くしていたが、やがて血相を変えて三人に問いただしてきた。
「な、なんで止めてくれなかったのですか!」
「"止めてくれるなよ"と言われたもの」
「ならどうして黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」
「"黒ウサギには言うなよ"と言われたから」
「嘘です絶対嘘です実はめんどくさかっただけでしょう御二人さん!」
「「うん」」
ガクン、と肩を落とす。なんだこの問題児集団。しかも一人はまだあどけなさの残りすぎてる子供という始末。これをいじめといわずしてなんという。
しかしそんな黒ウサギとは対称的にジンは顔を青くしながら叫ぶ。
「た、大変です!"世界の果て"にはギフトゲームのために野放しにされてる幻獣が」
「幻獣?」
「は、はい。ギフトを持った獣のことで一度襲われたら最後、人間には太刀打ちなんてできません!」
「あら、それじゃ彼はもうゲームオーバー?嘆かわしいわね」
「チュートリアルどころかスタートする前にゲームオーバー……斬新」
「おにぃさん、痛いことされちゃうのかな?」
「冗談を言ってる場合じゃないですよ!」
必死に事の重大さを訴えても肩を竦めるだけ。黒ウサギははぁ、とため息をつきながら立ち上がる。
「仕方ありません……ジン坊ちゃん、御三人様の御案内をお任せしてもよいでしょうか」
「わかった……黒ウサギは?」
「問題児を取っ捕まえに参ります。もののついでに―――箱庭の貴族であるこの黒ウサギをバカにしたことを骨の髄どころか側頭葉まで後悔させてやりますとも」
黒ウサギの髪がみるみると緋色に染まり、脇の彫像を駆け上がって外門の柱に張り付くと、
「一刻程で戻ります!皆様は是非とも箱庭ライフをご堪能くださいませ!」
門柱に亀裂を走らせたと思うと黒ウサギは弾丸の如く飛び去る。
あまりに一瞬のことで、飛鳥は自分の髪を押さえながら呟く。
「箱庭の兎は随分と速く跳べるのね。素直に感心するわ」
「ウサギ達は箱庭の創始者の眷属。力だけでなく様々なギフトを遣わされています。彼女ならば余程のものと出くわさない限りは大丈夫だと思いますが」
「そう……それじゃあ、黒ウサギも堪能なさいと言ったわけですし、御言葉に甘えさせてもらいましょう。エスコートは貴方が?」
「あ、はい。コミュニティのリーダー、ジン=ラッセルです。齢十一の若輩ですがよろしくお願いします。三人の名前は?」
「久遠 飛鳥よ。そこで猫を抱えているのが」
「春日部 耀」
「わたしたちはジャックだよ、よろしくね。小さなマスターさん」
「え……あ……はい」
ジンが礼儀正しく自己紹介をするので飛鳥と耀は一礼。対してジャックは意味深な言葉を送った。
「さ、それじゃあ早速中に入りましょう。まずは……軽く食事でもしながらお話を聞かせてくれると嬉しいわ」
「ごはん!」
◆◇◆
外門の中には天幕があったにも関わらず光が降り注いでいた。なぜと問うと陽の光を浴びれない種族への措置なのだとか。
「それで、お勧めの店はあるかしら」
「す、すみません。段取りは黒ウサギに任せていたので。よければ御好きなお店を選んでください」
「太っ腹ね……それなら」
身近にあった"六本傷"の旗を掲げるカフェテラスに座る。注文をとるために素早く猫耳の少女が出てきた。
「いらっしゃいませー。御注文はどうしますか?」
「えーと、紅茶を二つと緑茶を一つあと軽食にコレとコレと……ジャックはなににするの?」
「にゃー」
「はんばーぐ!あとね、宝死……ほうじ茶!」
「……結構渋いのを頼むのね」
「はいはーい、ティーセット三つと御子様ランチ、それとネコマンマですね」
……ん?と飛鳥とジンが不可解そうに首を傾げるが、それ以上に耀が驚いて、信じられないように店員に問いただす。
「三毛猫の言葉、わかるの?」
「そりゃわかりますとも。私は猫族なので。お歳のわりに整った毛並みの旦那さんなので、ちょっぴりサービスさせてもらいますよー」
「にゃーにゃー。ふにゃー」
「やだもーお客さんったらお上手なんだから♪」
それでは少しお待ち下さい、と少女は店内に戻っていく。それを見届けた耀は驚いた余韻に浸りながら三毛猫に語りかける。
「……箱庭ってすごいね三毛猫。私以外にも三毛猫の言葉がわかる人がいたよ」
「ちょ、ちょっと待って。もしかして貴女、動物と会話できるの?」
「うん」
「猫以外にはなにか話せますか?」
「うーんと、イルカ……とか。ペンギンもいけたから大抵いけると思う」
「「ペンギン!?」」
驚いたように声を荒げてしまう。ジンと飛鳥、それぞれ違う思いを抱きつつ。
「で、でも全ての種と会話ができるのなら心強いギフトです。この箱庭では幻獣との言葉の壁はかなり大きな問題になってますから」
「そう……春日部さんには素敵な力があるのね。羨ましいわ」
「……久遠さんは」
「飛鳥でいいわ。よろしくね春日部さん」
「う、うん。飛鳥はどんな力を持ってるの?」
「私?私の力は……まぁ、酷いものよ。なにせ」
「おんやぁ?誰かと思えば、東側の最底辺コミュ"名無しの権兵衛"のリーダー、ジンくんじゃあありませんか。今日は御守役とは御一緒ではないのですか」
品のない、上品ぶってるのが聞いててわかる声がジンを呼んだ。振り返ると、二メートルを越す巨漢がピッチピチのタキシードに身を包んでいた。
不覚なことに……本っ当に不覚なことだが、ジンの知り合いだ。
「僕らのコミュニティは"ノーネーム"です。"フォレス・ガロ"のガルド=ガスパー」
「黙れ名無しが。聞けば新しい人材を呼んだそうじゃないか。コミュニティの誇りの旗と名を奪われてよくも未練がましいことをする―――そう思わないかい、お嬢様方」
ガルドと呼ばれた男はどすっと勢いよく、四人の空席に腰を下ろした。それを飛鳥は極めて冷静に返す。
「―――……失礼ですが、同席を求めるならばまずは氏名を名乗って一言添えることが礼儀ではないかしら」
「おっと失礼。私は箱庭上層に陣取るコミュニティ"六百六十六の獣"の傘下の」
「烏合の衆の」
「コミュニティのリーダーをしている……て待てやごらァ!!誰が烏合の衆だ小僧ォォォ!」
ジンの極めてテクニカルな横槍にガルドが怒鳴り声を入れて睨み付ける。
「口慎めや小僧ォ……紳士で通ってる俺でも聞き逃せねぇ言葉はあるんだぜ……?」
「森の守護者であった頃の貴方になら最低限の礼節は弁えていましたが、今の貴方は二一0五三八0外門付近を荒らすだけの獣にしか見えません」
「そういう貴様は過去の栄華にすがる亡霊だろうが。自分のコミュニティがどんな状況かわかってんのか」
「……ちょっとストップ」
険悪なムードに横槍を入れたのは飛鳥ではなく―――ジャック。
「んと、ジンとおじさんは仲良くないんだよね。うん、わかったよ。それでわたしたち、聞きたいことがあるの―――」
ジャックが射殺すような眼で睨む。しかしその相手はガルドではなく、
「ジン、おじさんの言うコミュニティの状況……教えてほしいな。わたしたちにもそれを聞く権利、あるよね」
ジンに―――いや、ジン達にとって決定的な一言を叩き付けた。
◆◇◆
この世界―――というか、どのような生物であろうとそこに
生物が複数、同一の地域を自らの縄張りだと主張すれば、その先にあるのはいくつかに限られてくる。
それを人類は"縄張りに値段をつける"、というカタチで解消した。
そうなれば簡単だ。最初に所有権を持ったものは他のものに"値段をつける"ことで土地を貸し、借りたものは"値段を払う"ことで解決する。
土地が自由であればこんなことにはならない。それぞれが主張し、勝手気儘に土地を貪り尽くせばその先にあるものは間違いなく―――土地の枯渇による滅び。
管理することで、否、自由を束縛することで生物は平穏を手にしていると言ってもいい。
だがそれがない、あるいは通用しないことのある世の中や状況であれば?その状況でなおかつ、力を持っていれば?
答えは一つに絞られる。
抗争だ。
つまりはジン=ラッセルや黒ウサギのコミュニティ"ノーネーム"とは、
◆◇◆
「……なるほど、ある程度の事情は把握したわ。ジンくんのコミュニティは数年前までこの辺りでもかなり名のあるコミュニティとしてあった。けど、その数年前に"魔王"と呼ばれる略奪のギフトゲームを強要するコミュニティに敗北したことでその栄華は失墜。今やコミュニティの証したる名前と旗印を失った有象無象の"ノーネーム"の一つとまで没落した、と」
「それでその状況をなんとかするためにわたしたちを呼んだんだよね。……説明もなく」
ガルドの説明を聞き終えた飛鳥とジャックは紅茶とほうじ茶を一口含んで、説明されたことをかいつまんで復唱する。
「そうですともレディ達。神仏とは古来より生意気な人間が大好物。愛しすぎた挙げ句使い物にならなくなるなどよくあることです……そも、名乗ることもできなくなったコミュニティになにができますか?商売?ギフトゲームの"主催者"?名前のないコミュニティなど信用できない。ならば参加者?ええ、それならば可能でしょう。ただし名前のないコミュニティに集まりたいと思う物好きはいらっしゃいますでしょうか」
「……そうね。普通、お断りだわ」
「更に言えばこの小僧はコミュニティの栄華にすがり付いている亡霊というだけではなく運営に関してはほぼ黒ウサギに一任している始末!リーダーとは名ばかりです」
ちらとジンを見やる。彼の顔はバレてしまったということよりも、自分の非力やコミュニティの現状を一から百まで包み隠さず暴かれた事への羞恥で満ちていた。
それを見てなにか思ったのか、ジャックはこれ以上ガルドがなにかを言う前に本題へと進めようとする。
「それでおじさんは、わたしたちになんでそんな話をしたの?」
態々聞く必要もないのに敢えて聞いてきたその問いに、ガルドはニタリと笑った。
「単刀直入に言いましょう。貴女方、よろしければ黒ウサギ共々私のコミュニティに来ませんか?」
「な、なにを言いますかガルド=ガスパー!?」
「黙れジン=ラッセル。そもそもテメェが名と旗印を新たにしていれば最低限の人材はコミュニティに残っていたろうが。それを手前の我が儘でコミュニティを追い込んでおいてどの顔で異世界から人材を呼び出した」
「っ……それ、は」
「何も知らない相手になら騙しとおせると思ったか?その結果黒ウサギと同じ苦労を押し付けるってんなら―――こっちも箱庭の住人として通さなきゃならない仁義があるぜ」
次に襲われたのは後ろめたさ。なにも知らない子達を騙し、従属させること。
だが裏を返せばそれほどまでに崖っぷちに追い込まれているのと同義。まさしく縄張り争いに脱落し、今藁にもすがる思いで呼び出した者達すらも奪われんとしている。
「……で、どうですレディ達。返事はすぐとは言いません。コミュニティに属することがなくとも箱庭で三十日の自由は約束されています。一度、自分達を呼び出したコミュニティと我々のコミュニティを視察し、充分に検討してから―――」
「結構よ。だってジンくんのコミュニティで私は間に合っているもの」
は?とジンとガルドは飛鳥を信じられないように見つめる。対して彼女は当然、といった風にティーカップを口に運ぶ。
「春日部さんは今の話、どう思う?」
「どうとも。私はこの世界に友達を作りに来ただけだから」
「あら意外。私たち、性格は正反対だけど上手くやっていけそうな気がするわ……春日部さんのお友達一号に立候補してもいいかしら」
「……うん。飛鳥は私の知ってる人とはなんとなく違う気がするから。ジャックは?」
「ん……わたしたち、ジンのこと嫌いだな」
「そう」
「でも、おじさんはもっと嫌い。だからジンのところでもいいよ」
あっけからんと、三人は"ノーネーム"を選んだ。信じられないとガルドは慌てて詰め寄る。
「し、失礼ですが理由をお聞きしても?」
「さっき言った通りよ。春日部さんは友達を作りに来たからどこでもいい。ジャックはジンくんよりも貴方が嫌いだから。私はジンくんのコミュニティで間に合っている」
「し、しかし」
「しつこい男は嫌われましてよ。それに―――私達は凡てを捨てて来いと言われたの。それなのにスタートの段階で地位と名誉があるのは、とても有り得ないわ」
「ですが―――」
「―――、
突如、ガクンという擬音が聞こえるほどの勢いでガルドの口は不自然に閉口した。
意味がわからない、と動揺が隠せない。
「私の話はまだ終わってないわ。貴方にはまだ聞き出さなきゃいけないことがあるの……そこに座って、質問に答え続けなさい」
飛鳥の言葉に逆らうことなく、しかし動揺したままにガルドはヒビが入るほどの勢いで座り込んだ。
「お、お客さん、当店で揉め事は控えて―――」
「おねえさん、あすかとおじさんの話……聞いててほしいな。話の真実をもっとわかりやすくするために」
「そうね、ありがとうジャック。……それじゃあジンくんにまず聞くわ。彼はこの地域のコミュニティとのギフトゲームに勝利して規模を広げた……それも、コミュニティの運営すら自らのものにできるほどに。果たしてそんなことがそうやすやすと出きるのかしら」
「や、やむを得ない状況ならば稀に。しかしそんなことはそうそう起こり得ません」
「そうよね。それくらいニュービーの私達でもわかるわ。さてガルドさん。どうしてそんなことを何度もできたのか……教えてくださる?」
ガルドの眼前が真っ白になるような錯覚に陥った。しかしそんな心情とは別に彼の口は無慈悲に、飛鳥にされるがままに、
「……き、強制させる方法は様々だ。一番簡単なのはコミュニティの女子供を誘拐し、脅迫。動じないコミュニティは後回しにして規模を広げ、従わざるを得ない状況に圧迫する」
「まぁ、そんなところでしょう。それで、そんな方法で配下に加えたコミュニティは易々と従うかしら」
「常に何人かは人質がいる」
「そう、ますますもって外道ね。それで……その子供達は?」
「殺した」
その場の空気が凍った。ジャックを除いて誰もかもが一瞬、耳を疑った。
しかしガルドは構わずに言葉を紡ぎ続けてしまう。
「初めて連れてきた日に泣き声が五月蝿くて殺した。自重しようとしたが、それでも父母が恋しい、愛しいと泣くから頭に来て殺した。それ以降は連れてきた日に殺すことにした。纏めて始末して、証拠が残らないように部下にそれを食わせ
「―――
ガキン、と先程以上の強制力を以て口が閉ざされた。
「……素晴らしいわ。ここまで絵に描いたような外道は初めてよ。流石は人外魔境の箱庭……といったところかしら」
飛鳥の言葉を慌てて否定したのはジンだった。
「い、いえをガルドのような者は箱庭でもそうはいません」
「そう、それは残念……それで、今の証拠を元に彼を裁くことは可能かしら」
「難しいです。勿論今彼が言ったことは違法以外の何物でもないですし、無論ギフトゲーム外での人殺しなんて以ての他ですが。それまでに逃げられればどうすることも」
「そう。なら仕方ないわね」
苛立たしげに指をならす。それが合図だったのか、ガルドは血相を変えて飛鳥に向けて怒りを放つ。
「テ、メェェェェェェェェェェェ!!!」
雄叫びと共にガルドの肉体に変化がおこる。元々ピッチピチだったタキシードは膨張する肉体に耐えきれず破裂し、体毛は黒と黄色の虎模様に変色する。
所謂、ワータイガーと呼ばれる種族だ。
「テメェ、どういうつもりか知らねぇが、俺の上に誰がいるのかわかってんのか……!箱庭第六六六外門を守る魔王が後見人だぞ!俺にケンカを売るってことの意味が
「黙りなさい。私の話はまだ終わっていないわ」
ガチン、と三度閉口するが、それだけでは終わらない。怒りのままに腕を振るい、飛鳥をその剛腕が襲う―――が、それを耀が止めた。
「ケンカはダメ」
ガルドの腕を掴み、ぐるんと回す。それだけでガルドは天地が逆転したような浮遊感を抱きながら地に伏した。
「おじさん、わるいひとだね」
それだけでは止まらず、ガルドの胸元に気配すらなく跨がったジャックがまた小さな身体からは想像もつかないほどの力で押さえ付けられ、首元に刃渡り三十センチはあろうダガーナイフを突きつけてきた。
「さてガルドさん。私は貴方の上に誰がいようが気にしません。それはきっとジンくんも同じ。だって彼の最終目標は旗を奪った"打倒魔王"ですもの」
ジンははっとなった。内心、魔王の名が出たときは恐怖に負けそうになった……が、今は違う。
「はい。僕たちの最終目標は魔王を倒し、誇りと仲間を取り戻すこと。その程度の脅しには屈しません」
「だ、そうです。つまり貴方には破滅以外ありえないわ」
「く……そぉ……!」
ジャックに押さえられたガルドは身動きすらできない。飛鳥は機嫌を取り戻してガルドの顎をナイフに触れない程度に足先で持ち上げて、悪戯っぽい笑みを以て話を切り出す。
「だけど、私はコミュニティの瓦解では満足できないわ。貴方のような外道は罪を後悔し、懺悔する余裕もなく罰せられるべきよ―――そこで皆に提案よ」
皆は顔を見合わせ、首を傾げる。飛鳥は足を地につけ、今度はその指でガルドの顎を掴み、
「私達とギフトゲームをなさい。貴方の"フォレス・ガロ"の存続と、我々"ノーネーム"の誇りを賭けて……ね」
とはいえ年納めにロリを書く作者も人の事言えませんよね!はいごめんなさい!
ちなみに皆さん推し鯖はいますか?僕は沖田さんとジャック(アサシン)です!嫁と愛娘が我がカルデアにはいるので僕的に最高です。
それではみなさん、よいお年を。Good burnished!