Fate/Problem Children   作:エステバリス

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ちょっと真面目なお話を二つ。

最初は今後の展開についてです。

この三章から話の展開や原作通りの展開だけなぞってマンネリ、というものを避ける事と個人の解釈、Fate/と原作キャラに関わりを持たせる意図から原作キャラの強化を行います。それに嫌悪感を抱く方はご注意下さい。え、元々強化とか改造とかやってただろって? なんにも言えないです。

二つ目。こちらは感想についてです。感想なんて書かねえよタコ、という方は読み流してくだされば幸いです。

作者自身前書き後書き絶対埋めたい病という謎の病に疾患している事と、後書きの爆死トークをはじめとしたネタトークが面白い(自画自賛&自虐)ためか、結構な読者様がそちらの感想だけを送り、運対されるという事態が割と起こっています。

どうやら作品そのものとは一切関係のない感想(この場合は後書きへの感想)や「」内に会話形式かそれっぽい長さのセリフを書いてしまうと運対対象に引っ掛かってしまうようです。前者は本編への感想も一緒に述べていただければ問題ないようです。

作者としても後書きに対して好意的、あるいはネタ的な反応をしていただけるととても嬉しかったりしますし、そういうものが運対されてしまうのは悲しいので、お手数ですが後書きのみの感想はお控えしていただけると幸いです。

長文を失礼しました。では、本編Fate/Problem Children、どうぞご覧ください。




くえすちょんつぅ 結果発表と、ちょっとした寄り道

 

 

そうして四人のゲームが始まった時、ジンはジャックのマスターとして二日ばかり彼女に相応しいゲームはないかと奔走した。しかし、修羅神仏蔓延る箱庭と言っても神の産物である聖杯の加護を受けているサーヴァントの参加が可となっているギフトゲームは、第七層帯では残念ながらほとんどなかった。

 

どうも、つい最近になって漸く聖杯戦争に参加する全てのサーヴァントが揃った━━━あるいは定員オーバーになったか、もしくは元々その期間になった時点で募集を打ち切るつもりだったのか━━━ようで、公に聖杯戦争の存在を知らされたらしい。そのせいか下層では"サーヴァントの参加を禁ずる"という旨のゲームが増えてきたのだ。

 

「はあ……"ノーネーム"にサーヴァントがいるっていう事実を他コミュニティに大々的に伝わったのはそれはそれでメリットだけど、やっぱりデメリットの方が多いな」

 

ジンは"六本傷"のカフェで頭を落ち着けるために少しだけ個人のお金を奮発してチョコレートケーキを頼んだ。イチゴではなくチョコレートを選ぶ辺り彼はまだ子供の味覚なのだろう。事実、彼はショートケーキのシンプルさよりもチョコレートケーキのとろける味が好きだ。

 

「お得意さん、こちら相席よろしいですか?」

 

ふと、ガルドと言い合いになった時に現場に居合わせたネコミミの店員が話し掛けてくる。

 

え、あ、はい。と返事をしそうになるが、よく見ると席はまだ僅かばかり空きがあった。

 

「あの、すみません……僕は別に構わないんですが、まだ空きがありますよね?」

 

「いえ、それが……貴方との相席をと仰っている方がいまして。多くの金貨をそのために差し出して来たので、こちらとしても無下にはできないんです」

 

「はあ……ならいいですけど」

 

申し訳ありませんね~と一言謝ってネコミミの店員は立ち去って行く。その姿を見届けたジンはいったい誰が、と思いながらケーキを食べ進める。

 

「すまない、失礼する」

 

程なくして二十代前半程の男性がジンの前に座った。

 

赤い中華風の服をスーツの上に着こなし、スクエア型の眼鏡を掛けている。心無しか疲れているような雰囲気を与える顔の皺は彼が生真面目な人間だという事の現れだろうか。

 

それきり男性は何も言わないままメニュー表に目を通し、アップルケーキを頼むとまた黙りこくってしまった。

 

「………」

 

「………」

 

困惑する少年、ジン=ラッセル。どうして自分との相席を敢えて選んだんだろうとか、そういう感じで。おかげでケーキに伸びる手も止まってしまっている。

 

そんなこんなとしていると男性の注文したアップルケーキが出てくる。男性はそれを何も言わずにモリモリ食べる。それを呆れ半分、意味不明半分で見ていると、ジンの視線に気付いた男性は食べる手を止めて━━━

 

「食べるか━━━?」

 

「……いえ、結構です」

 

そうか、と少しだけしょんぼりしながら食を再開する。

 

そんなくだらない会話がジンに話し掛ける余裕と勇気をくれた。彼は少し躊躇いながらも意を決して男性に話し掛ける。

 

「……え、えっと……僕に何か用ですか?」

 

「………」

 

男性は再び手を止めたが、彼の顔を見るだけで返事はしない。

 

参ったな、と内心思い、いよいよ何故自分との相席を求めたのか全然わからなくなる。

 

「━━━すまない。キミの目が以前見た時とは全く違っていて少し驚いた」

 

「へ?」

 

そう思っていた時、男性が初めてマトモに口を開いた。アップルケーキを食べ終えた彼はナイフとフォークを置いて口を拭うと、ギフトカードを取り出してジンの前に提示する。

 

「えっと……ロード・エルメロイⅡ世……? って、エルメロイってまさか南側の魔術師の名門の!?」

 

「三年前、前任が死んで没落した元貴族だがね。私は前ロード・エルメロイを間接的に殺した事に負い目を感じて奔走していたら目を付けられたに過ぎない。有り体に言えばこの名は奴隷の証だな」

 

「は、はあ……えっと、それでエルメロイさん」

 

「すまない、できればロード・エルメロイ、あるいはⅡ世をつけて欲しい。今言った通り特殊な経緯で得た地位だ。本来なら私程度が背負うには重すぎる名だ」

 

「は、はい。ロード・エルメロイさん……えっと、それで……なんで、僕と相席を?」

 

「ああ、そうだったな。深くは知らないがキミはサーヴァントが参加できるギフトゲームを探しているのだろう?」

 

「ええ、まあ」

 

ロード・エルメロイはスーツの内ポケットから丁寧に畳まれた羊皮紙を取り出して手渡す。なんだろうと思いながらそれを見てみると━━━

 

「え、えっと……『ロード・エルメロイⅡ世にエルメロイ家主催のギフトゲームの開催権を譲渡する』……?」

 

「うむ。この私主催のギフトゲーム、最初の挑戦者として推定五桁の魔王を打倒した"ノーネーム"に広告塔も兼ねて挑戦して貰いたい。ネームバリューは大きい方が得だろう?」

 

勿論、参加者はサーヴァントでも構わないと付け足す。それを聞いたジンは今度こそ「え?」と言わんばかりの呆けた顔をしながらロード・エルメロイに詰め寄る。

 

「ほ、本当ですか!?」

 

「本当だとも。クリア報酬には私の秘蔵の品を送ろう。本当なら何がなんでも手放したくない物だが……キミ達ならば託しても問題はない筈だと判断した」

 

「ありがとうございます! す、すぐにでもジャ……アサシンに伝えないと!」

 

失礼します! とジンは食べ残したケーキの事も忘れて立ち上がる。勿体無いな、と少しだけ思いながら彼の姿を見ていると、ジンはハッと思い出したようにロード・エルメロイに向き直った。

 

「あの、すみません!」

 

「む?」

 

「僕……貴方と前に会った事ありませんか!?」

 

「……いや、恐らく初対面の筈だが」

 

「そうですか、ごめんなさい! ありがとうございました!」

 

一目散に走り去って行くジンを尻目に、ロード・エルメロイは煙草に火を着けて一服をする。

 

はあ、と口から小さく煙を出しながら彼は思い出に耽るように呟く。

 

「……全く、三年で人は変わるモノだな。()()に引っ付いていた頃とはまるで別人だ。あの時私は十九だったが……ふっ、二十後半になってしまえばわからんものか」

 

こうして、ジャックとロード・エルメロイⅡ世のギフトゲームは取り決められた。

 

◆◇◆

 

ジャックとジンがギフトゲームを終えて帰って来て暫く。十六夜、飛鳥、耀の三人が一斉に本拠に帰って来た。

 

一同で昼食を取って落ち着いた頃、四人とジン、レティシアは会議室へと足を運ぶ。

 

「ん? 黒ウサギはどうした」

 

「黒ウサギは緒用で白夜叉様の所に。判定基準は僕らも聞いていますので、特に問題はないです」

 

そうか、と短い返答。ジンは半ば癖になっている咳払いをして発表を始める。

 

「では、手短に成果だけ。飛鳥さんは牧畜を飼育する土地に山羊を十頭。地味ではありますが、組織としては大きな成果です」

 

「当然よ」

 

髪を掻き上げて自慢気に振る舞う。山羊さえいれば乳も取れる。山羊乳が取れるということはチーズも作れる。士気の向上といった面でも大きな進歩だ。

 

「次に、耀の戦果だが……これはちょっと凄いぞ。火龍誕生祭にも参加していた"ウィル・オ・ウィスプ"が、わざわざ耀と再戦するために招待状を送りつけてきたのだ」

 

「"ウィル・オ・ウィスプ"主催のゲームに勝利した耀さんは、ジャック・オー・ランタンが製作する、炎を蓄積できる巨大キャンドルホルダーを無償発注したそうです」

 

「これを地下工房の儀式場に設置すれば、本拠と別館にある"ウィル・オ・ウィスプ"製の備品に炎を同調させる事が出来る」

 

「……へえ? それは本当に凄いな。やるじゃねえか、春日部」

 

「うん。今回は本当に頑張った」

 

掛け値無しの十六夜の称賛が耳に心地良い。現在"ノーネーム"は灯りや炊事の火に蝋や薪で確保しているが、その炎を蓄積できれば本拠は炎、熱を恒久的に扱えるようになる。

 

これは文句無しの成果だ。

 

「で、次はジャックだな……征服王イスカンダルのマント。ゼウスの権能の一部さえ宿す逸品だな。……とはいえ、これは審査基準的にはポイントは低いな。しかしまさか、祭りの日程争いにこんな物を持ってくるとは思わなかったぞ……」

 

心からの驚嘆だった。英傑と直接の縁がある品物は魔術的な関わりも十分にある。

 

「総じてド級ではあるもののゲーム概要には則さない。残念ながら予選脱落だな」

 

「ぶー」

 

「ぶーじゃない。ギフトゲームは元々そういうものだろう。参加者の不足等を不備としない」

 

レティシアがそう言うとジャックは渋々納得して引き下がった。態々自分のためにギフトゲームを持ってきてくれたジンらに文句を言うのもお門違いだ。

 

さて、残るは最後の一人、四人組の黒一点の逆廻 十六夜ただ一人だが━━━

 

「ん、ようやく俺の番か。そんじゃ成果を受け取りに行こうか」

 

「受け取るって、何処に?」

 

「"サウザンド・アイズ"にな。主要メンバー全員に聞いて欲しい話でもあるしな」

 

含みのある十六夜の笑い顔。それを一同はきょとんと思いながらも彼に付いていった。

 

◆◇◆

 

結果、彼が得た成果、『トリトニスの滝の主を隷属、下層の発展の為に水源を欲した白夜叉にこれの身柄を暫く白夜叉に預ける見返りに"ノーネーム"の外門利権書を取り戻して境界門(アストラルゲート)の利用料の八割が"ノーネーム"に収まるようにした』のだ。

 

金銭面、周囲への貢献度を高めて四人のゲームで文句無しのトップをもぎ取った十六夜はその夜、リリの髪を流していた。

 

「はふ……ありがとうございます十六夜様……」

 

「いや、いいさ。レティシアとジャックも洗ったからな。リリだけっていうのは不公平だろ」

 

気持ち良さそうな顔をしているリリと割と楽しそうに世話をしている十六夜を見ながら、先に湯船に浸かっていたレティシアは女性の姿でジャックをあやしつつ、呆れ半分で話し掛ける。

 

「全く、主殿は世話焼きだな。余程そういうのが好きと見える」

 

「あつい~……出ていい?」

 

「ダメだ。まだ百数えてないだろう?」

 

「鬼ぃ」

 

顔を真っ赤にしているジャックの肩を抑えて逃がさない。言葉通り吸血()か、と内心笑いながら十六夜はレティシアの言葉に答える。

 

「いやいや、今言った通りだ。それに前黒ウサギが水に濡れたレティシアの髪を絶賛してたからな。前から気になってたんだ」

 

「そういう事か。……で、実際目にした感想はどうだ?」

 

「期待以上。事実は小説より奇なりなんて言うが、まさしくそれだな。女の髪は濡れると変わるって聞くが、レティシアは本当に良く変わる」

 

「それはお褒めに預り光栄だ」

 

「ああ、でも気になる事ができたな。吸血鬼っていうのは流水が苦手だろ? それにお前は魔王ドラキュラなんて呼ばれてたらしいじゃねえか。もしかしてヴラド三世当人だったりするのか?」

 

意外な方向に話が飛び火したようで、レティシアは意外そうなキョトンとした顔になる。

 

ヴラド三世。通称串刺し公ドラキュラ。

 

現在小説やアニメーション等の題材として知られる吸血鬼のモデルの人物、と言えばヴラド三世を知らずともドラキュラを知らない者はいまい。

 

祖国ルーマニアにおいて護国の鬼将と呼ばれた英傑であり、そのドラキュラという言葉も元々は現地語で竜の子という意味を持っている。彼の父ヴラド二世は竜騎士(ドラクル)という異名を持ち、息子である彼もその異名で呼ばれ、また本人も竜騎士という異名は好んで使っていたとされている。

 

だが、彼が敵対していたキリスト教圏においては竜は悪魔の象徴であり、ヴラド三世は絶対悪の化身として畏怖された。

 

彼の死後、ブラム・ストーカー筆の『ドラキュラ』のモチーフに選定。作中の扱いや串刺し公と呼ばれる程好んで串刺し刑を使用し、串刺死体だらけの部屋で食事を嗜んだ等の逸話からヴラド三世は完全に吸血鬼扱い。

 

こうして偉大なる竜の騎士の名もただただ人を怯えさせる、血を飲んで悦楽に浸る怪物という意味の名へと成り果ててしまったのである。

 

「……いや、主殿。私も詳しくは知らないが、ヴラド三世は男性の筈だろう。主殿は私が男に見えるのか?」

 

「見える見える。超見える。だから今から確認しようぜ!」

 

「……む、主殿がそう言うのなら」

 

「ダ、ダメです! そういうのは、ダメです!」

 

そうしてリリが止めに来る事も計算していたのか、レティシアはヒラリと要求を躱しながら十六夜の質問に答える。

 

「まあ、完全に無関係とは言えないがね。系統樹的には無縁だよ。それに仮に私がヴラド三世だとしても女でも不思議はないだろう? ほら、此処にいい例がいる」

 

「ほえ?」

 

「ま、そうだろうな」

 

「私がドラキュラと呼ばれる由縁はヴラド公の方ではなく語源の方さ。竜の子。その異名通り我々吸血鬼は純粋種の龍から産み出された種族なのだ」

 

「へえ、龍ね。そいつは俺も前々から興味があったんだ」

 

「そうなのか?」

 

「ああ、聞いた話じゃ"系統樹の存在しない幻獣"だそうじゃねえか。幻獣は霊格が高まって系統樹に爆発的な変化が起きた種じゃねえか。ってなると矛盾してる。まるで無から生まれたみたいじゃねえか」

 

「……その通りだが?」

 

「は? え?」

 

「だから、その通りだと言っているんだ。龍は()()()()。ある日なんの前触れもなく、突然力が集まってな。後世は単一生殖か別種と交わって産まれる。その場合は亜龍、あるいは竜だが」

 

「へえ、単一生殖。そうなると龍の純血ってのは割と小さかったりするのか?」

 

「まさか。亜龍より大きかったりもするさ。一説によると世界を背負った龍なんていうのもいるしな」

 

十六夜は一瞬は? となったが、それと似た話を思い出して納得する。自分の身体も洗い流して完全に逆上せ上がったジャックの肩を湯船から上げて愉快な話が聞けたとにやける。

 

「なるほどな。そういうのは春日部にも話してやったらどうだよ」

 

「質問されたら答えるさ。耀は最近特にそういうのに熱心になっているからな。今回も深く落ち込むものだと思っていたのだが、存外前向きだった」

 

「ウチの御チビが北側でなんか言ってたらしいからな。御チビに感化されたんじゃねえか?」

 

「なるほど……なら今度は私が質問してもいいだろうか」

 

「ん?」

 

「十六夜は何故そこまでそういった伝承に詳しいんだ? 元の世界ではその分野について研究していたのか、そもそも十六夜のギフトは何故"正体不明(コード・アンノウン)"なのか……飛鳥や耀、ジャックの事も気になるが十六夜は殊更不思議だ」

 

「んや、別に? 向こうじゃやる事が無かったから暇潰しに調べただけだ」

 

「本当に? 独学でか?」

 

「ああ。━━━いや」

 

独りじゃなかった。彼の記憶には今も鮮烈に残る、三人の姿が存在し続けている。

 

その感情の機微を感じ取ったレティシアは更に一歩踏み込む。

 

「いい競争相手でもいたのか?」

 

「まさか。俺に匹敵する存在が向こうにいたらこんな性格にはならねえよ。世話焼きのババアとふらっとどっかに行ってはふらっと帰ってくる男。それに体のいい弄り相手がいただけさ」

 

そうこう風呂場で長話に耽っていた反動か、とうとうジャックは我慢が効かなくなってザバン、と立ち上がる。

 

「もう出るっ!!」

 

「ああ、おい待てって……ま、そういう事だ。この話の続きはまた今度な」

 

そうして三人はジャックを追い掛けて湯船から上がる。そして彼がいつも身に付けているヘッドホンが無くなっている事に気付くのには大した時間を用さなかった。

 

◆◇◆

 

所変わって、"サウザンド・アイズ"の一室。なんやかんやあって今日は黒ウサギも泊まり込む事になっていた。

 

「で、やっぱり黒うしゃぎ的にはいじゃよいしゃんのフリーダムっぷりには相当頭を痛めているのデスヨ」

 

梵、と書かれた日本酒のビンを片手に黒ウサギがヒック、と文句を垂れる。酒は人を正直にすると言うが、なるほどそれはウサギも例外ではないらしい。

 

「全くだ。我もヘラクレスの十戒の試練に沿って大河の地形を変えられるとは思ってもいなかったぞ」

 

完全に出来上がっていた黒ウサギとは異なり赤らめる程度ではあるが酔っ払っているトリトニスの滝の元主、白雪姫も愚痴を溢す。

 

「わかりましゅ、わかりましゅヨ白雪姫しゃま! その縦横無尽の大活躍もさる事ながら、迷惑っぷりも英雄に劣っていましぇん」

 

「私はそんな所に好意を持つのだけど。だって英雄なんてみんなキチ○イじゃない。物語の主役って皆大小差はあれどキ○ガイよ。人間のフリしたロボットや、ロボットになろうとする人間とかね。極めつけには首から下の感覚がなかろうが、どんな真っ暗闇でイモムシみたいな動きしかできなくても動こうとするヒトとかも」

 

ケラケラと笑いながら小さな一口酒をちびちび飲みながら持論を展開するのはキャスター、清少納言だ。そんなアホみたいな人物はまさしく創作だけだと断じたいところだが此処は箱庭。実にあり得そうなのがなんとも言えない。

 

「うむ、清原ちゃんのは極論だが私もそう思う。ところで黒ウサギよ、今夜はこのサイズバッチリに見えてギリギリ足りなくて北半球と太腿が露出する。そんな姉の嫌がらせっぽい弄り根性が現れる素敵な服のセンスをしていた"ペルセウス"のライダーの着ていた服を参考にした衣服を着て寝るというのはどうだろうか」

 

「嫌でしゅよ! だいたいその言い様嫌に的確でしゅし"ペルセウス"のライダーさんとその御姉妹に二次被害が及んでいるのでやめてくだしゃい!」

 

スパン! と酔って尚白夜叉に渾身のツッコミ芸を見せる黒ウサギ。これはハリセンツッコミスキルAくらいあるのではないだろうか。

 

「っと……では此処でちょっとまた面白話でもしよう。実はな、私も"ノーネーム"の新入り四人は大変興味があるのだ」

 

「ふむ? 確かにそれは黒ウサギもそうでしゅが、それがどう面白い話に繋がると?」

 

「うむ、ここ最近で少し見えてきたのは耀の方だ。彼女とは初めて会った時からなにやら私や白雪殿と近しい力の波動を感じ取っていてな。しかしあくまでほんの小さなもの。一見しては殆ど気付けない程微々たるものだったのだが」

 

「白夜叉しゃまや白雪姫しゃまと近しい力、でしゅか?」

 

白夜叉が面白話、といいつつ何処か真剣な顔つきになったのを見て清少納言が食い付き、白雪姫は全然気付かなかったようでキョトンとした顔を。黒ウサギは酔っ払いながらもその話に耳を傾ける。

 

「うむ、最近それが無性に気になってジンに聞いたのだがな、耀の元いた世界は少なくとも二十一世紀より後。太陽が氷河期に陥った時代だと予想できるのだよ」

 

「それでそれで?」

 

「あくまで私の予想だが、耀の出生は太陽と関わりがあるのではないだろうか」

 

「……へ? た、太陽でしゅか?」

 

いきなり話のスケールが大きくなって黒ウサギはつい聞き返してしまう。白夜叉もうむ、と頷いて話を続ける。

 

「ジン曰く、"THE PIEDPIPER of HAMERIN"中に黒死病に感染した耀の症状は中止期間の中盤に感染したにも関わらず最初期の感染者よりもはるかに強力な症状だったという。耀が父親に託された"生命の目録(ゲノム・ツリー)"を手にする前は原因不明の病に侵されていたのだろう? それらを照合すると、耀の出生は太陽と関わりがあるのではないかと思うのだ」

 

「え、私耀しゃんが元の世界で病に侵されていたのなんて初うしゃ耳なんデスけど」

 

「なんと! ……まあ私もそういうのは全部ジン経由でしか聞いていないからなあ。あ、考察は私だが。偶然であるならそれはそれでいいのだが」

 

しん、と黙りこくる一同。白夜叉は酔った勢いで変な事を話してしまったかと反省しながら黒ウサギに酒を注ぐ。

 

「ま、あくまでそうだったら面白そうだなーという私の勝手な妄想だ! 飲め飲め! 今日は"ノーネーム"の外門利権書奪還祝いだ! 無礼講だぞぅ!」

 

「そうでしゅよね~! いよ、白夜叉しゃま!」

 

「……いや、そんなのでいいのか? 本当に?」

 

「まあ、答えの出ない想像に花を咲かせるのもいいけれど。やるならもう少しお酒の肴になるお話が好ましいのは確かね。ほら黒ウサギ、私も白夜叉の独自改良品、うさぎごろしをあげるわ」

 

「にゃんでしゅかその意味不明な銘柄のお酒!!」

 

 






キングハサン高齢者問題は我がカルデアのみならドゥワッフダァッフアッファ~!! キングハサンモンダイハァ!!ワガカルデアノミナラズゥ!! ゼンコクノカルデアマスターミンナノモンダイジャナイデスカァ!!

ソウイウモンダイヲカイケツシタイガタメニ!! オレハネェ!!! ズットカキンシテキタンデスワァ!!

ダレガネェ! ダレニカキンシテモネェ!!オンナジヤオンナジヤオモッデェ!! セヤケドガチャリツカワラヘンカラァ! ワダジガカキンシテモジドオリ!! 塩川プロデューサー! 貴方にはわからんでしょうねえ!!

ヘイヘイボンボントシタジキュウデガチャマワシテ、ホントウニ、ダレガピックアップサレテモイッショヤダレガガチャヒイテモイッショヤ、ジャアオレガァァァァァ!!!

コノガチヤリツヲォ、フッグッフッウ……コノヨノナカブェェェェェェアアアアアアア!! アアアアアアアア……ウウウウアアア、ゴノ、ヨノ、ナガヲォ、ゥガエダイ!! ソノイッシンデェ! ヒィ、フゥ、ハァ……イッショウケンメイウッタエテ、カルデアニ、カルデアスタッフニセンシュツサレテェ! ッヘェヤットジンルイサイゴノマスターニナッタンデスゥ!!

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