Fate/Problem Children   作:エステバリス

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忘れんな。課金を信じろ。

俺の信じる課金じゃない。

お前の信じる課金でもない。

運営が設定する課金額を信じろ。



































うるせええええええええええええええええええええええええ!!!! 爆死しまくるゲームの課金なんて信じられるかァァァァァァァッッ!!!




くえすちょんふぁいぶ 断片と、今

 

 

逆廻 十六夜の(形式上の)兄貴分であるウェイバー=ベルベットはかつてこう言った。

 

『自分のいる世界にあまり望みを託さない方がいいけど、自分のいる世界をあまり悪く思う必要はないぞ』

 

旅を始めた頃に言った言葉だ。蛟劉も金糸雀も何故かわからないが、彼の言葉にしっかりと耳を傾けていて、十六夜もその言葉には実体験に基づいているものだと理解できていた。

 

が、理解が出来ても共感、あるいは共鳴する事は出来なかった。

 

なにせこれから自分はロマンを追い求めるゲームを始めるのだから、最初からそんな事を言われてもそれにそれもそうかと頷ける訳がない。

 

━━━が、今なら理解できる。自分の世界に過度な期待を寄せる事も大それた絶望をする必要もない。

 

一人親しかった人間の一生を終えるだけで何処か哀しみを覚える。だけれどそれは誰にだってある当たり前の事なのだと、彼に浪漫を教えてくれた人が身をもって教えてくれた。

 

『イザ兄、ウェイバー兄と蛟劉先生もう行っちゃうってさ。何か言う事ある?』

 

「そうか。んじゃ精々ババアの後追わねえように気を付けろとだけ言っといてくれ」

 

電話口から義弟の声がする。金糸雀が亡くなってからというもの、十六夜は高校に行く理由を無くしてふらふらと漫遊を尽くしては時々帰る、という生活を繰り返している。

 

『ん。それと黒ずくめの変な格好した弁護士が金糸雀先生の遺書をイザ兄宛に持ってきたから受け取ってくれって』

 

「……おう、そんじゃ少し寄り道してから戻るわ。それと事故の後遺症とかは大丈夫なのか?」

 

義弟は二ヶ月程前車に跳ねられた。幸いにもその時は医療にも心得があるという金糸雀と蛟劉のおかげで義弟は一命をとりとめて今は松葉杖を要するものの一人で歩く事が出来るまで回復している。

 

『それは金糸雀先生が用意してくれた血があるから大丈夫。最初はビックリしたけど特に問題ないから……今となっちゃコレが先生の形見だし。身体も動くようになって来た、心なしか事故る前より元気な気さえする』

 

「そんならいい。んじゃ切るぞ」

 

『ん。じゃあ待ってる』

 

電話を切ってふう、と空を見る。

 

黒ずんだ雲も白い雲もない、梅雨の雨上がりによく見られる五月晴れだった。

 

◆◇◆

 

"龍角を持つ鷲獅子(ドラコ・グライフ)"連盟。それが"アンダーウッド"を再建した複数コミュニティによる連盟である。

 

複数のコミュニティが集い、一つの御旗の下に協力して物事への対処に当たる。そう言えば聞こえがいいかもしれないが、実際のところは保険のような意味合いが大きい。

 

口約束よりはマシな約束、という程度でいいだろう。

 

余程分が悪くない限りは助けてくれる盟友でもいいのかもしれない。

 

「━━━では改めて。私は"龍角を持つ鷲獅子"連盟、"一本角"頭主を務めるサラ=ドルトレイク。元"サラマンドラ"の一員で、キミ達にわかりやすく言えばマンドラとサンドラの姉だ」

 

"アンダーウッド"の本陣営貴賓室。この場には主催者への挨拶に向かった"ノーネーム"と"ウィル・オ・ウィスプ"一向とアタランテの他に褐色の角を持つサラという女性と、色白の寡黙な男性がいた。

 

「では、地下都市にあった水晶は」

 

「無論私が北側から持ち込んだものだ。だか勘違いしてくれるな。私が持ち込んだのはあくまで技術の大まかなノウハウで、ほぼ独自に作ったようなもの。水晶の製造方法や水晶そのものを盗み出した訳ではない」

 

「そうですか……それならよかったです。それで、そちらの男性は」

 

ジンが男性の方に目を向ける。サラが顔の動きで挨拶をしてほしい、と言ったようで彼は頷いて閉ざした口を開く。

 

「"龍角を持つ鷲獅子"連盟"一本角"所属、サーヴァント・セイバーだ。どうか収穫祭を楽しんでいって欲しい」

 

「……サーヴァントって意外とすんなり出会うものなのね」

 

箱庭に来て数ヶ月が過ぎるが、既に二桁に迫りそうな数のサーヴァントと出会ったせいか飛鳥が半ば呆れ気味に呟く。それを聞いたジャックはヤホホ、と笑いながら話す。

 

「サーヴァントは箱庭に広く存在していますからね。それに名のあるコミュニティは三年前から始まった聖杯戦争の黎明期からその存在を箱庭側から伝えられているので保有している方が当然でしょう。むしろこの数ヶ月の間にサーヴァントを得た"ノーネーム"や"サラマンドラ"の方が珍しいくらいです」

 

「そうなの?」

 

「大概はそうだな。まあ私とセイバーの場合は三年前"サラマンドラ"を出る時に父上への意趣返しついでに彼の触媒を盗んだからなのだが」

 

「ず、随分とアグレッシブな事で……」

 

「まあその件はひとまず置いておこう。それでは両コミュニティにも代表者に自己紹介を求めたいのだが……ジャック。やはり()()は」

 

「ええ。彼女は滅多な事がない限り領地から動きませんから。此処は参謀の私が代理で御挨拶を」

 

ジャックの言葉にサラは少しだけ残念そうな表情を見せる。

 

「そうか。北側最強と謳われる参加者(プレイヤー)、是非とも招きたかったのだが」

 

「……北側最強?」

北側最強、という言葉に思わず飛鳥と耀が反応をする。

 

隣に座っていたアーシャが自慢そうにツインテールを揺らして話す。

 

「当然、私達"ウィル・オ・ウィスプ"のリーダーさ」

 

「そう、"蒼炎の悪魔"ウィラ=ザ=イグニファトゥス。生死の境界を行き来し外界の扉にも干渉できる大悪魔。しかしその実態はあまり知られず、私が北側を去った三年前に突如として頭角を見せたと聞く。……噂によると"マクスウェルの魔王"を封印したという話まであるそうではないか。もしも本当ならば六桁はおろか、五桁最強角と言っても過言ではない」

 

「ヤホホ……さぁて。どうでしたか。そもそも五桁は個人より組織力重視の世界。強力な個がいる程度では長持ちはしませんよ」

 

ジャックは笑ってはぐらかす。表情から読み取るのもカボチャ頭が邪魔くさく、詮索を諦めてジンの方に視線を移す。

 

「ジャックの言うとおり、強力な個では五桁は維持できん。その個が討たれれば容易く瓦解してしまうからな……その典型が東側の"ペルセウス"だ。そうだろう、ジン」

 

「……そうですね」

 

ジンが誤魔化そうとせずに頷くのを見てサラは思わず彼を別人のように見てしまった。コミュニティを治める長としての自覚か、それとも彼に心身の成長を促す某らがいるのか。

 

幼い頃の引っ込み思案な彼を知るサラからすればそれは驚愕であり、誇らしい変化だった。

 

「隠さないか。まあ最下層の"名無し"のコミュニティが五桁の"ペルセウス"に下剋上を果たしたのは有名な話だからな。それに、例の"黒死斑の魔王(ブラック・パーチャー)"を討ち果たしたのもお前達なのだろう?」

 

「え、と、それは」

 

「む、そこは澱むのか。サンドラに遠慮しているのか、それともサンドラの姉である私に遠慮しているのか……ともかく今の"サラマンドラ"に魔王を倒す程の力はない。強力な助っ人がいたのだろうと思っていた。故郷を離れた私に言う資格はないが言わせて欲しい。……"サラマンドラ"を、弟と妹のコミュニティを助けてくれて本当にありがとう」

 

「い、いえ……そんな」

 

サラの風格に相応した物言いは決して不快ではない。ジンにとっては色々なコミュニティの長と話す事そのものが成長に繋がる。ジンは照れながらも彼女の雰囲気に当てられていた。

 

サラは一同の顔を一瞥すると屈託のない笑みで収穫祭の感想を求める、

 

「それで、収穫祭はどうだ? 楽しんで貰えているだろうか」

 

「はい。まだ着いたばかりですけど、前夜祭にも関わらず物凄い活気と賑わいでした」

 

「それは何より。ゲームは三日目以降だが、それまでにバザーや市場も開かれる。南側の開放的な空気、少しでも楽しんでいってほしい」

 

「ええ。そのつもりよ」

 

飛鳥が笑顔で答える。

 

隣に座る耀は瞳を輝かせながらサラの頭上にある龍角を見つめている。

 

「……どうした? 私の角が気になるか?」

 

「うん。凄く立派な角だから。サンドラみたいに付け角じゃないんだね」

 

「ああ。これは自前の龍角だ」

 

「だけど、サラは"一本角"でしょ? サラのサーヴァントのセイバーはともかく、二本あるのにそれでいいの?」

 

小首を傾げて問う耀にサラは苦笑を交えて答える。

 

「我々"龍角を持つ鷲獅子"連合は確かに身体的な特徴でコミュニティを作っている。それは確かだ。だが頭につく数字は無視してかまわない事になっている。でなければ四枚羽根の種など何処にも所属できないだろう?」

 

「あ、そっか」

 

「後はコミュニティごとに役割を分けられているかな。"一本角""五爪"は戦闘、"二翼""四本足""三本の尾"は運搬。"六本傷"は農・商業を担当。これらを総じて"龍角を持つ鷲獅子(ドラコ・グライフ)"連盟というのだ」

 

「なるほど……あれ、アーチャーは戦闘じゃなくて運搬なんだ」

 

「正確には運搬の護衛だな。あとはアレだ。運ぶものが馬車等に頼らないものであれば私の仕事になる」

 

「そう」

 

鷲獅子の御旗を見つめる耀。

 

大きな一本角に二つの翼。三本の尻尾と強靭な四肢。五本の爪と、六の傷。

 

この傷は果たしてどういう意図があるのだろうかと振り向いてサラに問い質そうとしたその瞬間━━━

 

━━━此度は我が太陽なれば! 貴様の時代はもう終わったのだよ!

 

━━━おのれ夜風風情が! 必ず我は帰ってくるぞ、一の葦の日に!!

 

「っ━━━あ……?」

 

「……おい、どうした、大丈夫か?」

 

急に頭を抱え出した耀を心配したサラが彼女を覗き見る。

 

耀は暫くぼうっとしていたが、やがて自分が支えられていると知るや否や弾かれたようにサラから離れる。

 

「な、なんでもない。昨日はちょっと寝不足だったから、ふらついただけ」

 

「それはそれで大丈夫なの?」

 

「問題ない。でもジンが煩いと思うから私は一足先に宿に戻るよ」

 

「……なんか凄くイラッとする物言いですね」

 

「事実でしょ?」

 

「事実ですけど」

 

耀がニヤリと笑うとジンもニヤリと笑う。

 

「ふらついている人を一人で返すのもなんですし、送っていきますね。飛鳥さんと黒ウサギはお先に楽しんでいてください」

 

「ええ、そうさせてもらうわ」

 

「YES! ジン坊っちゃんと耀さんもお気をつけて」

 

そう言って二人は貴賓室を後にした。

 

お祭りは、始まったばかり。

 

 






今回はフラグ立てや展開調節のために短めです。書いててジンくんが誰これ状態になってますけど、ラストエンブリオ時点ではもっと誰だこの少年!? 状態だったからいいよね……?





以下いつもの茶番

アーサーカッコいい(語彙力喪失)

アーサー出なかった(憤怒)

ボブも出なかった(憤怒)

結論、FGOのガチャはクソ(今更)

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