Metal Sonic:とある夜の作戦(初投稿) 作:高機動ちくわ
施設の窓が飛び散り、見るも無残な鉄の残骸が地面に叩きつけられる。その隣にメタルソニックが飛び降りる。残骸をひょいと覗き込むメタルの背後に、最後の高機動ロボットが飛びかかる。しかしすでにボロボロ、武装は右手の折れたブレードのみ。メタルは振り向きもせず、ただ肘を相手に打ち込んだ。最後のとどめにはそれで十分であった。金属が崩れる音を聞きながら、メタルは周りを見渡す。
Dr.エッグマン『むぅ?カオスエメラルドの反応?...メタル!気をつけるんじゃ!』
メタルがとっさに振り向く、砲声が鳴り響く。
回避が間に合わない、
メタル「ーー!?」
足元の残骸を踏んづけ、メタルは引っくり返る。
刹那、メタルのとがった鼻先を拳ほどの弾丸が掠め、施設を囲う塀を粉々に砕いた。
施設の影から、巨大な兵器が姿を現した。
隊長『ーよおうロボット。俺達の施設でよくもまあ、これだけ好き勝手してくれたなぁ...』
硬い装甲に巨大なアーム、バルカン砲を両腕に備えたGUNの試作機、『オーバー・ウェイト』。カオスエメラルドを動力にした大出力ホバーで見た目にそぐわない機動性を発揮するGUNの切り札。
隊長『こいつできっちり、お返ししてやる!覚悟しやがれ‼』
大口径バルカンが一斉に火を吹く。
コンクリートの地面が粉々に吹き飛ぶ、
メタルは回避、そのまま最大速度まで加速する。
エッグマン『あんな大きなガラクタを動かすとは...メタル!カオスエメラルドは奴が持っておる!奴を倒すのじゃ!』
メタル「了解!対象ヲ破壊シ、カオスエメラルド ヲ奪取スル!」
メタルはオーバー・ウェイトの側面に周り、高速回転しながらの体当たり...ホーミングアタックを仕掛ける。
メタル「...!」
傷ひとつ付かない。
続けて2発、3発攻撃を仕掛ける。
が、効果はいまひとつのようだ。
隊長『っぉおらあっ!』
オーバー・ウェイトが突然高速旋回する。
巨大なアームがメタルにあたり
何かが砕ける、酷く不愉快な音がした。
メタルは吹き飛び、地面を転がり、塀に激突した。
エッグマン『メタル!無事か!?』
メタルの黒いバイザーが右半分、パラパラと地面に落ちる。
メタル「...右ノカメラニ異常ガ発生、エンジンニ支障ハ無イ。」
バルカンが再び、メタルに向けて放たれる
今度は正面から突っ込む
敵の弾幕を掻い潜り、懐に飛び込む。
隊長『このオーバー・ウェイトは鉄壁だ!どんな攻撃も...うぉお!?』
視界が一瞬、白に染まる。
耳を貫くような音と共に、メタルは電撃を放つ。流れた電流は、オーバー・ウェイトの両腕に内臓された弾倉で誘爆を起こす。オーバー・ウェイトの両腕が肩から外れ、地面に突き刺さる。
エッグマン『やったぞい!奴の腕を破壊しおった!これでバルカンは使えまい!』
隊長『まだまだあぁっ‼うおおおぉ‼』
腕を失ったオーバー・ウェイトはメタルに体当たりを仕掛ける。メタルはかわし、反撃するが、恐ろしく硬い装甲は少し凹むぐらで、本体に全くダメージが通らない。メタルはもう一度放電を試そうとした。
メタルのエンジンが白い煙を吐き出した。
メタル「‼」
エッグマン『んなっ!?こんな時にオーバーヒートじゃとお!?』
これ以上エンジンを酷使すると、メタルはショートを起こし、爆発してしまう。それを防ぐため、強制冷却システムが作動したのだ。冷却が終わるまで、メタルのパフォーマンスはガクンと下がる。本来のスピードを活かした戦いができないのだ。
オーバー・ウェイトが正面に迫る
なすすべもなく撥ね飛ばされ、
施設の壁に激突、壁が崩れ落ちる。
エッグマン『めっメタル!しっかりせんかみっともない!』
視界にノイズが走る。外れた首の関節を無理やりはめ直す。
メタルがふと視線を下ろすと、そこに折れたブレードがあった。メタルはそれを握りしめ、ふらりと立ち上がる。
隊長『そんなおもちゃが!このGUNの最新兵器に通じると思っているのかぁ!?』
オーバー・ウェイトがとどめの体当たりを仕掛ける。
メタルソニックもオーバー・ウェイト目掛けて駆け出し、
ホバーで浮いてる機体の、下に滑り込んだ。
隊長『なっ...なにぃ!?』
すれ違いざまに剥き出しのホバーに、思い切りブレードを突っ込む。ブレードは深々と突き刺さり、火花が飛び散った。メタルはブレードを放し、機体の下から脱出する。
爆音と共に赤い炎が機体を包み込み、動きを止める。
ハッチが勢いよく開き、操縦していた隊長がシートごと放り出される。安全装置が働いたのである。
隊長「グヘッ...うう...」
隊長は気絶してしまった。
メタルは立ちあがり、開いたハッチに駆け寄る。奥に、赤に輝くカオスエメラルドを確認すると、メタルは手早く回収した。メタルが離れると、オーバー・ウェイトは爆発と共に、バラバラになった。
ボロボロの施設に無数の鉄の残骸。赤く輝くカオスエメラルドを片手に、メタルソニックはDr.エッグマンに報告した。
メタル「任務完了。敵ヲ排除、カオスエメラルドノ奪取ニ成功シタ。コレヨリ帰投スル。」
上空待機していたステルス機がウィンチを垂らす。メタルがそれに掴まると、ステルス機はエッグマンの秘密基地目指して飛び出した。
エッグマン『やれやれ、一時はどうなるかと思ったが、さすがはワシの最高傑作。よくやってくれたわい!』
空が明るくなってきた。夜明けはもうすぐである。
ああ、物語をひとつ完結させる事ができました。練習のつもりで書いた小説ですが、多くの方にみてもらい、満足しております。やはり自分の大好きなキャラを動かせるのは楽しいですね。
新シリーズの構想がある程度整ってきたら、今度は長編新シリーズを書きにきます。
今回も拙いお話にお付き合いいただき、ありがとうございました。